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内線規程の解釈と解説【011】|過電流遮断器

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

 



過電流遮断器

過電流遮断器の取り付け

電線及び機械器具を保護するため電路中必要な箇所には,過電流遮断器を施設すること。

必要な個所とは?

「必要な箇所」とは引込口,幹線の電源側,

分岐点など保護上又は保安上必要とする箇所をいいます

ヒューズの規格について

ヒューズの溶断時間

A種、B種、電動機用ヒューズの特性は,次に示す時間内に溶断する必要があります。

A種ヒューズの溶断時間

例:A種ヒューズの溶断時間は定格電流30Aの場合、1.35倍の電流値が60分以上流れた場合溶断します。

B種ヒューズの溶断時間

例:B種ヒューズの溶断時間は定格電流30Aの場合、1.60倍の電流値が60分以上流れた場合溶断します。

電動機用ヒューズの溶断時間

例:電動機用ヒューズの溶断時間は定格電流60Aの場合、2.0倍の電流値が4分以上流れた場合溶断します。

配線用遮断器の規格及び選定について

配線用遮断器の規格
  1. 定格電流の1倍の電流で自動的に動作しないこと。
  2. 定格電流の区分に応じ,定格電流の1.25倍及び2倍の電流を通じた場合において,それぞれ同表に示す時間内に自動的に動作すること。

 

配線用遮断器の特性

表の見方

定格電流の区分

  • 配線用遮断器の定格電流

動作時間の限度

  • 定格電流の1.25倍の電流を流した場合の動作までの時間
  • 定格電流の2.0倍の電流を流した場合の動作までの時間

 

単相3線式電路に施設する場合

中性線欠相保護について
  • 中性線欠相保護機能付きのものとすること

 

中性線欠相保護機能を付ける理由

中性線欠相により発生する異常電圧から単相3線式電路に接続される電気使用機械器具の被害を防止するため,当該電路は中性線欠相保護を行う必要がある

 

過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズとを組み合わせた装置の規格及び使用の制限

詳しくは内線規程本紙をご参照ください

過電流遮断器の遮断容量

過電流遮断器の最大短絡容量は?

(社)日本電気協会制定,電気技術規程,JEAC 8701(1968)「低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要なしゃ断容量」参照のこと

詳しくは内線規程本紙をご参照ください

非包装ヒューズの使用制限

詳しくは内線規程本紙をご参照ください

過電流遮断器の極

詳しくは内線規程本紙をご参照ください

電線を保護する過電流遮断器の施設

ここにタイトルを入力

屋内電路の各部分の電線は,次の各号により過負荷電流及び短絡電流に対して保護すること。
① 幹線は,引込口装置の過電流遮断器又はその幹線の電源側に施設した過電流遮断器により,その幹線の過負荷電流及び短絡電流から保護すること。ただし,次のいずれかに掲げる場合は,短絡電流に対してのみ保護し,過負荷電流に対しての保護を省略することができる。
a. 1360-10(低圧幹線を分岐する場合の過電流述断器の施設)の規定により,許容電流の大きい幹線から分岐する許容電流の小さい電線(1360-10(低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設)1項②及び③に該当する場合)
b. 電動機回路のみに使用する電線
〔注〕電動機の過負荷保護については,3705-5(電動機の過負荷保護装置などの施設)を参照のこと。
② 分岐回路の配線は,分岐過電流遮断器により,その電路に流れる過負荷電流及び短絡電流から保護すること。ただし,次のいずれかに掲げる場合は,短絡電流に対してのみ保護し,過負荷電流に対しての保護は省略することができる。
a. 1のねじ込み接続器,1のソケット若しくは1のコンセントからその分岐点に至る長さ3m以下の電線
b. 電動機回路のみに使用する電線
〔注〕電動機の過負荷保護については,3705-5(電動機の過負荷保護装置などの施設)を参照のこと。
c. 1360-10(低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設)の規定に準じて施設される幹線との分岐点から分岐過電流遮断器に至る電線(1360-10(低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設)1項④に該当する場合)
③ 分岐回路に接続するコード及びキャブタイヤケ―ブル(いずれも電球線又は移動電線として使用するものに限る。)は,分岐過電流遮断器により短絡電流に対して保護すること。

電線を保護する過電流遮断器の定格電流

電線を保護する過電流遮断器の定格電流について

1. 電灯及び電熱回路などに使用する電線を過負荷電流及び短絡電流から保護する場合の過電流遮断器の定格電流は,その電線(1360-10(低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設)を除く。)の許容電流以下のものであること。(解釈148)

2. 〔コード,電灯器具用心線などを保護する過電流遮断器の定格電流〕
コード,電灯器具用心線(㎟)を保護する過電流遮断器の定格電流は,次の各号によるものであること(勧告)
① 配線用遮断器による場合は 15A又は20A
② ヒューズによる場合は   15A

3. 電動機又はこれに類する始動電流が大きい電気使用機械器具回路に使用する電線を過電流遮断器をもって短絡電流から保護する場合の過電流遮断器の定格電流は,その電線の詐容電流(1340-1表に規定するもの)の2.5倍(1360-4(過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズとを組み合わせた装置の規格及び使用の制限)に規定する過電流遮断器にあっては,1倍)以下のものであること。ただし,その電線の許容電流が100A以上(銅線は22mm2以上, アルミ線は,30mm2以上)であって,かつ,その値の2.5倍(1360-4(過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズとを組み合わせた装置の規格及び使用の制限)規定する過電流遮断器にあっては,1倍) の値が過電流遮断器の標準の定格に該当しない場合は,その電線の許容電流の2.5倍(1360-4(過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器又は短絡保護専用ヒューズとを組み合わせた装置の規格及び使用の制限)に規定する過電流遮断器にあっては,1倍)の値より大きく,かつ,その値に最も近い標準定格のものとすることができる。(解釈148,149)
〔注〕本条の考え方については資料1-3-7を参照のこと。

低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設

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電線を保護する配線用遮断器の調節

電線を保護する配線用遮断器の調節

電気室の配電盤などに取り付ける調節可能な配線用遮断器(瞬時引き外しの電流値のみを調節する形式のものを除く。)であって,1360-3(配線用遮断器の規格及び選定)に規定する用途以外のものの動作電流は,1360-5表に示す値以下であること。

電線を保護する配線用遮断器の過電流素子及び開閉部の数

〔備考1〕*1印のものは,1360-7(過電流遮断器の極)2項③の場合に該当する対地電圧が150V以下で接地側の確定されたものでは,接地側電線から素子を省いてもよい。
〔備考2〕*2印のものは,3605-2(分岐回路の種類)3項②の規定による単相3線式分岐回路の電源側に2極2素子の配線用遮断器を用いるとともに,中性線を断路できる装置を設置する場合にあっては,過電流素子によって動作する開閉部の数を2とすることができる。

2. 過電流素子は,過負荷及び短絡のいずれかに対しても確実に動作するものであること。

3. 多線式電路に配線用遮断器を施設する場合において,中性点に接続する遮断機構の極は,他の極と同時に(又は他の極より遅く)遮断できるものであること。

1360-13〔機械器具を保護する過電流遮断器の定格電流〕(対応省令:第63条)
50Aを超える分岐回路(電動機回路を除く)であって 機械器具を保護する過電流遮断器の定格は,次の各号によること。(勧告)
① ヒューズを用いる場合は,機械器具の定格電流の100%以上,150%以下のものであること。
② 配線用遮断器を用いる場合は,機械器具の定格電流の130%以上,180%以下のものであること。
〔注〕電線を保護する過電流遮断器は,機械器具を保護する過電流遮断器と共用することができる。

1360-14 開閉器などの定格電流との関係(対応省令:第63条)
開閉器, カットアウトスイッチなどの器具に挿入するヒューズの定格は,これらの定格電流を超過しないこと。

1360-15 つめ付ヒューズ使用上の制限(対応省令:第59条)
屋内に施設するつめ付ヒューズは,アーク及び溶融金属を放出しないよう特殊な構造としたものの内部に収めるか,又は内面全部に耐アーク性の物を張った箱内に施設すること。ただし,耐アーク性の物で堅固に製作したカバーを取り付けた開閉器の内部に収めて施設したものは,この限りでない。(解釈150)

1360-16 ヒューズの電流表示(対応省令:第59,63条)
過電流遮断器として開閉器の定格未満のヒューズを用いる場合は,取り付け位置又はその近くに,そのヒューズの定格電流を容易に消えない方法で表示すること。

1360-17 過電流遮断器の停電警報装置(対応省令:第14条)
過電流遮断器が,電路を自動的に遮断した場合に使用設備に与える影響が大きいものについては,電路を遮断したとき,当該施設の監視所などに停電を警報する装置を施設すること。

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。