02 TECHNICAL GUIDE電線管の選び方と施工の基本ルール 技術図書館へ
02
TECHNICAL GUIDE
金属管と合成樹脂管の使い分け
占積率 48% / 32%
支持点間隔と曲げ半径
現場チェックリスト
02
解説資料 / TECHNICAL GUIDE
電線管の選び方と
施工の基本ルール
金属管・合成樹脂管(PF/CD)の使い分けから
占積率・支持間隔・曲げ半径まで、実務の判断基準を1本に
種類選定
占積率
施工基準
出典:内線規程/電気設備技術基準・解釈 ほか(適用は最新版で確認)
SECTION
01
この章で答えること
管の選定は何から決まる?
使用場所・電線量・施工性の3点で決まる
このセクションで扱うこと
01
管種の使い分け
02
サイズが決まるまでの流れ
01
金属管と合成樹脂管|どちらを選ぶか
機械的強度が要るか、腐食・重量・加工性を優先するかで選び分ける
使用場所
露出/隠ぺい/埋設/屋外
求める性能
強度・耐食・耐熱
管種の決定
金属管 or 合成樹脂管
金属管(G管・C管・E管)
外傷のおそれがある露出部・重要幹線に向く
電磁的遮へい効果があり、機械的強度が高い
接地が必要(300V以下はD種、300V超はC種)
重量があり、切断・ねじ切り・曲げに手間がかかる
合成樹脂管(PF管・CD管・VE管)
軽量で加工が速く、腐食しない
PF管は自己消火性があり露出・隠ぺいにも使える
CD管は自己消火性がなくコンクリート埋設が前提
外傷・熱に弱く、露出部では保護の検討が要る
迷ったら「露出して人や物が当たるか」で切り分ける。当たる可能性があれば金属管、隠ぺい・埋設で本数が多ければ合成樹脂管が扱いやすい。
00
全体像|管サイズが決まるまでの4ステップ
電線が先、管は後。順番を逆にすると入らない・曲がらないが起きる
1
STEP 1
電線を確定
太さ × 本数
(許容電流・電圧降下から)
2
STEP 2
管種を選ぶ
使用場所と強度から
金属管/PF/CD
3
STEP 3
占積率で管径
同一太さ 48%以下
異なる太さ 32%以下
4
STEP 4
施工条件で検証
支持間隔・曲げ半径
ボックス間の屈曲数
STEP3で入っても、STEP4の曲げが多いと通線できない。屈曲が多い経路は1サイズ上げるか、プルボックスを追加する。
SECTION
02
この章で答えること
管の種類はどう呼び分ける?
呼び径の付け方が管種ごとに違うことに注意
このセクションで扱うこと
01
金属管の3種類
02
合成樹脂管の3種類
02
金属管の種類|厚鋼・薄鋼・ねじなし
呼び方(G/C/E)と、ねじの有無・使い分けを押さえる
G
厚鋼電線管
肉厚が最も厚く、屋外・埋設など過酷な場所に使う
呼びは外径基準の偶数(16・22・28…)
管端にねじを切って接続する
C
薄鋼電線管
屋内の露出・隠ぺい配管に使う標準的な管
呼びは外径基準の奇数(19・25・31…)
ねじ切り接続。G管より軽く扱いやすい
E
ねじなし電線管
ねじを切らずカップリングの止めネジで接続
呼びは薄鋼と同じ奇数系(E19・E25・E31…)
施工が速く、屋内配管で最も多用される
接続部の基本
管端は必ずブッシングで電線の被覆を保護する。ボックス接続はロックナット+ブッシング、ねじなし管はねじなしボックスコネクタを使う。
金属管工事は管相互・管とボックスを電気的に接続し、規定の接地を施す。
03
合成樹脂管の種類|PF・CD・VE
色と自己消火性で用途が分かれる。CD管の露出使用は不可と覚える
PF
可とう・自己消火性あり
露出・隠ぺい・コンクリート埋設のいずれにも使える
単層(PFS)と複層(PFD)があり、複層は耐衝撃性が高い
屈曲が自由で、天井内配管の主力
CD
可とう・自己消火性なし
原則コンクリート埋設専用(直接埋設して使用)
識別のためオレンジ色と定められている
露出・隠ぺいでの使用は認められない
VE
硬質ビニル管
硬質で直線性がよく、屋外露出や地中埋設に使う
接着接続。温度変化による伸縮への配慮が必要
外傷・低温での割れに注意
オレンジ=CD=埋設専用。天井内の露出配管にオレンジの管が使われていたら是正対象になる。
SECTION
03
この章で答えること
管の太さはどう決める?
電線の断面積の合計と、管の内断面積の比(占積率)で決める
このセクションで扱うこと
01
占積率の考え方
02
使用場所ごとの適否
04
占積率の考え方|48% と 32% の2つの上限
電線の被覆を含む断面積の合計 ÷ 管の内断面積 が上限を超えないようにする
電線1本の断面積
π d² / 4
被覆の外径 d で計算
×
本数
× n
同一管に収める全数
×
管の内断面積
÷ A
呼び径ではなく内径
占積率
≦ 48%
同一太さの場合
同一太さの絶縁電線だけを収める場合
占積率は 48% 以下。
同じ太さの電線をまとめて通す一般的な幹線・分岐で使う値。
太さの異なる電線を混在させる場合
占積率は 32% 以下。
細い電線が太い電線の隙間に落ち込み、通線抵抗が増えるため厳しくなる。
実務では管サイズ早見表を使うが、表にない組み合わせ(より線・耐熱電線・混在)では、この式に戻って確認する。
※ 数値は内線規程による。採用にあたっては最新版および特記仕様書の指定を確認すること。
04
占積率のイメージ|管の断面で見る
電線の断面積の合計が、管の内断面積のどれだけを占めるか
48% 以下
同一太さの絶縁電線だけを収める場合
32% 以下
太さの異なる電線を混在させる場合
電線1本の断面積 π d² / 4
× 収める本数 n
÷ 管の内断面積 A
= 占積率
d は被覆の外径、A は呼び径ではなく内径
細い電線が太い電線の隙間に落ち込むぶん、混在では上限が厳しくなる
実務では管サイズ早見表を使うが、表にない組み合わせ(より線・耐熱電線・混在)ではこの式に戻って確認する。
04
使用場所ごとの適否|管種の早見
○=使用できる/△=条件付き/×=使用しない。迷ったら金属管に寄せる
金属管(G・C・E)
PF管
CD管
屋内 露出
×
屋内 隠ぺい(天井内)
×
コンクリート埋設
屋外・湿気の多い場所
×
金属管の△の理由
屋外・湿気の多い場所では防湿・防食処理と水の侵入対策が前提になる。
CD管が×の理由
自己消火性がないため、コンクリート埋設以外での使用は認められない。
SECTION
04
この章で答えること
施工では何を守る?
支持間隔・曲げ半径・屈曲数。通線できるかはここで決まる
このセクションで扱うこと
01
施工の基準値
02
実務チェックリスト
05
施工の基準値|支持・曲げ・屈曲数
「入るか」ではなく「通せるか」で経路を検証する
項目
金属管
合成樹脂管
支持点の間隔
2m 以下
造営材に沿う場合
1.5m 以下
たわみに注意
曲げの内側半径
管内径の6倍以上
つぶれ・被覆傷を防ぐ
管内径の6倍以上
可とう管は無理曲げ厳禁
数値は一般的な目安。特記仕様書に指定がある場合はそちらが優先する
通線できる経路にする
ボックス間の屈曲
90°の屈曲は3箇所以下を目安とし、超える場合はプルボックスを設ける
ボックス間のこう長
長くなる場合は中間にプルボックス。呼び線は配管と同時に入れておく
管端の処理
ブッシングを必ず入れ、切断面のバリを取ってから通線する
現場で効く一手
屈曲が多い経路は、占積率に余裕があっても1サイズ上げる。通線時間と被覆の損傷リスクが大きく下がる。
配管完了時に呼び線を通しておくと、後工程の追加配線が一気に楽になる。
06
実務チェックリスト|設計から検査まで
「電線」→「管種」→「サイズ」→「経路」の順で確定し、各段階で確認する
STEP 1
設計時
電線の太さ・本数を確定してから管径を決めているか
使用場所に対して管種が適合しているか(CD管の露出使用がないか)
見落としやすい点
電線サイズ変更後の管径見直し漏れ
STEP 2
施工時
支持点間隔・曲げ半径が基準内か
管端のブッシング・バリ取りができているか
金属管の接地と電気的接続がとれているか
見落としやすい点
無理曲げによる管のつぶれ/支持の飛ばし過ぎ
STEP 3
検査・引渡し時
通線後に絶縁抵抗を測定し記録しているか
隠ぺい部の配管写真を残しているか
予備配管に呼び線が入っているか
見落としやすい点
隠ぺい前の写真の撮り忘れ
よくある誤り
管を先に決めて電線を後から増やす/異なる太さの混在なのに48%で計算する
CD管を天井内で露出使用する/ねじなし管の止めネジを締め切らずに接続不良を残す
07
まとめ|管路設計の判断順序
電線が先、管が後。最後に必ず「通せるか」で経路を見直す
1
電線を確定してから管を選ぶ
許容電流と電圧降下で電線を決め、その断面積の合計から管径を求める
太さ × 本数
2
使用場所で管種を決める
外傷のおそれがあれば金属管。CD管はコンクリート埋設専用と割り切る
金属管/PF/CD
3
占積率と経路の両方で検証
断面で入っても、屈曲が多ければ通らない。プルボックスの追加で解決する
48% / 32%・屈曲3箇所
「入るか」だけで判断せず、通線・改修まで見て1サイズの余裕をとる。これが後工程のトラブルを最も減らす。
出典:内線規程/電気設備技術基準・解釈 ほか(適用は最新版で確認)
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