27
TECHNICAL GUIDE
3m以下は許容電流の制限なし
8m以下は IB×0.35 以上
長さ制限なしは IB×0.55 以上
省略するとケーブルが太くなる
27
解説資料 / TECHNICAL GUIDE
分岐幹線の過電流遮断器
省略できる3条件
分岐の長さと許容電流の割合で決まる。3m以下は制限なし、
8m以下は35%以上、長さ制限なしなら55%以上
3
m以下:制限なし
35
%(8m以下)
55
%(長さ自由)
出典:HARITAの設計室「分岐した細い幹線に施設する過電流遮断器」ほか
SECTION
01
この章で答えること
分岐にブレーカーがない?
通常は分岐する細い幹線にも過電流遮断器を設置する。省略は条件付きの例外
このセクションで扱うこと
01
省略できる3条件
02
省略した場合の代償
01
3つの条件|長さと許容電流の組み合わせ
IB=主幹の過電流遮断器の定格電流、IW=分岐幹線の許容電流
主幹
過電流遮断器 IB
① 3m以下
負荷側に幹線を接続しない
② 8m以下
IW ≧ IB × 0.35
③ 長さ制限なし
IW ≧ IB × 0.55
許容電流に制限なし
(短い分岐は自由度が高い)
主幹の35%以上のケーブルが必要
主幹の55%以上。距離が伸びるほど太くなる
3m以下
8m以下
長さ自由
いずれかを満たせば省略できる。満たしていない場合は、分岐幹線にも過電流遮断器を設ける必要がある。
02
条件ごとの整理
分岐の長さで場合分けし、許容電流の割合を確認する。この2点で判断できる
分岐幹線の長さ
必要な許容電流 IW
その他の条件
3m以下
制限なし
自由に選定できる
負荷側に幹線を
接続しないこと
8m以下
IB × 0.35 以上
主幹の35%
―
―
制限なし
IB × 0.55 以上
主幹の55%
―
―
IB=主幹の過電流遮断器の定格電流。3条件のいずれかを満たせば、分岐側の過電流遮断器を省略できる
省略の是非
メリット
分岐幹線に遮断器を設置しなくてよく、コストやスペースの節約につながる
デメリット
遮断器がない代わりに、分岐幹線のケーブルサイズを大きくする必要がある場合がある
遮断器を設ければ
分岐の負荷に応じて細いケーブルを選定できる
省略すれば必ず有利になるわけではない。ケーブルが太くなり、かえって不利になる場合がある。
03
省略する/しない|どちらが太くなるか
遮断器の有無で、分岐側のケーブルサイズの決まり方が変わる
分岐側に遮断器を設けない
主幹の遮断器 IB に合わせた太いケーブルが必要になる
8m以下なら IB×0.35 以上、長さ制限なしなら IB×0.55 以上
配線盤がシンプルになり、施工スペースを抑えられる
許容電流の制約が増える
分岐側に遮断器を設ける
分岐側の負荷電流に応じたブレーカーサイズを設置する
分岐の負荷に応じてケーブルを選定できる
細いケーブルの採用が可能になる
遮断器のコストとスペースがかかる
3m以内に配置できない場合は許容電流を55%にしなければならず、幹線が太くなる。分岐位置と幹線ルートを図面上で正確に把握する。
04
取り違えやすいところ|誤解と正しい理解
「省略できる=得」ではない。距離が効いてくる
取り違えやすいところ
分岐には必ず過電流遮断器が必要
省略すれば必ず有利になる
3m以下なら無条件で省略できる
サイズは負荷容量だけで決まる
正しくは
3つの条件のいずれかを満たせば省略できる
ケーブルサイズが太くなり、不利になる場合がある
負荷側に幹線を接続しないことが条件
分岐の距離が省略条件と許容電流係数に直結する
負荷容量だけに注目せず、「分岐の距離」が効いてくるという視点を持つと判断がぶれない。
05
まとめ|分岐幹線の決め方
距離を測る → 割合を確認する → 省略の是非を判断する
1
3m以下は制限なし
遮断器の設置も許容電流の制限も不要。ただし負荷側に幹線を接続しないことが条件
負荷側に幹線なし
2
8m以下は35%以上
分岐幹線の許容電流が主幹遮断器の定格電流の35%以上あれば省略できる
IB × 0.35
3
長さ制限なしは55%以上
どれだけ長くても、主幹遮断器定格の55%以上の許容電流があれば省略できる
IB × 0.55
省略の代わりにケーブルが太くなる面もある。コストと安全性のバランスで決める。設計時は分岐位置と幹線ルートを図面上で正確に把握する。
出典:内線規程 ほか(適用は最新版で確認)