技術図書館一つでは守りきれない|三段構えで感電を防ぐ一次300V・二次150Vに絞って二次側は非接地、金属部分はC種接地、30V超で漏電遮断器この資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【097】水中照明灯などの施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

水泳プールや噴水など水中に設置される水中照明灯は、水に触れる環境で使うため、一般の照明より厳しい安全規定が定められています。ポイントを「電圧と絶縁変圧器」「器具の施設と接地」「漏電遮断器」の3つに整理します。

水中照明灯の施設ポイントを電圧と変圧器・接地工事・漏電遮断と施工の3つに整理した図解
結論
①絶縁変圧器を使い、一次側は300V以下・二次側は150V以下とし、二次側電路は非接地。②金属製外箱や容器・防護装置の金属部分にC種接地接地線は原則2.6mm以上、分岐接続部は2.0mm可)。③二次側の使用電圧30Vを超える場合は非接地回路用の漏電遮断器を設置。
図解:水中照明灯の三重の安全対策
① 電圧を絞る
絶縁変圧器で
一次側 300V以下 / 二次側 150V以下
二次側は非接地
② 接地する
金属部分にC種接地
接地線 原則2.6mm以上
(分岐接続部は2.0mm可)
③ 遮断する
二次側が30V超なら
非接地回路用
漏電遮断器を設置
この記事でわかること
✔ 使用電圧と絶縁変圧器
✔ 器具の施設と接地
✔ 漏電遮断器
ペン太ペン太
プールの水中照明って、感電が一番怖い設備じゃないですか?
ハリタハリタ
だから絶縁変圧器で一次300V以下・二次150V以下とし、二次側は非接地にします。何重にも守る設計です。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 絶縁変圧器の一次側と二次側で、電圧の上限はそれぞれいくつか
  • 接地線の太さは、原則いくつ以上か。例外はあるか
  • 漏電遮断器が必要になるのは、二次側電路の電圧がいくつを超えたときか
この記事でわかること
接地の要件は、2つ目の項にまとめています。

使用電圧と絶縁変圧器

トピック1:使用電圧と絶縁変圧器
  • 絶縁変圧器を使用し、一次側電路は300V以下とする
  • 二次側電路は150V以下とする
  • 絶縁変圧器の二次側電路は非接地とする
  • 二次側電路の各極に開閉器および過電流遮断器を設置する(開閉機能付きの過電流遮断器なら単独使用も可)
ペン太ペン太
接地線は全部2.6mmの銅線じゃなきゃダメだと思ってました!
ハリタハリタ
原則は2.6mm以上ですが、分岐接続部では2.0mm以上でよい例外があります。C種接地が基本です。
区分基準
一次側電路300V以下
二次側電路150V以下
二次側電路の接地非接地とする
二次側の開閉器・過電流遮断器各極に設置(開閉機能付き遮断器なら単独可)
ここまでのポイント
  • 絶縁変圧器を使用し、一次側電路は300V以下とする
  • 二次側電路は150V以下とする
  • 絶縁変圧器の二次側電路は非接地とする
  • 二次側電路の各極に開閉器および過電流遮断器を設置する(開閉機能付きの過電流遮断器なら単独使用も可)

器具の施設と接地

トピック2:器具の施設と接地
  • 指定された最大水深を守り、電球は定格容量内のものを使用する
  • グランドパッキンを確実に締め、送り接続には専用器具を使う
  • 常時水没する器具は水面上に出ないように設置する
  • 開閉器・過電流遮断器の金属製外箱や容器・防護装置の金属部分にC種接地を施す
  • 接地線径は原則2.6mm以上(分岐回路の接続部では2.0mm以上でも可)
  • 二次側電路が30V以下の場合は混触防止板にA種接地を施し、接地線は絶縁電線を用いて防護措置を行う
取り違えやすいところ正しくは
接地線はすべて2.6mm以上でなければならない原則2.6mm以上。分岐回路の接続部では2.0mm以上でもよい
二次側も接地しておくほうが安全二次側電路は非接地とする
接地はD種でよい金属製外箱などにはC種接地を施す
低電圧なら漏電遮断器は不要二次側が30Vを超える場合は設置する
一般の漏電遮断器を使えばよい非接地回路用の特殊構造タイプを使用する
ここまでのポイント
  • 指定された最大水深を守り、電球は定格容量内のものを使用する
  • グランドパッキンを確実に締め、送り接続には専用器具を使う
  • 常時水没する器具は水面上に出ないように設置する
  • 開閉器・過電流遮断器の金属製外箱や容器・防護装置の金属部分にC種接地を施す
  • 接地線径は原則2.6mm以上(分岐回路の接続部では2.0mm以上でも可)
  • 二次側電路が30V以下の場合は混触防止板にA種接地を施し、接地線は絶縁電線を用いて防護措置を行う

漏電遮断器

トピック3:漏電遮断器
  • 二次側電路の使用電圧が30Vを超える場合、漏電遮断器を設置する
  • 非接地回路用の特殊構造タイプを使用する
たとえ話
水中照明はプールに沈めて使うので、普通の照明より何重にも安全を重ねます。変圧器で電圧を絞り、金属部分を接地し、もしもの漏電は遮断器で止める——三重のガードで感電を防ぐイメージです。
見習いペン太
見習いペン太
水の中で使う照明だから、こんなに念入りなんですね。
はりた
はりた
そう。まず変圧器で電圧を下げて、金属部分を接地する。これが基本だよ。
見習いペン太
見習いペン太
それでも漏電したらどうなるんですか?
はりた
はりた
二次側が30Vを超えるなら漏電遮断器で止める。三段構えで守るんだ。
水中照明灯の絶縁変圧器・接地・漏電遮断器を示した図
水中照明灯は絶縁変圧器を使用し、一次側電路は300V以下、二次側電路は150V以下で非接地とする。二次側電路の各極には開閉器および過電流遮断器を設ける。開閉器・過電流遮断器の金属製外箱、容器や防護装置の金属部分にはC種接地工事を施し、接地線は原則2.6mm以上(分岐回路の接続部では2.0mm以上でも可)。二次側の使用電圧が30Vを超える場合は非接地回路用の漏電遮断器を設置する。
ここまでのポイント
  • 二次側電路の使用電圧が30Vを超える場合、漏電遮断器を設置する
  • 非接地回路用の特殊構造タイプを使用する

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 水中照明灯の使用電圧の上限は?
A. 絶縁変圧器を使い、一次側は300V以下、二次側は150V以下です。二次側電路は非接地とします。
Q. 接地工事はどうする?
A. 開閉器・過電流遮断器の金属製外箱や容器・防護装置の金属部分にC種接地を施します。接地線径は原則2.6mm以上、分岐回路の接続部では2.0mm以上でも可です。
Q. 二次側が30V以下のときの接地は?
A. 絶縁変圧器の混触防止板にA種接地を施し、接地線には絶縁電線を用いて防護措置を行います。
Q. 漏電遮断器はいつ必要?
A. 二次側電路の使用電圧が30Vを超える場合に設置します。非接地回路用の特殊構造タイプを使用します。
Q. 器具を設置するときの注意点は?
A. 最大水深を守り、定格容量内の電球を使用します。グランドパッキンを確実に締め、送り接続には専用器具を使い、常時水没する器具は水面上に出ないよう設置します。

まとめ|電圧を絞り、接地し、漏電で止める

水中照明灯は「絶縁変圧器で電圧を絞る」「金属部分をC種接地する」「30V超なら漏電遮断器で止める」という三段構えで感電を防ぎます。二次側を非接地とする点が、他の設備と違う特徴です。

確認する順番見るところ基準
Step1絶縁変圧器一次側300V以下、二次側150V以下
Step2二次側の扱い非接地とし、各極に開閉器と過電流遮断器
Step3器具の施設最大水深、定格容量、グランドパッキン、送り接続の専用器具
Step4接地金属部分にC種接地。接地線は原則2.6mm以上
Step5漏電遮断器二次側が30V超なら、非接地回路用を設置

プールや噴水では、日常の点検で器具が浮き上がっていないか、パッキンが緩んでいないかも安全に直結します。設計時の要件と、引き渡し後の点検項目をあわせて整理しておくと安心です。

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ペン太ペン太
取り付けのときのコツはありますか?
ハリタハリタ
グランドパッキンを確実に締め、指定水深を守ることです。二次側30V超なら漏電遮断器も忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。