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引込設備の設計|過電流継電器による高圧ケーブルサイズの選定方法について詳しく解説

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瞬間の短絡電流に耐えろ。

 

今回の疑問

 

高圧ケーブルの選定方法を教えてほしい!

~過電流継電器の通電時間ってなに?~

 

この記事のカテゴリー

あにまるさん
あにまるさん
高圧ケーブルの選定は動作時間を考慮しろって言われたんだけどどうゆう意味なんだ?

はりた
はりた
電気というものは、電力会社から供給されているよね!

あにまるさん
あにまるさん
そうだな、変電所から送られているってことだよな

はりた
はりた
その変電所に関係しているから詳しく解説していこう!
結論

OCRの【通電時間】は電力会社の変電所に設置されているOCR(過電流継電器)の動作時間であり短絡事故時に動作するまでの時間です。

高圧ケーブルは短絡電流の通電時間が長くなるほど比例して太くする必要があるため通電時間を考慮してサイズを選定しましょう。

A=I√t/134

  • A:導体交渉断面積
  • I:受電点の短絡電流
  • t:短絡電流通電時間(秒)
  • ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒

 




本記事のおすすめの方
  • 高圧ケーブルのサイズ・太さの選定を知りたい方
  • 電力会社のOCRの動作特性・動作時間について調べている方
  • 短絡事故による高圧ケーブルの許容電流について調べている方

 

この記事でわかること
  1. 高圧ケーブルサイズの選定方法
  2. 短絡事故時の通電時間・継続時間について
  3. 電力会社のOCRの動作特性について

 



電力会社のOCR(過電流継電器)動作について

あにまるさん
あにまるさん
OCRと高圧ケーブルの関係性を教えてくれ!

はりた
はりた
OCRの役割は、配電系統内で短絡事故が発生した際、その変電所のOCR(過電流継電器)が働いて回路を遮断するんだ。

あにまるさん
あにまるさん
遮断して回路を保護するんだな。短絡電流っていうと結構大きな電流が流れるよな

はりた
はりた
そうだね。短絡電流の【通電時間=回路を遮断するまでの時間】に比例してケーブルの許容電が大きくする必要があるんだ

あにまるさん
あにまるさん
電流の大きさだけじゃなくて時間も重要なんだな!
高圧ケーブルサイズの考え方

短絡事故の発生

変電所のOCRが動作

配電系統を遮断【動作時間0.2秒】

この動作時間の短絡電流に耐えられるケーブルサイズを選定しよう!

高圧ケーブルの太さに必要な要素

高圧ケーブルの太さ選定に必要な要素は…

  • 短絡電流【大きさ】に耐えられるか
  • 通電時間【長さ】に耐えられるか

という点になります。

短時間許容電流の計算式

  • 短絡電流【大きさ】に耐えられるか
  • 通電時間【長さ】に耐えられるか

この条件を基に高圧ケーブルサイズを求めることができる式が下記になります。

短絡時許容電流の計算式

A=I√t/134

  • A:導体交渉断面積
  • I:受電点の短絡電流
  • t:短絡電流通電時間(秒)
  • ※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒

導体:銅 短絡前導体温度:90℃ 短絡時導体温度:230℃の場合



通常使用するケーブルサイズから耐えられる短絡電流の大きさを逆算してみると・・・

CVT38㎟の短時間許容電流は…
  • 38[㎣]=I√0.2/134(0.003337)
  • I=38°/0.003337
  • =11.3[kA]

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]

CVT60㎟の短時間許容電流は…
  • 60[㎣]= I√0.2/134(0.003337)
  • I=60°/0.003337
  • =16.2[kA]

6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

各ケーブルサイズ毎の短時間許容電流は、

  • 6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
  • 6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

となるため短絡電流この許容電流以下であればよいということになります。

短絡電流の計算式

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

短絡容量が74MVAの場合(電力会社に確認した値)

I=74[MVA]/6.6[kV]×√3(10.39)

7.12[kA]

ケーブルの短時間許容電流と比較してみる!

11.3[kA](6.6kV CVT38sqの短時間許容電流)>7.12[kA]

ケーブルの短時間許容電流が短絡電流を上回るため38Sqの選定が可能ということになります。

 

高圧ケーブル選定の流れ

高圧ケーブル選定の流れ

高圧ケーブルの許容短絡電流を求める

計算式|A=I√t/134

各ケーブルサイズの短時間許容電流

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

短絡電流を求める

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

短絡容量は電力会社に確認する

11.3[kA](6.6kV CVT38sqの短時間許容電流)>短絡電流

であればよいということになります

 

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まとめ

過電流継電器による高圧ケーブルサイズの選定方法

高圧ケーブルの太さ選定に必要な要素は…

短絡電流【大きさ】に耐えられるか
通電時間【長さ】に耐えられるか

  • 変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒
  • 動作時間よりケーブルの許容短絡電流を求める

A=I√t/134

A:導体交渉断面積
I:受電点の短絡電流
t:短絡電流通電時間(秒)
※変電所の過電流継電器の動作時間:0.2秒

6kVCV-T 38sq=11.3[kA]
6kVCV-T 60sq=16.3[kA]

  • 短絡電流を求める

I[kA]=短絡容量[MVA]/6.6[kV]×√3

  • ケーブルの短時間許容電流 > 短絡電流であればよい

 

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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