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変流器CTの選定4ポイント(変流比/定格負担VA/過電流定数/確度階級)と二次開放厳禁
図解のポイント: 変流器(CT)は大電流を計器・保護用の小電流に変換する機器で、選定は①変流比(一次定格/二次5A)、②定格負担(VA)、③過電流定数、④確度階級(計器用0.5級/保護用10P等)の4ポイントで決めます。最重要の禁止事項は通電中に二次回路を開放しないことで、高電圧が発生し感電・機器焼損の重大事故につながります。二次側は必ず片端をD種接地し、取り外す際は二次を短絡します。
📱 変流器(CT)の選定4ポイント(要点データ)
② 定格負担(VA)
計器・継電器・配線の負担に見合う
④ 確度階級
計器用0.5級 / 保護用10P など
ペン太
変流器って大電流を5Aに変換するんですよね。変流比は負荷電流と同じ値をそのまま選べばいいんですか?
ハリタ
目安は負荷電流の1.5倍です。変流比のほかに定格負担や過電流定数、確度階級の4つのポイントで選定していきます。
この記事で押さえる3つのこと
定格一次電流は、定格負荷電流の1.5倍が目安。
保護用(過電流継電器と連携)は過電流定数n>10。キュービクル 用の変流器もn>10。
通電中に二次側を開放すると異常な高電圧。外すときは先に短絡。
この記事でわかること
項目が多いので、チェックリストを手元に置いて読むと整理しやすくなります。
🔧受電設備に使う変流器(CT)の選定ポイント!
変流比 負荷×1.5倍。
定格負担 機器+配線のVA。
過電流定数 保護用はn>10。
確度階級 計測の精度。
✅ 変流器(CT)とは?
CT(Current Transformer) = 電流を比例的に変換する計器用変成器
ここまでのポイント
CT(Current Transformer)は、電流を比例的に変換する計器用変成器
巻線型は高圧用で、構造が固定され絶縁性能が高い
貫通型は低圧用で、電線を通すだけで使える
✅ 変流比の決め方(選定基準)
負荷電流 60A(例)。
×1.5 90A。
直近上位 100A。
二次 通常5A、長距離は1A。
たとえるなら 変流比は、体重計の上限選び
体重60kgの人が上限60kgの体重計に乗ると、針はいっぱいで、少し重くなっただけで振り切れますよね。上限90kgくらいの体重計なら、針は真ん中あたりで読みやすくなります。CTも同じで、負荷電流ちょうどではなく、1.5倍くらいの定格を選びます。
ここに注意! 「CTの定格は、負荷電流ちょうどがよい」ではありません。
負荷電流に近すぎると、少し増えただけで指針が振り切れて読めなくなります。定格負荷電流の1.5倍を目安に、直近上位の定格を選びます。
ここまでのポイント
定格一次電流は、定格負荷電流の1.5倍が目安
定格二次電流は通常5A
離隔が長い場合は1Aを選ぶ
✅ CTの定格項目
✅ 選定時の注意点
ここまでのポイント
負荷電流に近すぎる定格を選ぶと、指針が振り切れて計測できなくなる
確度階級は、精度が求められる用途では1級(誤差±1%)以上を目安にする
接続する計器や配線長の合計VAを、CTの定格負担に収める
過電流定数と耐電圧が、系統保護やサージに対応できるか確認する
✅ CT選定チェックリスト
✅ 過電流定数(Accuracy Limit Factor)
定義 比誤差−10%になる倍率。
n>10 定格の10倍まで。
保護用 n>10。
計器用 大きなnは不要。
ここに注意! 「過電流定数は、大きいほどよい」ではありません。
過電流継電器と組み合わせる保護用では、事故電流でも正しく写すためにn>10などが必要です。一方、計器用では大きなnは要りません。用途で決めます。
◆ 定義:
過電流定数 = 比誤差が−10%になる一次電流 ÷ 定格一次電流 → 「n = 10」「n = 20」などと表記される
◆ 注意点:
ここまでのポイント
過電流定数は「比誤差が−10%になる一次電流 ÷ 定格一次電流」で、n=10、n=20などと表記する
CTが誤差10%以内で測定できる最大電流の倍率を示す
キュービクル用の変流器(JIS C 4620 附属書)はn>10
小さいと大電流時の誤差が大きくなる。一般計測用途では大きなn値は不要
✅ 過電流強度(Thermal Current Withstand)
ここに注意! 「過電流強度の40倍は、二次電流5Aの40倍」ではありません。
過電流強度の倍数は、定格一次電流に対する倍数です。定格一次電流100AのCTなら、40倍×1秒は4kA×1秒です。
短絡電流 が大きい系統では、75倍・150倍・300倍のものを選びます。
◆ 定義:
変流器が、定格電流 を超える電流(事故電流)に何秒耐えられるかを表す → 通常は「定格電流 × 時間」で評価(例:12.5kA × 1秒)
◆ 実用上のポイント:
→ 特に短絡事故を想定した保護リレー系統では重要な選定条件。
ここまでのポイント
過電流強度は、事故電流に何秒耐えられるかを示す(例:12.5kA×1秒)
一般的な目安は定格一次電流の40倍×1秒(100Aなら4kA×1秒)
短絡事故を想定する保護リレー系統では、75倍・150倍・300倍が必要なこともある
✅ 確度階級(Accuracy Class)
◆ 定義:
CTの測定精度を分類した指標。値が小さいほど精密。
→ 通常、配電盤計測なら「1.0〜3.0級」、契約計量なら「1.0級以下」が目安(大口需要家や特別高圧 など精度要求が高い契約では0.5級以下を求められる場合もあるため、契約先の電力会社の規定を確認してください)。
ここまでのポイント
確度階級は値が小さいほど精密
0.2級・0.5級は特別精密計測用、1.0級は一般的な電力計測用、3.0級は緩い監視計測用
配電盤計測なら1.0〜3.0級、契約計量なら1.0級以下が目安
大口需要家や特別高圧では0.5級以下を求められることもあるため、電力会社の規定を確認する
✅ 実務選定のポイントまとめ:
取り違えやすいところ 正しくは
計器を外すとき、CTの二次側も開放してよい 絶対に開放しない。短絡端子板で閉回路に保つ
定格は負荷電流ちょうどに合わせるのがよい 1.5倍を目安にする。近すぎると指針が振り切れる
定格負担は大きいほど安心 小さすぎても大きすぎても誤差が出る。1/4〜定格値の範囲で使う
負担の計算に配線は含めなくてよい 配線のVAも含める。長距離なら1A CTが有利
過電流定数は大きいほどよい 一般計測用途では大きなn値は不要。用途で決める
よくある質問(FAQ)
変流比 1.5倍。
過電流定数 用途で決める。
過電流強度 一次の40倍。
二次側 開けない。
Q1. CTの定格一次電流はどう決める? A.
定格負荷電流の1.5倍 が目安です。実際の電流に近すぎると指針が振り切れて計測できなくなります。
Q2. 二次電流は5Aと1Aのどちらを選ぶ? A. 通常は5Aですが、配線距離(離隔)が長い場合は1Aが有利です。負担の面で約25倍の差が出ます。
Q3. 過電流定数(n)はどのくらい必要? A. 過電流継電器と連携する場合は、キュービクル用の変流器(JIS C 4620 附属書)と同じく
n≧10 が必要です。一般計測用途では大きなn値は不要です。
Q4. CTの二次側を開放してはいけないのはなぜ? A.
鉄心が磁気飽和して異常高電圧が発生 し、発熱・焼損や機器破損・人身事故の恐れがあるためです。保守中も短絡端子板で閉回路に保ちます。
5. 定格負担(VA)はどう選びますか? A. 二次側に接続する計器・継電器・配線の負担の合計以上の定格負担を選びます。負担が不足すると確度(精度)が低下します。
6. 計器用と保護用でCTの選び方はどう違いますか? A. 計器用は確度階級(0.5級・1.0級など)で精度を重視し、保護用は過電流定数(n≧10など)で過電流時にも誤差が小さいことを重視します。
ペン太
選定の流れは分かりました。実務ではまず何から確認すればいいですか?
ハリタ
まず負荷電流を押さえ、1.5倍を目安に変流比を決めましょう。チェックリストで定格負担と確度階級も確認すれば安心ですよ。
まとめ|変流比から順に決めていく
CTの選定は項目が多く見えますが、変流比を決めてから負担・過電流定数・確度階級と順に当てていけば、判断はぶれません。 そして通電中の二次側開放だけは、どの段階でも絶対に避けます。
決める順番 決めること 目安
Step1 定格一次電流 定格負荷電流の1.5倍
Step2 定格二次電流 通常5A。離隔が長ければ1A
Step3 定格負担 接続機器+配線のVA合計以下、1/4〜定格値で使う
Step4 過電流定数 継電器連携なら n≧10
Step5 過電流強度 40倍×1秒。高短絡時は150倍以上も
Step6 確度階級 一般計測1.0級、契約計量は1.0級以下
配線距離が長い現場では、5Aと1Aの選択だけで負担の余裕がまったく変わります。盤の位置が決まった段階で二次電流を見直しておくと、あとから負担不足に気づく事態を防げます。
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