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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
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サイズの選定方法|ケーブルラックのサイズ選定方法について詳しく解説

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ケーブルを並べましょう

 

ケーブルラックの幅、どうやって決める?【図と計算式でやさしく解説】

見習いペン太
見習いペン太
はりた先輩、ケーブルラックの幅って何を基準に決めるんですか?感覚じゃダメですよね…?


はりた
はりた
もちろんダメだよペン太くん!ケーブルの本数や外径、将来の増設も考えて計算で求めるんだ。今日はその方法を教えるね。


今回の疑問

ケーブルラックのサイズ(幅)はどうやって決めればいいの?

結論

ケーブルラックのサイズは次の式で求めることができます

ケーブルラックのサイズは、敷設するケーブルの種類や本数、外径、余裕スペースなどを考慮して決定します。単に“なんとなく”ではなく、明確な計算式をもとに算出する必要があります。


本記事のおすすめの方
  • ケーブルラックのサイズ選定方法を知りたい方
  • ケーブルラックの規格について知りたい方
  • ケーブルラックのサイズ選定に必要な資料を探している方

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ケーブルラックの幅を求める基本式とは?

見習いペン太
見習いペン太
強電と弱電で計算式が違うって聞いたことありますけど…本当ですか?


はりた
はりた
そのとおり!強電は将来の増設を見越して余裕をもたせるし、弱電は段積みするから圧縮係数をかけるんだよ。

■ 強電用の基本式

見習いペン太
見習いペン太
ケーブルラックの幅って、どうやって決めればいいんですか?感覚じゃダメですよね…?


はりた
はりた
もちろん計算式があるよ!基本の計算はこれ👇

W =(ケーブルの外径 + 10mm)× 本数 + 余裕60mm × 2 × 1.2(余裕係数)

安全とメンテナンスのしやすさを考えた、余裕ある設計が大事なんだ。

📌ポイント解説

  • 外径+10mm: ケーブルごとの周囲スペース確保

  • 60mm × 2: 両端の作業余裕(片側30mmずつ)

  • ×1.2: 未来の増設やケーブルのたるみ対策

見習いペン太
見習いペン太
なるほど、感覚じゃなくてちゃんと余裕まで含めた計算が必要なんですね!今度からちゃんとこの式で計算します!

■ 弱電用の基本式

見習いペン太
見習いペン太
ラックに通すケーブルが多いと、サイズ選びがすごく悩ましいです…ちゃんと計算する方法ってありますか?

はりた
はりた
あるよ!特に弱電ラックでは「圧縮係数」を使ってコンパクトに設計するんだ。基本の式はこれ👇

W =(ケーブル外径+10mm)× ケーブル本数 + 両端余裕60mm × 2 × 0.6(圧縮係数)

無理なく収めるための目安だよ!

🔎 この式のポイントは3つ

  • +10mm:ケーブル1本ごとに少し余裕を確保

  • 両端の60mm×2:ラックの左右に作業や熱のための余白

  • ×0.6(圧縮係数):弱電用など、段積み前提でやや詰めて設計する場合の補正

見習いペン太
見習いペン太
なるほど…「圧縮係数0.6」っていうのがポイントなんですね!コンパクトだけど、ちゃんと安全性も考慮されてるんだ!


ケーブル周囲の余裕

ケーブル同士が密着しすぎると発熱や摩耗、施工時の引き回しトラブルの原因になります。
そのため、1本あたりのケーブルに対して外径+10mmのスペースを確保します。
この「+10mm」は空気層やメンテナンス性を考慮した余裕幅として見積もられています。

ラック両サイドの余裕

ケーブルをラックに収めた際、端に余裕がないと作業性が悪くなり、ケーブルの断線リスクも高まります。
そのため、左右それぞれに30mm(合計60mm)の余裕を見込みます。
このスペースは施工時の手直し・熱の逃げ道・増設時の余裕
としても重要な役割を果たします。

余裕係数

使用するケーブルの種類や用途によって、必要な余裕の考え方が変わります。

  • 🔌強電用(動力・照明など)
     将来的な回路増設や、ケーブルのたるみ・蛇行配置に備えて全体に1.2倍の余裕を掛けます。

  • 🧠弱電用(通信・制御・信号線など)
     複数段にケーブルを積み重ねて配置する前提のため、0.6倍の圧縮係数で設計されます。
     ただし、無理な詰め込みはノイズや断線の原因になるので、用途に応じた判断が必要です。


【占有幅の補足】ケーブルサイズ別の計算目安

ケーブルの占有幅(簡易式)

基本式は「(ケーブル外径+10)×本数」で占有幅を算出します。

ケーブルの占有幅(詳細計算)

記号 導体の断面積[㎟] [占有幅㎜]
d1 22以下 (ケーブルの仕上がり外径+3)×ケーブルの本数
d2 38、60、100 (ケーブルの仕上がり外径+7)×ケーブルの本数
d3 150、200,250以上 (ケーブルの仕上がり外径+12)×ケーブルの本数

【具体例】CVTケーブルごとのラック幅一覧

CVTケーブルのサイズ別に、占有幅と推奨ケーブルラック幅をまとめました。

📌 一例:

  • CVT14(外径21mm)×5本 → 占有幅155mm → 推奨ラック幅:300mm

以下の各表をご参照ください:

CVT14のケーブルラックサイズ一覧

CVT14のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 14 21 31 200
CVT 14  21 62 200
CVT 14  21  93 200
CVT 14  21  124 300
CVT 14  21  155 300
CVT 14 21  186 300
CVT 14  21  217 400
CVT 14  21  248 400
CVT 14  21   279 500
CVT 14  21  10  310 500

 

CVT22のケーブルラックサイズ一覧

CVT22のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 22 24 34 200
CVT 22 24 68 200
CVT 22 24 102 200
CVT 22 24 136 300
CVT 22 24 170 300
CVT 22 24 204 400
CVT 22 24 238 400
CVT 22 24 272 400
CVT 22 24 306 400
CVT 22 24 10 340 500

 

CVT38のケーブルラックサイズ一覧

CVT38のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 38 28 38 200
CVT 38 28 76 200
CVT 38 28 114 300
CVT 38 28 152 300
CVT 38 28 190 300
CVT 38 28 228 400
CVT 38 28 266 400
CVT 38 28 304 500
CVT 38 28 342 500
CVT 38 28 10 380 600

 

 

CVT60のケーブルラックサイズ一覧

CVT60のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 60 33 43 200
CVT 60 33 86 200
CVT 60 33 129 300
CVT 60 33 172 300
CVT 60 33 215 400
CVT 60 33 258 400
CVT 60 33 301 500
CVT 60 33 344 500
CVT 60 33 387 500
CVT 60 33 10 430 600

 

CVT100のケーブルラックサイズ一覧

CVT100のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 100 41 51 200
CVT 100 41 102 200
CVT 100 41 153 300
CVT 100 41 204 400
CVT 100 41 255 400
CVT 100 41 306 500
CVT 100 41 357 600
CVT 100 41 408 600
CVT 100 41 459 800
CVT 100 41 10 510 800

 

CVT150のケーブルラックサイズ一覧

CVT150のケーブルラックサイズ
線種 サイズ 1本あたり外径 本数 占有幅 ラック推奨サイズ
CVT 150 47 57 200
CVT 150 47 114 300
CVT 150 47 171 300
CVT 150 47 228 400
CVT 150 47 285 500
CVT 150 47 342 500
CVT 150 47 399 600
CVT 150 47 456 800
CVT 150 47 513 800
CVT 150 47 10 570 800

 


見習いペン太
見習いペン太
なるほど!式と表を組み合わせれば、計算もしやすいですね!


はりた
はりた
ラックのサイズミスは、配線工事全体に影響を及ぼすから、事前にしっかり確認しておくのが大事だよ!

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まとめ

ケーブルラックサイズの求め方

ケーブルラックサイズを求めるための計算式

  • 強電用
  • 弱電用

  • W=ケーブルラックの幅
  • D=各ケーブルの仕上がり外径[㎜]

 

  • D+10の10は[㎜]を差し、ケーブルの外径に対する周囲の余裕を見込みます
  • 60、120は両端のケーブルからケーブルラック間の余裕を見込みます
  • 強電用の1.2は幹線の蛇行、許容電流の低減、増設、サイズアップした場合の余裕を見込みます
  • 弱電用の0.6は段積みした場合を想定して圧縮しています
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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。