技術図書館ハンドホールの決め方を8枚のスライドで読む置き場所の3つの目安と、内側100mm・配管間2D で寸法を積み上げる手順を図解つきで確認できます。スライドを見る資料一覧を見る

ハンドホールは、どこに置くかとどれだけの大きさにするかの2つで決まります。よく「法的な決まりはない」と言われますが、それは置き方の話で、箱そのものには電技解釈 第121条の要件があります。この記事では、置く場所の目安、直線部に置く箱と曲がり部に置く箱で違う寸法の出し方、蓋の荷重区分と土被りまでを、順に整理します。

結論

大きさは、その箱が直線部にあるか曲がり部にあるかで、使う計算そのものが変わります。

  • 置くのは引込部・曲がり部・およそ50mごとの3か所
  • 直線部に置く箱は、内側から管まで100mm・管どうしは2Dを足し上げる
  • 曲がり部に置く箱は、ケーブルの許容曲げ半径8Dで決まる。管の計算は当てはまらない
  • 置く間隔に法令はないが、箱は電技解釈121条(構造・ガス・ふた)の対象
  • 蓋は荷重区分(T-2〜T-25)を敷地の将来の使われ方から決める
  • 直接埋設式の土被りは車道1.2m以上/その他0.6m以上(解釈120条)
  • 壁で穴を開けられる有効範囲は内寸より一回り小さい。四隅・上端・下端は開けられない
  • エントランスや歩道など意匠のあるところは化粧蓋(充填式鉄蓋)。仕上材の厚みと割付を先に確認する
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
①②で場所、③④で大きさ、⑤⑥で仕様。この順で決めると手戻りが出ません。

ブラウザでそのまま使える登録不要ツール

この記事の選定方法でハンドホールサイズを計算するなら、姉妹サイト「セコサポ」のハンドホールサイズ計算ツール(FEP配管の占有面積から選定・登録不要)が便利です。

まず結論 ― 置く場所は3つ、大きさは箱の役割で決まる

ハンドホールは、地中管路の途中でケーブルを一度引き出せるようにする箱です。通線のため、曲がりでケーブルを傷めないため、そしてあとから直せるようにするために置きます。

置く場所は、引込部・曲がり部・およそ50mごとの3か所です。

大きさは、1基ごとにその箱が何をする箱かで決まります。まっすぐ通すだけの箱は管の外径と本数から、向きを変える箱はケーブルの許容曲げ半径から出します。同じ箱を2通りに計算して大きいほうを採る、という決め方ではありません。その箱を直線部に置くのか曲がり部に置くのかで、使う計算が最初から決まります。

ペン太ペン太
直線部の計算で全数の寸法を拾ってしまいました。
ハリタハリタ
曲がり部の箱はその計算では出ません。曲げ半径で決め直してください。
ここまでのポイント
  • 置くのは引込部・曲がり部・およそ50mごとの3か所
  • 箱の役割で使う計算が決まる。直線部の箱は管、曲がり部の箱はケーブル
  • 直線部は管の外径と本数、曲がり部はケーブルの曲げ半径で決まる
  • ハンドホールは「あとから直せるようにする」ための箱でもある

「決まりがない」のは置き方だけ ― 電技解釈 121条

ハンドホールの記事でよく見る「法的な義務はありません」は、どこに何m間隔で置くかについての話です。地中箱そのものには、電技解釈 第121条に3つの要件があります。

置く場所は自由。でも箱の性能は決まっています。
①は蓋だけでなく躯体にも求められます。②の1m³は意外と小さい数字です。

⚠ 1m³は、600角のハンドホールでも超えることがある

内寸600×600×600なら0.216m³ですが、900×900×900なら0.729m³、1200×1200×900なら1.296m³です。大きめのハンドホールをガソリンスタンドの敷地や、可燃性ガスの配管が近くを通るところに置くなら、通風装置の要否を早い段階で確認しておきます。

ふたの要件も同じで、「取扱者以外の者が容易に開けることができない」ことが必要です。施錠にするのか、ボルト止めにするのかを、図面の姿図と仕様書に書いておきます。

出典:電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)・第121条(地中箱の施設)。条番号や数値は改正で変わることがあります。適用にあたっては最新版をご確認ください。

ここまでのポイント
  • 「法的な義務はない」のは、置く場所と間隔の話
  • 地中箱は車両その他の重量物の圧力に耐える構造であること(121条一号)
  • 爆発性・燃焼性のガスのおそれがある場所で1m³以上なら、ガスを放散させる装置(二号)
  • ふたは取扱者以外の者が容易に開けられないように施設する(三号)
  • 管路式の管も「重量物の圧力に耐えるもの」を使う(120条)


どこに置くか ― 3つの目安と、その出どころ

置く場所の目安は法令ではなく、建築設備設計基準などの標準と、通線のしやすさから来ています。

50mはハンドホール、100mはマンホールの目安です。
曲がりの数だけハンドホールが要ります。ルートを引く段階で数えます。

💡 距離より先に、曲がりの数を数える

「50mごと」は直線が長く続くときの目安です。実際の敷地では曲がりの数のほうが効きます。90°の曲がりが3か所あれば、距離が30mでも3基必要になります。

ルート図を引いたら、まず曲がりに印を付けてから、残った直線区間に50mの目安を当てていくと数え落としがありません。ルートの引き方そのものは引込方式とルートで扱っています。

出典:建築設備設計基準(国土交通省)、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)。数値は目安であり、発注者の標準仕様が優先します。

ここまでのポイント
  • 引込柱の足もとと建物の取込部に置く
  • 90°曲がるところに置く(曲げ半径を確保し、通線の張力を抜く)
  • 直線が長いときはおよそ50mごと(マンホールは100m)
  • 通線のしやすさでは30m程度に1基あると楽
  • 距離より先に曲がりの数を数える

直線部に置く箱 ― 管の並びで決める

直線部に置く箱は、ケーブルを一度引き出して通線するための箱です。管の外径Dと本数nから、離隔を足し上げて必要な内寸を出します。ここで使うのは呼び径ではなく外径です。FP-100なら100ではなく130mmです。

Dは管の外径です。呼び径(内径)と取り違えないようにします。
1段に並べて横長になりすぎるときは、段を増やして振り分けます。

⚠ 強電と弱電は、同じ段に並べない

電力ケーブルと通信・制御ケーブルを同じハンドホールに通すときは、段を変えるか、左右に振り分けて離隔を取ります。誘導の問題だけでなく、後日どちらかを触るときに、もう一方を動かさずに済むようにするためです。

管の本数が増えて内寸が900〜1200を超えそうなときも、横に伸ばすより段を増やすほうが、蓋と掘削が小さくて済みます。

穴を開けられるのは壁の一部 ― 有効範囲

計算で内寸が出ても、その内寸いっぱいに管を並べられるわけではありません。ハンドホールは鉄筋コンクリートなので、壁のうち穴を開けられる範囲(有効範囲・開口可能範囲)が決まっています。計算上は入るのに現場で入らない、という食い違いは、ここで起きます。

白いところだけが開口できる範囲です。内寸より一回り小さくなります。

開けられない理由は3つです。四隅は壁どうしが交わるところで補強筋が集中します。上端は蓋の受け枠が載る部分、下端は底版とのつながりです。そして穴と穴の間にも、コンクリートの残り代が要ります。管どうしの2Dという離隔は、通線の逃げであると同時に、この残り代でもあります。

⚠ 内寸で足りていても、有効範囲で入らないことがある

二次製品のハンドホールは、メーカーのカタログに壁ごとの開口可能範囲の図が載っています。内寸を決めたら、その図に実際の管の位置を落として、収まるかを見ます。現場打ちなら、配筋と干渉しない位置を構造側と調整します。

収まらないときは、ひとつ上のサイズに上げる前に面を分けられないかを見ます。ハンドホールには壁が4面あるので、強電を1面、弱電を別の面に振ると収まることがあります。段を変えるのと同じ考え方です。

管の位置は、先付けスリーブにしておくと配筋と同時に決まるので、あとからコアを抜くより確実です。

ここまでのポイント
  • W = 100 +(D + 2D)×(n−1) + D + 100
  • Dは呼び径ではなく管の外径(FP-100なら130mm)
  • 強電と弱電は段を変えるか左右に振り分ける
  • 横長になりすぎるときは段を増やす
  • 壁で穴を開けられる有効範囲は、内寸より一回り小さい
  • 四隅・上端・下端は開けられない。穴どうしの間にも残り代が要る
  • 出した値は最小の内寸。最後はメーカーの開口可能範囲の図で確認する


曲がり部に置く箱 ― ケーブルの曲げ半径で決める

ここが、古い解説で抜けやすいところです。曲がり部に置く箱の大きさを決めるのは、管ではなくケーブルです。6kV CVTの許容曲げ半径は仕上外径Dの8倍で、これがハンドホールの中に収まらないと、そもそも曲げられません。

直線部の計算をこの箱に当てはめることはできません。1つの箱を2通りに計算して大きいほうを採るのではなく、その箱が向きを変える箱なら、曲げ半径で決めるということです。同じルート上でも、曲がり部の箱のほうが大きくなるのがふつうです。

ケーブルサイズが決まったら、この半径が箱に収まるかを見ます。

なぜ直線部の計算を当てはめられないのか

直線部の計算は、管が何本通るかを見ています。いっぽう曲がり部では、ケーブルをいったん管から出して、箱の中で向きを変えてから次の管に入れます。このときの円弧が入る寸法が要るので、管の太さとは別の話になります。

ここでよくある誤解が、管径を上げて管の中で曲げればよい、という考え方です。地中管路では成り立ちません。埋めてしまった管の中で、ケーブルの許容曲げ半径を確保することはできません。曲がりを管路内で処理すると、通線の張力と側圧が跳ね上がり、引けないか、引けてもケーブルを傷めます。

ですからこれは「どちらが安いか」で選ぶところではありません。曲がるところにはハンドホールを置く、というのが原則です。管そのものの曲げ半径の考え方は高圧ケーブルの適合配管サイズと曲げ半径で扱っています。

ケーブル 仕上外径 D 許容曲げ半径 8D
6kV CVT 22 42 mm 336 mm
6kV CVT 38 46 mm 368 mm
6kV CVT 60 50 mm 400 mm
6kV CVT 100 57 mm 456 mm
6kV CVT 150 65 mm 520 mm
6kV CVT 200 72 mm 576 mm
6kV CVT 250 76 mm 608 mm
8Dは「これより小さくは曲げられない」下限です。箱の内寸そのものではありません。

💡 高圧ケーブルのハンドホールは1200角で計画することが多い

上の表はケーブルを曲げられる最小の半径であって、ハンドホールの内寸ではありません。実際の敷地では、高圧ケーブルのハンドホールに弱電や動力など他系統が同居(間借り)することがよくあります。

あとから他系統が入ってくると、8Dぎりぎりで拾った箱では通線も更新もできなくなります。このため実務では、高圧ケーブルのハンドホールははじめから1200角で計画しておくことが多くなります。8Dは「これより小さくはできない」という下限の確認に使う数字です。

💡 曲がり部の箱でも、管の口が並ぶかは確認する

曲がり部の内寸は曲げ半径で決めますが、その箱に入ってくる管の口が、決めた面に並ぶかは別に見ておきます。管が1〜2本なら問題になりませんが、強電と弱電で3本4本と入ってくると、曲げ半径で決めた寸法に管の口が収まらないことがあります。

これは「大きいほうを採る」という話ではなく、曲げ半径で決めた寸法が成り立つかの確認です。収まらなければ、箱を大きくする前に、管の段を変えるか、曲がりの手前で本数を分けられないかを見ます。

ペン太ペン太
曲がり部だけ大きくすると、蓋の種類が増えて面倒じゃないですか?
ハリタハリタ
面倒です。だから高圧側は1200角でそろえておくほうが、あとが楽になります。
ここまでのポイント
  • 曲がり部の内寸はケーブルの曲げ半径で決まる
  • 6kV CVTの許容曲げ半径は仕上外径Dの8倍
  • 8Dは曲げられる下限。箱の内寸そのものではない
  • 高圧のハンドホールは他系統の同居を見込んで1200角で計画することが多い
  • 直線部の計算をこの箱に当てはめることはできない
  • 地中管路では管径を上げて管の中で曲げることはできない。曲がるところには箱を置く


蓋・土被り・水・化粧蓋 ― あとから効いてくる4点

内寸が決まっても、蓋の荷重区分・土被り・排水を外すと現場でやり直しになります。そして仕上げに意匠があるところでは、化粧蓋(充填式鉄蓋)を使うかどうかも早い段階で決めておく必要があります。

土被りと水抜きは、標準詳細図に入れておくと拾い漏れが減ります。

💡 「いまは歩道」でも、工事車両は入る

竣工後は歩道でも、工事中はダンプやクレーンが乗ります。T-2で拾ったハンドホールの上をダンプが通って割れる、というのは実際に起きます。施工計画の動線を確認して、必要ならT-14以上で拾っておきます。

水も同じで、底に水が溜まるのは前提です。水抜き穴を設けるか、ケーブルを底から浮かせる措置を図面の標準詳細に入れておきます。

化粧蓋(充填式鉄蓋)を使うところ

エントランスの床、公開空地、歩道、店舗前など、仕上げに意匠があるところでは、鉄の蓋がそのまま見えていると目立ちます。そこで使うのが化粧蓋(充填式鉄蓋)です。蓋の上面が受け皿状になっていて、インターロッキングブロック・タイル・石・アスファルトなど周囲と同じ仕上材を充填して、面一に仕上げます。

項目 標準の鉄蓋 化粧蓋(充填式鉄蓋)
見え方 鉄の蓋がそのまま見える 周囲と同じ仕上材が入り、目立たない
使う場所 構内道路・駐車場・設備まわり エントランス・公開空地・歩道・店舗前
決めること 荷重区分(T-2〜T-25) 荷重区分+充填代(仕上材の厚み)+割付
重さ 蓋だけ 蓋+充填材。開閉に吊り具が要ることがある
開閉 何度でも開けられる 充填材が欠ける。開閉の多いところには向かない
調達 在庫品が多い 受注生産になることがある。決定を早める
荷重区分の考え方は同じです。変わるのは、仕上げに合わせて決めることが増える点です。

⚠ 化粧蓋は、仕上げが決まらないと型が決まらない

充填代(充填できる深さ)は、そこに入れる仕上材の厚みで決まります。インターロッキングブロックと敷砂、タイルと張りモルタル、アスファルト — 厚みが違えば選ぶ型が変わります。ところが舗装の割付や仕上材が確定するのは、意匠側の都合でたいてい遅くなります。

ですから電気側は、位置と大きさ・荷重区分を先に出しておき、仕上げが決まった時点で蓋の型を確定させる、という二段構えにしておくと止まりません。舗装割付図に蓋の位置を落として、意匠の担当と目地の通りを合わせておきます。

もうひとつ、開けたあと元に戻せるかを確認します。モルタルで充填すると、開けたときに充填材が欠けて、復旧に左官の手が要ります。開閉を前提にするなら、敷砂+ブロックのような乾式で納まらないかを見ておきます。歩行部では、濡れたときのすべり抵抗も仕上材ごとに確認します。

出典:鉄蓋の荷重区分はメーカーの強度基準(カネソウほか)による代表値です。土被りは電気設備の技術基準の解釈 第120条によります。

ここまでのポイント
  • 蓋の荷重区分はT-2(2t)〜T-25(25t)
  • 竣工後ではなく、工事中の車両も含めて決める
  • 直接埋設式の土被りは車道1.2m以上/その他0.6m以上
  • 底に水は溜まる前提。水抜きとケーブルの浮かせを標準詳細に入れる
  • 意匠のあるところは化粧蓋(充填式鉄蓋)。充填代は仕上材の厚みで決まる
  • 位置と荷重区分を先に出し、仕上げが決まってから蓋の型を確定させる


FEP管の外径早見表

直線部の計算で使うDは、この表の外径です。

呼び径 内径 外径 D 質量 標準長
FP-30 30 mm 40 mm 0.2 kg/m 300 m
FP-40 42 mm 54 mm 0.3 kg/m 200 m
FP-50 50 mm 65 mm 0.4 kg/m 200 m
FP-65 66 mm 85 mm 0.6 kg/m 100 m
FP-80 80 mm 102 mm 0.7 kg/m 100 m
FP-100 100 mm 130 mm 1.0 kg/m 100 m
FP-125 125 mm 160 mm 1.5 kg/m 50 m
FP-150 150 mm 189 mm 2.0 kg/m 50 m
FP-200 200 mm 253 mm 3.5 kg/m 40 m
呼び径は内径です。ハンドホールの寸法計算では外径Dを使います。

出典:地中埋設管「エフレックス」(古河電気工業株式会社)の製品仕様より。

どのケーブルにどの管が入るかはケーブル別の電線管サイズ早見表、高圧ケーブルの保護管は高圧ケーブル保護管の選定方法で扱っています。

ここまでのポイント
  • 計算に使うのは外径D。呼び径(内径)ではない
  • FP-100は呼び100に対して外径130mm
  • 大きい呼び径ほど標準長が短く、継手と搬入計画に効いてくる

図面に落とす前のチェック

④は直線部に置く箱、⑤は曲がり部に置く箱。どちらの箱かで見るところが変わります。

屋内のプルボックスは別の考え方で決めます。プルボックスのサイズ選定・計算方法をあわせてご覧ください。

ここまでのポイント
  • 曲がりの数を数えてから、直線区間に50mの目安を当てる
  • 直線部に置く箱は管の並び、曲がり部に置く箱は曲げ半径で決める
  • 蓋の荷重区分と土被り・水抜きを図面に書く
  • 最後はメーカーの有効範囲(開口できる範囲)で確認する

よくある質問

ハンドホールの設置に法的な義務はありますか?

置く場所や間隔を定めた条文はありません。ただし地中箱そのものには電気設備の技術基準の解釈 第121条があり、①車両その他の重量物の圧力に耐える構造、②爆発性・燃焼性のガスのおそれがある場所で大きさ1m³以上のものにはガスを放散させる装置、③ふたは取扱者以外の者が容易に開けられないように施設する、が求められます。

ハンドホールはどこに置けばよいですか?

引込柱の足もとと建物の取込部、管路の90°曲がる部分、そして直線が長く続くときはおよそ50mごとが目安です。分岐や縁切りの位置にも置きます。

50mという間隔はどこから来ていますか?

建築設備設計基準などの標準で示されている目安です(マンホールは100m)。通線のしやすさから30m程度に1基設ける考え方もあります。法令で決まった数値ではありません。

直線部の内寸はどう計算しますか?

内側から管までを100mm、管どうしを2D(Dは管の外径)として足し上げます。n本を1段に並べるなら W=100+(D+2D)×(n−1)+D+100 です。

計算で使うDは呼び径ですか、外径ですか?

外径です。FEPの呼び径は内径なので、FP-100なら100ではなく外径130mmを使います。

計算どおりの内寸にすれば、管は必ず入りますか?

入らないことがあります。ハンドホールは鉄筋コンクリートなので、壁のうち穴を開けられる範囲(有効範囲・開口可能範囲)が決まっているためです。四隅は補強筋が集中し、上端は蓋の受け枠、下端は底版とのつながりで、いずれも開けられません。内寸を決めたら、メーカーの開口可能範囲の図に実際の管の位置を落として確認してください。

有効範囲に管が収まらないときはどうしますか?

ひとつ上のサイズに上げる前に、面を分けられないかを見ます。ハンドホールには壁が4面あるので、強電を1面、弱電を別の面に振ると収まることがあります。段を変えるのと同じ考え方です。管の位置は、あとからコアを抜くより、先付けスリーブにしておくほうが確実です。

曲がり部のハンドホールが大きくなるのはなぜですか?

曲がり部ではケーブルを管から出して箱の中で向きを変えるため、ケーブルの許容曲げ半径が入る寸法が必要になるからです。6kV CVTの許容曲げ半径は仕上外径Dの8倍で、100sq(D=57mm)なら456mmになります。

管径を上げれば、ハンドホールを置かずに管の中で曲げられませんか?

地中管路では成り立ちません。埋めてしまった管の中で、ケーブルの許容曲げ半径を確保することはできないためです。曲がりを管路内で処理すると通線の張力と側圧が大きくなり、引けないか、引けてもケーブルを傷めます。曲がるところにはハンドホールを置いてください。

高圧ケーブルのハンドホールは、どのくらいの大きさで計画しますか?

許容曲げ半径8Dは「これより小さくは曲げられない」という下限で、箱の内寸そのものではありません。実務では、弱電や動力など他系統が同居(間借り)することを見込んで、高圧ケーブルのハンドホールははじめから1200角で計画することが多くなります。8Dは、その大きさで曲げられるかの確認に使います。

蓋の荷重区分はどう決めますか?

T-2(2t)は歩道や敷地内で小型車のみ、T-6(6t)は構内道路、T-14(14t)は消防車・バス・ダンプ、T-25(25t)は公道の車道が目安です。竣工後だけでなく、工事中に入る車両も含めて決めてください。

化粧蓋(充填式鉄蓋)はどんなときに使いますか?

エントランスの床、公開空地、歩道、店舗前など、仕上げに意匠があるところで使います。蓋の上面にインターロッキングブロックやタイル、石などの仕上材を充填して、周囲と面一に仕上げるものです。荷重区分の考え方は標準の鉄蓋と同じですが、仕上材の厚みに合う充填代と、舗装の割付に合う見付け寸法を選ぶ必要があります。

化粧蓋は普通の蓋と何が違いますか?

決めることが増えます。荷重区分に加えて、充填代(仕上材の厚み)と割付を仕上げに合わせる必要があり、蓋そのものも充填材の分だけ重くなります。開けたときに充填材が欠けるので、開閉の多いところには向きません。受注生産になることもあるため、標準の蓋より早く決める必要があります。

埋設の深さはどのくらい必要ですか?

直接埋設式では、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上、その他の場所は0.6m以上です(電技解釈 第120条)。管路式の場合は管が重量物の圧力に耐えるものであることが求められます。

強電と弱電を同じハンドホールに入れてもよいですか?

入れる場合は段を変えるか左右に振り分けて離隔を取ります。誘導の問題に加えて、後日どちらかを触るときにもう一方を動かさずに済むようにするためです。

まとめ ― 取り違えやすいところ

取り違えやすいところ 正しくは
ハンドホールに法的な決まりはない 置き方に条文がないだけ。箱は電技解釈121条(構造・ガス・ふた)の対象
直線部の計算で全数拾えば足りる 曲がり部に置く箱は、ケーブルの許容曲げ半径8Dで決める
2通り計算して大きいほうを採る 箱ごとに役割が決まっている。直線部の箱は管の並び、曲がり部の箱は曲げ半径
8Dがそのまま箱の大きさ 8Dは曲げられる下限。高圧の箱は他系統の同居を見込んで1200角で計画することが多い
管径を上げれば管の中で曲げられる 地中管路では成り立たない。曲がるところにはハンドホールを置く
計算に使うDは呼び径 外径を使う。FP-100は呼び100に対して外径130mm
50mごとに置けばよい 先に曲がりの数を数える。30mでも曲がりが3か所なら3基
蓋はいま通る車両で決める 工事中の車両も含めて決める。あとから入れ替えられない
蓋は荷重区分だけ決めればよい 意匠のあるところは化粧蓋。充填代(仕上材の厚み)と割付も決める
内寸が足りていれば管は入る 壁の有効範囲は内寸より小さい。四隅・上端・下端は開けられない
大きさが決まれば発注できる メーカーの開口可能範囲の図に管の位置を落として最終確認する
水は入らないようにすればよい 入る前提で水抜きと、ケーブルを底から浮かせる措置を入れる
「置き方は自由、箱は決まりあり」「箱の役割で計算が決まる」の2つを押さえれば外しません。
手順 やること 見るところ
1|ルート 引込柱から建物までのルートを引く 曲がりの数
2|配置 引込部・曲がり部・50mごとに置く 分岐と縁切りの位置
3|直線の箱 管の外径と本数から内寸を出す 100mm・2D・有効範囲
4|曲がりの箱 ケーブルの許容曲げ半径8Dが入るか 他系統の同居
5|蓋 荷重区分と化粧蓋の要否を決める 工事中の車両・仕上げ
6|深さ・水 土被りと水抜きを書く 1.2m/0.6m
この6手順で、配置図と機器表に書けるところまで決まります。

📘 あわせて確認したいこと

この記事は、連載「引込・受電設備の設計マニュアル」の第3回 引込方式とルートの補足解説です。ケーブル側のサイズは高圧ケーブルのサイズ選定方法と計算手順からご覧いただけます。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。引込・高圧受変電・幹線・接地を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。