ペン太ペン太
官庁物件の設計で「茶本を見て」と言われました。あれって何が書いてある本なんですか?
ハリタハリタ
建築設備設計基準のことです。官庁営繕の技術基準のひとつで、実施設計の段階で使う本ですよ。企画・基本計画で使う計画基準とは役割が違います。

建築設備設計基準(通称「茶本」)は、官公庁の建物の設備を実施設計するときの、標準的な考え方と算定方法をまとめた一冊です。似た名前の基準がいくつもあるので、使い分けから整理します。

建築設備設計基準(茶本)とは

国土交通省大臣官房官庁営繕部が監修し、一般社団法人公共建築協会が発行しています。官庁営繕の技術基準のひとつで、「実施設計を行うに当たり、基本的性能の水準を満たすための標準的な手法を示したもの」と位置づけられています。電気設備と機械設備の両方を対象にしています。

官庁営繕の3つの基準の使い分け

  • 建築設備計画基準 … 企画・基本計画の段階。基本計画を行うにあたっての標準的な手法。
  • 建築設備設計基準(本書・茶本) … 実施設計の段階。設計の標準的な手法。
  • 公共建築工事標準仕様書 … 施工の段階。材料・機材・工法・試験等の標準的な仕様。

結論

「計画 → 設計 → 施工」で参照する本が入れ替わります。会話の中でどの段階の話をしているかを先に合わせると混乱しません。

どんな場面で開くか

  • 官公庁物件で、設計与条件として基準の適用が指定されたとき
  • 負荷容量幹線サイズの算定根拠を、発注者に説明する必要があるとき
  • 照度・換気量など、設備の設計値の根拠をそろえたいとき
  • 社内で設計の考え方がばらついていて、共通の物差しがほしいとき

版(エディション)の確認

官庁営繕の技術基準は数年ごとに改定されます。2026年8月時点で国土交通省が公表している建築設備設計基準は令和6年版です。通販では旧版が並んでいることもあるため、購入前に版年をご確認ください。最新の版とその公表日は、国土交通省「官庁営繕の技術基準」のページで確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「茶本」とはどの本のことですか?
A. 建築設備設計基準の通称です。装丁の色から現場でこう呼ばれています。

Q. 建築設備計画基準との違いは?
A. 計画基準は企画・基本計画の段階、設計基準は実施設計の段階で使います。求められる精度と記載の粒度が異なります。

Q. 最新版はどれですか?
A. 2026年8月時点では令和6年版です。改定されるため、国土交通省の官庁営繕ページで最新版をご確認ください。

Q. 民間の物件でも使えますか?
A. 官庁営繕向けの基準ですが、算定方法や設計値の考え方が体系的に整理されているため、民間物件の設計でも参照されることの多い一冊です。

Q. 公共建築工事標準仕様書も必要ですか?
A. 施工段階の仕様を確認するなら必要です。設計段階が中心なら、まずは設計基準から揃えるのが実用的です。

ペン太ペン太
計画基準・設計基準・標準仕様書。段階で使い分けるんですね。
ハリタハリタ
そうです。あとは版年だけ。官庁物件は「どの版に基づくか」まで指定されることがあるので、そこは必ず確認してください。

※出典:国土交通省「官庁営繕の技術基準」(各基準の位置づけ・最新版の公表)。監修:国土交通省大臣官房官庁営繕部/発行:一般社団法人公共建築協会。

参考にした書籍はこちらからチェック
  • 建築設備設計基準

 

 

建築設備設計基準(茶本)

あわせて手元に置きたい一冊:内線規程(JEAC 8001)

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建築設備設計基準令和3年版 / 国土交通省大臣官房官


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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。