合成樹脂管の支持間隔|VE1.5m・PF/CD露出1mとたわみ・温度伸縮対策【支持間隔・第3回】
合成樹脂管(硬質ビニル管VE・可とう管PF/CD)の支持間隔を解説。VE管は1.5m以下、PF/CD管は露出1.0m以下・隠ぺい1.5m以下と、金属管より狭くなる理由を図解。VE・PF・CDの見分け方、CD管が露出に使えない理由、VE管の温度伸縮(伸縮カップリング)、PF/CD管のたわみ対策までまとめました。支持間隔連載の第3回。
合成樹脂管(硬質ビニル管VE・可とう管PF/CD)の支持間隔を解説。VE管は1.5m以下、PF/CD管は露出1.0m以下・隠ぺい1.5m以下と、金属管より狭くなる理由を図解。VE・PF・CDの見分け方、CD管が露出に使えない理由、VE管の温度伸縮(伸縮カップリング)、PF/CD管のたわみ対策までまとめました。支持間隔連載の第3回。
配管・ケーブルラック類の支持間隔を材種ごとに整理する連載の第3回です。今回は合成樹脂管(硬質ビニル管VE・可とう管PF/CD)の支持間隔と施工の要点。金属管(第2回)より狭い間隔になる理由と、たわみ・温度伸縮への対策がポイントです。根拠の全体像は第1回(総論)をご覧ください。
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 樹脂管の支持間隔が金属管より狭いのは、何が違うからか
- 露出で可とう管を使いたいとき、PF管とCD管のどちらを選ぶか
- VE管で伸縮カップリングを入れるのは、何を逃がすためか
合成樹脂管は金属管より「狭い」
合成樹脂管は金属管に比べて強度が低く、自重でたわみやすい性質があります。そのため、支持間隔は金属管の2m以下より狭く設定されています。

ポイントは、硬質のVE管は1.5m以下、可とう性のあるPF/CD管は露出で1.0m以下・隠ぺいで1.5m以下ということ。管端・ボックス・接続点の近く(0.3m以下)で支持するのは、金属管と同じ考え方です。
| 金属管 | VE管 | PF/CD管 | |
|---|---|---|---|
| 支持間隔の目安 | 2m以下 | 1.5m以下 | 露出1.0m以下/隠ぺい1.5m以下 |
| 狭くなる理由 | ― | 樹脂は強度が低くたわみやすい | 可とう管はさらに柔らかく垂れやすい |
| 気をつけること | ― | 温度による伸縮 | たわみ(垂れ)と曲げ半径 |
| 管端・接続点の近く | 0.3m以下 | 0.3m以下 | 0.3m以下 |
- 合成樹脂管は金属管に比べて強度が低く、自重でたわみやすい
- だから支持間隔は金属管の2m以下より狭い
- 硬質のVE管は1.5m以下、可とう性のあるPF/CD管は露出1.0m以下・隠ぺい1.5m以下
- 管端・ボックス・接続点の近く(0.3m以下)で支持するのは金属管と同じ
合成樹脂管の3種類(VE・PF・CD)を見分ける
合成樹脂管は大きく3種類。硬さ・色・使える場所が違い、それに応じて支持間隔も変わります。

| 種類 | 特徴 | 支持間隔の目安 |
|---|---|---|
| VE管 (硬質ビニル) |
硬い直管(グレー)。曲げは加工が必要。温度で伸縮する。 | 1.5m以下 |
| PF管 (可とう・自消性) |
曲がる蛇腹(グレー)。自己消火性があり、露出・隠ぺい・埋込に使える。 | 露出1.0m以下 隠ぺい1.5m以下 |
| CD管 (可とう) |
オレンジ色。自己消火性がないため、原則コンクリート埋込専用。 | 埋込の結束1.0m以下 接続点近く0.3m以下 |
CD管は自己消火性がなく燃えるため、原則としてコンクリートに直接埋め込む用途専用です。露出・点検口内などに使ってはいけません。露出で可とう管を使いたい場合はPF管(グレー・自消性)を選びます。色で確実に見分けましょう。
※支持間隔の数値は合成樹脂製可とう電線管工業会・内線規程等に基づく目安です。CD管の使用可否は電技解釈の規定に従い、詳細は物件の仕様書・メーカー資料で確認してください。
ペン太
ハリタ- VE管は硬い直管(グレー)で、曲げは加工が必要。温度で伸縮する
- PF管は自己消火性があり、露出・隠ぺい・埋込に使える
- CD管(オレンジ)は自己消火性がなく、原則コンクリート埋込専用
- 露出・点検口内などに使ってはいけない。色で確実に見分ける
VE管は「温度で伸び縮み」する
硬質ビニル管(VE管)で見落とされやすいのが温度による伸縮です。樹脂は金属より膨張・収縮が大きく、長い直線配管では季節で長さが変わります。ガチガチに固定すると、伸縮の逃げ場がなくなり、接続部の外れや管の変形につながります。

対策は、長い配管に伸縮カップリングを入れて伸び縮みを逃がすこと。支持は1.5m以下+接続点・ボックス近く(0.3m)を守りつつ、伸縮を殺さない固定にするのがコツです。
- 樹脂は金属より膨張・収縮が大きく、長い直線配管では季節で長さが変わる
- ガチガチに固定すると、接続部の外れや管の変形につながる
- 長い配管に伸縮カップリングを入れ、伸縮を殺さない固定にする
PF/CD管は「たわみ(垂れ)」に注意
可とう管(PF/CD)は柔らかく曲げられる反面、支持間隔が広いとすぐに垂れます。露出で1.0m以下という数字は、この垂れを防ぐための目安です。

可とう管こそ「間隔を詰める」意識が大切。加えて、曲がりの多い配管では曲げ部の前後も支持し、無理な曲げ半径にならないようにします。ステープルではなく、管径に合ったPF/CD用サドルで固定します。
ペン太
ハリタ| 起きやすいこと | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 接続部の外れ・管の変形 | VE管をガチガチに固定し、温度伸縮の逃げ場がない | 長い配管に伸縮カップリングを入れ、伸縮を殺さない固定にする |
| 配管が垂れる | 可とう管の支持間隔が広い | 露出は1.0m以下でこまめに支持する |
| 無理な曲げ半径になる | 曲がりの多い配管で曲げ部を支持していない | 曲げ部の前後も支持する |
| 固定が効かない | ステープルで留めている | 管径に合ったPF/CD用サドルで固定する |
- 可とう管は柔らかく曲げられる反面、支持間隔が広いとすぐに垂れる
- 露出1.0m以下は、この垂れを防ぐための数字
- 曲がりの多い配管では曲げ部の前後も支持し、無理な曲げ半径にしない
- ステープルではなく、管径に合ったPF/CD用サドルで固定する
まとめ+よくある質問
結論。樹脂管は「金属管より一段シビアに支持する」。VEは伸縮、PF/CDは垂れ——気にする相手が違います。
| 迷ったときの問い | 答え |
|---|---|
| 硬い直管か、曲がる蛇腹か | 硬い直管はVE管(1.5m以下) |
| 蛇腹の色は | グレーならPF管、オレンジならCD管 |
| どこに使うか | 露出・隠ぺい・埋込に使えるのはPF管。CD管は原則コンクリート埋込専用 |
| 露出のとき何mか | PF管は1.0m以下。隠ぺいなら1.5m以下 |
数字
- VE管は1.5m以下、PF/CD管は露出1.0m以下・隠ぺい1.5m以下
- 管端・ボックス・接続点の近く(0.3m以下)は種類を問わず支持する
気をつける相手
- VE管は温度伸縮。長い配管には伸縮カップリングを入れ、固定しすぎない
- PF/CD管は垂れ。露出はこまめに支持し、曲げ部の前後も押さえる
- CD管は自己消火性がなく、原則コンクリート埋込専用。露出にはPF管を選ぶ
合成樹脂管の支持間隔は、VE管1.5m以下、PF/CD管は露出1.0m以下・隠ぺい1.5m以下。金属管より狭いのは、たわみやすいから。
VE管は温度伸縮、PF/CD管は垂れに注意し、いずれも管端・接続点の近く(0.3m以下)を必ず支持します。次回・第4回はケーブル(造営材直付け・ラック上)の支持間隔を扱います。
Q. VE管の支持間隔はなぜ金属管より狭い(1.5m)の?
A. 樹脂は金属より強度が低くたわみやすいためです。可とう管のPF/CDはさらに柔らかいので、露出は1.0m以下とより狭くなります。
Q. CD管を露出で使ってもいい?
A. いいえ。CD管は自己消火性がなく、原則コンクリート埋込専用です。露出で可とう管を使うならPF管を選びます。
Q. VE管の温度伸縮はどう対策する?
A. 長い配管に伸縮カップリングを入れ、固定しすぎず伸縮を逃がします。
Q. 可とう管の固定にステープルを使ってよい?
A. 管径に合ったPF/CD用サドルで固定します。垂れを防ぐため、露出は1.0m以下の間隔でこまめに支持します。
前後の回:【第2回】金属管の支持間隔 → 第4回 ケーブル(近日公開)
関連記事:【第1回】支持間隔の総論・早見表 / 合成樹脂管工事の基本知識 / 電気設備のツール一覧(登録不要)
出典:電気設備技術基準・解釈、内線規程(JEAC 8001)、合成樹脂製可とう電線管工業会の技術資料、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)をもとに作成。数値は目安であり、適用にあたっては最新版の各基準・仕様書・メーカー資料を確認してください。
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