高圧ケーブルと低圧・弱電・水道管との離隔距離を一覧で整理。緩和が認められる条件、自消性・不燃材料の定義、低圧の場合の扱いまで解説します。 高圧ケーブルと低圧・弱電・水道管との離隔距離を一覧で整理。緩和が認められる条件、自消性・不燃材料の定義、低圧の場合の扱いまで解説します。

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高圧ケーブルと低圧・弱電・水道管との離隔距離を一覧で整理。緩和が認められる条件、自消性・不燃材料の定義、低圧の場合の扱いまで解説します。
この記事は、連載「引込・受電設備の設計マニュアル」第3回 引込方式とルート の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
高圧ケーブルの離隔距離と緩和基準の全体像
 

ちょうどいい距離感は大切です

 
今回の疑問

 

高圧ケーブルの離隔距離と緩和基準について知りたい!

 
こんな場面はないですか?

あにまるさん
あにまるさん
高圧ケーブルと低圧ケーブルってどこまで近づけていいんだろう。そもそも離隔をとる必要があるのかな?
はりた
はりた
掘削ルートの検討をしているみたいだね!
あにまるさん
あにまるさん
高圧ケーブルと低圧の幹線ケーブルを埋設管路で敷設するんだけどこれって離隔を取らないといけないのかい?
はりた
はりた
高圧ケーブルとその他のケーブルでは離隔距離を取らないといけないんだよ。条件によっては緩和基準もあるから確認していこう!

結論

  • 高圧ケーブルの離隔距離は下記の表を確保する必要があります
高圧ケーブル 特高ケーブル 0.3m
高圧ケーブル 低圧ケーブル 0.15m
高圧ケーブル 弱電ケーブル 0.3m
 
本記事のおすすめの方

  • 高圧ケーブルの離隔距離について知りたい方
  • 高圧ケーブルの敷設方法について知りたい方
  • 高圧ケーブルの埋設深さについて知りたい方
本記事でわかること

  1. 高圧ケーブルと弱電ケーブルの離隔距離
  2. 高圧ケーブルと特高ケーブルの離隔距離
  3. 高圧ケーブルと低圧ケーブルの離隔距離
ペン太ペン太
高圧ケーブルと他のケーブル、どれも15cm離せば大丈夫ですよね?
ハリタハリタ
低圧とは0.15mですが、弱電や特高とは0.3m必要です。相手で距離が変わります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 高圧ケーブルと低圧ケーブルの離隔距離は何mか
  • 弱電ケーブル・特高ケーブルとの離隔距離は何mか
  • 距離を確保できないとき、緩和できる条件は何か
この記事でわかること
まず原則の距離を確保し、確保できない箇所だけ緩和条件を検討します。

高圧ケーブルの離隔距離

トピック1:高圧ケーブルの離隔距離
高圧ケーブルと他設備の離隔距離一覧

高圧ケーブル 低圧ケーブル 0.15m
高圧ケーブル 弱電ケーブル 0.3m
高圧ケーブル 特高ケーブル 0.3m
あにまるさん
あにまるさん
結構距離を離さないといけないんだな
はりた
はりた
条件を満たせば記載の離隔距離以内でもいい場合があるから見ていこう!
ペン太ペン太
スペースが厳しい現場では、離隔距離を縮める方法はないんでしょうか?
ハリタハリタ
難燃性被覆のケーブルや不燃性管に収める方法があります。難燃性FEP管が一例です。
ここまでのポイント
  • 高圧ケーブルと低圧ケーブルは0.15m
  • 高圧ケーブルと弱電ケーブルは0.3m
  • 高圧ケーブルと特高ケーブルは0.3m
  • 条件を満たせば記載の離隔距離以内にできる場合がある

離隔距離の緩和基準について

トピック2:離隔距離の緩和基準

低圧の場合

離隔距離の緩和基準

① それぞれの地中電線が次のいずれかに該当する場合

  • a 自消性のある難燃性の被覆を有する場合
  • b 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
② いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合
  • いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合
  • 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
 

これらの条件を満たした場合

相互の距離が0.15m以内とすることができます

 

難燃性とは。

仕様についての解説|難燃性

難燃性:炎を当てると燃えるが、少なくとも燃え広がらないこと

  • 主なメーカーと製品
古河電工 難燃エフレックス・スーパーエフレックス
未来工業 難燃ミラレックス
 

自消性とは。

仕様についての解説|自消性

自消性:炎を当てると燃えるが、炎を除くと自然に消える性質をもつものを差します  

不燃材料とは。

仕様についての解説|不燃材料

不燃材料:コンクリート、レンガ、瓦、石綿ストレート、鉄、鋼、アルミニウム、モルタルその他これらに類するもの  

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この記事のカテゴリー

取り違えやすいところ正しくは
離隔距離はどの相手でも同じ低圧は0.15m、弱電と特高は0.3m
距離が取れなければ施工できない緩和条件を満たせば0.15m以内にできる
難燃性と自消性は同じ意味難燃性は燃え広がらないこと、自消性は炎を除くと自然に消えること
不燃材料は特殊な材料だけコンクリート・レンガ・瓦・鉄・鋼・アルミニウム・モルタルなども含む
ここまでのポイント
  • それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有する場合
  • または堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
  • いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合、堅ろうな不燃性の管に収められる場合、相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
  • これらを満たせば相互の距離を0.15m以内とすることができる

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. 高圧ケーブルと低圧ケーブルの離隔距離は?
A. 原則として0.15mを確保する必要があります。

Q. 高圧ケーブルと弱電ケーブル・特高ケーブルの離隔距離は?
A. いずれも0.3mを確保する必要があります。

Q. 離隔距離を緩和できる条件はありますか?
A. 自消性のある難燃性の被覆・管、不燃性の被覆・管、または耐火性の隔壁を設けるなどの条件を満たせば、低圧ケーブルとの距離を0.15m以内に緩和できます。

Q. 緩和するための具体的な対策方法は?
A. 保護管に難燃性FEP(古河電工 難燃エフレックス・スーパーエフレックス、未来工業 難燃ミラレックスなど)を採用する方法があります。

ペン太ペン太
設計図に反映するとき、まず何をすればいいですか?
ハリタハリタ
ルート上の他設備を洗い出して原則の距離を確保。無理な箇所は緩和条件を検討しましょう。

まとめ

高圧ケーブルの離隔距離と緩和基準について

  • 高圧ケーブルの離隔距離
高圧ケーブル 特高ケーブル 0.3m
高圧ケーブル 低圧ケーブル 0.15m
高圧ケーブル 弱電ケーブル 0.3m
  離隔の緩和基準
  • 低圧ケーブルの場合
① それぞれの地中電線が次のいずれかに該当する場合 a 自消性のある難燃性の被覆を有する場合 b 堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合 ② いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する場合 いずれかの地中電線が堅ろうな不燃性の管に収められる場合 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
  • 弱電ケーブルの場合
高圧ケーブルが地中弱電流電線又は地中光ファイバケーブルと接近又は交差する場合
  1. 離隔距離が0.3m以下の場合、相互電線の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合を除き、地中電線を※1堅ろうな不燃性又は自消性のある難燃性の管に収め、当該管が地中弱電流電線又は地中光ファイバケーブルと直接接触しないように施設する。
  2. ただし、地中光ファイバケーブルが不燃性又は自消性のある難燃性の材料で被覆した光ファイバケーブル又は不燃性若しくは自消性のある難燃性の管に収めた光ファイバケーブルであり、かつ、その管理者の承諾を得た場合はこの限りではない。
  • これらの条件を満たした場合離隔距離を緩和することが可能となる
主な対策方法
  • ケーブルの保護管を難燃性FEPを採用する
古河電工 難燃エフレックス・スーパーエフレックス
未来工業 難燃ミラレックス
補足 難燃性とは。
  • 難燃性:炎を当てると燃えるが、少なくとも燃え広がらないこと
自消性とは。
  • 自消性:炎を当てると燃えるが、炎を除くと自然に消える性質をもつものを差します
不燃材料とは。
  • 不燃材料:コンクリート、レンガ、瓦、石綿ストレート、鉄、鋼、アルミニウム、モルタルその他これらに類するもの
 

高圧ケーブルの離隔は、相手の種別ごとの原則距離を確保し、無理な箇所だけ緩和を検討する流れで進めます。

こんな場面どう対応する
高圧ケーブルと低圧ケーブルが並走する原則0.15mを確保する
高圧ケーブルと弱電ケーブルが並走する原則0.3mを確保する
高圧ケーブルと特高ケーブルが並走する原則0.3mを確保する
スペースが足りず距離を確保できない緩和条件を満たせば低圧ケーブルと0.15m以内にできる
具体的な対策を決めたい保護管に難燃性FEPを採用する方法がある

原則の離隔距離

  • 高圧ケーブルと低圧ケーブル:0.15m
  • 高圧ケーブルと弱電ケーブル:0.3m
  • 高圧ケーブルと特高ケーブル:0.3m

緩和で押さえること

  • それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有する、または堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められる場合
  • いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有する、堅ろうな不燃性の管に収められる、または相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設ける場合
  • 条件を満たせば相互の距離を0.15m以内にできる
  • 難燃性FEP管(難燃エフレックス・スーパーエフレックス、難燃ミラレックスなど)が具体例

ルート上の他設備を先に洗い出しておくと、緩和が必要な箇所だけを絞り込めます。

📘 体系的に学びたい方へ
このテーマは、連載「高圧受変電設備の設計マニュアル(全14回+資料編)」で、単線結線図の読み方・書き方とあわせて基礎から解説しています。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。