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強電の設計|1回路あたりのコンセント接続個数の選定方法について詳しく解説

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80%

 

今回の疑問

 

1回路に接続できる

コンセント個数を知りたい!

 

結論

 

1回路に接続可能なコンセント数は容量を想定し検討します

容量によって1~8個の範囲を推奨します

 

本記事のおすすめの方
  • 回路のコンセント接続個数を知りたい方
  • コンセント設計をしている方
  • どのように検討していいかわからない方

 

この記事でわかること
  1. コンセント回路の検討方法
  2. 何個接続するべきか

 

コンセント回路の検討手順

検討項目
  1. ブレーカーの仕様を確認する
  2. 接続される負荷を想定する

ブレーカーの仕様を確認する

ブレーカーの容量を確認する

単相回路の分岐ブレーカーとして一般的に採用される電流のトリップ値は20AT(アンペアトリップ)となります

20Aを基準としたとき、その開閉器に接続する負荷容量は

トリップ値の80%を想定して接続します

20A×80%=16A

100Vの場合 16A×100V=1,600VA

200Vの場合 16A×200V=3,200VA

ブレーカーに接続する容量
  • 100Vの場合 16A×100V=1,600VA
  • 200Vの場合 16A×200V=3,200VA

AT値×80%=接続を推奨する容量として検討します

コンセントの負荷を想定する

取り付け場所に応じた負荷を想定する

雑用コンセント:150~200VA

負荷用途の決まっていない一般的に配置されているコンセント

  • パソコン
  • 掃除
  • 充電
  • テレビ

など特定の用途をもたないが比較的容量の小さいもの

雑用コンセント(高容量):500VA~

配置場所によりある程度負荷が決まっているコンセント

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • ドライヤー
  • 電子レンジ
  • ルームエアコン
  • プリンター
  • ウォシュレット
  • ヒーター

など容量の大きいものが設置される想定が可能なもの

例えば、冷蔵庫や洗濯機などはある程度置場が決まっており容量の想定がしやすくなります。キッチンや脱衣所などに設置するコンセントは注意しましょう

これらのコンセントは、単体でも1,000Wを超えるものも少なくなく単独もしくは2個以下での回路構成を推奨します。

特に大きい可能性があるもの

  • ドライヤー
  • 洗濯機(乾燥機能付)
  • 電気ポット
  • 電子レンジ

これらの機器は同時使用の可能性が高く家庭用の回路でよくブレーカーが落ちる原因となっています

同時使用があるかを想定する

負荷の使用状況を想定する

次に考慮する点は接続負荷の同時使用率です。

極端な話ですが、仮に1回路に10個コンセントを接続しようと1個使用する可能性がない場合容量は1台分で検討する場合があります。

単相コンセントは、多用途に対応可能な反面、接続負荷を想定することは大変難しいです

しかし、下記のような場合を想定して検討してみましょう。

  • 接続する負荷の台数が限定されている場合

元から接続する機器及び台数が決まっているが利便性を考慮してコンセントを多くしている場合、機器台数側の容量を採用する

  • 主な設置場所

整備工場、倉庫、工場などの比較的広い場合に多い

現地に配置する整備用機器の充電用コンセント(400VA/台)が8か所欲しいが整備機器の台数は4台のみである

このような場合は負荷側が最大でも4台しか接続されないため、4台分の容量でも検討可能です

  • 【容量のみで考える場合】400VA×8個=3,200VA → NG

1個当たり400VAかかるので2回路必要

  • 【台数で考える場合】400VA×4台=1,600VA → OK

コンセント8個をまとめて1回路にしても超えないと判断

ただし注意点として既存の打合せに関係なく将来的に接続される場合が多いため安全率(1.2~1.5倍)を考慮するもしくは2回路を用意しておくかは設計者の判断になります

使用台数を考慮する
  • 実際に接続される負荷台数で検討する
  • 同時使用が無ければ需要率を考慮する
  • 専用コンセントでなければ、別用途で使用される可能性もある

 

コンセント個数別の負荷パターン

設計における接続パターン

コンセントの個数別に接続されている状況例をご紹介します

自身の回路構成の参考程度にご確認ください

コンセント接続数1個の場合

コンセント接続数1個の場合

用途

  • 専用である場合が多い

電気容量

  • 1,000VAを超えるもの

機器一覧の例

  • 洗濯機(乾燥機能付)
  • ウォシュレット
  • 冷蔵庫
  • プリンター
  • ルームエアコン
  • 給湯機

コンセント接続数2個の場合

コンセント接続数2個の場合

用途

  • 高容量ではあるが、使用頻度・時間が短いもの

電気容量

  • 800VA~

機器一覧の例

  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • ドライヤー
  • 電気温水器
  • 電子レンジ
  • ポット

など瞬間的や短い時間に使用するものと継続的に使用しているものであれば容量は大きくとも1回路にまとめている場合が多いです。

特にドライヤーや電子レンジ、ケトルなどは容量が大きいですが使用時間も限定的であるため他のコンセントと1回路にしている場合が多いです。

家庭などでよくブレーカーが落ちるパターンはこの負荷を同時使用した場合に過電流となっている場合が多いです。

コンセント接続数8個以下の場合

コンセント接続数8個以下の場合

用途

  • 用途未定の雑用コンセント

電気容量

  • 150VA~200VA

機器一覧の例

  • パソコン
  • 掃除
  • 充電
  • テレビ

多目的な使用を目的とした雑用コンセントは部屋のいたるところに配置されています。

使用場所として

キッチン、厨房、脱衣所などの高容量の負荷接続が想定される箇所は

2~3個で1回路

廊下、事務所、倉庫など低容量の負荷接続が想定される箇所は、

4~8個で1回路

を目安に回路構成します

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まとめ

1回路あたりのコンセント接続個数の選定方法

コンセント回路の検討手順

  1. ブレーカーの仕様を確認する
  2. 接続される負荷を想定する

ブレーカーの仕様を確認する

20A×80%=16A

  1. 100Vの場合 16A×100V=1,600VA
  2. 200Vの場合 16A×200V=3,200VA

AT値×80%=接続を推奨する容量として検討します

雑用コンセント:150~200VA

  • パソコン
  • 掃除
  • 充電
  • テレビ

など特定の用途をもたないが比較的容量の小さいもの

雑用コンセント(高容量):500VA~

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • ドライヤー
  • 電子レンジ
  • ルームエアコン
  • プリンター
  • ウォシュレット
  • ヒーター

など容量の大きいものが設置される想定が可能なもの

特に大きい可能性があるもの

  • ドライヤー
  • 洗濯機(乾燥機能付)
  • 電気ポット
  • 電子レンジ

同時使用があるかを想定する

  • 【容量のみで考える場合】400VA×8個=3,200VA → NG

1個当たり400VAかかるので2回路必要

  • 【台数で考える場合】400VA×4台=1,600VA → OK

コンセント8個をまとめて1回路にしても超えないと判断

  1. 実際に接続される負荷台数で検討する
  2. 同時使用が無ければ需要率を考慮する
  3. 専用コンセントでなければ、別用途で使用される可能性もある

コンセント個数別の負荷パターン

コンセント接続数1個の場合

  • 用途|専用である場合が多い
  • 電気容量|1,000VAを超えるもの

機器一覧の例

  • 洗濯機(乾燥機能付)
  • ウォシュレット
  • 冷蔵庫
  • プリンター
  • ルームエアコン
  • 給湯機

コンセント接続数2個の場合

  • 用途|高容量ではあるが、使用頻度・時間が短いもの
  • 電気容量|800VA~

機器一覧の例

  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • ドライヤー
  • 電気温水器
  • 電子レンジ
  • ポット

コンセント接続数8個以下の場合

  • 用途|用途未定の雑用コンセント
  • 電気容量|150VA~200VA

機器一覧の例

  • パソコン
  • 掃除
  • 充電
  • テレビ

キッチン、厨房、脱衣所などの高容量の負荷接続が想定される箇所は

  • 2~3個で1回路

廊下、事務所、倉庫など低容量の負荷接続が想定される箇所は、

  • 4~8個で1回路

を目安に回路構成します

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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