図面に「ローリーアース」と書かれているけれど、これは何のための接地なのか——。給油所やタンクローリーが出入りする施設の設計で、一度はつまずきやすいポイントです。

接地線のサイズや設置基準には根拠があり、押さえずに進めると後で手戻りになりがちです。この記事では、ローリーアースの役割から、設置の根拠となる法令、実務で必要になる接地工事の種類と接地線サイズまでを整理します。

 

静電気を除去しよう

 

今回の疑問

ローリーアースの設置基準と

接地線のサイズについて知りたい!

⚡ 先に結論だけ言うと

 

ローリーアースの設置には次のポイントを抑えておこう!

  1. ローリーアース盤の設置(ローリータンクとの接続用)
  2. 接地工事D種接地
  3. 接地線サイズ 5.5mm2以上

一枚で簡潔に。

ローリーアースのしくみ(タンクローリーの静電気除去の流れと接地経路の概念図)
▲ 静電気除去の流れと接地経路の全体像

 

 

ローリーアース 接地 選定方法

見習いペン太君
見習いペン太君
図面にローリーアースって書いてるけどローリーアースっていったい何なんだい?

はりた
はりた
それは接地の一種で移動式タンク車を接地する際に施設側に用意しておくものだよ

見習いペン太君
見習いペン太君
接地線のサイズや設置基準はあるのかい?

はりた
はりた
それじゃ、仕様用途や接地基準について解説しよう!

 



この記事に書かれていること

この記事でわかること・お勧めの方

ローリーアースの接地線サイズの根拠について調べている方

ローリーアースの接地の種類について調べている方

ローリーアース設備に必要なものについて調べている方

ローリーアースとは?

給油所などの引火性液体を注入する場所には接地端子を設け、タンクローリーに接地線を接続することにより、静電気による引火を防止する必要があります。このアースリールを電気的に接続するために、移動先となるガソリンスタンドなどにローリーアースが必要となります

設置基準については?

消防法の「第3章 危険物(危険物の貯蔵及び取り扱いの制限等)第10条4項に記載されています

必要な接地の種類は?

それぞれのD種接地又は第3種接地の技術基準を参考とし、概ね以下のとおりとする。

導線は、直径1.6mm程度の軟銅製のものを用いること。



ローリーアースとは。【Lorry earth】

 

ローリーアースってなに?

 

ローリーという言葉の意味はトラックとほぼ同じであり日本の法令(消防法)では、危険物を輸送するタンクローリーを「移動タンク貯蔵所」を指します。

タンクローリー無料アイコンタンクローリーからドラム缶などの引火性液体(ガソリン、灯油など)を注入する際、静電気により引火してしまう危険性があります。

油

それを防ぐため、給油所などの引火性液体を注入する場所には接地端子を設け、タンクローリーに接地線を接続することにより、静電気による引火を防止する必要があります。タンクトレーラーのカタログにもアースリール収納記載のある通り、タンクローリーには、車両の静電気除去対策としてアースリールが取り付けられています。

フィルムリール

このアースリールを電気的に接続するために、移動先となるガソリンスタンドなどにローリーアースが必要となります。身近にもガソリンスタンドで給油を行う際、「静電気除去シートにタッチしてください」などのアナウンスを耳にしたことはないでしょうか。これも給油の際の静電気による引火を防止する役割を持っています。

燃料補給無料アイコン

 

 



設置基準について

 

設置基準について

 

設置基準としては、まず消防法の「第3章 危険物(危険物の貯蔵及び取り扱いの制限等)第10条4項」に、「製造所、貯蔵及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、政令でこれを定める」とあり、その政令である「危険物の規制に関する政令」の第9条の18項に

「危険物を取り扱うにあたって静電気が発生する恐れのある設備には、当該設備に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設けること。」

と記載されており上記文章を満たすための対策として、ローリーアースの設置が必要となります。

 

 



仕様の選定方法について

危険物の規制に関する政令

 

「危険物の規制に関する政令」の第9条の18項には、「静電気を有効に除去する装置を設けること。」とのみ記載されており、接地抵抗値、接地線の太さなどの規定は特にありません。しかし移動タンクの技術指針には下記のように記載されています。

 

第31条の6第1項第3号より

 

第31条の6第1項第3号 静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物をタンクに入れ、又はタンクから出すときは、当該タンクを有効に接地すること。少危指導基準により、次のとおり運用している。

毒(1) 静電気による災害が発生するおそれのある液体 危政令第27条第6項第4号ハ又はホを準用し、ガソリン、ベンゼン等の第1石油類のほか第2石油類及び特殊引火物をいう

開いた本

(2) 有効に接地良導体の導線をビニール等の絶縁材料で被覆し先端にクリップ等を備えたもの (以下「アース線」という。)において、受入れタンク側の接地電極等に緊結する こと。 また、危険物から発生する静電気のアース線については、電気事業法及び内線規程等にその規定がなく、

それぞれのD種接地又は第3種接地の技術基準を参考とし、概ね以下のとおりとする。

ア 導線は、直径1.6mm程度の軟銅製のものを用いること。

イ ア以外にあっては、引張り強さ0.39KN(キロニュートン)以上の金属線とすること。 ウ アース線の長さは、注入ホースの長さ程度のものとすること。 エ 受入れタンク側の接地電極等は、直径10mm程度の鉄棒又は銅棒を地盤面下 0.9m打ち込んだもののほか、水道管及びタンク脚(地中に埋設されているもの)等で代替ができるものであること。

なお、技術指針が示す「直径1.6mm程度(断面積約2mm²相当)」は、あくまで法令上の最低基準です。実務では、接地線の機械的強度や施工時の取り回し、D種接地工事の一般的な慣行をふまえ、より太い5.5mm²以上を採用するのが一般的です。

と記載されており、条件を満たすものとしては、下記項目にて満足しているものと考えられます。

 



ローリーアース設備に必要なもの

 



ペン君
ペン君
結局ローリーアースに必要なものは何なんだい?
はりた
はりた
施設にタンク車などが来る場合、下記内容にて施設するようにしよう!
ローリーアース設備に必要なもの

 

ローリーアース盤の設置 ローリータンクとの接続用
開いた本 接地工事 D種接地
接地線サイズ 5.5mm2以上

 

項目 仕様
接地工事の種類 D種接地
接地線サイズ 5.5mm²以上
接地極 直径10mm程度の鉄棒・銅棒を地盤面下約0.9mに打ち込み(水道管・タンク脚で代替可)
付帯設備 ローリーアース盤(給油口側に端子がない場合に設置)
ローリーアース 仕様早見表
結論:ローリーアースとは

 

つまり、ローリーアースとはガソリンなどを輸送するローリータンク車の静電気除去対策として用いる接地工事のことを指しています。

 

 



ペン君
ペン君
給油口などにも設置されているのがローリーアースになるんだな!
はりた
はりた
給油口側に端子がある場合は接地工事のみ施せば大丈夫だね!端子がない場合はローリーアース盤を取り付けるようにしておこう!
ローリーアースの設置仕様 早見表(接地工事の種類・接地線サイズ・接地極・根拠法令)
▲ 設置仕様の早見表

よくある質問(FAQ)

Q. ローリーアースの接地工事の種類は?

A. D種接地です。タンクローリーの静電気除去を目的とした接地のため、D種接地として施設するのが一般的です。

Q. 接地線のサイズはどれくらい必要?

A. 5.5mm²以上を目安とします。施設の条件により太くする場合もありますが、まずはこのサイズが基本になります。

Q. なぜローリーアースの接地が必要なの?

A. タンクローリーから引火性液体を注入する際、静電気による引火の危険があるためです。消防法に基づく「危険物の規制に関する政令」第9条18項で、静電気を有効に除去する設備の設置が求められています。

Q. 接地極は何を使えばよい?

A. 直径10mm程度の鉄棒または銅棒を地盤面下約0.9m打ち込んだものが目安です。水道管や地中に埋設されたタンク脚などで代替できる場合もあります。

まとめ

ローリーアースの設置基準と接地線サイズの選定方法

 

  • ローリーアースとは

ガソリンスタンド等に燃料を運ぶ際の運搬車両としてローリータンクが利用されますが、このローリータンクの接地を取る目的として敷設するのがローリーアースとなります。

  • 設置基準

「危険物の規制に関する政令」の第9条の18項には、「静電気を有効に除去する装置を設けること。」とのみ記載されており、接地抵抗値、接地線の太さなどの規定は特にありません。しかし移動タンクの技術指針には下記のように記載されています。

それぞれのD種接地又は第3種接地の技術基準を参考とし、概ね以下のとおりとする。
ア 導線は、直径1.6mm程度の軟銅製のものを用いること。

  • ローリータンクの駐車に必要なもの

ローリーアース盤の設置(ローリータンクとの接続用)
接地工事D種接地
接地線サイズ 5.5mm2以上

  • 注意点

タンクローリー以外にも静電気の影響により引火や製品に影響を及ぼすおそれのあるものに対する対策として接地工事が必要な場合があるので、機器の仕様書に接地工事の有無の記載がないか確認を行いましょう。

 

🔗 あわせて読みたい関連記事