室外機などの図面で見かける「手元開閉器」。省略されている図面も多く、「外してよいの?」と迷うポイントです。実は設置に法的な拘束はないものの、内線規程に設置・免除の規程があります。
本記事では、手元開閉器の役割と設置の目的、そして内線規程に基づく3つの免除(省略)条件を、図解付きで分かりやすく解説します。理由を理解したうえで省略を判断できるようになります。


はりた
法的な拘束はないけれど設置理由と規程を理解したうで省略しよう!
⚡ 先に結論だけ言うと
設置基準及び免除方法は内線規程に記載されています。
免除規程
- 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
- 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
- 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
本記事のおすすめの方
- 手元開閉器を免除していいと言われたが理由を教えてもらえなかった方
- そもそも免除して大丈夫なのか気になる方
- 手元開閉器の設置基準にて知りたい方
室外機周り配管の写真
▲ 手元開閉器の役割と設置の目的
クイックトピックス
手元開閉器の設置基準は?
「内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋
電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)
手元開閉器の免除規定は?
「内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋
- 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
- 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
- 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき

手元開閉器の設置基準
手元開閉器の設置基準
「内線規程3302節3302-1手元開閉器(対応省令:第59条)」より抜粋
電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)
はりた
電動機等には、取り付ける事が前提として記載されているね。
はりた
もちろん免除規程あるからそれを満たしていれば設置は不要になるよ!
手元開閉器の免除方法

はりた
内線規程の設置基準にはつづけて下記のように記載されています。
手元開閉器の免除方法
”ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。”
- 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
- 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
- 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
内線規程上は、手元開閉器の設置を義務づけていますが、上記各号のいずれかに該当する場合はこの限りではないとしています。
設置の免除方法①
設置の免除方法①
電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
はりた
電動機側に機能をもつ場合は設置しなくてもよいということだね!
設置の免除方法②
設置の免除方法②
定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
- 定格出力0.2kW以下の電動機
- 定格入力1.5kVA以下の加熱装置
- 電力装置をコンセントから使用する場合
はりた
コンセントも回路の切り離しが可能だから間に設けていれば不要という解釈になるね!
容量の小さい負荷若しくはコンセントにて供給されている場合コンセントからプラグを抜くことで回路の遮断が可能となるため開閉器の設置が不要となります。
設置の免除方法③
設置の免除方法③
専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
はりた
電動機を別途制御にてON・OFFを行う場合は不要ということになるね!
設置免除のポイント
免除のポイント
- 上記内容をまとめると手元開閉器とは別に負荷を遮断する機能を持つ機器や容量の小さいものであれば取り付けなくてもよい。
- 基本的な回路構成(動力盤⇒手元開閉器⇒負荷)の場合では規定上外すことは難しい(満足していない場合が多い)ということになります。
手元開閉器設置の目的
設置の目的を考えてみる
では、そもそも電動機の近くに手元開閉器を設ける目的は何なのでしょうか。手元開閉器は、機器のメンテナンス時に電路を容易に開放するとともに、誤って電源が投入されて感電するといった事故を防止するために設置されています。
室外機用動力盤の設置写真
手元開閉器を設置していなかった場合・・・
- 作業員A、Bが空調機の取替作業にあたる
- 作業員Aが動力盤の開閉器を切り離す
- 作業員Aが空調機の取替作業を行う
- 別の空調機を取り換え終えた作業員Bが全ての空調機を更新完了と勘違いし動力盤の開閉器を投入する
- 作業員A “感電”
といった事故速報が流れないためにも負荷の見える範囲への手元開閉器設置は必要になります。安易に必要ないからと取り外さないよう検討を行うようにしましょう。
はりた
事実図面上に記載していない場合が多いけど外すと危険だという認識を持つようにしておこう。
図面への記載例
手元開閉器を設置した場合

はりた
室外機台数が1、2台と少ない場合は各負荷に対し手元開閉器を設置します。
動力盤を設置した場合
室外機置場に動力盤を記載した場合の図面①

室外機置場に動力盤を記載した場合の図面②
室外機などは屋外や屋上に置場が用意されておりそこに集約して配置されている場合が多いと思います。そこから目視可能な範囲に動力盤や手元開閉器を設置しそこから電源を供給するように記載します。
手元開閉器を設置していない図面

手元開閉器を設置していない例①
手元開閉器を設置していない例②
地上や屋上の室外機置場に開閉器を設置していない場合、屋内からの供給が必要となりメンテナンスや機器の更新時に感電の恐れや供給元を探したりと非効率的な設計となってしまいます
あにまるさん
なるほど、次からは図面にもちゃんと記載するようにするぞ!
はりた
そうだね!安全の確保のためにも接設置することが最善だね!記載されていない図面が多いからと言ってそれが正しいと思いこまないように中止しよう!

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▲ 手元開閉器を省略できる3条件
よくある質問(FAQ)
Q. 手元開閉器の設置は義務ですか?
A. 法的な拘束はありません。ただし内線規程に設置・免除の規程があるため、設置理由と規程を理解したうえで省略を判断します。
Q. 手元開閉器は何のために設置しますか?
A. 機器の点検・修理の際に、機器の手元で安全に電源を切れるようにするためです。操作の利便性や保守性、作業者の安全確保が目的です。
Q. 手元開閉器を省略できる条件は?
A. 内線規程で次の3つが免除規程です。①電動機側に手元開閉器に相当する適当な開閉器がある場合②定格出力0.2kW以下の電動機または定格入力1.5kVA以下の加熱装置等をコンセントから使用する場合③専用分岐回路でフロート・圧力・タイムスイッチ等により自動操作される場合。
Q. 図面で省略されているのはなぜ?
A. 上記の免除規程に該当する場合、手元開閉器を省略できるためです。技術的に不要と判断できる場合に省略されています。
まとめ
手元開閉器の設置と免除について
設置基準についての記述
- 電動機、加熱装置又は電力装置には、操作しやすい位置に手元開閉器として箱開閉器、電磁開閉器、配線用遮断器、カバー付ナイフスイッチ又はこれらに相当する開閉器のうちから用途に適したものを選定して施設すること。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(解釈149)
免除についての記述
- 電動機を施設した機械器具又は電力装置に、手元開閉器に相当する適当な開閉器が取り付けてある場合
- 定格出力0.2kW以下の電動機又は定格入力1.5kVA以下の加熱装置若しくは電力装置をコンセントから使用する場合
- 専用の分岐回路から供給され、フロートスイッチ、圧力スイッチ、タイムスイッチなどにより自動的に操作される場合又はこれらに類する場合で技術的に手元開閉器を必要としないとき
となっており室外機などの最寄りに取りつけている手元開閉器を免除したい場合はメンテナンス性、安全面に考慮して検討する必要があります。
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