09 TECHNICAL GUIDEPASの仕様選定と定格電流の求め方 技術図書館へ
09
TECHNICAL GUIDE
定格電圧 6.6×1.2/1.1=7.2kV
負荷電流と短絡電流の2通り
VT・方向性・LA内蔵の要否
図面に残す3項目
09
解説資料 / TECHNICAL GUIDE
PASの仕様選定と
定格電流の求め方
定格電圧は 7.2kV、定格電流は負荷電流と短絡電流の
2通りで計算して大きい方を採る
7.2
kV 定格電圧
1.5
安全係数
8
kA が境目
出典:HARITAの設計室「PASの仕様選定方法と定格電流の計算方法」ほか
SECTION
01
この章で答えること
PASは何をする装置か
引込点とキュービクルの間に置かれ、事故の波及を防ぐ
このセクションで扱うこと
01
役割と設置位置
02
選定する6項目
01
PASの位置|引込点とキュービクルの間
需要家側の事故を配電線側へ波及させないための装置。責任分界点にもなる
配電線
電力会社側
PAS
気中負荷開閉器+SOG
責任分界点
キュービクル
需要家の受電設備
事故の波及を止める
需要家設備の
地絡事故など
PAS
責任分界点
需要家側
PASは引込点とキュービクルの間に置かれ、事故の波及を防ぐための装置。電力会社との責任分界点にもなる。
02
選定する6項目|何を決めるのか
各項目に選定の基準があり、設置条件によって内容が変わる
項目
決め方
定格電圧・定格電流
計算で決める
7.2kV/2通りの計算の大きい方
VT内蔵の要否
電源の取り方
SOGの制御電源をどこから取るか
方向性の要否
地絡リレー
設置条件による
このほかに LA内蔵の要否、ケースの選定(一般・防水・SUS)、設置環境の確認がある
残りの3項目
LA内蔵の要否
避雷器を内蔵するかどうかを設置条件から判断する
ケースの選定
一般・防水・SUS から、設置場所の環境に応じて選ぶ
設置環境の確認
塩害・湿気・振動など、現地の条件を確認する
図面には「PAS200A LA・VT内蔵 方向性」のように、内蔵の有無まで書き切ると現場での確認が早い。
03
定格電圧|6.6kV受電でも 7.2kV
常時の系統電圧の変動を考慮し、公称電圧の1.2/1.1倍を標準値とする
公称電圧
6.6
kV
×
変動の考慮
1.2/1.1
標準値の考え方
定格電圧
7.2
kV
定格電流は2通りで計算する
①負荷電流から求める方法 ②受電点の短絡電流から求める方法
2つの結果を比べて、大きい方を採用する。
負荷電流の式
I[A]={契約電力 ÷(√3 × 6.6 × 0.9)}× 1.5
0.9:回路力率 1.5:負荷の変動率等を考慮した安全係数
契約電力が決まっていない場合は、変圧器総容量から負荷電流を算出する。最大負荷容量となり負荷電流が大きく出るため、採否は要検討。
※ 単相変圧器一次電流=容量÷6.6kV/三相変圧器一次電流=容量÷(√3×6.6kV)。各台の合計が最大負荷電流
04
受電点の短絡電流から決める
外部条件である短絡電流でも定格電流を確認し、大きい方を採る
受電点の短絡電流
定格電流
8kA 未満
200A
標準的なケース
8kA 以上 12.5kA 以下
300A
1ランク上げる
短絡容量は引込点最寄りの電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせて確認する
計算例(契約電力が未定)
単相300kVA×2台
300÷6.6=45.5A(×2台)
三相200kVA×3台
200÷(√3×6.6)=17.5A(×3台)
合計
各台の電流値を合計したものが最大負荷電流になる
負荷電流から求めた値と、短絡電流から求めた値。この2つを比べて大きい方が定格電流になる。
05
取り違えやすいところ|誤解と正しい理解
定格電圧と定格電流、どちらも「そのままの数字」ではない
取り違えやすいところ
6.6kV受電なら定格電圧も6.6kV
定格電流は負荷電流だけで決まる
短絡容量は図面から分かる
契約電力が未定なら計算できない
正しくは
系統電圧の変動を見込み、1.2/1.1倍の7.2kVとする
受電点の短絡電流からも算出し、大きいほうを採用する
電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせて確認する
変圧器総容量から負荷電流を算出できる(最大負荷側になる点に注意)
負荷電流の式に入っている 0.9(回路力率)と 1.5(安全係数)が何のための数字かを押さえておくと、条件が変わったときに判断できる。
06
まとめ|PAS選定の順序
電圧を決め、電流を2通りで計算し、内蔵仕様を確定する
1
定格電圧は 7.2kV
6.6kV受電でも、常時の系統電圧の変動を考慮して公称電圧の1.2/1.1倍を標準値とする
1.2 / 1.1 倍
2
定格電流は2通り計算して大きい方
負荷電流は I={契約電力÷(√3×6.6×0.9)}×1.5。短絡電流は8kAを境に200A/300Aで確認する
負荷電流/短絡電流
3
内蔵仕様まで図面に書く
変圧器の容量と台数、電柱番号と短絡容量、SOGの電源の取り方と設置環境を残しておく
VT・方向性・LA
図面に残す3項目:変圧器の容量と台数/引込点最寄りの電柱番号と短絡容量/SOGの電源の取り方(VT内蔵の要否)と設置環境。
出典:高圧受電設備規程(JEAC8011)/内線規程(JEAC8001)ほか(適用は最新版で確認)
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