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こんな場面はないですか?

あにまるさん
あにまるさん
コンセントとか電灯のケーブルって同じサイズでいいのかな~
はりた
はりた
電灯回路でも負荷容量に応じでサイズを変更する必要があるよ
あにまるさん
あにまるさん
わざわざ計算しないといけないのか~
はりた
はりた
電流値、回路構成に応じた選定方法があるから見ていこう!

今回の疑問

 

電灯回路の電線太さについて教えてほしい!

 
結論

  • 回路の負荷電流値回路構成に応じて電線太さを選定しましょう。
 
本記事のおすすめの方

  • 電灯回路の設計中の方
  • 電灯回路の2次側電線サイズを知りたい方
この記事のカテゴリー

電線の太さの決め方図解|3条件=許容電流(負荷電流以上)・電圧降下(内線規程1310節2〜5%以内)・過電流保護との協調を満たす最小サイズを選ぶ
電線の太さの決め方(①許容電流≧負荷電流/②電圧降下は内線規程1310節の規定内/③過電流保護との協調・分岐回路の最小太さ、の3条件を満たす最小サイズ)
図解のポイント:電線の太さ(サイズ)は3つの条件をすべて満たす最小サイズを選びます。①許容電流:電線に流せる電流が回路の負荷電流以上であること(周囲温度や同一管内本数=電流減少係数で補正)。②電圧降下:内線規程1310節の規定値以内(こう長により2〜5%が目安)で、こう長が長いほど太くします。③過電流保護との協調:過電流遮断器で保護できる太さで、分岐回路の最小太さの規定にも適合させます。単相2線と単相3線で電圧降下の計算式が異なる点にも注意します。
📱 電線の太さの決め方(要点データ)
① 許容電流
電線に流せる電流 ≧ 負荷電流(周囲温度・電流減少係数で補正)
② 電圧降下
内線規程1310節の規定内(こう長で2〜5%)。長距離ほど太く
③ 過電流保護と協調
過電流遮断器で保護できる太さ・分岐回路の最小太さ規定に適合
選び方
3条件をすべて満たす最小サイズ(実務は許容電流か電圧降下が支配的)
ペン太ペン太
単相回路の電線サイズって、カタログの許容電流を見て選べば終わりですよね?
ハリタハリタ
許容電流・電圧降下・過電流保護の3条件すべてを満たす最小サイズを選びます。

内線規程の内容

3605-5 分岐回路の電線太さ (対応省令:第56,57,59,63条)

1.分岐回路の電線の太さは,3605-2(分岐回路の種類)に規定する分岐回路の種類に応じ,3605-6表に示す値 (分岐点から一つの受日に至る部分で,長さが 3m以下の部分にコンセントを施設する場合は,当該部分を通過する負荷電流以上の許容電流)以上のものであること。ただし,3102-4(配線に用いる電線太さ)の①から④までのいずれかに該当する場合は,この限りでない。(解釈 149)

分岐回路の電線太さ

分岐回路の種類電線の最小太さ
軟銅線
接続できるコンセントの定格
15A分岐回路1.6mm(2.0mm²)以上15A以下
20A配線用遮断器分岐回路1.6mm(2.0mm²)以上20A以下(15A・20A)
20Aヒューズ分岐回路2.0mm(3.5mm²)以上20A
30A分岐回路2.6mm(5.5mm²)以上20Aを超え30A以下
40A分岐回路8mm² 以上30Aを超え40A以下
50A分岐回路14mm² 以上40Aを超え50A以下

※ 内線規程 3605-2表(分岐回路の種類)・3605-6表(電線太さ)に基づく標準値。( )内はより線の断面積の目安。分岐点から受口までが3m以下でコンセントを施設する場合など、条件により緩和・特例があります。

3605-6表 分岐回路の電線太さ

〔備考1〕 分岐点から一つの受口に至る部分欄の一については,分岐回路一般欄で規定している電線太さ以上のものを使用すれば長さ3m以下に限らなくともよいことを示す。 〔備考2〕 銅線の ( )は MIケ ーブルの場合を示す。 〔備考3〕 電光サイン装置のように,一定した負荷の場合において最大使用電流が5A以下 のものは,全回路にわたり銅電線 16mmを使用することができる。 〔備考4〕 ライテイングダクトは, ダクト本体に表示された定格電流をいう。 〔備考5〕 この表は,単相3線式分岐回路についても適用する。 〔備考6〕 許容電流を満たす仕様のケーブルサイズを適用してもよい。なお,製品によってはケーブルが対応できても接続する製品側が対応できない場合がある。

2.前項の分岐回路の電線太さは,前項の規定によるほか,1310節 (電圧降下) 及び1340節 (許容電流)の規定を考慮して決定すること。 3.〔15A分岐回路及び20A配線用遮断器分岐回路の電線太さ〕 前項に規定する15A分岐回路又20A配線遮断器分岐回路の電線は、定格電流が15A以下の受口を施設する場合に限り(定格電流が20Aの受口を施設する場合は、前項の規定によること。)次の各号の太さ以上のものを仕様すること。(勧告) ′① 100V単相2線式 100/100V単相3線式及び100/173A三相4線式で供給する100V回路の場合は、3605ー7表によること。

2次側電線の太さを決める3つの条件

単相回路の2次側(負荷側)電線の太さは、次の3つの条件をすべて満たす最小サイズを選ぶのが基本です。どれか1つでも外れると、発熱・電圧不足・保護不良の原因になります。

①許容電流(安全に流せる電流)

電線の許容電流 ≧ その回路に流れる負荷電流。カタログの許容電流をそのまま使わず、周囲温度同一管内の電線条数(電流減少係数)で補正した値で判定します。

②電圧降下(末端で電圧が下がりすぎない)

こう長が長いほど電圧降下は大きくなります。内線規程1310節の許容値以内に収める必要があり、単相2線式と単相3線式で計算式が異なります(後述)。

③過電流保護との協調

配線用遮断器(ブレーカー)で電線を過電流から保護できる組合せであること。15A・20A分岐回路などは、内線規程3605節の最小太さの規定にも適合させます。

実務では、短距離なら①許容電流、長距離なら②電圧降下が支配的になります。まず負荷電流から仮のサイズを決め、こう長で電圧降下を検算する流れが確実です。

電圧降下の計算式と計算例

低圧配線の電圧降下は、内線規程の簡易式で概算できます(導体は銅、こう長L〔m〕・電流I〔A〕・断面積A〔mm²〕)。

単相2線式:e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A) 〔V〕

単相3線式・三相4線式(中性線と電圧線間):e = 17.8 × L × I ÷ (1000 × A) 〔V〕

三相3線式:e = 30.8 × L × I ÷ (1000 × A) 〔V〕

単相2線式の係数35.6は、行き帰り2本ぶんの抵抗が効くためで、単相3線式(17.8)のちょうど2倍です。同じ負荷でも単相3線式のほうが電圧降下は約半分になります。

計算例:単相2線式 100V・負荷20A・こう長15m

断面積5.5mm²の電線を使った場合の電圧降下は、

e = 35.6 × 15 × 20 ÷ (1000 × 5.5) ≒ 1.9V(約1.9%)

となり、標準の2%以内に収まります。ここで細い2mm²にすると、

e = 35.6 × 15 × 20 ÷ (1000 × 2.0) ≒ 5.3V(約5.3%)

と許容値を大きく超えるため不採用。許容電流だけでなく電圧降下でもサイズが決まる典型例です。

計算例:単相3線式なら同条件で約半分

同じ100V負荷20A・こう長15mを単相3線式(5.5mm²)で見ると、

e = 17.8 × 15 × 20 ÷ (1000 × 5.5) ≒ 1.0V(約1.0%)

と、単相2線式の約半分に収まります。こう長が長い回路や電圧降下が厳しい負荷では、単相3線式が有利です。

ペン太ペン太
えっ、カタログの許容電流をそのまま使っちゃダメなんですか!?
ハリタハリタ
周囲温度と同一管内の電線本数で補正した値で判定します。ここが落とし穴ですよ。

許容電流は「補正後の値」で判定する

電線の許容電流は、カタログ値(基準周囲温度30℃・単独布設など)そのままではなく、実際の使用条件で補正して使います。

  • 周囲温度補正:盤内・二重天井など高温部では許容電流が下がります。
  • 電流減少係数:同一管内にまとめる電線が多いほど放熱が悪くなり、許容電流を低減します(内線規程の例:3本以下0.70、4本0.63、5〜6本0.56)。

「補正後の許容電流 ≧ 負荷電流」を満たすことが条件です。管内に多条数をまとめる設計では、この補正で1サイズ太くなることが珍しくありません。

実務でつまずきやすいポイント

  • 負荷電流は定格だけでなく、力率や起動電流も見て実態で評価する。
  • 電圧降下は往復で効く(単相2線の係数が大きいのはこのため)。
  • ブレーカー定格と電線許容電流は、単純な大小比較ではなく内線規程3605節の分岐回路規定で協調させる。
  • 周囲温度の高い場所・多条数の管内では許容電流の補正を必ず行う。
  • 将来の増設やこう長の余裕を見て、迷ったら1サイズ上も検討する。

よくある質問(FAQ)

Q. 2次側電線の太さはどうやって決めますか?

A. 許容電流・電圧降下・過電流保護との協調の3条件をすべて満たす最小サイズを選びます。まず負荷電流で仮のサイズを決め、こう長で電圧降下を検算する流れが確実です。

Q. 電圧降下の許容値はどのくらいですか?

A. 内線規程1310節では、幹線・分岐回路それぞれで標準電圧の2%以下が基本です。こう長が60mを超える場合は緩和値(例:120m以下で4%程度)が定められています。詳細は内線規程で確認してください。

Q. 単相2線式と単相3線式で電圧降下の計算式は違いますか?

A. 違います。単相2線式は e=35.6×L×I÷(1000×A)、単相3線式(中性線と電圧線間)は e=17.8×L×I÷(1000×A) で、単相3線式は同条件で約半分の電圧降下になります。

Q. 許容電流はカタログ値をそのまま使えますか?

A. そのままは使えません。周囲温度と同一管内の電線条数(電流減少係数)で補正した値が、負荷電流以上になっているかを判定します。

Q. ブレーカーの定格と電線の太さの関係は?

A. 単純な大小比較ではなく、電線を過電流から確実に保護できる組合せにします。15A・20A分岐回路などは内線規程3605節の最小太さの規定に適合させます。

ペン太ペン太
実務ではどういう手順で決めるのが確実ですか?
ハリタハリタ
負荷電流から仮決めし、こう長で電圧降下を検算。単相2線式は係数35.6で計算します。

出典:本記事の表・数値は内線規程(JEAC 8001)およびJIS規格をもとに作成しています。適用にあたっては最新版の原典をご確認ください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。