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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
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仕様の設計|レースウェイの耐震支持方法について詳しく解説

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見習いペン太
見習いペン太
レースウェイって、ケーブルラックとどう違うの?見た目は似てるけど…

はりた
はりた
レースウェイは基本的に金属製で、線ぴ(線を収めるカバー)って呼ばれることもあるんだよ。設備内で電線を保護するために使われるんだ。

見習いペン太
見習いペン太
へえ〜!それも耐震対策が必要なんだね?

はりた
はりた
そうなんだ。特に天井下や高所に設置された場合は、落下のリスクがあるからしっかり支持しておく必要があるよ!

レースウェイの耐震支持とは?―設置例と注意点を図解で解説!

地震対策として注目される電気設備の耐震支持。今回は「レースウェイ(金属線ぴ)」の耐震支持について、どのような場合に必要なのか、具体的な施工例や注意点をわかりやすく紹介します。


✅ レースウェイは基本的に「耐震支持不要」?

見習いペン太
見習いペン太
レースウェイって金属製なんだよね?それでも耐震支持しなくていい場合があるの?

はりた
はりた
実はあるんだよ。「建築センター指針」では、周長が80cm以下の細い配線ルートについては、耐震支持の対象外になってるんだ。

見習いペン太
見習いペン太
じゃあ、小さいやつは全部スルーでいいってこと?

はりた
はりた
いや、それが注意点なんだよ。設計図書に「耐震支持を行うこと」って書かれてたら、たとえ周長80cm以下でも基本的に支持が必要なんだ。

はりた
はりた
周長っていうのは、レースウェイや配管の“ぐるっと外周”の長さのことだからね!

 

レースウェイは金属製の細い配線ルートで、周長が80cm以下のものについては、「建築センター指針」において耐震支持の適用除外とされています

ただし──
📌 設計図書で「耐震支持を行うこと」と明記されている場合は、基本として施工が必要です。

「周長が80cm以下」とは、電気設備において配線や配管などの外周の長さが80cmを超えないものを指します。

🔎 周長とは?

周長(しゅうちょう)は、「物体の外枠をぐるっと一周したときの長さ」のことです。
たとえば、以下のように計算されます:

【例1】丸い金属管(円形断面)

  • 直径が約25.5cmの場合

  • 周長 = 直径 × π(約3.14)

  • 周長 ≒ 25.5cm × 3.14 ≒ 80cm

【例2】長方形のダクト

  • 幅30cm × 高さ10cm の場合

  • 周長 = (30 + 10) × 2 = 80cm


✅ なぜ「周長80cm以下」が基準なのか?

見習いペン太
見習いペン太
でもさ、なんで細いレースウェイとかは耐震支持しなくていいの?落ちる危険とかあるんじゃない?

はりた
はりた
いい質問!実は「建築センター指針」で、ある条件を満たすものは“耐震支持の適用除外”って決められてるんだ。

はりた
はりた
構造的に軽くて、地震で落ちても大きな被害になりにくいって判断されてるからね。

見習いペン太
見習いペン太
なるほど〜。じゃあ何が対象外になるの?

はりた
はりた
例えば、φ82mm以下の単独管とか、外周80cm以下のレースウェイ・ダクトなんかがそれに当たるよ。これらは原則として耐震支持しなくてもOKってわけ!

 

これは建築センター指針などで耐震支持の適用除外基準として定められており、「構造的に軽量で、地震時に落下や損傷のリスクが比較的少ない」とされているためです。
そのため、φ82mm以下の単独管や、外周80cm以下のダクト・レースウェイなどは原則として耐震支持が不要とされます。


🛠 レースウェイの耐震支持例【図解】

以下の図は、「建築センター指針」第3.1.9図に基づいた施工例です。

📷 図(a):側面から見たレースウェイの固定例(イメージ)

壁などの構造物に固定します

📷 図(b):断面から見たレースウェイの固定例(イメージ)

吊り金物に対し振れ止めで固定します


🔧 設計・施工時のポイントまとめ

  • 支持間隔は12m以内とし、現場の状況に合わせて配置します。

  • ブレース材(筋かい)を必ず設置。固定は「ボルト固定式」または「ワイヤー式」どちらでも可。

  • ✅ ブレース材には常にテンションがかからないようにする。

  • 横方向と軸方向(配線の方向)の両方の揺れに対応するように設計する。


💡 まとめ

項目 内容
基本的な扱い 周長80cm以下 → 耐震支持は「原則不要」
例外 設計図に「耐震支持あり」と明記されている場合は必要
支持間隔の目安 12m以内
使用する部材 ブレース材(ボルト式またはワイヤー式)、振れ止め、吊金物など
注意点 常時テンションをかけず、横揺れ・縦揺れ両方に対応する構成とすること
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