138
TECHNICAL GUIDE
IB ≦ In ≦ Iw
限界は絶縁体側
劣化はゆっくり進む
布設条件で低減する
138
幹線・電圧降下 / TECHNICAL GUIDE
許容電流とサイズ
切れるのではなく傷む
許容電流の正体は発熱の限界。
限界を決めているのは導体ではなく、まわりの絶縁体
3
つの電流
Iw
は発熱の限界
×
低減率
出典:HARITAの設計室「【幹線設備の設計マニュアル③】幹線サイズの選定」
SECTION
01
この章で答えること
流しすぎると電線は切れるのか
切れるのではなく、熱で傷む
このセクションで扱うこと
01
3つの電流の関係
02
許容電流の正体
03
布設条件による低減
02
満たすのは不等式ひとつ
IB ≦ In ≦ Iw
IB|負荷電流
実際に流れる電流
容量から換算して出す
In|保護装置の定格
ブレーカーの定格値から
選んで決める
Iw|許容電流
発熱と放熱がつり合う点
布設条件で低減する
この順番が崩れると、ブレーカーが落ちる前にケーブルが傷む。
限界を決めているのは絶縁体
銅が溶ける前に、絶縁が劣化する
劣化はゆっくり進む
数年たって弱り、あるとき地絡する
少し超えたくらいでは、その日には何も起きない。気づきにくいから怖い。
容量がkVAなら電圧で割るだけ(三相は√3が入る)。kWで持っているときは力率で割ってkVAに直してから電流を出す。
03
取り違えやすいところ
何が限界を決めているか
ありがちな理解
実際は
根拠・補足
流しすぎると電線が切れる
傷む
熱で劣化する
絶縁体
が限界を決める
少し超えても平気
数年
後に地絡する
その日
は何も起きない
カタログ値をそのまま使える
低減
が入る
基準
条件での値だから
許容電流で確定する
仮決め
この段階では
降下
の検証が残る
放熱しにくくなると許容電流は下がる。理屈はどの条件も同じ
この3つ、すぐ答えられますか
不等式が崩れると
ブレーカーが落ちる前にケーブルが傷む
限界を決めているもの
導体ではなく、まわりの絶縁体
許容電流の正体
発熱と放熱がつり合った温度が、絶縁体の限界に達する電流
カタログ値の前提
決められた基準の条件での値。現場条件が違えば低減する
許容電流は設計で守る値であって、現場で削るところではない。症状が出るころには原因の特定が難しくなる。
04
低減が入る条件
熱が逃げにくくなるとき
温度
周囲が暑い
周囲温度が高いと熱が逃げにくい
機械室・屋上・ピットは条件が厳しい
温度補正係数を掛ける
本数
束ねる
ケーブルを束ねるととなりの熱で互いに温まる
同一管内の本数で電流減少係数が決まる
電線管の中はさらに熱がこもる
手順
まだ仮決め
容量→電流→許容電流→低減の順に進める
低減率は条件ごとに表で与えられている
この段階ではまだ仮決め
許容電流を満たしただけではサイズは確定しない。このあと電圧降下の検証を通して、両方を満たしてはじめて決まる。
05
まとめ|許容電流とサイズ
不等式・正体・低減
1
満たすのは不等式ひとつ
実際に流れる電流よりブレーカーの定格が大きく、その定格よりケーブルが耐えられる電流が大きい。崩れると守るべきものが守られない
IB ≦ In ≦ Iw
2
許容電流は発熱の限界
導体が発熱し、その熱が絶縁体・シースを通って逃げる。つり合った温度が絶縁体の限界に達する電流が許容電流
絶縁体が決める
3
カタログ値は基準条件の値
周囲温度が高ければ熱が逃げず、束ねればとなりの熱で互いに温まる。放熱しにくくなると許容電流は下がる
低減が入る
劣化はゆっくり進む。許容電流を少し超えたくらいでは、その日には何も起きない。だから設計で守る値であって、現場で削るところではない。