17
TECHNICAL GUIDE
電技解釈 第37条(省令第49条)
受電容量500kW以上の引込口
10Ω以下・14mm²以上・1m以上
PASとLAはA種で共用可
17
解説資料 / TECHNICAL GUIDE
避雷器LAの設置基準と
接地線の太さ・接地の共用
電技解釈第37条で必要になる4ケースと、
接地線14mm²以上・10Ω以下・他極から1m以上という接地仕様
500
kW以上
10
Ω以下
14
mm²以上
出典:HARITAの設計室「避雷器[LA]の設置基準と接地」ほか
SECTION
01
この章で答えること
「PAS LA内蔵」はどんなとき?
避雷器は雷などのサージ電圧を抑制し、受電設備を守る機器
このセクションで扱うこと
01
設置が必要な4ケース
02
接地の仕様と共用
01
設置が求められる場所|電技解釈 第37条
電気設備技術基準 第49条(避雷器等の施設)→ 解釈条文 第37条
①②
発変電所・配電用変圧器
発電所・変電所またはそれに準ずる場所の架空電線の引込口および引出口
※需要場所の引込口は除く
架空電線路に接続される配電用変圧器の高圧側・特別高圧側(技術基準第26条)
③
高圧受電 500kW以上
高圧架空電線路から電気を受ける需要場所
受電容量が500kW以上の引込口
需要場所で最も判断が必要になるのがここ
④
特別高圧の引込口
特別高圧架空電線路から電力を受ける
需要場所の引込口
受電電圧で判断する
原則として避雷器を設置する義務がある箇所。図面で「PAS LA内蔵」と表記されるのは、避雷器を内蔵したPAS(気中負荷開閉器)を指す。
02
設置が必須でも、すべてのケースではない
実際の設計・運用では、対象に当たらず省略できるケースもある
対象に当たらないケース
架空電線路ではなく地中電線路(ケーブル)経由の引込の場合
受電点が低圧受電であり高圧に該当しない場合
需要場所が500kW未満である場合
保護距離にも注意
避雷器から保護対象までの距離が長いと、反射波や共振現象で過電圧が再発生するおそれがある
有効な保護距離はおおむね50m以内が目安
50mを超える場合は、中継地点や機器近傍に追加の避雷器を設置するなどの対策が必要
避雷器は雷サージ電流を大地へ逃がし、受電設備への雷電圧の侵入を防ぐ。受電容量が500kW未満なら法規上の設置義務はない。
03
LAの接地極仕様|3つの数字
引込点に避雷器を設置する際は、図面に必ず記載する
架空電線路
高圧引込
PAS(LA内蔵)
引込口に設置
雷サージ
接地線 14mm²以上
接地抵抗
10Ω以下
1m以上
他の接地極
高圧受電設備規程
P68、69より
接地線サイズ
接地抵抗
離隔
他の接地極から1m以上/接地抵抗10Ω以下/接地線サイズ14mm²以上
この3点は図面に記載しておく項目。近くの接地極に適当につなぐのではなく、離隔と抵抗値をセットで押さえる。
04
接地工事の共用可否|A種・D種の使い分け
PAS・避雷器・SOG制御器で、それぞれ求められる接地工事が違う
対象
接地工事
共用の可否
PAS本体(外箱は金属製)
A種接地工事
装柱例および接地について
避雷器と共用可
別々の接地極は不要
避雷器(LA)
A種接地工事
10Ω以下・14mm²以上
PASと共用可
同一のA種接地
SOG制御器(地絡継電器)
D種接地工事
100Ω以下
条件付きで共用可
下記3条件
SOG制御器がA種と共用できる条件:PASがLA内蔵型/SOG制御器も同一柱上に設置/接地抵抗値がD種の基準(100Ω以下)を満たす
実務での注意点
図面と現地が違う
図面上でA種・D種が別記でも、実際はA種だけでよいケースがある
注意銘板を見る
LA内蔵型は扉部分に共用の可否を示す表示が貼られていることがある
改修時は現地確認
既存改修や更新工事のときは現地確認が必須
条件がそろえば、A種とD種の接地工事を1系統にまとめてよい。供給元を移設するときは特に注意する。
05
取り違えやすいところ|誤解と正しい理解
接地の扱いと、設置義務の範囲を取り違えやすい
取り違えやすいところ
高圧受電なら必ず避雷器が必要
接地は近くの接地極につないでおけばよい
PASと避雷器は別々に接地極を設ける
SOG制御器はD種なので必ず別系統
避雷器と受電設備の距離は問わない
正しくは
需要場所では受電容量500kW以上の引込口が対象。地中引込や低圧受電は対象外
他の接地極から1m以上離し、接地抵抗10Ω以下、接地線14mm²以上
どちらもA種接地工事で、同一のA種接地で共用できる
LA内蔵型・同一柱上・100Ω以下がそろえばA種との共用が認められる
有効な保護距離の目安は50m以内。超える場合は追加の避雷器などで対策する
図面上の記載と実際の接地が食い違うことがあるため、更新工事では扉の注意銘板と現地を確認する。
06
まとめ|LAの押さえ方
必要か → 仕様は → 共用できるか の順で見る
1
必要になるのは4ケース
発変電所の引込口・引出口/配電用変圧器の高圧側・特別高圧側/高圧受電500kW以上の引込口/特別高圧の引込口
電技解釈 第37条
2
接地は3つの数字で記載する
接地抵抗10Ω以下、接地線サイズ14mm²以上、他の接地極から1m以上離す(高圧受電設備規程)
10Ω・14mm²・1m
3
PASとLAはA種で共用できる
PAS本体と避雷器は同一のA種接地で共用可。SOG制御器はD種だが、LA内蔵型・同一柱上・100Ω以下なら共用が認められる
SOGは条件付き
保護距離の目安は50m以内。超える場合は中継地点や機器近傍に追加の避雷器を設置するなどの対策を検討する。
出典:電気設備技術基準の解釈 第37条/高圧受電設備規程 ほか(適用は最新版で確認)