接地線の種類とケーブル太さの選定方法まとめ図解。接地線サイズA=0.052×In、C・D種早見表、A/B/C/D種の仕様と適用場所。
▲ 接地線の種類とケーブル太さの選定方法(1枚まとめ)

接地線のサイズは図面によってまちまちで、「どう決めればいいのか分からない」と感じたことはないでしょうか。実は接地線の種類と太さは、接地工事の種類と計算(または一覧表)で根拠をもって選定できます。

この記事では、A・B・C・D種それぞれの接地線サイズと、選定の基本式 A=0.052×In(In:過電流遮断器の定格電流)、温度上昇に基づく根拠までを、早見表つきで分かりやすく解説します。

 

0.052

 
今回の疑問
 

接地工事のケーブル選定方法について教えてほしい!

 

あにまるさん
あにまるさん
接地線の太さって図面によってまちまちだけど、どうやって選定するのかな~?
はりた
はりた
接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)ごとに、計算式や早見表で選定できるよ!
あにまるさん
あにまるさん
計算式って聞くとなんだか難しそうだな~
はりた
はりた
内線規程に基づく一覧表でも求められるから、一つずつ見ていこう!
 

⚡ 先に結論だけ言うと

接地線のサイズA=0.052×In

In:過電流遮断器の定格電流すなわち、接地線の太さ過電流遮断器の定格電流に“0.052”をかけた値で求めることができます。

接地工事の種類(A・B・C・D種)と適用場所、接地線サイズの決め方(C・D種はA=0.052×Inで選定)
▲ 接地工事の種類と接地線サイズの決め方
本記事のおすすめの方
  • 接地線の選定サイズの決定に悩まれている方
  • 接地線の基準について知りたい方など
この記事でわかること
A種接地工事の接地線サイズの求め方 B種接地工事の接地線サイズの求め方 C種接地工事の接地線サイズの求め方 D種接地工事の接地線サイズの求め方

この記事のカテゴリー

クイックトピックス

接地線サイズを求める式は?

θ=0.008×(I/A)2×t

  • θ:銅線の温度上昇[°C]
  • I:電流[A]
  • A:導体の断面積[㎟]
  • t:通電時間[秒]
A種接地工事の接地線サイズは?
機器の仕様書がある場合 仕様書に準ずる
仕様書がない場合 5.5~14sq ※記載文献により最小サイズが異なるため。
B種接地工事の接地線サイズは?
変圧器一相あたりの容量 接地線
100V 200V 400V
kVA以下 10 kVA以下 20 kVA以下 5.5
10 kVA以下 20 kVA以下 40 kVA以下 8 
20 kVA以下 30 kVA以下 75 kVA以下 14 
40 kVA以下 75 kVA以下 150 kVA以下 22 
60 kVA以下 125 kVA以下 250 kVA以下 38 
75 kVA以下 150 kVA以下 300 kVA以下 60 
100 kVA以下 200 kVA以下 400 kVA以下 60 
175 kVA以下 300 kVA以下 700 kVA以下 100 
 
C種接地工事の接地線サイズは?
過電流遮断器の定格電流 接地線の太さ
30 A以下 1.6 ㎜以上
50 A以下 2.0 ㎜以上
100 A以下 5.5 ㎟以上
150 A以下 ㎟以上
200 A以下 14 ㎟以上
400 A以下 22 ㎟以上
600 A以下 38 ㎟以上
800 A以下 60 ㎟以上
1000 A以下 60 ㎟以上
1200 A以下 100 ㎟以上
C種接地工事の接地線サイズは?
過電流遮断器の定格電流 接地線の太さ
30 A以下 1.6 ㎜以上
50 A以下 2.0 ㎜以上
100 A以下 5.5 ㎟以上
150 A以下 ㎟以上
200 A以下 14 ㎟以上
400 A以下 22 ㎟以上
600 A以下 38 ㎟以上
800 A以下 60 ㎟以上
1000 A以下 60 ㎟以上
1200 A以下 100 ㎟以上

接地工事別の接地線サイズ

はりた
はりた
さっそくだけど、接地工事の種類別に接地線サイズの早見表を紹介するよ!
あにまるさん
あにまるさん
この一覧表を確認すれば接地線の太さがすぐわかるのか!
はりた
はりた
C種・D種は過電流遮断器の定格電流を確認して選定しよう!

C・D種接地工事の接地線サイズ一覧

C・D種接地工事
過電流遮断器の定格電流 接地線の太さ
30 A以下 1.6 ㎜以上
50 A以下 2.0 ㎜以上
100 A以下 5.5 ㎟以上
150 A以下 ㎟以上
200 A以下 14 ㎟以上
400 A以下 22 ㎟以上
600 A以下 38 ㎟以上
800 A以下 60 ㎟以上
1000 A以下 60 ㎟以上
1200 A以下 100 ㎟以上
 

B種接地工事の接地線サイズ一覧

はりた
はりた
B種接地工事の接地線サイズは変圧器容量から算出するよ!
あにまるさん
あにまるさん
変圧器の二次側定格電流に係数をかければいいんだな!
はりた
はりた
そういうこと!その条件で計算した結果が次の一覧表になるよ!

B種接地工事
変圧器一相あたりの容量 接地線
100V 200V 400V
kVA以下 10 kVA以下 20 kVA以下 5.5
10 kVA以下 20 kVA以下 40 kVA以下 8 
20 kVA以下 30 kVA以下 75 kVA以下 14 
40 kVA以下 75 kVA以下 150 kVA以下 22 
60 kVA以下 125 kVA以下 250 kVA以下 38 
75 kVA以下 150 kVA以下 300 kVA以下 60 
100 kVA以下 200 kVA以下 400 kVA以下 60 
175 kVA以下 300 kVA以下 700 kVA以下 100 

A種接地工事の接地線サイズ

はりた
はりた
A種接地工事はメーカー推奨サイズ、もしくは5.5~14sqの接地線を選定しよう!

機器の仕様書がある場合 仕様書に準ずる
仕様書がない場合 5.5~14sq ※記載文献により最小サイズが異なるため。

接地線サイズの選定根拠

(1)接地線の温度上昇について

はりた
はりた
接地線は地絡時の故障電流で溶断しない太さであることが大前提だよ!
銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇は、一般に次の式で与えられます。

銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇

θ=0.008×(I/A)2×t

  • θ:銅線の温度上昇[°C]
  • I:電流[A]
  • A:導体の断面積[㎟]
  • t:通電時間[秒]

はりた
はりた
つまり接地線のサイズは、短時間の大電流による温度上昇に耐えられる太さを選定する必要があるんだ
あにまるさん
あにまるさん
その耐えられる太さが、この計算式で求められるんだな!
はりた
はりた
さらに温度上昇値などの条件はあらかじめ決まっているから、計算に必要なのは定格電流だけなんだよ
あにまるさん
あにまるさん
ってことは、負荷の定格電流がわかれば接地線の太さも決まるってことか!

(2)計算条件

接地線の太さを決定するための計算条件は次のとおりとする。

接地線太さの計算条件
  1. 接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
  2. 過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
  3. 故障電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)

あにまるさん
あにまるさん
この条件をさっきの計算式に当てはめるんだな・・
はりた
はりた
そうだね!当てはめると次のとおり接地線の断面積が求められるんだ

(3)接地線サイズの計算式

接地線サイズの計算式

120=0.008(20×In/A)2×0.1

A=0.052×In

ここにIn:過電流遮断器の定格電流すなわち、
接地線の太さは過電流遮断器の定格電流に“0.052”をかけた数値となります。

あにまるさん
あにまるさん
定格電流の数値だけで選定できるのか?
はりた
はりた
そう!過電流遮断器の定格電流さえわかれば接地線のサイズは選定できるんだよ!

接地線サイズ計算の手順
  1. 過電流遮断器のトリップサイズを確認する
  2. トリップサイズ×0.052を行う
  3. 計算結果を接地線サイズとする
配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・ 175×0.052=9.1 9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。

あにまるさん
あにまるさん
思ったより簡単に接地線の太さを選定できそうだな
はりた
はりた
主幹ブレーカー(過電流遮断器)のトリップ電流値を確認すればOKだね!

接地工事の要点

あにまるさん
あにまるさん
接地工事の種類によって対象になる電圧区分が違うんだな
はりた
はりた
電技解釈第17条に沿って、機器に必要な接地工事の種類を選定しよう!

接地工事が必要な場所

A種接地工事 避雷針、避雷器、高圧、特別高圧機器 避雷器 A種接地工事 避雷器
B種接地工事 変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止) B種接地工事 トランス二次側 接地計算
C種接地工事 300Vを超える機器 400V 接地計算 C種接地
D種接地工事 300V以下の機器 電気ソケットの前の黒いオスのプラグ  

あにまるさん
あにまるさん
電圧区分ごとの接地工事なら何となくわかるぞ!
はりた
はりた
電圧区分や施設場所によって必要な接地工事の種類が変わるから注意しようね!
あにまるさん
あにまるさん
でも300V以下でD種接地工事が必要なら、すべての機器に接地が必要じゃないのか?
はりた
はりた
実は接地の省略(免除)条件があって、接地を行わなくてもよいケースもあるんだよ!

接地線の種類と太さ

(内線規程2011版P785)接地線の太さは、
強度テスター 械的強度
落石 耐食性
電流容量
  • の三つの要素から考えますが、主として③に重点を置いて定めています。

接地工事の種類

接地工事とは電気設備と大地間を電気的に接続することを差します。漏電による感電防止や異常電圧の抑制などを目的としており、機器の種類や電圧などにより接地工事の種類が分かれています。

出典:(電技解釈第17条)より
  • 電技解釈第17条第1項
A種接地工事は、特別高圧計器用変成器の2次側電路、高圧または、特別高圧用機器の金属製外箱等の接地等、高圧電路の侵入の恐れがあり、かつ、危険度の高い場合に要求されるものにおいて施すものである。接地抵抗値は10Ω以下。
  • 電技解釈第17条第2項
B種接地工事は、高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に、低圧電路の保護のために施設されるものである。混触の際に、接地線に高圧または特別高圧電路の短絡電流がながれた場合の電位上昇による低圧機器の絶縁破壊を防止するため、設置店の電位が150V(一次側が高圧または35kV以下の特別高圧電路であって、150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動的に遮断する場合は300V、一秒以内に遮断する場合は600V)を超えないようにしたもの。
  • 電技解釈第17条第3項
C種接地工事は、300Vを超える低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電による感電の危険度の大きい場合に施設されるものであり、接地抵抗値は10Ω以下。
  • 電技解釈第17条第4項
D種接地工事は、300V以下の低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電の際に、簡単なものでも接地工事を施してあれば、これによって感電等の危険を減少させることができる場合に施すものであり、接地抵抗値は100Ω以下。
機械的強度
A種接地工事
  • 引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線
B種接地工事
  • 引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線
  • (高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)
C種接地工事
  • 引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
D種接地工事
  • 引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
耐食性

接地線は,容易に腐食しない金属線である必要があり、自然腐食、電食、海水腐食などの要因を考慮しなければならない。

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C・D種接地工事の接地線サイズ早見表(過電流遮断器の定格電流と接地線の太さ)
▲ C・D種 接地線サイズ早見表

よくある質問(FAQ)

Q. 接地線のサイズはどうやって決めますか?

A. 接地工事の種類で決め方が変わります。C・D種は過電流遮断器の定格電流から一覧表(または A=0.052×In)で求め、B種は変圧器容量から算出します。A種は専用の一覧表で選定します。

Q. C・D種接地線の計算式は?

A. A=0.052×In です。Aは接地線サイズ、Inは過電流遮断器の定格電流を表します。たとえば定格100Aなら5.5mm²以上が目安になります。

Q. B種接地線はどう求めますか?

A. 変圧器一相あたりの容量(電圧区分ごと)から一覧表で求めます。変圧器の二次側電流に係数をかけて算出した結果が一覧表になっています。

Q. 接地工事の種類はどう使い分けますか?

A. A種は避雷針・避雷器・高圧/特別高圧機器、B種は変圧器の中性点(混触事故時の危険防止)、C種は300Vを超える機器、D種は300V以下の機器に適用します。

まとめ

接地線の種類と太さの選定方法
  • 接地工事の要点
接地工事の種類
  • A種接地工事
引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線
  • B種接地工事
引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線 (高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)
  • C種接地工事
引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
  • D種接地工事
引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
  • 接地工事が必要な場所
A種接地工事:避雷針、避雷器、高圧、特別高圧機器 B種接地工事:変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止) C種接地工事:300Vを超える機器 D種接地工事:300V以下の機器
  • 銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇
θ=0.008×(I/A)2×t θ :銅線の温度上昇[°C] I:電流[A] A:導体の断面積[㎟] t:通電時間[秒] (2)計算条件
  1. 接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
  2. 過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
  3. 故障電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)
  • (1)の計算式に計算条件を当てはめた場合
120=0.008(20×In/A)2×0.1 A=0.052×In
  • 接地線サイズ計算の手順
  1. 過電流遮断器のトリップサイズを確認する
  2. トリップサイズ×0.052を行う
  3. 計算結果を接地線サイズとする
配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・ 175×0.052=9.1 9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。  

参考:電気設備の技術基準の解釈(経済産業省)|接地工事の種類や施設方法の法的根拠は電技解釈第17条・第29条で確認できます。

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