理解していない安全は危険
安全ブレーカーの選定方法ってどうすればいいの?
電灯回路の配線用遮断器は
遮断容量を満足するように選定すること!
- 配線用遮断器の選定方法について悩んでいる方
- 安全ブレーカーを選定しようとされている方
- 電灯盤自体を計画されている方など
低圧電路に施設する自動遮断器の規定
配線用遮断器の仕様については内線規程にて下記のように記載されています。
(一社)日本電気協会制定、電気技術規程、JEAC8701「低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量」では電路の区分及び遮断器の定格電流に応じ、その定格遮断容量について規定している。なお、集合住宅など、供給用変圧器室の変圧器を介して供給される電路に施設する過電流遮断器の遮断容量は、表中の種類Ⅱに該当するものより選定することができる。ただし、変圧器容量や変圧器からの距離によっては大きな短絡電流が流れる場合もあることから、必要に応じて短絡容量を確認し、当該短絡電流を遮断する能力を有するものを選定すること。
出典:(内線規程 1-3-19 JEAC8701(1968))より
必要な遮断容量表 要チェック!
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
Ⅰ | 電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路(100V級および200V級、単相及び三相電路) | 30以下のもの | 1,500 | |
30をこえるもの | 2,500 | |||
Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 | |||
バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
30をこえるもの | 5,000 | |||
バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 |
※ 100V級2線式電路に使用するカットアウトスイッチ、カバー付ナイフスイッチおよび2極同時しゃ断の配線用しゃ断器については、1,000Aとすることができる。
表の見方
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
種類 | 供給方法の区分を示します(低圧・高圧) |
電路の区分 | 低圧若しくは変圧器の容量によって分かれています |
定格電流 | ブレーカーのトリップ値を示します |
定格遮断容量 | 規定値以上の容量を持つブレーカーを選定する必要があります |
「種類Ⅰ」|電路区分の確認(低圧の場合)
種類 | 電路の区分 | |
Ⅰ |
電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路 (100V級および200V級、単相及び三相電路) |
「種類Ⅰ」|定格しゃ断容量の確認
種類 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
Ⅰ | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 |
配線用遮断器の仕様確認
仕様/メーカー | 三菱製 | パナソニック製 | 日東工業製 | |
フレーム | A | 30 | 30 | 30 |
定格電流 | A | 20 | 20 | 20 |
遮断容量 | kA | 1.5 | 1.5 | 1.5 |
カタログ | 三菱:カタログ | Panasonic:カタログ | 日東工業:カタログ |
種類 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
Ⅰ | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 |
「種類Ⅱ」|電路区分の確認(高圧・特別高圧の場合)
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 | |||
バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
30をこえるもの | 5,000 | |||
バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 |
「種類Ⅱ」|変圧器容量の確認
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
Ⅱ | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 | ||
バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | |
30をこえるもの | 5,000 |
- 安全ブレーカーの規格
仕様/メーカー | 三菱製 | パナソニック製 | 日東工業製 | |
フレーム | A | 30 | 30 | 30 |
定格電流 | A | 20 | 20 | 20 |
遮断容量 | kA | 1.5 | 1.5 | 1.5 |
カタログ | 三菱:カタログ | Panasonic:カタログ | 日東工業:カタログ |
- 変圧器容量100kVA以下の場合
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
Ⅱ | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 |
- バンク容量100kVA以下の場合、定格遮断容量を満足するため安全ブレーカーの使用が可能です。
- 変圧器容量100kVA以上300kVA以下の場合
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) |
Ⅱ | バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 |
30をこえるもの | 5,000 |
バンク容量100kVA以上300kVA以下の場合、定格遮断容量を満足できないため安全ブレーカーの使用が不可となります。
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まとめ
- 内線規程 1-3-19 JEAC8701(1968)より
(一社)日本電気協会制定、電気技術規程、JEAC8701「低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量」では電路の区分及び遮断器の定格電流に応じ、その定格遮断容量について規定している。なお、集合住宅など、供給用変圧器室の変圧器を介して供給される電路に施設する過電流遮断器の遮断容量は、表中の種類Ⅱに該当するものより選定することができる。ただし、変圧器容量や変圧器からの距離によっては大きな短絡電流が流れる場合もあることから、必要に応じて短絡容量を確認し、当該短絡電流を遮断する能力を有するものを選定すること。
- 低圧電路に施設する自動しゃ断器の必要な遮断容量
種類 | 電路の区分 | 定格電流 | 定格しゃ断容量(A) | |
Ⅰ | 電気事業者の低圧配電線路から供給される需要者屋内電路(100V級および200V級、単相及び三相電路) | 30以下のもの | 1,500 | |
30をこえるもの | 2,500 | |||
Ⅱ | I以外のもので高圧または特別高圧の変圧器に結合する低圧電路により供給される低圧屋内電路(100V級、100V級及び400V級、単相及び三相電路) | バンク容量100kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 1,500 |
30をこえるもの | 2,500 | |||
バンク容量100kVA超過300kVA以下の変圧器から供給される電路 | 30以下のもの | 2,500 | ||
30をこえるもの | 5,000 | |||
バンク容量300kVA超過の変圧器から供給される電路 | 3.(しゃ断容量の算出方法)により求めた短絡電流を安全に遮断できる定格遮断容量 |