この連載について(全5回・第2回:金属管)
配管・ケーブルラック類の支持間隔を材種ごとに整理する連載の第2回です。今回は金属管(厚鋼・薄鋼・ねじなし電線管)の支持間隔と施工の要点。基本は「2m以下」ですが、実務で効くのはボックスや曲がり部の近くの押さえ方です。総論・根拠の全体像は第1回(総論)をご覧ください。
🐧 見習いペン太「先輩、金属管は『2mおき』でいいって覚えたんですけど、それだけ守れば大丈夫ですか?」
🦔 はりた「2m以下は正解。でもそれだけだと不合格になる現場もあるんだ。ポイントは『2mおき』に加えて、管端・ボックス・曲がり部の近くを別に押さえること。順番に見ていこう」

金属管の支持間隔の基本は「2m以下」

金属管(厚鋼電線管G・薄鋼電線管C・ねじなし電線管E)を造営材に固定するときの支持点間の距離は、2m以下が基本です(内線規程3110)。金属管は強度が高くたわみにくいため、樹脂管(第3回)より広い間隔が認められています。

管の種類 記号 支持間隔の目安
厚鋼電線管 G 2m以下
薄鋼電線管 C 2m以下
ねじなし電線管 E 2m以下

※支持間隔は水平・垂直いずれも2m以下が目安。管径が細い・重量物・振動のある箇所は、間隔を詰めるのが実務です。公共建築工事標準仕様書など、物件の仕様書で別途指定がある場合はそれに従います。

金属管3種の見分け方
なぜ「2m」なの?
電技解釈は金属管について「外れないように堅ろうに固定」と性能で規定し、具体的な数値は置いていません。現場で使う「2m以下」という数字は内線規程が実務基準として示しているものです(この関係は第1回で解説)。

「2mおき」だけではダメ。押さえるべき5つの近く

支持間隔で本当に大事なのは、間隔の数字よりも「接続点・端部の近くを別に支持する」ことです。ここが緩むと、接続部に力がかかって抜け・緩み・破損につながります。

金属管の支持ルール

内線規程では、2m以下に加えて次の箇所の近く(おおむね0.3m以内)でも支持することを求めています。

支持する箇所 理由
管端 端部が垂れると見栄え・接続に悪影響。
ボックス・付属品との接続点 アウトレットボックス等の接続部に応力が集中し、抜け・緩みの原因に。
管相互の接続点(カップリング) 継手部は弱点。近くで支持して力を逃がす。
曲がり部(エルボ・ベンド)の近く 曲げ部は自重・引張りが集中しやすい。
立ち上がり・立ち下がりの起点 垂直へ移る部分は荷重の向きが変わる。
ボックス近くの支持 良い例と悪い例
🦔 はりた「試験でも実務でも、落としやすいのがボックス近くの0.3m。『2mおきに付いてるからOK』と思っても、ボックス直前が1m以上空いていると指摘される。端部・継手の近くは必ず1点入れる——これが金属管の基本動作だよ」

施工でのコツ・よくある指摘

数値を守ったうえで、次の点を押さえると仕上がりと検査対応がスムーズです。

重量・振動箇所は詰める 太径管・多条・ポンプ室など振動源の近くは2mより短く。
横引きの垂れに注意 長い横引きは中間支持を均等に。目視でたわみが出ない間隔に。
ボックス直近を1点 最も指摘されやすい。接続点の近くに必ず支持を入れる。
耐震支持は別途 標準支持とは別に、地震対策の振れ止め・末端支持を重ねる(耐震クラス参照)。
🐧 見習いペン太「金属管の配線そのものの基本も、もっと知りたいです」
🦔 はりた「それなら金属管配線の全体像をまとめた内線規程【034】金属管配線の記事があるよ。管の厚さや使用場所も載っているから、あわせて読むと理解が深まる」

まとめ+よくある質問

金属管の支持間隔は2m以下。ただし本当のポイントは、管端・ボックス・継手・曲がり部の近く(0.3m以内)を別に支持すること。数字だけでなく「弱点を押さえる」意識が、緩みや検査指摘を防ぎます。次回・第3回は合成樹脂管(VE・PF・CD)の支持間隔と垂れ対策を扱います。

Q. 金属管の支持間隔は法律(電技解釈)で2mと決まっている?
A. 電技解釈は「堅ろうに固定」と性能で規定し、数値は置いていません。「2m以下」は主に内線規程の実務基準です。

Q. 垂直(立ち上がり)でも2m以下?
A. 垂直・水平とも2m以下が目安です。加えて立ち上がりの起点付近を支持します。

Q. ボックスのすぐ近くにも支持が要る?
A. はい。管端・ボックス接続点の近く(おおむね0.3m以内)は必ず支持します。最も指摘されやすい箇所です。

前後の回:【第1回】支持間隔の総論・早見表 → 第3回 合成樹脂管(近日公開)
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出典:電気設備技術基準・解釈、内線規程(JEAC 8001)、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)、各メーカー技術資料をもとに作成。数値は目安であり、適用にあたっては最新版の各基準・仕様書を確認してください。