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強電設備の設計|ケーブルの束ねによる低減率の検討方法について詳しく解説

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束ねすぎちゃいけないのは、

熱くなるからです

 

今回の疑問

ケーブルを同一の配管若しくは結束する場合の最大本数って何本?




結論

ケーブルを束ねる場合本数に応じ許容電流が低下するため

低減率を考慮して決定しよう!

 

本記事のおすすめの方
  • ケーブルを束ねて敷設する場合の問題点について調べている方
  • 最大何本まで束ねるのが正解か調べている方
この記事のカテゴリー

ケーブルの束ねと許容電流の減少

条数
配列 ●● ●●● ●●

●●

 ●●●

●●●

●●●●

●●●●

段数
列数
電流低減率 1.00 0.85 0.80 0.70 0.6 0.6

出典:一般社団法人日本電線工業会規格JCS 0168-1:2016

「33kv以下電力ケーブルの許容電流計算」より

あにまるさん
あにまるさん
ケーブルの本数は多くなるにつれて低減率が落ちているな

はりた
はりた
ケーブルを束ねる本数が多くなればなるほどケーブルの許容電流が小さくなってしまうんだ!



ケーブルの許容電流

導体 電線種別 許容電流(A)
単線・より線 直径又は交渉断面積 VVFケーブル3心以下
単線 1.6㎜ 19
2.0㎜ 24
2.6㎜ 33

あにまるさん
あにまるさん
このケーブルの許容電流値から束ねた条数に応じて低減率が掛かっていくんだな

はりた
はりた
VVF2.0㎜を2本束ねた場合の許容電流は”24A×0.85=20.4A”ということになるね

あにまるさん
あにまるさん
許容電流はどこまで下げても問題ないのかなぁ?

はりた
はりた
負荷の定格電流が関係してくるから確認してみよう!



負荷の許容電流

はりた
はりた
内線規程には分岐回路の定格電流について次のように記載されています
分岐回路の定格電流について

続負荷を有する分岐回路の負荷容量は、その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流の 80%を超えない事(勧告)

  • 分岐回路の配線用遮断器 20Aの場合

20A×0.8=16A となるため通常の場合分岐回路の負荷電流は16以下となるように接続します。

電圧 負荷容量
100Ⅴ 1,600kVA
200V 3,200kVA

はりた
はりた
内線規程上16A以下の定格電流にて負荷を接続するんだ

あにまるさん
あにまるさん
なるほど。だからケーブルは16A以上の許容電流を持っていればいいのか

はりた
はりた
そうだね!ケーブルを束ねるとその許容電流値が下がってしまうので16A以上の許容電流を保てる束ね本数が推奨されるんだよ

あにまるさん
あにまるさん
ってことは、つまり・・・何本になるんだ!?

はりた
はりた
先ほどのケーブルごとの許容電流に低減率をかけてみよう!



ケーブルの許容電流
導体 電線種別 許容電流(A)
単線・より線 直径又は交渉断面積 VVFケーブル3心以下
単線 1.6㎜ 19
2.0㎜ 24
2.6㎜ 33
多条敷設による許容電流の低減率
条数
配列 ●● ●●● ●●

●●

 ●●●

●●●

●●●●

●●●●

段数
列数
電流低減率 1.00 0.85 0.80 0.70 0.6 0.6
ケーブルの許容電流に低減率をかけた場合
条数
配列 ●● ●●● ●●

●●

 ●●●

●●●

●●●●

●●●●

段数
列数
電流低減率 1.00 0.85 0.80 0.70 0.6 0.6
1.6㎜ 19 16.15 15.2 13.3 11.4 11.4
2.0㎜ 24 20.4 19.2 16.8 14.4 14.4
2.6㎜ 33 28.05 26.4 23.1 19.8 19.8

あにまるさん
あにまるさん
本数的にはかなり少ない数で束ねないといけないんだな

はりた
はりた
2.0㎜の場合最大5本が多条敷設可能な本数といことになるんだ



多条敷設の場合の許容電流の計算例

VVF2.0-3C ケーブルを4条結束した場合
ケーブルの種類 VVF2.0-3C
ケーブルの許容電流 24A
周囲温度 30℃
負荷電流 I=16A (配線用遮断器容量 20A の 80%を最大として想定)
多条敷設結束数 4 条
敷設方法 気中
低減率 0.7
  • ケーブルの許容電流を求める

24A×0.7[低減率]=16.8A

負荷電流値=16A

ケーブルの許容電流:16.8A > 負荷電流値:16A

よって負荷電流値よりケーブルの許容電流が大きくなるため2.0㎜にて選定可と判断する



VVF2.0-3C ケーブルを6条結束した場合
ケーブルの種類 VVF2.0-3C
ケーブルの許容電流 24A
周囲温度 30℃
負荷電流 I=16A (配線用遮断器容量 20A の 80%を最大として想定)
多条敷設結束数 4 条
敷設方法 気中
低減率 0.6
  • ケーブルの許容電流を求める

24A×0.6[低減率]=14.4A

負荷電流値=16A

ケーブルの許容電流:14.4A < 負荷電流値:16A

よって負荷電流値よりケーブルの許容電流が大きくなるため2.0㎜にて選定不可と判断する



多条敷設の場合の低減率のポイント

条数
配列 ●● ●●● ●●

●●

 ●●●

●●●

●●●●

●●●●

段数
列数
電流低減率 1.00 0.85 0.80 0.70 0.6 0.6
  • 実際の多条敷設の場合は、表のように隙間なく敷設しないため低減率には余裕がある
  • 実際の低減率は敷設した条数ー1の敷設本数の低減率を採用しても際し使えないと判断できる
  • 最大の多条敷設本数は元請又は客先の指示・基準に従い選定すること

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この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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