技術図書館引込柱の保護管は触れる範囲を守る地上2m以上・地中0.2m以上の目安、管の種類と防水、金属管のA種接地と省略条件この資料をスライドで見る資料一覧を見る
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引込柱でケーブルを地中から立ち上げる部分は、人の手が届きやすく、物がぶつかりやすい場所です。そのため、ケーブルをむき出しにせず保護管で覆うことが求められます。本記事では、保護管が必要になる場所と、引込柱での施設範囲(寸法)、金属管を使うときの接地を整理します。

🐧 見習いペン太:「引込柱のケーブルって、どこまで保護管で覆うんですか?」
🦔 はりた:「考え方はシンプルで“人が触れる・ぶつかる範囲を守る”。だから地際から人の背丈くらいまで、地中も少し、というイメージだよ」
🐧 見習いペン太:「数値が決まってるんですね」
🦔 はりた:「そう。地上2m以上、地中0.2m以上が目安。電力会社によっては2.5m・0.25mとすることもあるよ」
⚡ 先に結論だけ言うと
  • 人が触れる場所・衝撃を受ける場所のケーブルは保護管で覆う
  • 引込柱の目安:地上 2m以上(会社により2.5m以上)/地中 0.2m以上(同0.25m以上)
  • 上端に防水シール、地中側はFEP管等、境界は異種管接続
  • 金属管を使う場合は A種接地(10Ω以下・防食措置の部分は不要)

引込柱の保護管の要点早見表

この記事でわかること
✔ 保護管が必要になる場所
✔ 引込柱での施設範囲(寸法の目安)
✔ 保護管に金属管を使う場合の接地
ペン太ペン太
引込柱のケーブルって、どうして下のほうだけ管に入っているんですか?
ハリタハリタ
人が触れたり物が当たったりしやすい範囲を守るためです。地上と地中でどこまで覆うか目安がありますよ。

この記事で押さえる3つのこと

  • 保護管が必要なのは、人が触れる場所・ぶつかる場所のケーブル
  • 引込柱では地上2m以上・地中0.2m以上が目安(会社により2.5m・0.25m)
  • 金属管を使うなら、原則A種接地工事が必要
この記事の道案内
寸法だけ確認したい方は、施設範囲の表から読んでください。

保護管が必要になる場所

たとえるなら
保護管は、サッカーのすね当て
サッカーのすね当ては、ボールやスパイクが当たりやすい、すねだけを守ります。頭の上まで覆う必要はありません。引込柱の保護管も同じで、人が触れたり物がぶつかったりしやすい地際から地上2m以上と、地中の少しの範囲を守ります。

保護管が必要なのは、人が容易に触れられる場所と、物理的な衝撃を受ける可能性のある場所に敷設するケーブルです。引込柱の立ち上がり部分は、通行人が触れたり、車両・資材などがぶつかったりするおそれがあるため、保護管でケーブルを保護します。

ここがポイント
「触れる・ぶつかる」を守るのが保護管の目的。引込柱の立ち上がりは典型的な対象部位です。
ここまでのポイント
  • 対象は、人が容易に触れられる場所と、物理的な衝撃を受ける可能性のある場所
  • 引込柱の立ち上がり部分は、その典型例
  • 「触れる・ぶつかる」を守るのが保護管の目的

引込柱での施設範囲(寸法の目安)

立ち上がり 地際をまたいで覆う。
地上 2m以上が目安。
地中 0.2m以上が目安。
会社の基準 2.5m・0.25mの場合も。

引込柱では、地際をまたいで地上側と地中側の両方に保護管を設けます。地上は床上2m以上、地中は0.2m以上が目安です。電力会社によっては、地上2.5m以上・地中0.25m以上とする場合があります。

保護管の上端には水の浸入を防ぐ防水シールを設け、地中側はFEP管などを用いて、境界部は異種管接続とします。

引込柱の保護管の施設イメージと寸法

🐧 見習いペン太:「地上と地中で管の種類も変わるんですね」
🦔 はりた:「地上は鋼管などの防護管、地中はFEP管が一般的。境目は異種管接続でつなぐ。上端の防水シールも忘れずに」
ペン太ペン太
金属管なら頑丈だし、そのまま付ければいいと思ってました。接地が要るんですか?
ハリタハリタ
原則A種接地が必要です。大地との電気抵抗値10Ω以下や防食措置部なら省略できますが、例外扱いですよ。
部位 範囲の目安 使う管・処理
地上側 床上2m以上(会社により2.5m以上) 鋼管などの防護管。上端に防水シールを設ける
地中側 0.2m以上(会社により0.25m以上) FEP管などを用いる
地際の境界部 地上側と地中側のつなぎ目 異種管接続とする
ここまでのポイント
  • 地上は床上2m以上、地中は0.2m以上が目安
  • 電力会社によっては、地上2.5m以上・地中0.25m以上とする場合がある
  • 上端には防水シール、地中側はFEP管など、境界部は異種管接続
上端 防水シール。
地上 鋼管などの防護管。
地際 異種管接続。
地中 FEP管など。
会社 供給する電力会社を確認。
数値 2mか2.5mか。
図面 寸法と管種を明記。
施工 その数値で施工する。
たとえるなら
電力会社ごとの数値の違いは、学校ごとの校則
制服を着るという考え方はどの学校も同じでも、スカートの丈や靴の色といった細かい決まりは学校ごとに違います。転校したら、まず生徒手帳を見ます。保護管も、守る考え方は共通で、2mか2.5mかといった数値は電力会社ごとに違うので、着手前にその会社の基準を見ます。
ここに注意!
「保護管は、地上側だけ付ければよい」ではありません。
引込柱では、地際をまたいで地中側にも保護管を設けます。地中側は0.2m以上が目安です。
ここに注意!
「2mと0.2mは、全国どこでも同じ」ではありません。
電力会社によっては、地上2.5m以上・地中0.25m以上とする場合があります。着手前に、適用する電力会社の基準を確かめます。
ここに注意!
「寸法さえ守れば、納まりは完成」ではありません。
上端の防水シール、地中側の管種、境界の異種管接続まで含めて一組の納まりです。図面にもまとめて書きます。


保護管に金属管を使う場合の接地

金属管 接地を検討する。
防食措置 その部分は省略できる。
10Ω以下 その部分は省略できる。
A種接地 どちらでもなければ施す。

保護管に金属管を使用する場合は、感電の危険を防ぐためA種接地工事を施す必要があります。ただし、大地との電気抵抗値が10Ω以下のものや、防食措置を施した部分は対象外で、A種接地を省略できます。

保護管に金属管を使う場合のA種接地と省略条件

ここがポイント
「金属管の保護管=A種接地」。例外として10Ω以下・防食措置部は不要。根拠は電気設備技術基準の解釈 第111条 第2項 七です。
条件 A種接地 根拠
保護管に金属管を使用する 必要 電気設備技術基準の解釈 第111条 第2項 七
大地との電気抵抗値が10Ω以下 省略できる 同条同項
防食措置を施した部分 省略できる 同条同項
ここまでのポイント
  • 保護管に金属管を使う場合は、原則A種接地工事が必要
  • 大地との電気抵抗値が10Ω以下のもの、防食措置を施した部分は省略できる
  • 根拠は電気設備技術基準の解釈 第111条 第2項 七
ここに注意!
「金属管の保護管は、接地しなくてよい」ではありません。
保護管に金属管を使う場合は、原則としてA種接地工事を施します。
ここに注意!
「金属管なら、どの部分もA種接地が必要」ではありません。
防食措置を施した部分と、大地との電気抵抗値が10Ω以下の部分は、A種接地工事を省略できます。

よくある質問(FAQ)

Q. どんな場所のケーブルに保護管が必要ですか?

A. 人が容易に触れられる場所や、物理的な衝撃を受ける可能性のある場所に敷設するケーブルには、保護管を用いる必要があります。引込柱の立ち上がり部分などが代表例です。

Q. 引込柱の保護管はどのくらいの範囲に設けますか?

A. 目安として地上は床上2m以上(電力会社により2.5m以上)、地中は0.2m以上(同0.25m以上)です。上端には防水シールを設け、地中側はFEP管などを用い、境界部は異種管接続とします。

Q. 保護管に金属管を使うと接地は必要ですか?

A. 必要です。金属管を保護管に使う場合はA種接地工事を施します。ただし、大地との電気抵抗値が10Ω以下であるものや、防食措置を施した部分は対象外(省略可)です。

Q. 数値は全国どこでも同じですか?

A. 基本的な考え方は共通ですが、具体的な寸法は電力会社の基準で異なります。たとえば地上2.5m以上・地中0.25m以上とする会社もあるため、所轄の電力会社の規定を確認してください。

Q. 保護管の上端に防水シールが要るのはなぜですか?

A. 保護管の上端から雨水が入るのを防ぐためです。管の中に水が入ると、たまってケーブルを傷める原因になります。上端の処理も、保護管の納まりの一部として図面に書いておきます。

Q. 地上側と地中側で、管の種類を変えるのはなぜですか?

A. 地上側は人や車がぶつかるので、鋼管などの丈夫な防護管を使います。地中側は埋設に向いたFEP管などを使うのが一般的です。種類の違う管をつなぐので、地際の境界は異種管接続とします。

引込柱 保護管の施設範囲(目安)
地上側:床上 2m以上(電力会社により 2.5m以上)
鋼管などの防護管/上端に防水シール
――― 地際(境界部=異種管接続) ―――
地中側:0.2m以上(同 0.25m以上)
FEP管など
金属管の場合:A種接地(10Ω以下・防食措置の部分は不要)
ペン太ペン太
寸法の目安は、いくつを覚えておけばいいですか?
ハリタハリタ
地上2m以上・地中0.2m以上が基本です。電力会社により2.5mや0.25mの場合もあるので要確認ですね。


まとめ

引込柱の保護管の要点:

結論です。保護管の目的は、人が触れる場所と衝撃を受ける場所のケーブルを守ることです。引込柱では地上2m以上・地中0.2m以上が目安になり、電力会社によっては2.5m・0.25mとする場合があります。金属管を使うなら、原則としてA種接地がセットになります。

確認すること 押さえる内容
対象になるケーブル 人が容易に触れられる場所、衝撃を受ける可能性のある場所
地上側の範囲 床上2m以上(会社により2.5m以上)
地中側の範囲 0.2m以上(会社により0.25m以上)
上端の処理 水の浸入を防ぐ防水シール
地中側の管種 FEP管など
地際の処理 異種管接続
金属管を使う場合 原則A種接地。10Ω以下・防食措置部は省略できる

この記事の要点

  • 対象:人が触れる場所・衝撃を受ける場所のケーブル
  • 寸法目安:地上2m以上(会社により2.5m)/地中0.2m以上(同0.25m)
  • 付帯:上端に防水シール/地中側はFEP管等/境界は異種管接続
  • 金属管使用時はA種接地(10Ω以下・防食措置の部分は不要)

図面・現場で確認する順番

  • その電力会社の基準が2m/0.2mか、2.5m/0.25mかを先に確かめる
  • 地上側と地中側で管種が変わるため、境界の異種管接続を図面に明記する
  • 金属管を使うなら、A種接地の要否と省略条件を確認する

保護管は、寸法だけ覚えていても現場では足りません。上端の防水シール、地中側の管種、境界の異種管接続まで含めて一組の納まりです。電力会社によって数値が変わる部分もあるため、着手前に適用基準を一度確かめておいてください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。