技術図書館分岐幹線遮断器省略を7枚のスライドで読む3m以下・8m以下35%・長さ制限なし55%の3条件と、省略した場合の代償を図解つきで確認できます。スライドを見る資料一覧を見る
幹線から分岐する細い幹線に過電流遮断器を省略できる条件(3m以下、8m以下は許容電流が幹線遮断器の35%以上、それ以外は55%以上)と計算例、省略時の注意点を整理。

この記事の計算を、その場でツールで

幹線つながりチェック(系統ツリーで電線・ブレーカーの整合を診断)

幹線から分岐までの系統ツリーを作り、電線とブレーカーの整合・電圧降下をまとめて自動診断します。

セコサポ(電気設計・工事ツール集)で開きます。登録不要で、入力した値はお使いのブラウザに保存されます。

幹線から分岐する細い幹線に過電流遮断器を省略できる条件(3m以下、8m以下は許容電流が幹線遮断器の35%以上、それ以外は55%以上)と計算例、省略時の注意点を整理。
この記事は、連載「幹線設備の設計マニュアル」第5回 保護と幹線分岐 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
幹線分岐のケーブルサイズ選定方法の全体像

ブラウザでそのまま使える登録不要ツール

この記事の選定手順を系統全体でまとめてチェックするなら、姉妹サイト「セコサポ」の幹線つながりチェック(電線・ブレーカー整合と電圧降下の自動診断・登録不要)が便利です。

 

分岐線の長さを測ろう

 
今回の疑問

 

幹線分岐のサイズはどうやって選定するの?

分岐側の過電流遮断器の省略ってなに?

 

見習いペン太
見習いペン太
幹線を分岐する時に、過電流遮断器を省略できるって聞いたんですけど…それってどういうことですか?🤔

はりた
はりた
いい質問だね!本来、幹線から分岐する回路には過電流遮断器が必要なんだけど、ある条件を満たすと省略できる場合があるんだ💡

見習いペン太
見習いペン太
へぇ~!そんな例外があるんですね!どんな条件か気になります…!

はりた
はりた
うん、たとえば幹線の本線側に遮断器があって、分岐側の配線長が短いとか、設備の構成によっては開閉器だけでもOKになるケースがあるよ。くわしく見ていこう🔍
本記事の内容

内線規程や参考書などで”分岐した幹線の過電流遮断器の省略”の記述を目にすることがあるかと思います。これは幹線の分岐側に過電流遮断器を施設することが前提としており、分岐側の幹線の許容電流が、主幹の過電流遮断器の定格電流×係数以上であれば過電流遮断器を省略可能ということになります。しかし過電流遮断器を施設しなければいけないという認識が薄いため条件を満足していない場合でも過電流遮断器を省略している場合があります。条件をよく理解し適正な計画ができるようにしましょう。

本記事のおすすめの方

  • 分岐した細い幹線に施設する過電流遮断器の省略について知りたい方
  • 幹線サイズの選定方法を知りたい方
  • 分岐幹線の選定方法を知りたい方
ペン太ペン太
幹線から分岐するとき、分岐側にも必ず過電流遮断器を付けるものなんですか?
ハリタハリタ
原則は必要ですが、分岐の長さと許容電流の条件を満たせば省略できる規定があるんですよ。

クイックトピックス

幹線分岐の過電流遮断器の設置ってなに?

幹線の敷設方法として単独幹線、分岐幹線があります。 分岐幹線の場合、主幹の過電流遮断器と別に分岐幹線側に過電流遮断器が必要となります。  

幹線分岐の免除方法について

  1. 分岐した幹線の許容電流IWが、幹線の過電流遮断器の定格電流IBの55%以上の場合(分岐した幹線の長さに制限なし)
  2. 分岐した幹線の長さが8m以下で、その許容電流IWが、幹線の過電流遮断器の定格電流IBの35%以上の場合
  3. 分岐した幹線長さが3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合(分岐した幹線の許容電流IWに制限なし)
 

見習いペン太
見習いペン太
はりた先輩!分岐した幹線にブレーカーがついてないときがあるんですけど、あれってルール違反じゃないんですか?

はりた
はりた
いいところに気づいたねペン太くん!実は「ある条件」を満たせば、分岐幹線に過電流遮断器(ブレーカー)を省略できるんだよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 分岐幹線の過電流遮断器を省略できる条件は、いくつあるか
  • 長さ8m以下のとき、許容電流は主幹遮断器の何%以上必要か
  • 遮断器を省略するデメリットは何か

幹線分岐時における過電流遮断器の省略条件

トピック1:過電流遮断器の省略条件

通常は、幹線から分岐する細い幹線にも過電流遮断器を設置する必要があります。
しかし、次のいずれかの条件を満たす場合に限り、省略が認められます。

条件
① 分岐幹線の許容電流IW ≧ 主幹の遮断器IBの55%以上
② 分岐幹線の長さが8m以下かつ IW ≧ IBの35%以上
③ 分岐幹線が3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合

見習いペン太
見習いペン太
なるほど!分岐するケーブルの「長さ」と「許容電流」で省略できるかが決まるんですね!

はりた
はりた
そのとおり!逆にこの条件を満たしていない場合は、ちゃんと分岐幹線にも遮断器を設ける必要があるから注意が必要だよ。

省略適用時のメリット・デメリット

項目 内容
✅ メリット 分岐幹線に遮断器を設置しなくてよくなるため、コストやスペースの節約につながる
⚠ デメリット 遮断器がない代わりに分岐幹線のケーブルサイズを大きくする必要がある場合がある

見習いペン太
見習いペン太
うーん、メリットもあるけど、太いケーブルが必要になるのはちょっと考えものですね…

はりた
はりた
設計次第ってところだね!それぞれの条件に応じて、安全性とコストのバランスを考えて判断しよう!

🧠 ポイント整理:分岐幹線の遮断器省略条件

  • 分岐ケーブルの許容電流が充分に大きいかどうか

  • 幹線からの長さが短いかどうか

  • 末端に負荷がない配線だけかどうか

これらの条件をしっかり確認して、安全で合理的な配線設計を心がけましょう。

ここまでのポイント
  • 通常は分岐する細い幹線にも過電流遮断器を設置する
  • 省略できるのは、許容電流IWが主幹遮断器IBの55%以上
  • 長さ8m以下かつIWがIBの35%以上
  • 長さ3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合

分岐の長さが「3m以下」の場合

トピック2:分岐の長さが3m以下

適用条件
  • 分岐幹線の長さ:3m以下

  • 幹線の許容電流:制限なし


🔸分岐側に過電流遮断器を設けない場合

種別 機器 条件
主幹 過電流遮断器 幹線全体の負荷電流に対応
分岐 過電流遮断器を省略(長さ3m以下なら制限なし)

👉 この条件下では、分岐幹線の許容電流に制限が設けられません。


はりた
はりた
分岐幹線が3m以下の場合は、遮断器の設置も許容電流の制限も不要なんだ。すっきりしてて扱いやすい条件だね!

ペン太
ペン太
なるほど!だから短い距離での分岐は、設計や施工の自由度が高いんだね〜!
ここまでのポイント
  • 分岐幹線の長さが3m以下なら、幹線の許容電流に制限はない
  • 負荷側に幹線を接続しないことが条件
  • 主幹の過電流遮断器は幹線全体の負荷電流に対応させる

分岐の長さが「8m以下」の場合

トピック3:分岐の長さが8m以下

適用条件
  • 分岐幹線の長さ:8m以下

  • 幹線の許容電流:主幹の過電流遮断器の定格電流 × 0.35以上


🔸分岐側に過電流遮断器を設けない場合

種別 機器 条件
主幹 過電流遮断器 幹線全体の負荷電流に対応
分岐 過電流遮断器を省略 → 幹線ケーブルの許容電流を「主幹の遮断器 × 0.35」以上で設計

👉 分岐側に遮断器を設けない場合は、主幹の遮断器に合わせた太いケーブルが必要です。


🔸分岐側に過電流遮断器を設ける場合

種別 機器 条件
主幹 過電流遮断器 幹線全体の負荷電流に対応
分岐 過電流遮断器 分岐側の負荷電流に応じたブレーカーサイズを設置

👉 遮断器を設置すれば、分岐側の負荷に応じてケーブルを選定できるので、細いケーブルの採用が可能になります。


はりた
はりた
分岐ケーブルの長さが8m以下なら、主幹ブレーカーの35%以上の許容電流を持つケーブルを使えば遮断器を省略できますよ!
ペン太ペン太
3m以下と8m以下は覚えました。距離が長くても省略できる場合があるんですか?
ハリタハリタ
分岐幹線の許容電流が主幹遮断器定格の55%以上なら、長さの制限なく省略できますよ。
ここまでのポイント
  • 分岐幹線の長さが8m以下なら、許容電流は主幹遮断器の定格電流×0.35以上
  • 分岐側に遮断器を設けない場合は、主幹に合わせた太いケーブルが必要になる
  • 分岐側に遮断器を設ければ、分岐の負荷に応じて細いケーブルを選定できる

省略条件|長さに制限がない場合

トピック4:長さに制限がない場合

はりた
はりた

分岐幹線の長さが8mを超える場合でも、過電流遮断器を省略できるケースがあるんだよ。
そのためには主幹の遮断器定格電流の55%以上の許容電流を持ったケーブルが必要になるんだ。

見習いペン太
見習いペン太

つまり、どれだけ長くても、細いケーブルだと省略できないってことですね!?
条件 内容
幹線の長さ 制限なし
ケーブルの許容電流(IW) 主幹の過電流遮断器の定格電流(IB)× 0.55 以上

過電流遮断器を省略した場合の構成

幹線構成 内容
主幹 過電流遮断器(遮断容量IB)
分岐 遮断器なし。代わりにIW ≧ IB × 0.55のケーブルを使用

📌 ポイント:遮断器を設けない代わりに、分岐側も太いケーブルが必要になる


分岐に過電流遮断器を設置した場合の構成

幹線構成 内容
主幹 過電流遮断器(遮断容量IB)
分岐 過電流遮断器を設置(分岐負荷に応じたサイズ)

📌 ポイント:分岐負荷に応じて必要最低限のケーブルサイズで設計可能


はりた
はりた

つまり、遮断器を省略するには「太いケーブルで守る」って発想が大事なんだ。
配線距離に制限はないけど、その分ケーブルが太くなることもあるからコスト面も要チェックだよ。

見習いペン太
見習いペン太

なるほど!遮断器を省略すればいいって単純な話じゃないんですね。設計って奥が深いです…!

🧠 まとめ|分岐幹線の長さに制限がない場合の省略条件

  • 分岐幹線に遮断器を設けないなら、ケーブル自体で保護できるように設計する必要がある

  • 主幹の遮断器定格電流の55%以上の許容電流を持つケーブルを使う

  • コスト・スペースを抑える一方で、ケーブルサイズが増すリスクもある

ここまでのポイント
  • ケーブルの許容電流IWが主幹遮断器IB×0.55以上なら、長さの制限なく省略できる
  • 遮断器を設けない場合は、ケーブル自体で保護できるように設計する
  • コスト・スペースを抑えられる一方、ケーブルサイズが増すことがある

🧮 設計時に考慮すべきポイント|分岐幹線の取り扱い

トピック5:設計時に考慮すべきポイント

集合住宅やテナントビルでは、主幹幹線から複数の分岐幹線が派生するケースが一般的です。
このとき「過電流遮断器の省略条件」を設計にうまく組み込むことで、コストやスペースの最適化につながります。

マンション 幹線 分岐 計算


はりた
はりた
例えば次のようなマンションの場合、1本の幹線に対して各住戸へ複数の分岐が必要になるよね。

ペン太
ペン太
なるほど、各住戸の容量は小さくても、戸数が増えると主幹側はかなり大きくなりそう!

🔍【検討ポイント1】分岐幹線の長さと許容電流

分岐幹線の長さ 許容電流係数 設置条件例
3m以下 制限なし(過電流遮断器も不要) メーターボックス直近に分電盤配置
8m以下 主幹遮断器の35%以上 廊下側配線や上下階を跨ぐ配線
制限なし 主幹遮断器の55%以上 離れた住戸、電気室からの引出しなど

はりた
はりた
各住戸のメーターボックスを分岐点とした場合、そこから分電盤までの長さを「分岐の距離」として判断するよ。

ペン太
ペン太
なるほど、メーターボックスから3m以内に分電盤を設置すれば、遮断器を省略しても問題ないってことか!

マンション 分岐 分電盤 配置 幹線 計算


🔧【検討ポイント2】幹線サイズと施工性のバランス

  • 遮断器を省略できれば、配線盤がシンプルになり、施工スペースやコストを削減できます。

  • 一方で、許容電流の制約が増すため、ケーブルサイズが太くなるリスクがあります。

はりた
はりた
3m以内に配置できない場合は、許容電流を55%にしないといけないから、幹線が太くなってしまうよ!

はりた
はりた
分岐の「負荷容量」だけに注目せず、「分岐の距離」が大きく影響するっていう視点がとっても大事だね!

✅設計時のアドバイスまとめ

🔸遮断器を省略できる条件を有効に活用すると、省スペース化・コストダウンに繋がる

🔸分岐長さが3m以内なら制限なし、それ以上は35%・55%ルールが適用

🔸設計時には分岐位置と幹線ルートを図面上で正確に把握・計算しよう

🔸負荷容量だけでなく、「分岐の距離」も電線選定に大きく関わる

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この記事のカテゴリー

取り違えやすいところ正しくは
分岐には必ず過電流遮断器が必要3つの条件のいずれかを満たせば省略できる
省略すれば必ず有利になるケーブルサイズが太くなり、不利になる場合がある
3m以下なら無条件で省略できる負荷側に幹線を接続しないことが条件
サイズは負荷容量だけで決まる分岐の距離が省略条件と許容電流係数に直結する
ここまでのポイント
  • 3m以下は制限なし、8m以下は35%以上、制限なしは55%以上
  • 遮断器を省略できれば配線盤がシンプルになり、施工スペースを抑えられる
  • 一方で許容電流の制約が増し、ケーブルサイズが太くなるリスクがある
  • 負荷容量だけでなく、分岐の距離も電線選定に大きく関わる

よくある質問(FAQ)

トピック6:よくある質問(FAQ)
Q1. 分岐幹線の過電流遮断器を省略できる条件は? A. 次のいずれかを満たす場合に省略できます。①分岐幹線の許容電流IWが主幹遮断器IBの55%以上(長さ制限なし)、②長さ8m以下でIWがIBの35%以上、③長さ3m以下で負荷側に幹線を接続しない場合(許容電流の制限なし)。 Q2. 分岐幹線が3m以下なら何も気にしなくてよい? A. 3m以下で負荷側に幹線を接続しない場合は、許容電流の制限も過電流遮断器も不要です。 Q3. 遮断器を省略するデメリットは? A. 遮断器がない分、分岐幹線のケーブルサイズを大きくする必要がある場合があり、コストやスペース面で不利になることがあります。 Q4. 分岐幹線のサイズ選定で特に重要な視点は? A. 負荷容量だけでなく、分岐の距離(配線長)が省略条件と許容電流係数(35%・55%)に直結するため、距離を正確に把握することが重要です。
ペン太ペン太
設計では省略するかどうか、どう判断すればいいですか?
ハリタハリタ
省略の代わりにケーブルが太くなる面もあります。コストと安全性のバランスで決めましょう。

まとめ

低圧幹線を分岐する場合の過電流遮断器の施設

分岐した幹線の過電流遮断器を省略する条件

  1. 分岐した幹線の許容電流IWが、幹線の過電流遮断器の定格電流IBの55%以上の場合(分岐した幹線の長さに制限なし)
  2. 分岐した幹線の長さが8m以下で、その許容電流IWが、幹線の過電流遮断器の定格電流IBの35%以上の場合
  3. 分岐した幹線長さが3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合(分岐した幹線の許容電流IWに制限なし)
  • 分岐した幹線の長さに制限なしの場合
分岐側の過電流遮断器 許容電流の制限
設置する場合 制限なし
免除する場合 幹線の過電流遮断器の定格電流×0.55
  • 分岐した幹線の長さ8m以下の場合
分岐側の過電流遮断器 許容電流の制限
設置する場合 制限なし
免除する場合 幹線の過電流遮断器の定格電流×0.35
  • 分岐した幹線の長さ3m以下の場合
分岐側の過電流遮断器 許容電流の制限
設置する場合 制限なし
免除する場合 許容電流の制限なし
 

出典:本記事の表・数値は内線規程(JEAC 8001)およびJIS規格をもとに作成しています。数値は目安であり、適用にあたっては最新版の原典をご確認ください。

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まとめ

分岐幹線の設計は、遮断器を省略するか、設けて細いケーブルにするかの選択です。

比較する視点遮断器を省略する分岐に遮断器を設ける
ケーブルの許容電流主幹遮断器に対する割合(35%・55%)で制約される分岐側の負荷に応じて選定できる
ケーブルサイズ太くなる場合がある必要最低限にできる
盤の構成シンプルになる遮断器の設置スペースが必要
向く場面分岐が短い、または太いケーブルで足りる場合分岐負荷が小さく、細いケーブルにしたい場合

省略できる3つの条件

  • 分岐幹線の許容電流IWが主幹遮断器IBの55%以上(長さの制限なし)
  • 分岐幹線の長さが8m以下かつIWがIBの35%以上
  • 分岐幹線が3m以下で、負荷側に幹線を接続しない場合(許容電流の制限なし)

設計で押さえること

  • 遮断器を省略できれば省スペース化につながる
  • 許容電流の制約が増し、ケーブルサイズが太くなるリスクがある
  • 分岐位置と幹線ルートを図面上で正確に把握して計算する
  • 負荷容量だけでなく分岐の距離も電線選定に関わる

分岐の距離を先に押さえると、どの条件が使えるかがすぐに判断できます。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。