幹線は3つの公式で求められる
簡略計算式の係数ってなに?
計算方法ってどうするの?
直流方式の係数は次の式により求められています
- 1相3線式、3相4線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)
=0.01777
≒0.0178
- 直流2線式、1相2線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×2(本)
=0.03555
≒0.0356
- 3相3線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×√3
=0.03078
≒0.0308
「簡易計算式」の数値の根拠ってなに?
「簡易計算式」にて使用される「k」の値の根拠はご存知でしょうか
ケーブルの電圧降下計算において簡略計算式(直流式)の計算式は下記になります。
計算式e=kL×I1000×A
直流2線、1相2線 | 35.6 |
3相3線 | 30.8 |
1相3線、3相4線 | 17.8 |
今回はこの数値にて解説したいと思います。
「簡易計算式」の「k」の求め方
「簡易計算式」の「k」を定めるための条件は下記になります。
- 抵抗率:1/58(Ω㎟/m)
- 導電率:97%
- 銅線の温度:20°C
この3点が定数「k」を求めるために必要な条件になります
送電線路の抵抗は、電線の長さ、断面積、抵抗率(電線の単位断面積、単位長当たりの抵抗値で、電線の材質により異なっている)、導電率(抵抗率の逆数で、電線の種類により異なる)などによって決まっています。
導電率は、硬銅線では97〔%〕、硬アルミ線では61〔%〕、耐熱アルミ合金線(送電用)では60〔%〕を標準としている。
配電方式ごとの算出
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)
=0.01777
≒0.0178
- 1相3線式、3相4線式の場合の電圧降下は電線1本分の値となる
- この抵抗率と伝導率を掛け合わせた値が、定数「k」となる
この式を「簡易計算式」に当てはめると・・・
e=L×I×1/58(抵抗率)×1/A×100/97(伝導率)
≒0.01777×L×I/A
≒17.8×L×I/1000×A
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×2(本)
=0.03555
≒0.0356
- ※直流2線式、1相2線式の場合の電圧降下は電線2本分の値となる
- この抵抗率と伝導率を掛け合わせた値が、定数「k」となる
この式を「簡易計算式」に当てはめると・・・
e=L×I×1/58(抵抗率)×1/A×100/97×2(伝導率)
≒0.03555×L×I/A
≒30.5×L×I/1000×A
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×√3
=0.03078
≒0.0308
- 3相3線式の場合の電圧降下は単相回路の√3倍となる
- この抵抗率と伝導率を掛け合わせた値が、定数「k」となる
この式を「簡易計算式」に当てはめると・・・
e=L×I×1/58(抵抗率)×1/A×100/97×√3(伝導率)
≒0.03078×L×I/A
≒30.8×L×I/1000×A
上記計算式より各配線方式の「簡易計算式」が定められています。
配線方式 | 係数 | 17.8の |
1相3線、3相4線 | 17.8 | ー |
3相3線 | 30.8 | √3倍 |
直流2線、1相2線 | 35.6 | 2倍 |
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まとめ
- 簡略計算式(直流式)
計算式 e=kL×I1000×A
- 条件
- 抵抗率:1/58(Ω㎟/m)
- 導電率:97%
- 銅線の温度:20°C
- 1相3線式、3相4線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)
=0.01777
≒0.0178
- 直流2線式、1相2線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×2(本)
=0.03555
≒0.0356
- 3相3線式の場合
1/58(抵抗率)×100/97(伝導率)×√3
=0.03078
≒0.0308
配線方式 | 係数 | 17.8の |
1相3線、3相4線 | 17.8 | ー |
3相3線 | 30.8 | √3倍 |
直流2線、1相2線 | 35.6 | 2倍 |