受変電設備の設計|変流器(CT)の選定ポイントについて詳しく解説

ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- CTの定格一次電流は、定格負荷電流の何倍を目安に選ぶか
- 過電流継電器と連携するとき、過電流定数はいくつ以上必要か
- 通電中にCTの二次側を開放すると、何が起きるか
🔧受電設備に使う変流器(CT)の選定ポイント!
✅ 変流器(CT)とは?
CT(Current Transformer) = 電流を比例的に変換する計器用変成器
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 巻線型 CT | 高圧用。構造が固定され、絶縁性能が高い |
| 貫通型 CT | 低圧用。電線を通すだけで使用可能、取り扱い簡単 |
- CT(Current Transformer)は、電流を比例的に変換する計器用変成器
- 巻線型は高圧用で、構造が固定され絶縁性能が高い
- 貫通型は低圧用で、電線を通すだけで使える
✅ 変流比の決め方(選定基準)
-
定格一次電流:定格負荷電流 × 1.5倍 が目安
-
定格二次電流は通常 5A
→ 離隔が長い場合は 1A を選択する
- 定格一次電流は、定格負荷電流の1.5倍が目安
- 定格二次電流は通常5A
- 離隔が長い場合は1Aを選ぶ
✅ CTの定格項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一次電流 | 例:50A, 75A, 100A… |
| 二次電流 | 通常5A(または1A) |
| 定格負担 | VA単位。機器+配線の負荷容量(例:40VA) |
| 確度階級 | 計測精度(例:1級=±1%) |
| 過電流定数 | 例:>10(10倍電流まで計測精度維持) |
| 耐電流 | 12.5kA(短時間電流耐性) |
| 雷インパルス耐電圧 | 60kV(雷サージなど) |
✅ 選定時の注意点
| チェック項目 | 理由とポイント |
|---|---|
| 負荷電流に対して1.5倍程度を選ぶ | 実際の電流に近すぎると指針が振り切れて計測不能に |
| 確度階級は「1級」以上 | 精度が求められる用途では誤差±1%の1級以上を目安にする |
| 定格負担を超えないように | 接続する計器や配線長の合計VAをCT仕様に収めることが必要 |
| 過電流定数・耐電圧の確認 | 系統保護や高電圧サージに対応できる性能があるかを確認 |
- 負荷電流に近すぎる定格を選ぶと、指針が振り切れて計測できなくなる
- 確度階級は、精度が求められる用途では1級(誤差±1%)以上を目安にする
- 接続する計器や配線長の合計VAを、CTの定格負担に収める
- 過電流定数と耐電圧が、系統保護やサージに対応できるか確認する
✅ CT選定チェックリスト
| ✅項目 | 推奨値/基準 |
|---|---|
| 定格一次電流 | 負荷電流 × 1.5倍 |
| 定格二次電流 | 5A(遠距離は1A) |
| 定格負担 | 使用機器VA合計以下 |
| 確度階級 | 1級(±1%) |
| 過電流定数 | 10以上 |
| 耐電圧 | 系統に応じて確認 |
✅ 過電流定数(Accuracy Limit Factor)
◆ 定義:
過電流定数 = 一次電流 ÷ 定格一次電流
→ 「n = 10」「n = 20」などと表記される
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 意味 | CTが誤差10%以内で測定できる最大電流の倍率 |
| 基準 | JIS C 4610 ではn ≧ 10が必要 |
| 適用 | 過電流継電器と接続する場合に重視される指標 |
◆ 注意点:
-
過電流定数が小さいと、大電流時の誤差が大きくなる
-
一般計測用途(例:電力量計)ではそこまで大きなn値は不要
- 過電流定数は「一次電流 ÷ 定格一次電流」で、n=10、n=20などと表記する
- CTが誤差10%以内で測定できる最大電流の倍率を示す
- JIS C 4610では n≧10 が必要
- 小さいと大電流時の誤差が大きくなる。一般計測用途では大きなn値は不要
✅ 過電流強度(Thermal Current Withstand)
◆ 定義:
変流器が、定格電流を超える電流(事故電流)に何秒耐えられるかを表す
→ 通常は「定格電流 × 時間」で評価(例:12.5kA × 1秒)
◆ 実用上のポイント:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 測定目的 | CTが熱・機械的に壊れない範囲で使用するための基準 |
| 一般的な基準 | 定格電流の40倍×1秒が目安(例:定格電流5Aなら200A×1秒) |
| 実事故想定時 | 75倍、150倍、300倍など大きな耐性が必要な場合もある |
→ 特に短絡事故を想定した保護リレー系統では重要な選定条件。
- 過電流強度は、事故電流に何秒耐えられるかを示す(例:12.5kA×1秒)
- 一般的な目安は定格電流の40倍×1秒(定格5Aなら200A×1秒)
- 短絡事故を想定する保護リレー系統では、75倍・150倍・300倍が必要なこともある
✅ 確度階級(Accuracy Class)
◆ 定義:
CTの測定精度を分類した指標。値が小さいほど精密。
| 確度階級 | 意味 |
|---|---|
| 0.2級・0.5級 | 特別精密計測用(例:需要家契約電力量計) |
| 1.0級 | 一般的な電力計測用、受電計測にも使用 |
| 3.0級 | 精度の要求が緩い一般監視計測に使用 |
→ 通常、配電盤計測なら「1.0〜3.0級」、契約計量なら「1.0級以下」が目安(大口需要家や特別高圧など精度要求が高い契約では0.5級以下を求められる場合もあるため、契約先の電力会社の規定を確認してください)。
- 確度階級は値が小さいほど精密
- 0.2級・0.5級は特別精密計測用、1.0級は一般的な電力計測用、3.0級は緩い監視計測用
- 配電盤計測なら1.0〜3.0級、契約計量なら1.0級以下が目安
- 大口需要家や特別高圧では0.5級以下を求められることもあるため、電力会社の規定を確認する
✅ 実務選定のポイントまとめ:
| 選定項目 | 実務での目安 |
|---|---|
| 過電流定数 | n≧10(過電流リレー連携時) |
| 過電流強度 | 40倍×1秒(高短絡時は150倍以上) |
| 確度階級 | 一般1.0級、契約計量は1.0級以下(大口需要家など精度要求が高い契約では0.5級以下の場合も) |
| 用途 | 重視する指標 | 目安 |
|---|---|---|
| 計器用(計測・計量) | 確度階級 | 一般計測は1.0級、契約計量は1.0級以下 |
| 保護用(継電器連携) | 過電流定数 | n≧10(JIS C 4610) |
| 短絡を想定する系統 | 過電流強度 | 40倍×1秒。高短絡時は150倍以上 |
✅ 定格負担(Rated Burden)
◆ 定義:
CTの二次側に接続可能な機器(電流計・保護リレー等)+配線による消費容量の上限(単位:VA)
◆ ポイント整理:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定格負担を超えると? | 測定誤差増加、誤作動の原因に |
| 小さすぎても? | 誤差が大きくなり、指示が安定しない |
| 使用推奨範囲 | 定格負担の1/4~定格値以内 |
| 配線のVAも含む? | 含みます(例:I²RまたはI²Zₙ) |
| 配線距離が長い場合 | 5Aよりも1A CTが有利(25倍の差) |
◆ 配線抵抗参考
| 線種 | 抵抗値(Ω/km) |
|---|---|
| 3.5mm² | 5.20 |
| 5.5mm² | 3.33 |
| 8.0mm² | 2.31 |
ペン太
ハリタ- 定格負担は、二次側に接続する機器と配線の消費容量の上限(VA)
- 超えると測定誤差が増え、誤作動の原因になる
- 小さすぎても誤差が大きく、指示が安定しない
- 使用推奨範囲は定格負担の1/4〜定格値以内
- 配線のVAも含めて計算する。配線距離が長い場合は1A CTが有利(負担で約25倍の差)
✅ 注意点:二次回路の開放禁止!
❗ 絶対にやってはいけないこと:
CTの一次側に電流が流れている状態で、二次側を開放すると…
| 発生事象 | 説明 |
|---|---|
| 鉄心が磁気飽和 | 正常な変流ができず、異常高電圧が発生 |
| 発熱・焼損の恐れ | CTが過熱し破損するリスクがある |
| 機器破損・人身事故 | 二次電路に高電圧 → 非常に危険 ⚡ |
- 一次側に電流が流れている状態で二次側を開放すると、鉄心が磁気飽和する
- 正常な変流ができず、異常高電圧が発生する
- CTが過熱して焼損したり、機器破損や人身事故につながる
✅ 現場での対応ポイント
| 処置 | 内容 |
|---|---|
| CT二次側は必ず閉ループで使用 | 開放厳禁、短絡端子板で保守中も閉回路に |
| 負担VAは常に計算・確認 | 特に長距離配線時に注意 |
| 1A CTの活用検討 | 配線距離長い場合に有効 |
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 計器を外すとき、CTの二次側も開放してよい | 絶対に開放しない。短絡端子板で閉回路に保つ |
| 定格は負荷電流ちょうどに合わせるのがよい | 1.5倍を目安にする。近すぎると指針が振り切れる |
| 定格負担は大きいほど安心 | 小さすぎても大きすぎても誤差が出る。1/4〜定格値の範囲で使う |
| 負担の計算に配線は含めなくてよい | 配線のVAも含める。長距離なら1A CTが有利 |
| 過電流定数は大きいほどよい | 一般計測用途では大きなn値は不要。用途で決める |
よくある質問(FAQ)
ペン太
ハリタまとめ|変流比から順に決めていく
CTの選定は項目が多く見えますが、変流比を決めてから負担・過電流定数・確度階級と順に当てていけば、判断はぶれません。そして通電中の二次側開放だけは、どの段階でも絶対に避けます。
| 決める順番 | 決めること | 目安 |
|---|---|---|
| Step1 | 定格一次電流 | 定格負荷電流の1.5倍 |
| Step2 | 定格二次電流 | 通常5A。離隔が長ければ1A |
| Step3 | 定格負担 | 接続機器+配線のVA合計以下、1/4〜定格値で使う |
| Step4 | 過電流定数 | 継電器連携なら n≧10 |
| Step5 | 過電流強度 | 40倍×1秒。高短絡時は150倍以上も |
| Step6 | 確度階級 | 一般計測1.0級、契約計量は1.0級以下 |
配線距離が長い現場では、5Aと1Aの選択だけで負担の余裕がまったく変わります。盤の位置が決まった段階で二次電流を見直しておくと、あとから負担不足に気づく事態を防げます。
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