副業の確定申告と就業規則の全体像

副業を始める前に、お金と就業規則のルールだけは押さえておく必要があります。この記事では、電気設備技術者(会社員)が副業を始める前に確認すべきポイントを整理します。※本記事は一般的な情報のまとめです。個別の税務判断は税務署・税理士に確認してください。

この記事の要点
✔ 先に就業規則。「知らなかった」は通らない
✔ 所得20万円超で確定申告。20万円以下でも住民税の申告は必要
✔ 会社に伝わる主な経路は住民税。普通徴収の選択を検討
ペン太ペン太
副業って、会社に黙ってこっそり始めても平気ですよね?
ハリタハリタ
まず就業規則の確認を。届出制・許可制・禁止の3パターンがあります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 自分の会社の就業規則は、副業をどう扱っているか把握していますか。
  • 所得が20万円以下なら、何の手続きも要らないのでしょうか。
  • 副業が会社に伝わる主な経路は、どこでしょうか。

まず就業規則|副業の3パターン

トピック1:まず就業規則|副業の3パターン
会社の規定 対応
届出制 届け出れば原則OK。素直に届け出るのが最も安全
許可制 事前に許可を取る。競業・情報漏えいに当たらない内容なら認められやすい
禁止 懲戒リスクを負ってまでやる価値はない。資産運用や不動産など「副業に当たらない」範囲を確認

公務員(電気職含む)は法律で原則禁止です。また、どの会社でも本業と競合する事業・会社の情報を使う副業は懲戒の対象になり得ます。

ペン太ペン太
えっ、20万円以下なら何の手続きも要らないと思ってました!
ハリタハリタ
確定申告が不要でも、住民税の申告は自治体に別途必要です。ここが落とし穴。
ここまでのポイント
  • 会社の規定は届出制・許可制・禁止のいずれか。まず自分の会社がどれかを確認する。
  • 届出制なら素直に届け出るのがもっとも安全。許可制は、競業や情報漏えいに当たらない内容なら認められやすい。
  • 公務員(電気職を含む)は法律で原則禁止。
  • どの会社でも、本業と競合する事業や会社の情報を使う副業は懲戒の対象になり得る。

確定申告|「20万円ルール」の正確な理解

トピック2:確定申告|「20万円ルール」の正確な理解
  • 給与を1か所からもらう会社員は、副業の所得(収入−経費)が年20万円を超えたら確定申告が必要です。
  • 20万円以下でも住民税の申告は別途必要です。ここを勘違いしている人が非常に多いので注意。
  • ブログ広告収入・講師謝金は原則「雑所得」。規模と継続性によっては事業所得(青色申告で最大65万円控除)を検討できます。
所得の状況 国への確定申告 自治体への住民税の申告
副業の所得が20万円超 必要 確定申告をすれば別途は不要
副業の所得が20万円以下 原則として不要 別途必要
副業をしていない 不要 給与から天引きで完結
ここまでのポイント
  • 給与を1か所からもらう会社員は、副業の所得(収入−経費)が年20万円を超えたら確定申告が必要。
  • 20万円以下でも住民税の申告は別途必要。ここを勘違いしている人が多い。
  • ブログ広告収入や講師謝金は原則として雑所得。
  • 規模と継続性によっては事業所得として扱うことも検討できる。


会社に伝わる仕組みと対策

トピック3:会社に伝わる仕組みと対策

副業が会社に伝わる主な経路は住民税の通知です。副業分の所得が加算されると、会社が天引きする住民税額が同僚より不自然に増え、経理が気づくことがあります。

確定申告書の第二表で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすると、副業分の住民税を自分で納められます(自治体によって扱いが異なるため、心配なら市区町村に確認を)。

ここまでのポイント
  • 副業が会社に伝わる主な経路は住民税の通知。
  • 副業分の所得が加算されると、会社が天引きする住民税額が同僚より不自然に増える。
  • 確定申告書の第二表で住民税を「自分で納付(普通徴収)」にすると、副業分を自分で納められる。
  • 自治体によって扱いが異なるので、心配なら市区町村に確認する。

経費と帳簿づけの基本

トピック4:経費と帳簿づけの基本
  • 経費になるもの(例):サーバー・ドメイン代、書籍・教材、取材の交通費、機材の副業使用分(按分)。
  • 領収書・明細は保存:クラウド会計ソフトを使うと帳簿づけが楽になります。
  • 売上1,000万円・インボイス:副業レベルでは当面関係しない人が大半ですが、取引先から登録を求められるケースはあります。
ペン太ペン太
会社に伝わらないか心配です。次は何を確認すれば?
ハリタハリタ
住民税の普通徴収を選ぶ対策があります。領収書保管とクラウド会計も始めましょう。
やること いつ動くか 残しておくもの
就業規則を確認する 始める前 届出や許可のやり取りの記録
所得を集計する 年内から随時 収入と経費が分かる帳簿
申告の要否を判断する 年明け 申告書の控え
住民税の納付方法を選ぶ 申告のとき 第二表の選択内容
領収書を整理する 都度 領収書・明細と按分の考え方
ここまでのポイント
  • 経費になる例は、サーバー・ドメイン代、書籍・教材、取材の交通費、機材の副業使用分(按分)。
  • 領収書・明細は保存する。クラウド会計ソフトを使うと帳簿づけが楽になる。
  • 売上1,000万円やインボイスは、副業の規模では当面関係しない人が大半。
  • ただし取引先から登録を求められるケースはある。


まとめ

トピック5:まとめ

副業でつまずくのは稼ぎ方より、始める前の確認であることが多いです。順番に見ていけば、それほど複雑な話ではありません。

押さえる順番 確認すること 見落としたときのリスク
① 就業規則 届出制か、許可制か、禁止か 無許可が後から発覚する
② 申告 所得20万円超か、20万円以下か 無申告のまま時間が経つ
③ 住民税 普通徴収を選べるか 意図しない形で会社に伝わる
④ 帳簿 経費と領収書を残せているか 経費を証明できず手取りが減る

先に規則

  • 届出制・許可制・禁止のどれかを確認する。
  • 本業と競合する事業や会社の情報を使う副業は、どの会社でも避ける。

お金の手続き

  • 所得が20万円を超えたら確定申告。20万円以下でも住民税の申告は別途必要。
  • 会社に伝わる主な経路は住民税なので、普通徴収を選べるかを確認する。

日々の記録

  • サーバー代や書籍、機材の按分などを経費として記録する。
  • 領収書と明細を保存し、クラウド会計を使うと帳簿づけが楽になる。

ルールの確認は最初の1日で終わります。逆に、後から発覚した無申告・無許可は取り返しに大きなコストがかかります。就業規則→住民税→帳簿の3点を押さえて、安心して副業を育ててください。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。