ブレーカー落ちるかな?判定|同時に使う家電から契約アンペアと回路をチェック
電子レンジと電気ケトルを一緒に使うと、いつもブレーカーが落ちる。——その原因が「契約アンペアが足りない」のか「同じ回路に集中している」のかで、やるべきことは正反対になります。
電力会社に電話して契約を上げれば直ることもあれば、契約を上げても何も変わらないこともあります。まずは下のツールで、どちらなのかを切り分けてください。
1契約アンペアを選ぶ
分電盤のいちばん左にある大きなブレーカーに数字が書いてあります。関西・中国・四国・沖縄電力エリアにはアンペアブレーカーがないので、いちばん右の選択肢を選んでください(主幹の漏電ブレーカーの定格で判定します)。
2同時に使う家電にチェック
数値はカタログに載る定格消費電力の一般的な目安です。実際の値はお使いの機種の取扱説明書か、本体の銘板をご確認ください。
3結果と対処
この判定の考え方/100V機器は「すべて同じ側の電線に偏った場合」=いちばん落ちやすい状態で計算しています(100V機器の合計W÷100)。200V機器は電線2本を使うため、片側に流れる電流はW÷200です。一般のご家庭の配線(単相3線式)では、実際には100V機器が左右の電線に振り分けられるため、ここに出る数値より小さくなることがあります。つまりこの結果は安全側(落ちやすい側)に寄せた目安です。
力率・同時使用率は考慮していません。エアコンや冷蔵庫は運転開始の数秒だけ定格を大きく超える電流が流れるため、「起動の瞬間」の欄も併せてご確認ください。
「落ちる」には2種類ある
家の電気が止まったとき、落ちているブレーカーは3つのうちどれかです。分電盤のふたを開けて、どれが下がっているかを見てください。ここを取り違えたまま契約アンペアを上げても、まったく解決しません。
| 落ちたもの | 症状 | 原因と対処 |
|---|---|---|
| アンペアブレーカー (いちばん左) | 家じゅうが真っ暗 | 家全体の使いすぎ。契約アンペアを上げるか、使う時間をずらす |
| 分岐ブレーカー (右側にたくさん並ぶ小さいもの) | その部屋・その系統だけ止まる | 1つの回路の使いすぎ。回路を分ける工事か、コンセントを分ける |
| 漏電ブレーカー (中央の大きいもの・テストボタン付き) | 家じゅうが真っ暗 | 使いすぎではありません。電気が本来の道から漏れています |
漏電ブレーカーが落ちたときは、そのまま上げないでください。
漏電は感電と火災につながります。何度も落ちる、上げてもすぐ落ちるという場合は、原因の機器を特定できるまで復帰させず、電気工事店(登録電気工事業者)か電力会社へご相談ください。水まわりの機器や屋外のコンセントは特に注意が必要です。
なぜ「合計W ÷ 100」で見るのか
一般のご家庭には単相3線式という方式で電気が届いています。3本の電線のうち、真ん中の1本(中性線)と外側のどちらかを組み合わせると100V、外側どうしを使うと200Vになります。
アンペアブレーカーが見ているのは、外側2本それぞれに流れる電流です。契約30Aなら「左右それぞれ30Aまで」という意味になります。
100V機器は左右どちらかに割り振られますが、どちらに載っているかは分電盤の配線しだいで、住んでいる人には分かりません。そこでこのツールではいちばん条件の悪い「全部が同じ側に偏っている状態」で計算しています。実際には振り分けられていることが多いので、表示より落ちにくい家もあります。安全側に倒した目安と考えてください。
一方、200V機器(据付のIH、エコキュート、EV充電、V2Hなど)は外側2本を使うため、同じ消費電力でも片側に流れる電流は半分です。1,500Wのエコキュートなら7.5A。ツールでもこの通りに計算しています。
1つの回路には何Wまで流せるのか
分岐ブレーカーは20Aが標準です。100Vなら2,000W。ただし内線規程では、コンセント回路1つあたりの想定を1,500VAとしています。つまりひとつの回路には1,500Wくらいまでと考えておくのが実務的な目安です。
電子レンジ1,400W・電気ケトル1,250W・ホットプレート1,300W——キッチンの家電はどれも単体で1回路をほぼ使い切ります。この2つを同じ回路のコンセントで同時に使えば、契約が60Aあっても分岐ブレーカーが先に落ちます。
契約アンペアを上げるべきか、回路を増やすべきか
契約アンペアを上げる場合
連絡先は電力会社(一般送配電事業者)です。契約している新電力ではありません。アンペアブレーカーの交換自体は無料で行われるのが一般的ですが、次の点にご注意ください。
- 基本料金が上がります。目安は10Aあたり月300円前後ですが、電力会社と料金プランによって異なります
- 分電盤や引込線の容量が足りないと、先に電気工事(有償)が必要になることがあります
- スマートメーターに交換済みの場合、アンペアブレーカーは撤去され、メーター側で電流制限を行っています。この場合は連絡だけで設定変更できることがあります
- 関西・中国・四国・沖縄電力エリアには、そもそもアンペア契約の区分がありません(最低料金制)
回路を増やす場合
こちらは電気工事店(登録電気工事業者)の仕事です。分電盤に空きがあれば分岐ブレーカーを増設し、使いたい場所まで新しい配線を引きます。
ご自身では行えません。屋内配線工事・コンセントの増設・分電盤の変更は、電気工事士の資格がなければ法律上できません(電気工事士法)。延長コードやテーブルタップで容量を稼ぐこともできません。タップは分岐しているだけで、大元の回路の容量は変わらないためです。
よくある質問
ブレーカーが落ちたら、どの順番で戻せばいいですか
まず、落ちた原因になった家電のスイッチを切り、プラグを抜きます。次に分岐ブレーカーを全部「切」にしてから、アンペアブレーカー、漏電ブレーカーの順に「入」にし、最後に分岐ブレーカーを1つずつ入れていきます。
この順番だと、途中で再び落ちたときに、どの回路が原因かがその場で分かります。
ブレーカーが落ちると、家電は壊れますか
ブレーカーが落ちること自体は、電線が過熱して火災になるのを防ぐための正常な動作です。ただし急に電源が切れることで、パソコンのデータが失われたり、録画中の機器が不調になったりすることはあります。冷蔵庫やエアコンも、電源が切れた直後の再投入は避け、数分おいてから入れてください。
同じ部屋のコンセントは、同じ回路ですか
多くの場合は同じですが、必ずではありません。部屋をまたいで1回路になっていることも、同じ部屋で2回路に分かれていることもあります。
確かめるには、分岐ブレーカーを1つだけ「切」にして、どのコンセントが使えなくなるかを順に調べます。分電盤に貼られた回路の一覧(回路シール)に部屋名が書かれていることもありますが、リフォームで実態と合わなくなっている家も少なくありません。
電力量計や分電盤が古いのですが、交換したほうがいいですか
電力量計は電力会社の所有物なので、こちらから手配するものではありません。分電盤はお客さまの所有ですが、交換時期を定めた法律はありません。「◯年で交換が義務」といった説明には根拠がありませんのでご注意ください。どちらの所有かは、下の記事で図にまとめています。
この判定と実際が食い違うのはなぜですか
家電の実際の消費電力は、設定や使い方で大きく変わります。エアコンは室温と設定温度の差が大きいほど電気を使い、立ち上がりの数十分は定格を超えることもあります。ドライヤーも風量と温度の組み合わせで倍近く違います。
正確に知りたい場合は、機器の背面や側面にある銘板(定格ラベル)に書かれた消費電力をご確認ください。ここに書かれた値が、その機器の最大値です。


