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分電盤の設計|ELCB(漏電遮断器)が誤動作する主な原因とは?

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ELCB(漏電遮断器)が誤動作する主な原因とは?


✅ 1. ELCBの動作原理

  • ELCB(Earth Leakage Circuit Breaker)は、

    • MCCB(配線用遮断器)内に**ZCT(零相変流器)**を内蔵

    • 漏電時にZCT二次側に誘導される電流を増幅しコイルを励磁

    • コイルが引き外し機構を作動 → 遮断

➕ 補足:

  • 「過電流保護付き」と「過電流保護なし」の2タイプがある


✅ 2. 誤動作の主な原因

🔹 (1) 突入電流

  • 機器起動時に発生する大きな突入電流が、誤って漏電と判定されることがある

  • MCCB同様に、負荷特性を考慮した選定が必要

  • 対策:保護協調の設計、突入電流を見越したトリップ設定


🔹 (2) 外雷サージ

  • 落雷などで生じるサージ電圧が誤検出を引き起こす

  • 旧型ELCBは特に影響を受けやすかったが、近年の製品はJISのインパルス耐性試験をクリア済


🔹 (3) 高調波漏えい電流

  • インバータ機器やLED照明などが接続されている回路では、

    • 高速スイッチングによる高調波電流が発生

    • ZCTの誤作動を誘発しやすい

  • 原因は「対地静電容量×高周波成分


🔹 (4) 多回路の合成影響

  • 近年はインバータ使用機器が多数同時に接続

  • → 高調波が合成され、意図せぬ漏れ電流として検知される

  • 複数回路が集約される分電盤では特に注意が必要


✅ 実務対策まとめ

原因 対策
突入電流 保護協調、トリップ定数調整
外雷サージ 最新型ELCB(インパルス耐性あり)への更新
高調波による誤検出 高調波対応型ELCB(フィルター内蔵)を採用
多回路接続による誤動作 回路を分散設計、ZCTの選定容量を見直す

✅ 高調波対応ELCBとは?

  • ZCT検出回路にフィルターを内蔵し、高周波ノイズをカット

  • 対象:インバータエアコン、LED照明、多数制御系機器など