この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。

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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電圧降下は、電線が長い・細い・電流が大きいほど大きくなります。押さえるポイントは 「電圧降下とは(許容の目安)/略算式で計算」 の2つです。

電圧降下は電線が長い細い電流が大きいほど大きくなり許容は基本2%以下、略算式はe=K×こう長×電流÷(1000×断面積)という2ポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は2つ。①電圧降下とは=こう長・電流が大きく電線が細いほど先端の電圧が下がる。許容の目安は 基本2%以下(構内変圧器供給は3%以下)、60m超は緩和②略算式e=K×こう長×電流÷(1000×断面積)。係数Kは配線方式で変わる。

見習いペン太
見習いペン太
同じ長さ・同じ電流でも、配線方式で電圧降下って変わるんですか?
はりた
はりた
変わるよ。略算式の係数Kが方式ごとに違うんだ。単相2線は35.6、三相3線は30.8、単相3線・三相4線の対中性線は17.8。まずは方式を確認してから式に当てはめるのがコツだね。
この記事でわかること
✔ 電圧降下の許容値と計算式
✔ ① 電圧降下とは(許容の目安)
✔ ② 略算式で計算してみよう

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ペン太ペン太
電圧降下の許容値って、どんな建物でも一律2%以下と覚えればいいんですか?
ハリタハリタ
基本は2%以下ですが、構内変圧器供給なら3%以下、こう長60m超では最大5%まで緩和されます。条件で変わるんですよ。

電圧降下の許容値と計算式

内線規程1310節では、幹線分岐回路それぞれで電圧降下を標準電圧の2%以下に収めるのを基本とし、こう長が長い場合は緩和値(例:こう長120m以下で4%程度)が定められています。

低圧配線の電圧降下は次の略算式で概算できます(L:こう長〔m〕、I:電流〔A〕、A:断面積〔mm²〕)。

  • 単相2線式:e=35.6×L×I÷(1000×A)〔V〕
  • 単相3線式・三相4線式:e=17.8×L×I÷(1000×A)〔V〕
  • 三相3線式:e=30.8×L×I÷(1000×A)〔V〕

① 電圧降下とは(許容の目安)

電圧降下の早見ガイド図解|内線規程1310節のこう長別許容電圧降下と略算式
電圧降下の目安(こう長60m以下2%・〜120m3%・〜200m4%・200m超5%)と略算式 e≒K・L・I÷(1000・A)
図解のポイント:電圧降下は内線規程1310節で、こう長60m以下は2%、〜120mは3%、〜200mは4%、200m超は5%が幹線+分岐合計の目安です(構内変圧器から供給する場合)。略算式は e≒K・L・I÷(1000・A) で、Kは単相2線35.6/三相3線30.8、Lはこう長、Iは電流、Aは断面積です。電圧降下が大きいときは電線を太く(A↑)、こう長を短く(L↓)、負荷を分散・幹線を増強して対応します。
📱 電圧降下の目安(内線規程1310節)(要点データ)
こう長 60m以下
2%
〜120m
3%
〜200m
4%
200m超
5%
略算式
e ≒ K・L・I ÷(1000・A) K=単相2線35.6/三相3線30.8
大きい時の対策
電線を太く(A↑)/こう長を短く(L↓)/負荷分散・幹線増強
こう長
供給変圧器2次側〜負荷
許容電圧降下
60m以下2%以下
120m以下3%以下
200m以下4%以下
200m超過5%以下

※ 内線規程1310節の許容電圧降下。電気使用場所(構内)に設けた変圧器から供給する低圧の幹線+分岐回路の総合値の目安。電力会社の供給変圧器から引き込む場合は原則2%以下(やむを得ない場合に上表まで緩和)。

  • 電圧降下=電線の抵抗により、負荷側で電圧が下がる現象
  • こう長が長い・電線が細い・電流が大きいほど大きくなる
  • 許容の目安:基本2%以下(構内変圧器から供給なら3%以下)。こう長60m超では条件により緩和
ペン太ペン太
略算式のe=K×L×I÷(1000×A)、係数Kはどれを使えばいいんでしょう?
ハリタハリタ
配線方式で決まります。単相2線式は35.6、三相3線式は30.8。方式を取り違えると結果が大きくずれますよ。

② 略算式で計算してみよう

電圧降下の略算式e=K×L×I÷(1000×A)と、配線方式別の係数K(単相2線35.6・単相3線/三相4線17.8・三相3線30.8)を示す図解

配線方式・こう長・電流・断面積を入れると、電圧降下と降下率を概算できます。

🧮 電圧降下 かんたん計算ツール(略算式)

配線方式・こう長・電流・電線断面積を入れると、電圧降下を概算できます。

配線方式:

こう長L(m): / 電流I(A): / 断面積A(mm2):

基準電圧V(例 100 / 200):

電圧降下: / 降下率:

※ 略算式による概算です。実設計では内線規程の最新版・資料で確認してください。

ここがポイント|係数Kと許容値
電圧降下は配線方式の 係数K(単相2線35.6/単相3線・三相4線17.8/三相3線30.8)で変わる。許容値の目安は 基本2%以下(構内変圧器供給なら3%以下)、こう長60m超は緩和。電線サイズ・こう長・電流のバランスで設計します。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電圧降下はどうやって概算するの?

A. 内線規程の略算式では、電圧降下e(V)=K×こう長L(m)×電流I(A)÷(1000×断面積A(mm2))で求めます。係数Kは配線方式で異なり、単相2線式35.6、単相3線式・三相4線式(対中性線)17.8、三相3線式30.8が目安です。

Q. 電圧降下を小さくするにはどうすればいい?

A. 電線を太くする(断面積Aを大きくする)、こう長Lを短くする、電流Iを下げる(負荷の分散や電圧の格上げ)といった方法が有効です。

Q. 許容できる電圧降下の目安は?

A. 一般には幹線・分岐合計で2%以下(構内変圧器から供給する場合は3%以下)が基本です。こう長が60mを超える場合は条件に応じて緩和されます。

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ペン太ペン太
許容値を超えてしまったら、次はどう手を打てばいいですか?
ハリタハリタ
電線を太くする、こう長を縮める、負荷を分散する、の3つです。幹線と分岐回路の合計で見るのも忘れずに。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。