133
TECHNICAL GUIDE
根拠は17条の2の5
令34条は常に遡及
特定なら常に現行
点検と防火管理は別
133
防災・消防 / TECHNICAL GUIDE
消防用設備の遡及適用
電気系はほぼ遡及側
建築基準法の既存不適格の発想は、消防法では通りにくい。
自火報・誘導灯・漏電火災警報器は、常に現行基準
2
段階で判定
1000
㎡以上
1/2
以上でも遡及
出典:HARITAの設計室「建築消防|消防用設備等の遡及適用|既存不適格が認められる設備・認められない設備」
SECTION
01
この章で答えること
既存だから直さなくてよいか
消防法には、原則を外す仕組みが広く用意されている
このセクションで扱うこと
01
どこを見て判定するか
02
常に遡及する設備
03
遡及の概念がない義務
02
判定は2段階
設備で決まる部分と、建物・工事で決まる部分
第1段階|設備そのもの
令第34条に掲げられた設備は、
そもそも既存不適格の保護を受けない
第2段階|建物・工事
第2項の4つの号。増改築の規模、
用途、特定防火対象物かどうか
まず特定防火対象物かどうか。特定なら設備の種類を問わず現行基準で話が終わる。
常に遡及する(令34条)
自火報・ガス漏れ・漏電火災警報器・非常警報・誘導灯
既存不適格が認められる
スプリンクラー・排煙・非常コンセント・総合操作盤
電気設備の担当範囲は、遡及する設備の割合が高い。
根拠は消防法第17条の2の5。第1項が既存不適格の原則を定め、本文のカッコ書きと施行令第34条が「常に遡及する設備」を定めている。
03
取り違えやすいところ
条番号と、範囲の違い
ありがちな理解
実際は
根拠・補足
根拠は法第17条の3
17条の2の5
が遡及の根拠
17条の3
は用途変更の特例
大規模の修繕は建築と同じ
壁
の過半だけ
柱
や屋根は当たらない
今回の増築が小規模なら可
累計
で判定する
基準時
以後の増改築を合算
既存不適格なら点検も昔の基準
現行
の規定が適用
点検
防火管理は別の条
市販の解説書の一覧表は、不活性ガス消火設備が抜けていることがある
この3つ、すぐ答えられますか
常に遡及する電気系設備
自火報・ガス漏れ・漏電火災警報器・非常警報設備・誘導灯
既存不適格が認められる側
スプリンクラー・排煙・非常コンセント・総合操作盤
増改築の規模要件
1,000㎡以上、または基準時の延べ面積の2分の1以上
特定防火対象物なら
設備の種類を問わず、常に現行基準に適合させる
「基準時」は改正後の規定が適用されない期間の始期。法令改正のたびに時計が進むわけではなく、既存不適格の状態に入った時点が基準になる。
04
相談を受けたときの順番
用途・履歴・義務
用途
まず特定か
特定防火対象物なら遡及の議論はほぼ終わり
劇場・百貨店・ホテル・病院・地下街など
非特定なら設備ごとの判定(令第34条)へ進む
履歴
累計で見る
1,000㎡・2分の1は基準時以後の累計で判定
過去の増築履歴を確認せずに判断すると外す
既存図面と確認申請の履歴を当たる
義務
遡及と別
点検と報告には既存不適格の概念が及ばない
機器点検6か月・総合点検1年
報告は特定1年・その他3年
既存不適格の適用除外を定めているのは法第17条の2の5と第17条の3の2か条だけで、どちらも対象は消防用設備等の技術上の基準の規定に限られる。
05
まとめ|遡及適用
根拠・設備・義務
1
判定は2段階
第1段階は設備そのものが令第34条に掲げられているか。第2段階は増改築の規模・用途変更・特定防火対象物かどうか
17条の2の5
2
電気系はほとんどが遡及側
自火報・ガス漏れ火災警報設備・漏電火災警報器・非常警報設備・誘導灯が並ぶ。「既存不適格だから触らなくていい」が通りにくい領域
令34条
3
遡及の概念がない義務もある
点検及び報告、防火管理、防火対象物点検、防災管理は、建物の新旧を問わずいま現在の規定がそのまま適用される
点検・防火管理
大規模の修繕・模様替えは令第34条の3で、対象は主要構造部のうち「壁」の過半だけ。建築側の判定をそのまま持ってこない。