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内線規程の解釈と解説【073】|低圧進相コンデンサ

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

低圧進相用コンデンサを安全に施設するための規格・施設方法・放電装置のルールについて解説する。

低圧進相用コンデンサとは?

低圧進相用コンデンサとは、電力系統の力率改善や電圧調整などに使用されるコンデンサです。

低圧進相用コンデンサの規格

  1. JIS規格への適合

    • 定格電圧が600V以下の低圧進相用コンデンサは、JIS C 4901 (2013) 「低圧進相用コンデンサ」の性能に適合するものを使用する必要があります。
  2. JISマークの表示

    • 定格電圧が600V以下の低圧進相用コンデンサは、JISの表示が付されているものを使用する必要があります。
  3. 蒸着電極コンデンサの注意点

    • 蒸着電極コンデンサは、銘板又はケースに記号「SH」で表示されています。
    • 低圧進相用コンデンサの多くはこの型式であり、「保安装置」又は「保安機構」が内蔵されている旨表示されています。
    • 旧型式のものは、保安装置等が内蔵されていないものがあるので、これらは再使用しないようにしましょう。

低圧進相用コンデンサの施設方法

  • 低圧進相用コンデンサは、個々の負荷に取り付けることを推奨します。
    • (低圧の電動機、電圧装置などで低力率のものは、力率改善のため進相用コンデンサを取り付けることを推奨します。)
    • (高調波の発生する制御装置の出力側に接続する負荷には、進相用コンデンサを取り付けないようにしましょう。)

放電装置

  1. 放電装置の設置

    • 低圧進相用コンデンサの回路には、放電コイル、放電抵抗その他開路後の残留電荷を放電させる装置を設ける必要があります。
    • ただし、以下のいずれかに該当する場合は、この限りではありません。
      • ① コンデンサが手元開閉器よりも負荷側に直接接続され、かつ、負荷機器の内部に開閉器類を備えていない場合(コンデンサに対しては、専用の開閉器、過電流遮断器又は断路器を設置しないこと。)
      • ② コンデンサが変圧器の二次側に開閉器又は過電流遮断器の類を経由しないで直接接続されている場合
  2. 放電装置の能力

    • 低圧進相用コンデンサの放電装置は、コンデンサ回路に直接接続しておくか、又はコンデンサ回路を開いた場合、自動的に接続するように施設し、開路後3分間以内にコンデンサの残留電荷を75V以下に低下させる能力のあるものである必要があります。

個々の負荷に取り付ける場合の施設ルール

  1. コンデンサ容量

    • コンデンサの容量は、負荷の無効分より大きくしないようにしましょう。
    • (低圧進相用コンデンサ取付容量基準については、資料3-3-3を参照してください。)
  2. コンデンサの取り付け位置

    • コンデンサは、手元開閉器又はこれに相当するものよりも負荷側に取り付けましょう。
  3. 分岐電路

    • 本線から分岐し、コンデンサに至る電路には、開閉器などを施設しないようにしましょう。
  4. 電線の太さ

    • 上記3の電線の太さは、3335-1表及び3335-2表に示す最小太さとしましょう。
    • ただし、長さが3m以下の場合は、3335-3表に示す値によることができます。
  5. 放電抵抗器付コンデンサの使用

    • 低圧進相用コンデンサには、放電抵抗器付コンデンサを使用することを推奨します。

電動機負荷の場合の電線太さ

本線から分岐してコンデンサに至る電線の最小太さは、以下の表を目安に選定します。

電動機の定格出力 (kW) 単相2線式 (100V) 単相2線式 (200V) 三相3線式 (200V)
2.2以下 8mm² 2.0mm 1.6mm
3.7 14mm² 5.5mm² 2.0mm
7.5 38mm² 14mm 5.5mm²
15 14mm
37 22mm
37超過 38mm

直列リアクトル

  • 低圧進相用コンデンサを各負荷に共用して取り付ける場合は、直列リアクトルを施設する必要があります。
    • (直列リアクトルの選定にあたっては、JIS C 4901 (2013) 「低圧進相用コンデンサ」、「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」及びJEAG 9702 (2013) 「高調波抑制対策技術指針」を参照してください。)

取付け場所

  1. 屋内施設

    • 低圧進相用コンデンサを屋内に施設する場合は、湿気の多い場所、水気のある場所、周囲温度が40℃を超える場所などを避け、堅固に取り付けましょう。
  2. 屋外施設

    • 低圧進相用コンデンサを屋外に施設する場合は、屋外形コンデンサを使用しましょう。
    • ただし、防水構造の箱に収め、以下の要件を満たす場合は、屋内形のものを使用できます。
      • ① 箱は、外傷を受けない場所を選び、堅固に取り付けましょう。
      • ② 箱は、堅ろうで点検容易なものとし、鋼板製のものはさび止め塗料を施しましょう。
      • ③ 電線引入れ口は、雨水の浸入を防ぐため、箱の下部などに設けましょう。
    • (専用の開閉器は、なるべく同一箱内に収めましょう。)

電線の太さ

  • 低圧進相用コンデンサを施設した低圧回路の幹線及び分岐回路の電線太さは、コンデンサを施設しない場合と比べて細くしないようにしましょう。

接地

  • 低圧進相用コンデンサの金属製外箱は、機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事を施しましょう。

まとめ

  • 低圧進相用コンデンサは、JIS規格に適合し、JISマークの表示があるものを使用しましょう。
  • 蒸着電極コンデンサは、保安装置内蔵の新しいものを使用しましょう。
  • 低圧進相用コンデンサは、個々の負荷に取り付けることを推奨します。
  • 放電装置を設置し、コンデンサの残留電荷を安全に放電できるようにしましょう。

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