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分電盤の設計|電灯負荷の開閉器サイズ選定方法について詳しく解説

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今回の疑問

電灯負荷の主開閉器容量の

選定方法について教えてほしい

結論

 

主開閉器の定格電流(A)は、

最大電力÷2÷100Vで求めます

 

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住宅用分電盤の選定|主開閉器と分岐回路の決め方を基礎から解説


はじめに

現場に出始めた頃、こんな経験はありませんか?

「分電盤、何アンペアにすればいいんだろう…」 「分岐回路って何回路つくればいいの?」 ――先輩に聞こうにも、なんとなく聞きにくい雰囲気…

そんなモヤモヤを抱えたまま、なんとなく図面を書いていた。私自身もそうでした。

でも実は、分電盤の選定にはちゃんとした根拠と計算式があります。この記事では「なぜその数字になるのか」を一緒に確認しながら、現場で自信を持って選定できるようになるための基礎を解説します。


まず知っておきたい|分電盤の3つの構成要素     

選定の前に、分電盤を構成するパーツを整理しておきましょう。

**主開閉器(メインブレーカー)**は家全体の電流を管理する元栓です。ここの容量が小さすぎると、ちょっと電気を使うたびに家全体が落ちます。

漏電遮断器は漏電を検知したとき瞬時に電気を遮断する安全装置です。単相3線式では「中性線欠相保護付」を選ぶことが必須です。これは後で詳しく説明しますが、省略すると家中の家電が一度に壊れる重大事故につながります。

分岐ブレーカーは各回路ごとの電気を管理する小型ブレーカーです。特定の回路だけを落として安全に作業するためにも使います。


STEP①|主開閉器のアンペア数を決める

計算式の意味を理解しよう

主開閉器の定格電流は次の式で求めます。

主開閉器の定格電流(A)= 最大需要電力(VA)÷ 100(V)÷ 2 × 1.3 + 加算値(A)

「なんでこんな式になるの?」と思った方、正解です。ひとつずつ分解します。

**「÷100(V)」**は、電力(VA)を電圧(V)で割ることで電流(A)に変換しています。オームの法則そのものです。

**「÷2」**は、単相3線式では電流が2本の電圧線(L1・L2)に分かれて流れるためです。理想的には均等に分かれる想定で2で割ります。

**「×1.3」**は不平衡安全率と呼ばれます。現実には2本の線に電流が均等に流れることはほぼありません。どちらかに偏る「不平衡」が必ず生じます。その偏りを見込んだ安全係数です。「安全のための1.3倍割り増し」と覚えておけばOKです。

**「加算値」**は、2台目以降のエアコンや衣類乾燥機など大容量機器がある場合の上乗せ分です。住宅面積が70㎡を超える場合に5Aを加算します。

最大需要電力(Pm)はこう求める

Pm(VA)= 40(VA/㎡)× 住宅面積(㎡)+ 1,000〜2,500(VA)

後半の加算値は住宅面積によって変わります。照明や普及率の高いエアコン1台分の電力がここに含まれています。

住宅面積 加算値
50㎡以下 2,500 VA
50㎡超〜100㎡以下 2,000 VA
100㎡超〜150㎡以下 1,500 VA
150㎡超 1,000 VA

小さい住宅ほど加算値が大きいのは、面積が小さくても最低限必要な電力(照明・エアコン1台など)が変わらないからです。

実際に計算してみよう

【例題】住宅面積80㎡・エアコン2台の住宅

Pm = 40 × 80 + 2,000 = 5,200 VA

定格電流 = 5,200 ÷ 100 ÷ 2 × 1.3 = 33.8A

エアコン2台目の加算値(5A)を足すと 38.8A → 規格に合わせて 40A を選定。

計算の流れが理解できたら、現場では以下の早見表を活用してください。ただし「なぜこのアンペアか」を説明できる状態で使うことが大切です。

主開閉器の選定早見表

住宅面積 推奨アンペア 最大需要電力 1線あたり×1.3 加算値
50㎡(15坪)以下 30A 4 kVA 26.0A 0A
70㎡(20坪)以下 40A 5 kVA 32.5A 0A
100㎡(30坪)以下 50A 6 kVA 39.0A 5A
130㎡(40坪)以下 60A 7 kVA 45.5A 5A
170㎡(50坪)以下 60A 8 kVA 52.0A 5A

⚠️ 現場メモ: EVの充電設備・IHクッキングヒーター・蓄電池の導入予定がある場合は、必ず一段階上を検討するか、設計担当者に相談してください。


STEP②|分岐回路数を決める

分岐回路の設計は「電気をどう分けるか」を決める作業です。回路が少なすぎると特定のブレーカーに負荷が集中して、ブレーカーが落ちる原因になります。

分岐回路数 = 一般回路数 + 専用回路数 + 予備回路数

一般回路|コンセントと照明の回路

1回路あたりの最大負荷容量は 分岐ブレーカーの遮断容量×0.8×電圧の値を目安にします。例えば、一般的使用する20A×0.8×100V=1,600VA、これを超えないよう機器を割り振るのが基本です。

照明回路については、接続できる器具数にも制限があります。

1,600(VA)≧ 400(VA)×シャンデリア数 + 150(VA)×主照明器具数 + 60(VA)×その他照明器具数

ダウンライトや廊下・トイレの照明は1灯60 VA。シャンデリアは1灯400 VAです。豪華な照明を多用する住宅では照明回路が増えることを覚えておいてください。

住宅面積 台所コンセント その他コンセント 照明 合計
50㎡(15坪)以下 2 2 1 5回路
70㎡(20坪)以下 2 3 2 7回路
100㎡(30坪)以下 2 4 2 8回路
130㎡(40坪)以下 2 5 3 10回路
170㎡(50坪)以下 2 7 4 13回路

台所が常に2回路確保されているのは、電子レンジ・炊飯器など大容量機器が集中しやすいためです。

専用回路|大容量機器には1回路ずつ

専用回路とは「その機器だけのために用意する回路」のことです。1kW以上の大容量機器には必ず専用回路を設けてください。

新人がやりがちなミスが「コンセントの位置が近いから同じ回路にまとめる」です。電子レンジとトースターを同じ回路にすれば、両方を同時に使った瞬間にブレーカーが落ちます。「使うたびに落ちる」というクレームに直結するので、大容量機器の専用回路は妥協しないでください。

場所 専用回路数 必須で専用の機器 使い方次第で専用が必要な機器
台所 1 電子オーブンレンジ 食器洗浄・乾燥機
台所 1 炊飯ジャー オーブントースター
食事室 1 ホットプレート 電磁調理器、電熱コンロ
居間・寝室 1 エアコン セラミックヒーター、電気カーペットなど
子供室 1 エアコン 同上
トイレ 1 温水洗浄便座
洗面・脱衣室 1 衣類洗濯・乾燥機 ヘアードライヤー

「使い方次第で必要」の機器はお客様へのヒアリングが必須です。「食洗機と電子レンジを同時に使いますか?」――こういった具体的な確認を怠ると、後でクレームになります。迷ったら専用回路を設けるほうが絶対に安心です。

予備回路|後悔しないために今確保する

分電盤の回路を後から増やすのは、盤の交換や追加工事が必要になることが多く、費用も手間もかかります。「今は必要ない」と言っていたお客様が数年後にEVを購入したり、蓄電池を導入したりするケースは非常に多いです。

新築・リフォーム時に最低2〜3回路の予備を確保しておくことを習慣にしてください。


STEP③|絶対に外せない安全確認

⚡「中性線欠相保護付」は省略しない

単相3線式では「中性線欠相」という故障が起きることがあります。中性線(N線)が断線すると、電圧のバランスが崩れ、本来100Vしかかからない機器に150〜200V近い異常電圧が発生します。結果、テレビ・冷蔵庫・エアコンが一度に壊れるという最悪の事態になります。

中性線欠相保護付の漏電遮断器はこの異常を検知して即座に遮断します。


まとめ|現場で使えるチェックリスト

施工前に以下を確認する習慣をつけてください。

主開閉器まわりとして、住宅面積から推奨アンペアを算出しているか、エアコン2台目以降・乾燥機などの加算を忘れていないか、将来の設備追加(EV・太陽光など)を考慮しているかを確認します。

分岐回路まわりとして、一般回路数が住宅面積の基準を満たしているか、1kW以上の大容量機器に専用回路があるか、予備回路を2〜3回路確保しているか、お客様の生活スタイルを踏まえた設計になっているかを確認します。

安全まわりとして、相線式と回路電圧が図面と一致しているか、単相3線式に中性線欠相保護付の漏電遮断器を使っているかを確認します。

電気設備の情報発信をするハリネズミ
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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
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