分電盤の設計|安全ブレーカーの選定方法について詳しく解説【30ATと50ATの違い】
理解していない安全は危険
安全ブレーカーの選定方法ってどうすればいいの?
電灯回路の配線用遮断器は
遮断容量を満足するように選定すること!
- 配線用遮断器の選定方法について悩んでいる方
- 安全ブレーカーを選定しようとされている方
- 電灯盤自体を計画されている方など
ペン太
ハリタ関連記事
この3つ、すぐ答えられますか
- 安全ブレーカーは負荷電流だけで選定してよいか
- 低圧受電(種類Ⅰ)で必要な定格しゃ断容量はいくつか
- 高圧受電(種類Ⅱ)で安全ブレーカーが使えないのは、どんな場合か
低圧電路に施設する自動遮断器の規定
配線用遮断器の仕様については内線規程にて下記のように記載されています。
(一社)日本電気協会制定、電気技術規程、JEAC8701「低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量」では電路の区分及び遮断器の定格電流に応じ、その定格遮断容量について規定している。なお、集合住宅など、供給用変圧器室の変圧器を介して供給される電路に施設する過電流遮断器の遮断容量は、表中の種類Ⅱに該当するものより選定することができる。ただし、変圧器容量や変圧器からの距離によっては大きな短絡電流が流れる場合もあることから、必要に応じて短絡容量を確認し、当該短絡電流を遮断する能力を有するものを選定すること。出典:(内線規程 1-3-19 JEAC8701(1968))より
- 根拠はJEAC8701「低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量」
- 電路の区分および遮断器の定格電流に応じて、定格遮断容量が規定されている
- 集合住宅など供給用変圧器室の変圧器を介する電路は、種類Ⅱから選定できる
- 変圧器容量や距離によっては大きな短絡電流が流れるため、必要に応じて短絡容量を確認する
必要な遮断容量表 要チェック!
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
| Ⅰ | 電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路(100V級および200V級、単相及び三相電路) | 30以下のもの | 1,500 | |
| 30をこえるもの | 2,500 | |||
| Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 | |||
| バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
| 30をこえるもの | 5,000 | |||
| バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 | |||
表の見方
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| 種類 | 供給方法の区分を示します(低圧・高圧) |
| 電路の区分 | 低圧若しくは変圧器の容量によって分かれています |
| 定格電流 | ブレーカーのトリップ値を示します |
| 定格遮断容量 | 規定値以上の容量を持つブレーカーを選定する必要があります |
- 種類Ⅰは電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路
- 種類Ⅱは高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路
- 種類Ⅱはバンク容量100kVA以下/100超〜300kVA以下/300kVA超で区分される
「種類Ⅰ」|電路区分の確認(低圧の場合)
| 種類 | 電路の区分 | |
| Ⅰ |
電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路 (100V級および200V級、単相及び三相電路) |
|
「種類Ⅰ」|定格しゃ断容量の確認
| 種類 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| Ⅰ | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 |
配線用遮断器の仕様確認
| 仕様/メーカー | 三菱製 | パナソニック製 | 日東工業製 | |
| フレーム | A | 30 | 30 | 30 |
| 定格電流 | A | 20 | 20 | 20 |
| 遮断容量 | kA | 1.5 | 1.5 | 1.5 |
| カタログ | 三菱:カタログ | Panasonic:カタログ | 日東工業:カタログ | |
| 種類 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| Ⅰ | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 |
ペン太
ハリタ- 種類Ⅰでは、定格電流30A以下で1,500A、30Aを超えるもので2,500A
- 一般的な安全ブレーカー(遮断容量1.5kA)で満足できる
- 機器の定格遮断容量はメーカーのカタログ・仕様書で確認する
「種類Ⅱ」|電路区分の確認(高圧・特別高圧の場合)
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
| Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 | |||
| バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
| 30をこえるもの | 5,000 | |||
| バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 | |||
「種類Ⅱ」|変圧器容量の確認
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| Ⅱ | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 | ||
| バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | |
| 30をこえるもの | 5,000 |
- 安全ブレーカーの規格
| 仕様/メーカー | 三菱製 | パナソニック製 | 日東工業製 | |
| フレーム | A | 30 | 30 | 30 |
| 定格電流 | A | 20 | 20 | 20 |
| 遮断容量 | kA | 1.5 | 1.5 | 1.5 |
| カタログ | 三菱:カタログ | Panasonic:カタログ | 日東工業:カタログ | |
- 変圧器容量100kVA以下の場合
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| Ⅱ | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 |
- バンク容量100kVA以下の場合、定格遮断容量を満足するため安全ブレーカーの使用が可能です。
- 変圧器容量100kVA以上300kVA以下の場合
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
| Ⅱ | バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 |
| 30をこえるもの | 5,000 |
関連記事
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| ブレーカーは負荷電流だけで選べる | 短絡時の大電流に耐える定格遮断容量も確認する |
| どの電路でも同じ遮断容量でよい | 電路の区分(種類Ⅰ・Ⅱ)と定格電流で必要値が変わる |
| 高圧受電でも安全ブレーカーを使える | 変圧器のバンク容量によっては使用できない |
| バンク容量300kVA超も表から選べる | 短絡電流を算出し、安全に遮断できる定格遮断容量を選ぶ |
- バンク容量100kVA以下は、30A以下で1,500A、30A超で2,500A
- バンク容量100kVA超過300kVA以下は、30A以下で2,500A、30A超で5,000A
- バンク容量300kVA超過は、算出した短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量とする
- 100kVAを超えると、遮断容量1.5kAの安全ブレーカーは使用できない
よくある質問(FAQ)
Q. 安全ブレーカー(配線用遮断器)は負荷電流だけで選定してよいですか?
A. いいえ。負荷電流だけでなく、短絡時の大電流に耐えられる定格遮断容量を満足するかを確認して選定する必要があります(内線規程 1-3-19 JEAC8701)。
Q. 低圧受電(種類Ⅰ)の場合、必要な定格しゃ断容量はどれくらいですか?
A. 定格電流が30A以下なら1,500A以上、30Aを超える場合は2,500A以上が必要です。一般的な安全ブレーカー(遮断容量1.5kA)で満足できます。
Q. 高圧受電(種類Ⅱ)でも安全ブレーカーは使えますか?
A. 変圧器のバンク容量によります。100kVA以下なら使用可能ですが、100kVA超〜300kVA以下では30A以下でも2,500A以上が必要となり、遮断容量1.5kAの安全ブレーカーは使用できません。
Q. 定格しゃ断容量はどこで確認できますか?
A. 各メーカー(三菱・パナソニック・日東工業など)の配線用遮断器のカタログ・仕様書で確認できます。
ペン太
ハリタまとめ
- 内線規程 1-3-19 JEAC8701(1968)より
- 低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量
| 種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
| Ⅰ | 電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路(100V級および200V級、単相及び三相電路) | 30以下のもの | 1,500 | |
| 30をこえるもの | 2,500 | |||
| Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
| 30をこえるもの | 2,500 | |||
| バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
| 30をこえるもの | 5,000 | |||
| バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 | |||
まとめ
安全ブレーカーは、電路の区分・バンク容量・定格電流の3つで必要な遮断容量が決まる点が要点です。
| 確認する順番 | 見るところ |
|---|---|
| 1|電路の区分 | 低圧配電線路からか(種類Ⅰ)、高圧・特別高圧の変圧器からか(種類Ⅱ) |
| 2|変圧器のバンク容量 | 種類Ⅱは100kVA以下/100超〜300kVA以下/300kVA超で分かれる |
| 3|遮断器の定格電流 | 30A以下か、30Aを超えるか |
| 4|必要な定格しゃ断容量 | 表から必要値を読み取る |
| 5|機器の仕様 | メーカーのカタログ・仕様書で定格遮断容量を確認する |
種類Ⅰで押さえること
- 電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路が対象
- 定格電流30A以下は1,500A、30Aを超えるものは2,500A
- 一般的な安全ブレーカー(遮断容量1.5kA)で満足できる
種類Ⅱで押さえること
- 高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路が対象
- バンク容量100kVA以下は、30A以下で1,500A、30A超で2,500A
- バンク容量100kVA超過300kVA以下は、30A以下で2,500A、30A超で5,000A
- バンク容量300kVA超過は、算出した短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量とする
まずは受電方式と変圧器容量の確認から。そこが決まれば、必要な遮断容量は表から読み取れます。
30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?
タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。
ご回答ありがとうございます!
よければ、あと3つだけ教えてください(任意・答えなくてもOK)
ありがとうございました。いただいた声は記事の改善に使わせていただきます。
この記事に関連する無料ツール
- 分電盤 単線結線図 作成ツール(セコサポ・ブラウザで無料)




