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PASの設計|PASの塩害対策と仕様の選定方法について詳しく解説

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今回の疑問

 

PASの塩害対策について教えてほしい!

 




こんな場面はないですか?

あにまるさん
あにまるさん
PASのモールドコーンって何なんだ?

はりた
はりた
モールドコーンはある目的のために設置の有無を判断しないといけないね!

あにまるさん
あにまるさん
必ず必要なものなのか?

はりた
はりた
条件に応じで有無を選定する必要があるから解説していこう!

結論

PASは設置環境に応じて2種類のうちから選定します

  1. 一般防水(鋼板製)
  2. ステンレス製(重耐塩仕様)

モールドコーンについて

  • モールドコーンはPASの塩害対策として使用します。主な設置環境としては”国交省仕様”と記載されていた場合モールドコーンの適用が必須となります。
本記事のおすすめの方
  • PASの塩害対策について調べている方
  • PASのモールドコーンについて調べている方
  • 塩害対策の選定方法について調べている方
仕様の設計|屋外機器の塩害対策方法と選定基準について詳しく解説 塩害から機器を守ろう [/box02] 仕様に求められるレベル|...
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PASの塩害対策の種類

PASの塩害対策の種類
一般地区 鋼板製
塩害地区 SUS製

 

あにまるさん
あにまるさん
仕様は2種類しかないのか

はりた
はりた
一般防水の鋼板製と塩害地区用のSUS製のどちらかになるね!

仕様の特長

鋼板製

鋼板製の特長
  • 費用が安い(標準価格)
  • 鋼板製の場合は塩害による被害の少ない場所に使用する

SUS製

SUS製の特長
  • 費用が高い(SUS製のため)
  • 海岸に近い場所や塩害対策の必要な場所に使用する

 




モールドコーンについて

モールドコーンとは

モールドコーンとはPASがLA(避雷器)付属の場合、

そのLAに塩害対策を施した仕様のものになります。

避雷器 関東地区 定格電圧 8.4kV
公称放電電流 2500A
動作開始電圧 17kV以上(波高値)
制限電圧 36kV以下
定格周波数 50/60Hz
特性要素およびギャップ ZnO素子ギャップレス
一般地区
(モールドコーン形)
定格電圧 8.4kV
公称放電電流 2500A
AC放電開始電圧 13.9kV以上
制限電圧 33kV以下
定格周波数 50/60Hz
特性要素およびギャップ ZnO素子直列ギャップ付

出典:(LA内蔵GR付PAS(柱上用SOG開閉器)―戸上電機製作所 (togami-elec.co.jp))より



モールドコーンの仕様

形式 ZL-8A ZL-8AX ZL-8AX-M
定格電圧(kV) 8.4
公称放電電流(kA) 2.5
AC放電開始電圧(kV) 13.9以上
AC放電開始電圧(kV) 100%(kV) 33以下
0.5μS(kV) 38以下
制限電圧(kV) 33以下
放電耐量 4/10μS(2回)(kA) 10
2ms(20回)(A) 75
汚損特性(mg/cm2) 0.06 0.35
質量(kg) 1.3 2.1 2.3

出典:(避雷器 アレスタ(ZL形)―戸上電機製作所 (togami-elec.co.jp))より

モールドコーンの選定基準

モールドコーンの選定基準

要求水準が国交省仕様の場合に選定

あにまるさん
あにまるさん
学校とか庁舎の場合に必要になるんだな

はりた
はりた
民間の場合でも国交省仕様が要求水準であれば必要になるね!




塩害地区の距離

JIS C 4605-1998 2.2.2より

JIS C 4605-1998に屋外用耐塩じん汚損性による種類として次のように記載されています。

注(1)モールドコーンなどで口出線を強化したものは,0.06mg/cm2でよい。2.2.3温度及び湿度 周囲温度が 2.1 に定める標準使用状態範囲をかなり逸脱する可能性がある場所に負荷開閉器を設置する場合,推奨される最低温度と最高温度の範囲を,次のとおり指定することが望ましい。

− 極寒冷気候の場合 −35〜+40℃(屋外用),−25〜+40℃(屋内用)− 極熱暑気候の場合 −5〜+50℃備考 高温・高湿の風が頻繁に発生する地域では,温度の急激な変化によって,屋内でも結露が起こることがある。

2.2.4振動 (対応国際規格の規定は,適用範囲外のため不採用とした。)2.2.5その他の特殊使用状態 負荷開閉器を使用する場所に,上記に定める以外の特別な環境条件が存在する場合,使用者は IEC 60721 に従い,それらの条件を指定することが望ましい。

あにまるさん
あにまるさん
重・中・軽塩じん用って色々分かれているんだな

はりた
はりた
JISの規格上周囲環境の塩害によって段階を分けているけど現在製造されているのは一般かSUS製の2種類しかないんだよ!

あにまるさん
あにまるさん
塩害対策を必要とする場合SUS製にすればいいんだな!



メーカー仕様書に対する記載

耐塩じん汚損性能 0.35mg/cm2(耐重塩じん用)

出典:(LA内蔵GR付PAS(柱上用SOG開閉器)―戸上電機製作所 (togami-elec.co.jp))より

あにまるさん
あにまるさん
メーカーの仕様書にちゃんと耐塩じん汚損性能って記載があるんだな!

はりた
はりた
そうだね!耐重塩じん用だから一番上の性能ってことになるね!

価格について

鋼板製とSUS製の費用

PASの仕様を選定する場合

一般地区 鋼板製
塩害地区 SUS製

となりますが鋼板製とSUS製のコスト比較は数万円ほどの差しかありません。一般地区の場合でも雨水や微量の塩害で錆を発生させる可能性は十分にあります。SUS製から一般の仕様に変更したからと言って大幅なコスト減が可能ではありませんので極力SUS製で選定されることをお勧めします。




仕様選定のポイント

仕様選定のポイント

PASの仕様選定は海岸からの距離若しくは他の設備(盤類)に合わせて選定しましょう



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まとめ

PASの塩害対策と選定方法
  • PASの塩害対策の種類
一般地区 鋼板製
塩害地区 SUS製
  • 鋼板製の特長
  1. 費用が安い(標準価格)
  2. 鋼板製の場合は塩害による被害の少ない場所に使用する
  • SUS製の特長
  1. 費用が高い(SUS製のため)
  2. 海岸に近い場所や塩害対策の必要な場所に使用する
  3. 主回路口出し線をモールドコーン付にするとさらに塩害対策が可能
  • モールドコーンとは

モールドコーンとはPASがLA(避雷器)付属の場合、そのLAに塩害対策を施した仕様のものになります。

  • モールドコーンの選定基準

要求水準が国交省仕様の場合に選定すること