この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
接地工事のA種・B種・C種・D種の使い分けと
接地抵抗値(10Ω/100Ω・0.5秒遮断で500Ω緩和など)を早見表で解説。
内線規程【009】に沿って、どの機器にどの接地が必要かを実務目線で整理します。
動く図解この記事のポイントを動く図解にまとめました(2本に分けています・上のボタンで切り替え・漏電 → 4種類 → 300V → 500Ω・くり返し再生)。ジャンル「接地・雷保護」で見る →
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
接地(アース)は、電気を安全に地面へ逃がして感電や火災を防ぐしくみです。押さえるポイントは 「接地とは/A〜D種の使い分けと抵抗値」 の2つです。
接地とは、電気を大地へ逃がすこと 感電や火災を防ぎます。
A〜D種は、対象と目的で決まる 4種類に分かれます。
C種とD種は、300Vが境目 300V超は10Ω以下、300V以下は100Ω以下。
0.5秒以内に遮断で、500Ω以下に緩和 C種とD種だけの緩和です。

ペン太
C種とD種って、いつも迷うんです…

ハリタ
電圧で覚えるといいよ。300Vを超える低圧機器がC種、300V以下がD種。抵抗値もC種が10Ω以下できびしめ、D種は100Ω以下。電圧が大きいほど、きびしい(小さい)抵抗値とセットで覚えよう。
この記事でわかること
✔ 接地工事の種類(A・B・C・D種)
✔ ① 接地とは
✔ ② A〜D種の使い分けと抵抗値

ペン太
接地工事のA・B・C・D種って、名前だけで違いがピンと来ないんですが…

ハリタ
電圧と役割で分かれています。A種は高圧・特別高圧機器用で10Ω以下、D種は300V以下の低圧機器用で100Ω以下ですよ。
この記事で押さえる3つのこと
- C種とD種の境目は300V(超えればC種、以下ならD種)
- B種の接地抵抗値は、一線地絡電流に応じて決まる
- C種・D種は、0.5秒以内に自動遮断できれば、500Ω以下に緩和できる
この記事の道案内
電圧の境目(300V)を先に押さえると、種別と抵抗値が一本につながります。
接地工事の種類(A・B・C・D種)
A種は、高圧・特別高圧の機器 外箱・鉄台に付けます。10Ω以下です。
B種は、変圧器の低圧側 高圧と低圧の混触に備えて、中性点に付けます。
C種は、300V超の低圧機器 外箱に付けます。10Ω以下です。
D種は、300V以下の低圧機器 外箱に付けます。100Ω以下です。
電気設備技術基準の解釈(第17条)では、接地工事を対象と目的に応じて次の4種類に区分します。
- A種:高圧・特別高圧機器の金属製外箱など(接地抵抗10Ω以下)
- B種:高圧/特別高圧と低圧を結ぶ変圧器の中性点など(計算で求める値)
- C種:300Vを超える低圧機器の金属製外箱など(10Ω以下。0.5秒以内に自動遮断する場合は500Ω以下)
- D種:300V以下の低圧機器の金属製外箱など(100Ω以下。同上で500Ω以下)
たとえるならA〜D種は、症状に合わせて選ぶ薬のようなもの
頭痛には頭痛薬、胃の不調には胃薬、と症状に合わせて選びます。接地工事も同じで、どこに付けるか、何のために付けるかに合わせて、A種からD種の4種類から選びます。機器の外箱に付けるのはA種・C種・D種、変圧器の混触防止に付けるのはB種です。
ひっかけ注意「B種は、機器の外箱に付ける接地」ではありません。
B種は、変圧器の低圧側の中性点などに付ける接地です。高圧と低圧が混ざったとき(混触)に、低圧側の電圧が上がるのを防ぐのが役目です。機器の外箱に付けるのは、A種・C種・D種です。
ここまでのポイント
- 接地工事は対象と目的に応じてA・B・C・D種の4種類に区分される
① 接地とは
接地とは、電気の逃げ道をつくること 機器の外箱などを、接地線で大地につなぎます。
接地がないと、電気は人の体を通る 漏電した機器に触れると、感電するおそれがあります。
接地があると、電気は接地線を通る 電気は、通りやすい道を選んで流れます。
接地は、感電と火災を防ぐ 漏電したときのための、備えです。
- 接地(アース)=電気を安全に地面へ逃がすしくみ
- 電気が漏れたり異常が起きたとき、電流を大地へ流して 感電や火災を防ぐ

ペン太
C種とD種の使い分けがいつも曖昧になります。境目はどこですか?

ハリタ
境界は300Vです。300V超の低圧機器がC種、300V以下がD種。漏電遮断器などの条件で500Ω以下に緩和もできますよ。
たとえるなら接地は、電気の非常口のようなもの
非常口が広ければ、人は外へ逃げやすく、混雑も起きません。漏電した電気も同じで、接地線という逃げ道があれば、電気はそちらへ流れて、機器に触れた人へは流れにくくなります。
ひっかけ注意「接地すれば、漏電しなくなる」ではありません。
接地は、漏電そのものを防ぐものではありません。漏電したときに、電気を大地へ逃がして、感電や火災を防ぐための備えです。漏電は、電線の傷みや湿気などで絶縁が悪くなると起こります。
ここまでのポイント
- 接地(アース)は電気を安全に大地へ逃がすしくみ
- 漏電や異常時に電流を大地へ流し、感電や火災を防ぐ
② A〜D種の使い分けと抵抗値
まず、高圧か低圧かを見る 高圧・特別高圧の機器は、A種になります。
次に、変圧器の混触防止か そうなら、B種です。150÷Igで決まります。
低圧なら、300V超はC種 使用電圧が300V超の機器。10Ω以下です。
300V以下は、D種 使用電圧が300V以下の機器。100Ω以下です。
図解のポイント:内線規程・電技解釈で定める接地工事は、A種(高圧・特別高圧機器/10Ω以下)、B種(変圧器の高低圧混触防止/150÷Ig)、C種(300V超の低圧機器/10Ω以下)、D種(300V以下の低圧機器/100Ω以下)の4種類です。C種・D種は0.5秒以内に自動遮断できれば500Ω以下まで緩和されます。どの機器にどの接地が必要かは
使用電圧と機器の区分で決まります。
接地工事の種別早見表(A〜D種)
| 種別 | 対象機器 | 接地抵抗値 |
| A種 | 高圧・特別高圧の機器の外箱・鉄台など | 10Ω以下 |
| B種 | 変圧器の高圧と低圧の混触防止(低圧側・中性点) | 一線地絡電流に応じて決定 |
| C種 | 300Vを超える低圧機器 | 10Ω以下 |
| D種 | 300V以下の低圧機器 | 100Ω以下 |
※C種・D種は動作時間0.5秒以内の漏電遮断器を設けるなどの条件で500Ω以下に緩和できます。
緩和の条件は、0.5秒以内の遮断 地絡したとき、自動で電路を止めることです。
条件を満たすと、500Ω以下まで緩和 C種の10Ω以下、D種の100Ω以下が緩みます。
遮断が遅いと、緩和できない 0.5秒を超えると、元の10Ω/100Ω以下です。
緩和できるのは、C種とD種だけ A種は、10Ω以下のままです。
- A種:高圧・特別高圧の機器の外箱・鉄台など → 10Ω以下
- B種:変圧器の高圧と低圧の混触防止(低圧側・中性点) → 一線地絡電流に応じて決定
- C種:300Vを超える低圧機器 → 10Ω以下
- D種:300V以下の低圧機器 → 100Ω以下
- 漏電遮断器(0.5秒以内)などの条件でC種・D種は500Ω以下に緩和できる
ここがポイント|種別は「対象機器と電圧」で決まる
A種=高圧・特別高圧/B種=変圧器の混触防止/C種=300V超/D種=300V以下。C種・D種の境目は300V。漏電遮断器などの条件でC・D種は500Ω以下に緩和できます。
✅ D種接地工事を省略できる代表例
- 対地電圧150V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
- 二重絶縁構造の機械器具を施設する場合
- 絶縁変圧器(2次側300V以下・容量3kVA以下)を介し、2次側を非接地とする場合
- 水気のある場所以外に施設する低圧機器の電路に、漏電遮断器(定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の電流動作型)を施設する場合
※ 詳細な条件は内線規程・電技解釈の該当条項を確認してください。
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
| C種とD種は機器の種類で分かれる | 使用電圧で分かれる。300V超がC種、300V以下がD種 |
| B種にも決まった抵抗値がある | B種は一線地絡電流に応じて決定する |
| 漏電遮断器があればどの種別でも緩和できる | 緩和はC種・D種。0.5秒以内に自動遮断する条件のとき |
| A種は低圧機器にも使う | A種は高圧・特別高圧の機器の外箱・鉄台など |
たとえるなら抵抗値は、非常口の広さのようなもの
非常口が広いほど、人は早く逃げられます。出口の広さは、抵抗値の小ささにあたります。電圧の高いA種とC種は10Ω以下と広く、300V以下のD種は100Ω以下です。C種とD種は、0.5秒以内に電気が自動で止まる仕組みがあれば、500Ω以下の狭い出口でも認められます。
ひっかけ注意「300Vちょうどの機器は、C種」ではありません。
C種は「300Vを超える」低圧機器、D種は「300V以下」の低圧機器です。300Vちょうどは「以下」にあたるので、D種です。境目の300Vは、D種の側に入ります。
ここまでのポイント
- A種=高圧・特別高圧機器の外箱など/10Ω以下
- B種=変圧器の高低圧混触防止/一線地絡電流に応じて決定
- C種=300Vを超える低圧機器/10Ω以下
- D種=300V以下の低圧機器/100Ω以下
- C種・D種は0.5秒以内に自動遮断する条件で500Ω以下に緩和できる
よくある質問(FAQ)
Q. C種とD種はどう使い分けるの?
A. どちらも低圧機器の接地ですが、対象の電圧で分かれます。300Vを超える低圧機器はC種(10Ω以下)、300V以下の低圧機器はD種(100Ω以下)です。「300V超か300V以下か」で覚えると分かりやすいです。
Q. A種とB種はどんなときに使うの?
A. A種は高圧・特別高圧の機器の金属製外箱や鉄台などに施し、抵抗値は10Ω以下です。B種は変圧器で高圧と低圧が混ざる(混触)のを防ぐため低圧側・中性点などに施し、一線地絡電流に応じて抵抗値を決めます。
Q. 漏電遮断器があると接地抵抗値はゆるくなるの?
A. C種・D種では、動作時間0.5秒以内の漏電遮断器を設けるなどの条件を満たせば、接地抵抗値を500Ω以下まで緩和できます。
まとめ
接地工事の種別は、対象が高圧か低圧か、低圧なら300Vを超えるかで決まります。
| 迷いやすい場面 | どう判断する |
| 低圧機器だが、使用電圧が400V | 300Vを超えるのでC種 |
| 低圧機器で、使用電圧が200V | 300V以下なのでD種 |
| 高圧機器の金属製外箱・鉄台 | A種 |
| 変圧器の低圧側・中性点 | B種(一線地絡電流に応じて決定) |
| 0.5秒以内に動作する漏電遮断器を設けた | C種・D種は500Ω以下に緩和できる |
種別の分かれ目
- A種は高圧・特別高圧の機器の外箱・鉄台など
- B種は変圧器の高圧と低圧の混触防止(低圧側・中性点)
- C種とD種の境目は300V。超えればC種、以下ならD種
抵抗値で押さえること
- A種は10Ω以下
- B種は一線地絡電流に応じて決定
- C種は10Ω以下、D種は100Ω以下
- C種・D種は動作時間0.5秒以内の漏電遮断器を設けるなどの条件で500Ω以下に緩和できる
電圧が大きいほど抵抗値はきびしくなる、という並びで覚えると迷いません。

ペン太
B種だけ役割が違う気がします。次はどこを勉強すれば?

ハリタ
B種は変圧器の高低圧混触防止用です。変圧器まわりの保護と合わせて学ぶと接地の全体像がつながりますよ。
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