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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
分電盤の設計 PR

分電盤の設計:|分電盤の構成と計画指針について詳しく解説

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電気設備の標準図を読み解く――テナント分電盤の仕組みと設計のポイント

電気設備の図面には、慣れないうちは記号や略語が多くて「何が書いてあるのかわからない」と感じることも多いと思います。今回は、テナント向け分電盤の標準図をもとに、分電盤の基本的な仕組みと、主開閉器容量の決め方をわかりやすく解説します。

    


分電盤とは何か

分電盤は、建物に引き込んだ電気を各回路に分けて配る「電気の交差点」です。テナントビルでは各テナントごとに分電盤が設置され、照明・コンセント・空調などに電気を供給します。

標準図では、分電盤の内部構成を回路ごとに整理して記載しています。実際の工事ではこの図をもとに、ブレーカーの種類・容量・回路番号が決定されます。


電源方式:単相3線式(1φ3W 100/200V)を理解する

テナント分電盤でよく使われるのが**単相3線式(1φ3W 100/200V)**という電源方式です。これは3本の電線(R相・N相・T相)で100Vと200Vの両方を同時に供給できる方式です。

接続する線 電圧 主な用途
R相 + N(中性線) 100V 照明・一般コンセント
T相 + N(中性線) 100V 照明・一般コンセント
R相 + T相 200V エアコン・給湯器など

水道に例えると、RとTが「水が来る管」、Nが「使った水が戻る管」のようなイメージです。RとNをつなぐと100V、TとNをつなぐと100V、RとTを直接つなぐと200Vが取り出せます。


回路の種類:制御方式の違いを読む

標準図には、照明回路の制御方式がいくつか記載されています。現場で選択することになるため、違いを押さえておきましょう。

AS(昼光センサー=自動点滅器)制御

明るさに応じて自動でON/OFFする方式。外灯など屋外照明によく使われます。「日が落ちたら自動点灯、夜明けになったら消灯」という動作です。

TM(タイマー)制御

時刻で点灯・消灯を制御する方式。あらかじめ設定した時間帯だけ点灯させる場合に使います。24H停電補償付きのタイマーを使うことで、停電後も時刻がリセットされません。

AS+TM(昼光センサー+タイマー)複合制御

「ある時間帯の中で、かつ暗くなったらON」という条件を組み合わせた制御です。より細かい管理が必要な外灯回路などに採用されます。

R×n(リモコン)制御

リモコントランスと専用リレーを使い、照明を遠隔操作する方式。大規模なフロア照明の一括制御に使われます。標準図では「R×4」(4回路)などの表記で回路数が示されています。


ブレーカーの読み方

回路ごとに記載されている「2P・50/20」という表記は、ブレーカーの仕様を表しています。

  • 2P:2極(2本の電線を同時に遮断)
  • 50AF:フレーム容量50A(ブレーカー本体の最大サイズ)
  • 20AT:トリップ電流20A(実際に遮断が動作する電流値)

ELCB(漏電遮断器)のマークがついた回路は、感電や漏電火災を防ぐための保護機能が加わっています。コンセント回路や水気のある場所の回路には必ずELCBが採用されます。


主開閉器容量の決め方

設計で最も重要なのが、主開閉器(メインブレーカー)の容量選定です。

標準図には次のような計算式が示されています。

【主開閉器サイズ AT】 > 【A or B の大きい方】+【C】

ここでA・B・Cは以下を意味します。

記号 意味
A R相側の100V負荷電流合計
B T相側の100V負荷電流合計
C 200V負荷電流合計

計算例(単相3線式の場合)

  • 200V負荷の合計:6,000 VA → 6,000 ÷ 200 = 30A(C)
  • R相側100V負荷の合計:5,100 VA → 5,100 ÷ 100 = 51A(A)
  • T相側100V負荷の合計:5,000 VA → 5,000 ÷ 100 = 50A(B)

→ 主開閉器サイズ > max(51, 50) + 30 = 81A

→ したがって 100AT を選定

なぜ「全負荷の合計」ではないのか

単純に全負荷を合算して200Vで割るのではなく、相ごとに流れる電流を個別に計算する点が重要です。

単相3線式では、R相とT相に100V負荷が振り分けられます。中性線(N)には差分の電流しか流れないため、R相とT相の電流バランスが偏ると、どちらかの相に集中して大きな電流が流れます。主開閉器はこの「最も大きな電流が流れる相」に合わせたサイズを選ぶ必要があります。

「全体の容量が大きくても、1つの相に集中していれば問題になる」という単相3線式特有の性質を理解することが、適切な主開閉器選定の鍵です。

資料配布のご案内

本記事では、解説で使用した**電気設備標準図(テナント・分電盤)**をPDFにて配布しています。


配布資料について

資料名: 電気設備標準図 テナント分電盤編

内容:

  • 分電盤結線図(照明・コンセント・誘導灯回路)
  • 制御方式別の結線パターン一覧(AS・TM・AS+TM・リモコン)
  • 主開閉器容量の計算方法・計算例
  • 負荷名称・回路番号ストック一覧

対象: 電気設備設計に携わる方、設備図面を読み始めた方、施工管理や積算業務に関わる方

E-00 電気設備標準図(テナント:分電盤)


ご利用にあたって

  • 本資料は学習・業務参考用としてご自由にお使いください。
  • 実際の設計・施工にあたっては、関係法令および各種基準を確認のうえ、有資格者による適切な判断を行ってください。
  • 無断での再配布・転載はご遠慮ください。

まとめ

テナント分電盤の標準図には、単なる機器リスト以上の情報が詰まっています。

  • 電源方式(単相3線式)の特性
  • 制御方式の使い分け(AS・TM・リモコン)
  • ブレーカーの仕様の読み方
  • 主開閉器容量を「相ごとの電流」で考える必要性

これらを理解すると、図面を見るだけで「この建物の電気の使い方」が見えてきます。設備設計の入口として、ぜひ分電盤の標準図を手がかりにしてみてください。

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