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受変電設備の設計|高圧交流遮断器『CB』の使用用途と選定方法について詳しく解説

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今回の疑問

 

高圧交流遮断器『CB』の選定方法について知りたい

 

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  • 高圧交流負荷開閉器の用途について知りたい方
  • 高圧交流負荷開閉器の選定方法について知りたい方
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高圧交流遮断器の用途『 CBの用途について 』

CBの用途について
  1. 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
  2. 負荷電流の開閉
スタンガン 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
スイッチ 負荷電流の開閉も可能ですが遮断装置としての使用がメインとなります

しゃ断器の選定方法

遮断器の選定方法

しゃ断器容量の選定方法は主に3つの条件を満たす必要があります

  1. 遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること
  2. 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  3. 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること

 



高圧交流遮断器の定格例

定格電圧の求め方

定格電圧の求め方

定格電圧の求め方は回路電圧から求めます。

高圧受電の場合受電電圧は、6600Vのため定格電圧7.2〔kV〕のものを選定します

回路電圧 定格電圧
6.6〔kV〕 7.2〔kV〕

 

定格電圧についてもっと詳しく!

6.6[kV]×1.2/1.1=7.2[kV]

※定格電圧の標準値は、常時の系統電圧の変動を考慮し、公称電圧の1.2/1.1倍としている。

定格電流の求め方

定格電流の求め方
  1. 契約電力より求める
  2. 変圧器一次側電流値より選定する
定格電流の求め方

I={契約電力/(√3×6.6×0.9)}×1.5

  • I:負荷電流
  • 0.9:回路力率
  • 1.5:負荷の変動率等を考慮した安全係数

※契約電力が決定していない場合、変圧器総容量から負荷電流を算出する

(最大負荷容量となるため負荷電流が大きくなるため要検討)

定格電流の計算例(契約電力から求める場合)

契約容量から電流値を求める場合

契約容量500[kVA]の場合・・・

I={500/(√3×6.6×0.9)}×1.5

 =(500/10.2884)×1.5

=72.9[A]

定格電流の計算例(契約電力が不明な場合)

契約電力が不明の場合の求め方

建物の最大負荷電流はトランス容量によって選定することができます。各トランスごとの電流値を計算し合計したものが建物の最大負荷電流値になります。

変圧器容量による負荷電流値の計算方法
  • 単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
  • 三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV

計算例

  • 単相変圧器 300KVA×2台
  • 三相変圧器 200kVA×3台

単相変圧器の電流値を算出

  1. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A
  2. 単相トランス300KVA÷6.6kV=45.5A

三相変圧器の電流値を算出
  1. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  2. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A
  3. 3相トランス200KVA÷(√3×6.6kV)=17.5A

合計すると・・・

最大負荷電流値=45.545.517.517.517.5126A

各トランス容量から一次側電流値を計算し合計値を建物の最大負荷電流値と仮定します。

この場合定格電流400Aの仕様を選定すればよいことになります。



遮断容量の決め方

受電点の短絡容量を確認する

CBの遮断容量を選定する際に必要となるのが受電点の短絡容量となります

管轄の電力会社に短絡容量を確認し遮断容量を選定しましょう

受電点 短絡容量〔MVA〕 CB 遮断容量〔MVA〕
100 100
160 160

短絡容量は変電所が近いと大きくなる傾向にあります。

計画建物の近くに変電所・発電所ある場合、特に注意して確認しましょう。

短絡電流の求め方

受電点の短絡電流による定格電流の求め方

計算式:I=短絡容量/(√3×6.6)

短絡電流は短絡容量より算出します

短絡容量が80MVAの場合、

I=80/(√3×6.6)

I=7〔kA〕

となるため定格電流は7〔kA〕以上の8〔kA〕を選定します

短絡容量〔MVA〕 短絡電流〔kA〕 遮断容量〔MVA〕
100(参考値) 100
160(参考値) 12.5 160

 

受電点の短絡容量の確認方法

短絡容量の確認方法

短絡電流を求めるために受電点の短絡容量を確認する必要があります。引込点の最寄りの電柱等に記載されている電柱番号を管轄の電力会社に問い合わせ短絡容量の確認を行いましょう。電柱番号の見分け方については各電力会社のホームページに記載されています。

確認の主な流れ

電柱番号の確認

電柱

管轄の電力会社に問い合わせ
(短絡容量の聞き取り)

Eメール

短絡容量により短絡電流の算出

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まとめ

高圧交流遮断器『CB』の選定方法

CBの用途について

  1. 過負荷電流や事故時の短絡電流を遮断
  2. 負荷電流の開閉

遮断器の選定方法

  1. 遮断器に流れる最大負荷電流値以上であること
  2. 定格遮断電流が系統の短絡電流以上であること
  3. 定格短時間耐電流が系統の短絡電流の通電に耐えられること

定格電圧の求め方

回路電圧 定格電圧
6.6〔kV〕 7.2〔kV〕

定格電流の求め方

  1. 契約電力より求める
  2. 変圧器一次側電流値より選定する
  • 契約電力から求める場合

I={契約電力/(√3×6.6×0.9)}×1.5

I:負荷電流
0.9:回路力率
1.5:負荷の変動率等を考慮した安全係数

  • 契約電力が不明な場合

単相変圧器一次電流=変圧器容量÷6.6kV
三相変圧器一次電流=変圧器容量÷√3×6.6kV

遮断容量の決め方

受電点|短絡容量〔MVA〕 CB|遮断容量〔MVA〕
100 100
160 160

短絡電流の求め方

計算式:I=短絡容量/(√3×6.6)

短絡容量〔MVA〕 短絡電流〔kA〕 遮断容量〔MVA〕
100(参考値) 100
160(参考値) 12.5 160

これらにより下記仕様を選定する

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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