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TECHNICAL GUIDE
JIS C 4304 / C 4306
油入は可燃性・モールドは難燃性
屋外モールドは条件付き
周囲温度40℃以下
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解説資料 / TECHNICAL GUIDE
油入変圧器とモールド変圧器
違いと選定のポイント
基本仕様は安価で設置条件の少ない油入。
スペース・安全性・メンテナンス性を重視するときにモールドを検討する
油
安価・短納期
M
メンテ不要・小型
40
℃以下(周囲温度)
出典:HARITAの設計室「油入変圧器とモールド変圧器の違いと選定方法」ほか
SECTION
01
この章で答えること
どちらを選べばいい?
単線結線図の「油入」「モールド」。一長一短があり、用途で使い分ける
このセクションで扱うこと
01
仕様の違いと長短
02
選定のポイントと設置条件
01
仕様の比較|油入とモールド
規格から使用場所まで、設計に効く項目を並べる
項目
油入変圧器
モールド変圧器
絶縁方式/冷却方式
紙・鉱油
油冷却
エポキシ樹脂
空気冷却
メンテナンス
油の劣化診断
定期交換が必要
なし
定期メンテ不要
燃焼性/消火設備
可燃性
容量により特殊消火
難燃性
容量にかかわらず大型消火器
使用場所/価格
屋内・屋外
安価(モールドに対し)
屋内・屋外(条件付き)
高価・納期が長い
規格は 油入:JIS C 4304 / モールド:JIS C 4306。小さい容量ではモールドの方が大きくなる場合がある
基本の考え方
既定は油入
安価で設置条件が少ないため、基本仕様としては油入を採用する
モールドを選ぶとき
省スペース・軽量化・メンテナンス性・安全性を重視する場合
受電方式
近年はキュービクル式がほとんどで、どちらも採用可能
価格が低いため、多くの施設で油入変圧器が選定されている。安全性・省スペース・メンテナンス性を重視する場合にモールドが選ばれる。
02
メリット・デメリット
何を取って何を諦めるかが、そのまま選定理由になる
油入変圧器
◎ 冷却効果が優れている(油による冷却)
◎ 価格が低い
◎ 納期が早い
△ 定期的な絶縁油の交換が必要
△ サイズ、重量が大きくなる
△ 油のため燃焼の可能性がある(消火設備への影響)
モールド変圧器
◎ 機器の定期的なメンテナンスが不要
◎ サイズ、重量が小さい
◎ 安全性が高い(燃焼の可能性が低い)
△ 屋外に設置する場合キュービクルに条件が出てくる(結露対策)
△ 価格が高い
△ 納期が遅い
モールドの利点は、油を使用しない分だけ省スペースで軽量化を図れること。周囲に発火性の物がある場所では油入の採用を検討する。
03
モールドを屋外(キュービクル)に置くときの3条件
屋外は結露や雨水による感電の危険が上がるため、盤側に条件がつく
キュービクル
屋外設置
モールド変圧器
① 雨水がかからない構造
暴風雨時でも吸気口・排気口から侵入した雨水が変圧器にかからないこと
② 直射日光を遮る
モールドコイルに当たらぬようガラスまたはアクリル板などでさえぎる
③ 周囲温度 40℃以下
夏期は盤内温度が上がるため、換気を十分に行い40℃以下になるよう配慮する
屋外は結露・雨水で
感電の危険が上がる
雨水
日射
温度
油入は設置場所による条件はないが、モールドの場合はキュービクル仕様に条件がつく。屋外採用時は盤の仕様書に落としておく。
04
寸法・重量の比較|三相 6kV-210V の例
設置スペースが限られている場合の目安。容量によって大小が逆転する
容量[kVA]
油入(X×Y×Z/重量)
モールド(X×Y×Z/重量)
50
550×495×760
280 kg
620×400×710
260 kg(幅は大きい)
100
820×510×1010
480 kg
735×470×820
410 kg
300
985×615×1205
1060 kg
930×585×1020
910 kg
500
1150×665×1300
1530 kg
1125×620×1190
1420 kg
三相変圧器 6kV-210V・50Hz の例(メーカーカタログより)。実際の寸法は必ず採用機種のカタログで確認する
選定のポイント
コスト
価格を考慮する場合、油入のほうが安価
設置場所
油入は条件なし。モールドはキュービクル仕様に条件あり
寸法
スペースが限られる場合はモールドが小さい。ただし小容量では逆転する
可燃性
周囲に発火性の物がある場所は油入の採用を検討する
小さい容量の場合はモールドの方が大きくなることがある。「モールドは常に小型」と決めつけず、寸法表で確認する。
05
取り違えやすいところ|誤解と正しい理解
「高い方が安心」「小型」で選ぶと、条件を見落とす
取り違えやすいところ
モールドは常に小型
モールドなら屋外設置も無条件でよい
どちらもメンテナンスは同じ
消火設備の扱いは同じ
正しくは
小さい容量では油入より大きくなる場合がある
雨水対策・直射日光の遮蔽・周囲温度40℃以下の条件がある
油入は絶縁油の劣化診断・定期交換が必要
油入は容量により特殊消火、モールドは容量にかかわらず大型消火器
一長一短があるため、価格・設置場所・寸法・可燃性の4点を並べて比べると判断しやすい。
06
まとめ|変圧器の決め方
既定は油入。条件が合えばモールドに寄せる
1
基本仕様は油入
価格が低く設置条件が少ないため、多くの施設で採用される。冷却効果にも優れる
安価・短納期
2
モールドは条件付きで強い
定期メンテ不要・省スペース・難燃性。ただし価格が高く納期が長い
メンテ不要・小型
3
屋外モールドは3条件
雨水がかからない構造/直射日光の遮蔽/換気を行い周囲温度40℃以下。キュービクル仕様に落とす
雨水・日射・40℃
設置場所とコストを考えながら選定する。周囲に発火性の物がある場所は、可燃性の観点から油入の採用可否を検討する。
出典:JIS C 4304/JIS C 4306/各メーカーカタログ ほか(適用は最新版で確認)