この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【019】PCBの使用電気機械器具
📚 内線規程の解説シリーズ(全119条文+テーマ解説)|条文・テーマから探せる 総合インデックスはこちら →

出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて絶縁油などに使われていた物質ですが、今は人体にも環境にも有害とされ、電気設備での使用が法律で禁止されています。押さえるポイントは 「PCBとは/該当機器・判定/見つけたらどうするか」 の3つです。

PCBは有害で含有機器は使用禁止、該当機器はコンデンサや変圧器など0.5mg/kg超で含有、見つけたら点検し専門業者へ依頼という3つのポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は3つ。①PCBは有害物質で含有機器は 設置・使用が禁止②該当機器はコンデンサ・変圧器など(絶縁油 0.5mg/kg超 で含有)、③見つけたら点検で確認し 自己処分せず専門業者へ
見習いペン太
見習いペン太
古い変圧器って、PCBが入ってることがあるんですか?
はりた
はりた
昔の機器だと可能性があるんだ。コンデンサ・変圧器・計器用変成器などは要確認。見つけたら自分で処分せず、専門業者に処理を依頼するんだよ。
この記事でわかること
✔ ① PCBとは(なぜ使えないのか)
✔ ② 該当機器と判定の目安
✔ ③ 見つけたときの対応

※本欄はアフィリエイト広告(PR)を含みます

ペン太ペン太
古いコンデンサや変圧器って、動くならそのまま使い続けてもいいですよね?
ハリタハリタ
PCB入りなら法律で使用禁止です。絶縁油に有害なPCBが含まれている可能性があります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • PCBが含まれる可能性のある機器を挙げられますか。
  • PCB含有と判定される絶縁油の濃度はいくつですか。
  • PCB含有機器が見つかったら、どうしますか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、PCBの使用電気機械器具の扱いを4つの視点で整理します。

① PCBとは(なぜ使えないのか)

トピック1:PCBとは(なぜ使えないのか)
  • PCBは 人体・環境に有害な物質(発がん性リスク、分解されにくく土壌・水質に残留)
  • そのため 使用・保管・処理が法律で厳しく規制され、PCB含有機器は設置・使用できない
ペン太ペン太
PCB含有かどうかは、何で判定するんですか?
ハリタハリタ
絶縁油の濃度が0.5mg/kgを超えると含有と判定されます。まず対象機器かどうか確認しましょう。
ここまでのポイント
  • PCBは人体・環境に有害な物質(発がん性リスク、分解されにくく土壌・水質に残留)。
  • そのため使用・保管・処理が法律で厳しく規制されている。
  • PCB含有機器は設置・使用できない。

② 該当機器と判定の目安

トピック2:該当機器と判定の目安
  • PCBが含まれる可能性のある機器:コンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイル など
  • 判定の目安:絶縁油のPCB濃度が 1kgあたり0.5mgを超える ものが「PCB含有」
確認する内容目安
PCBが含まれる可能性のある機器コンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイルなど
含有の判定絶縁油のPCB濃度が1kgあたり0.5mgを超えるもの
含有と判定された場合設置・継続使用はできない
ここまでのポイント
  • PCBが含まれる可能性のある機器は、コンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイルなど。
  • 判定の目安は、絶縁油のPCB濃度が1kgあたり0.5mgを超えるもの。

③ 見つけたときの対応

トピック3:見つけたときの対応

コンデンサや変圧器などでPCB絶縁油0.5mg/kg超は含有とされ、点検で確認し含有なら使用不可で専門業者に処理を依頼する流れを示す図解

  • 点検・更新時に含有の有無を確認する
  • 含有なら設置・継続使用はNG
  • 自分で処分せず、専門業者に処理を依頼する(法令・保管/処理のルールを守る)
ここがポイント|「確認→使用不可→専門業者」
PCBは 含有機器は設置・使用NG。判定の目安は 絶縁油のPCB濃度0.5mg/kg超。点検で確認し、含有なら 自己処分は禁止・専門業者へ。人体と環境を守るため、法令に沿って扱います。
図解:PCB含有機器の判定と対応の流れ
PCB含有機器は設置・使用が禁止(有害物質)対象例:コンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイル ①点検で確認絶縁油 0.5mg/kg 超で含有 ②含有なら使用NG設置・継続使用は不可 ③専門業者へ自己処分は禁止
取り違えやすいところ正しくは
新しい機器なら確認は不要点検・更新時に含有の有無を確認する
微量なら使い続けてよい絶縁油のPCB濃度が1kgあたり0.5mgを超えれば含有。設置・継続使用はできない
変圧器だけ気をつければよいコンデンサ・計器用変成器・リアクトル・放電コイルなども対象になりうる
使わなくなったので自分で処分してよい自分で処分せず、専門業者に処理を依頼する
保管しておけば規制の対象外使用・保管・処理が法律で厳しく規制されている
ここまでのポイント
  • 点検・更新時に含有の有無を確認する。
  • 含有なら設置・継続使用はできない。
  • 自分で処分せず、専門業者に処理を依頼する(法令・保管/処理のルールを守る)。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)

Q. PCBはどんな機器に含まれている可能性があるの?

A. 古いコンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイルなどの絶縁油に含まれることがあります。絶縁油のPCB濃度が1kgあたり0.5mgを超えるものが「PCB含有」とされ、設置・使用はできません。

Q. PCB含有機器が見つかったらどうする?

A. 自分で処分してはいけません。使用・保管・処理が法律で厳しく規制されているため、専門の業者に依頼して適正に処理します。点検・更新のときに含有の有無を必ず確認します。

Q. なぜPCBはそんなに厳しく規制されているの?

A. 人体や環境に有害で、長期的な曝露による健康リスクや、分解されにくく土壌・水質に残留する環境汚染が問題になるためです。

まとめ|確認する・使わない・専門業者に渡す

PCBの使用電気機械器具は、点検で含有の有無を確認し、含有なら使わず、処分は必ず専門業者に依頼するという3つの行動に集約されます。

確認する項目内容
PCBの性質人体・環境に有害(発がん性リスク、分解されにくく土壌・水質に残留)
法律上の扱い使用・保管・処理が厳しく規制されている
含有機器の扱い設置・使用できない
該当しうる機器コンデンサ・変圧器・計器用変成器・リアクトル・放電コイルなど
含有と判定される濃度絶縁油のPCB濃度が1kgあたり0.5mgを超えるもの
確認のタイミング点検・更新時
含有が判明した場合設置・継続使用はしない
処分の方法自分で処分せず、専門業者に処理を依頼する

なぜ規制されるのかで押さえること

  • 人体への健康リスク。
  • 分解されにくく残留する環境影響。
  • 使用・保管・処理が規制対象であること。

確認で押さえること

  • 対象になりうる機器の種類。
  • 絶縁油の濃度による判定。
  • 点検・更新時に確認しているか。

見つけたときに押さえること

  • 設置・継続使用をしないこと。
  • 自己処分をしないこと。
  • 専門業者への依頼と、保管・処理のルール。

PCB含有機器は、まだ稼働している設備の中に残っていることがあります。更新や増設の計画を立てるときは、既設機器の銘板と絶縁油の確認を工程に組み込んでおくと、着工後に工事が止まる事態を避けられます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
もし見つけたら、まず何をすればいいですか?
ハリタハリタ
自己処分は絶対にせず専門業者へ依頼を。法令に従った処理までが対応です。

📎 関連するおすすめアイテム

内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ【そうだったのか小ネタ④】絶縁抵抗0.1MΩはどこから来たのか ― 1mAという「感じ始める境界」から逆算された数字電気設計の解説
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。