技術図書館同じ役割の機器でも、動作の目安が違う遮断器は1倍で動かず1.25倍と2倍で動作して繰り返し使える。ヒューズは溶けて切れる使い切りこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【011】過電流遮断器
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

過電流遮断器は、過大な電流が流れたときに電路を切り、電線や機器を守る装置です。押さえるポイントは 「役割と取り付け箇所/2種類の違いと動作の目安」 の2つです。

過電流遮断器は過大な電流が一定時間流れたら電路を切る装置で引込口や幹線の電源側分岐点に取り付ける、配線用遮断器は再使用できヒューズは交換が必要という2ポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は2つ。①役割と取り付け=過大な電流が一定時間流れたら電路を切る。引込口・幹線の電源側・分岐点など 保護上必要な箇所に。②2種類=配線用遮断器(戻して再使用OK)とヒューズ(溶けたら交換)。
見習いペン太
見習いペン太
ブレーカーとヒューズって、どっちも過電流を止めるなら同じじゃないんですか?
はりた
はりた
止める仕組みが違うんだ。ブレーカーは検知して開き、戻せば再使用OK。ヒューズは溶けて切れるから交換が必要。電動機用ヒューズは始動電流で切れないよう倍率が高めなのもポイントだよ。
この記事でわかること
✔ ① 役割と取り付け箇所
✔ ② 2種類の違いと動作の目安

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ペン太ペン太
過電流遮断器って、分電盤の中だけに付ければいいものなんですか?
ハリタハリタ
引込口や幹線の電源側、分岐点など保護上必要な箇所に設けます。電線と機器を守るのが役割です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 過電流遮断器は、どんな箇所に取り付けますか。
  • 配線用遮断器とヒューズの違いは何ですか。
  • 電動機用ヒューズの溶断倍率が高いのはなぜですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、過電流遮断器を3つの視点で整理します。

① 役割と取り付け箇所

トピック1:役割と取り付け箇所
  • 電線や機器を保護するため、過大な電流が一定時間流れたら電路を自動で切る
  • 取り付けは 引込口・幹線の電源側・分岐点など、保護上・保安上必要な箇所
ペン太ペン太
配線用遮断器とヒューズって、何が違うんですか?
ハリタハリタ
遮断器は検知して開き再使用できます。ヒューズは溶けて切れる使い切りで、動作倍率も違います。
ここまでのポイント
  • 電線や機器を保護するため、過大な電流が一定時間流れたら電路を自動で切る。
  • 取り付けは、引込口・幹線の電源側・分岐点など、保護上・保安上必要な箇所。

② 2種類の違いと動作の目安

トピック2:2種類の違いと動作の目安

配線用遮断器は定格1倍で動作せず1.25倍2倍で規定時間内に動作、ヒューズはA種1.35倍B種1.60倍電動機用2.0倍で溶断するという過電流遮断器の動作の目安を示す図解

  • 配線用遮断器(ブレーカー):定格の1倍では動作せず、1.25倍・2倍で定格区分に応じた時間内に自動動作。繰り返し使える
  • ヒューズ:規定の倍率・時間で溶断。A種1.35倍/B種1.60倍/電動機用2.0倍が目安。溶けたら交換
ここがポイント|数値の目安をセットで
配線用遮断器は 定格1倍で動作せず、1.25倍・2倍で規定時間内に動作。ヒューズの溶断は A種1.35倍/B種1.60倍/電動機用2.0倍。取り付けは 引込口・幹線の電源側・分岐点など保護上必要な箇所に。
種類動作のしかた動作の目安使用後
配線用遮断器(ブレーカー)過電流を検知して自動で開く定格の1倍では動作せず、1.25倍・2倍で定格区分に応じた時間内に自動動作繰り返し使える
ヒューズ規定の倍率・時間で溶断するA種1.35倍/B種1.60倍/電動機用2.0倍が目安溶けたら交換する
ここまでのポイント
  • 配線用遮断器(ブレーカー)は、定格の1倍では動作せず、1.25倍・2倍で定格区分に応じた時間内に自動動作する。
  • 配線用遮断器は繰り返し使える。
  • ヒューズは規定の倍率・時間で溶断する。
  • 溶断倍率の目安は、A種1.35倍/B種1.60倍/電動機用2.0倍。
  • ヒューズは溶けたら交換する。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 過電流遮断器はどこに付けるの?

A. 電線や機器を保護するため、保護上・保安上必要な箇所に施設します。具体的には引込口、幹線の電源側、分岐点などです。

Q. 配線用遮断器とヒューズはどう違うの?

A. 配線用遮断器(ブレーカー)は過電流を検知して自動で開き、戻して繰り返し使えます。ヒューズは規定の倍率・時間で溶けて切れる使い切りタイプで、切れたら交換が必要です。

Q. 電動機用ヒューズの倍率が高いのはなぜ?

A. 電動機は始動時に定格より大きな始動電流が流れます。通常のヒューズだと始動のたびに切れてしまうため、電動機用は溶断倍率を2.0倍程度と高めにして、始動電流で誤って切れないようにしています。

まとめ|どこに付けるかと、どちらを選ぶか

過電流遮断器は、引込口や幹線の電源側など保護上必要な箇所に取り付け、繰り返し使う遮断器か使い切りのヒューズかを選ぶのが基本です。

確認する項目内容
役割過大な電流が一定時間流れたら電路を自動で切る
守る対象電線や機器
取り付け箇所引込口、幹線の電源側、分岐点など保護上・保安上必要な箇所
配線用遮断器の動作(定格の1倍)動作しない
配線用遮断器の動作(1.25倍・2倍)定格区分に応じた時間内に自動動作
配線用遮断器の再使用戻して繰り返し使える
ヒューズの動作規定の倍率・時間で溶断
ヒューズの溶断倍率(A種)1.35倍
ヒューズの溶断倍率(B種)1.60倍
ヒューズの溶断倍率(電動機用)2.0倍
電動機用の倍率が高い理由始動時の大きな始動電流で誤って切れないようにするため
ヒューズの再使用溶けたら交換が必要

取り付けで押さえること

  • 引込口・幹線の電源側・分岐点。
  • 保護上・保安上必要な箇所かどうか。

遮断器で押さえること

  • 定格の1倍では動作しないこと。
  • 1.25倍・2倍での動作時間。
  • 繰り返し使えること。

ヒューズで押さえること

  • 種別ごとの溶断倍率。
  • 電動機用の倍率が高い理由。
  • 溶けたら交換が必要なこと。

過電流遮断器は、電線の許容電流と負荷の性質の両方を見て選ぶ機器です。とくに電動機回路は始動電流という事情があるため、一般回路と同じ感覚で選ばないよう注意しておくと確実です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
次はどの数字を覚えればいいですか?
ハリタハリタ
配線用遮断器は1.25倍と2倍、ヒューズはA種1.35倍、電動機用は始動電流を考えた2.0倍です。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。