瞬間の短絡電流に耐えろ。
高圧ケーブルの選定方法を教えてほしい!
~過電流継電器の通電時間ってなに?~
OCRの【通電時間】は電力会社の変電所に設置されているOCR(過電流継電器)の動作時間であり短絡事故時に動作するまでの時間です。
高圧ケーブルは短絡電流の通電時間が長くなるほど比例して太くする必要があるため通電時間を考慮してサイズを選定しましょう。
A=I√t/134
- A:導体交渉断面積
- I:受電点の短絡電流
- t:短絡電流通電時間(秒)
- ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒
- 高圧ケーブルのサイズ・太さの選定を知りたい方
- 電力会社のOCRの動作特性・動作時間について調べている方
- 短絡事故による高圧ケーブルの許容電流について調べている方
- 高圧ケーブルサイズの選定方法
- 短絡事故時の通電時間・継続時間について
- 電力会社のOCRの動作特性について
電力会社のOCR(過電流継電器)動作について
短絡事故の発生
変電所のOCRが動作
配電系統を遮断【動作時間0.2秒】
この動作時間の短絡電流に耐えられるケーブルサイズを選定しよう!
高圧ケーブルの太さに必要な要素
高圧ケーブルの太さ選定に必要な要素は…
- 短絡電流【大きさ】に耐えられるか
- 通電時間【長さ】に耐えられるか
という点になります。
短時間許容電流の計算式
- 短絡電流【大きさ】に耐えられるか
- 通電時間【長さ】に耐えられるか
この条件を基に高圧ケーブルサイズを求めることができる式が下記になります。
A=I√t/134
- A:導体交渉断面積
- I:受電点の短絡電流
- t:短絡電流通電時間(秒)
- ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒
導体:銅 短絡前導体温度:90℃ 短絡時導体温度:230℃の場合
通常使用するケーブルサイズから耐えられる短絡電流の大きさを逆算してみると・・・
- 38[㎣]=I√0.2/134(0.003337)
- I=38°/0.003337
- =11.3[kA]
6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
- 60[㎣]= I√0.2/134(0.003337)
- I=60°/0.003337
- =16.2[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]
各ケーブルサイズ毎の短時間許容電流は、
- 6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
- 6kVCV-T 60sq=16.3[kA]
となるため短絡電流この許容電流以下であればよいということになります。
I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3
短絡容量が74MVAの場合(電力会社に確認した値)
I=74[MVA]/6.6[kV]×√3(10.39)
=7.12[kA]
ケーブルの短時間許容電流と比較してみる!
11.3[kA](6.6kV CVT38sqの短時間許容電流)>7.12[kA]
ケーブルの短時間許容電流が短絡電流を上回るため38Sqの選定が可能ということになります。
高圧ケーブル選定の流れ
高圧ケーブルの許容短絡電流を求める
計算式|A=I√t/134
各ケーブルサイズの短時間許容電流
6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]
短絡電流を求める
I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3
短絡容量は電力会社に確認する
11.3[kA](6.6kV CVT38sqの短時間許容電流)>短絡電流
であればよいということになります
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まとめ
高圧ケーブルの太さ選定に必要な要素は…
短絡電流【大きさ】に耐えられるか
通電時間【長さ】に耐えられるか
- 変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒
- 動作時間よりケーブルの許容短絡電流を求める
A=I√t/134
A:導体交渉断面積
I:受電点の短絡電流
t:短絡電流通電時間(秒)
※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒
6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]
- 短絡電流を求める
I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3
- ケーブルの短時間許容電流 > 短絡電流であればよい