この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。

金属管配線の要点を整理。絶縁電線で3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線、管内に接続点を設けず交流は1回路を同一管内に収める電磁的平衡、管の厚さはコンクリート埋込1.2mm以上など、図解とFAQで解説します。

技術図書館金属管配線の3ルール|使用電線・電磁的平衡・管の厚さOWは使えない・3.2mm超はより線・1回路は同一管内・埋込は1.2mm以上。G/C/Eの使い分けまで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る

全体像:内線規程【035】金属管配線(使用電線・電磁的平衡・管の厚さ)
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

金属管配線は、電線を金属製の電線管に収めて施設する代表的な工事方法です。機械的に強く広く使われますが、使用する電線・管内の収め方・管の厚さにそれぞれルールがあります。ここでは要点を3つに整理します。

金属管配線の3つのポイントの図解
結論

①電線は絶縁電線を使い、直径3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線。②管内に接続点を設けない+交流は1回路の電線全部を同一管内に収める(電磁的平衡)。③管の厚さは場所で変わり、コンクリート埋込みは1.2mm以上。

金属管配線の3つのルール図解|使用電線・電磁的平衡・管の種類(厚鋼G/薄鋼C/ねじなしE)
金属管配線の3ルール(使用電線/電磁的平衡/管の厚さ・種類)
図解のポイント:金属管配線(内線規程・電技解釈 第159条)の基本は3つで、①使用電線は絶縁電線(OW以外)で原則より線、②電磁的平衡のため1回路の電線は同一管内にまとめる(渦電流・過熱防止)、③管は厚鋼(G)・薄鋼(C)・ねじなし(E)を用途で選ぶことです。厚鋼(G)は頑丈でコンクリート埋込向き、薄鋼(C)は軽量で露出/隠ぺい、ねじなし(E)はねじ切り不要で施工性に優れます。金属管どうし・ボックスはボンディングで電気的に連続にし、確実に接地(C・D種)します。
📱 金属管配線の3ルール(要点データ)
① 使用電線
絶縁電線(OW以外)・原則より線
② 電磁的平衡
1回路は同一管内にまとめる(渦電流・過熱防止)
③ 管の種類
厚鋼G(頑丈・埋込)/薄鋼C(軽量)/ねじなしE(施工性◎)
接地
金属管・ボックスはボンディングでC・D種接地

この記事でわかること
✔ 金属管配線で使う電線の3つのルール
✔ 1. 使用電線のルール
✔ 2. 電磁的平衡(同一管内に1回路をまとめる)
✔ 3. 管の厚さ
ペン太ペン太
金属管配線の電線って、単線でもより線でも好きに選べますよね?
ハリタハリタ
絶縁電線で、直径3.2mmを超えるものはより線にします。アルミ線なら4.0mmが境目です。

この記事で押さえる3つのこと

  • 屋外用ビニル絶縁電線(OW)は使えない。
  • 交流は1回路まとめて同じ管へ。単相3線式なら3本。
  • コンクリートに埋め込む管の厚さは1.2mm以上。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、金属管配線の使用電線・電磁的平衡・管の厚さを整理します。
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金属管配線で使う電線の3つのルール

1 絶縁電線(OW以外)。
2 3.2mm超はより線。
3 管内で接続しない。
接続 ボックスの中。
ここに注意!
「絶縁電線なら、どれでも使える」ではありません。
金属管配線に使えるのは絶縁電線ですが、屋外用ビニル絶縁電線(OW)は除かれます(電技解釈 第159条)。電線を拾うときに、種類まで確かめます。

金属管配線(金属管工事)で使用する電線には、電気設備技術基準の解釈・内線規程で次のルールがあります。

  • 絶縁電線を使用する(屋外用ビニル絶縁電線〔OW〕を除く)。
  • より線、または直径3.2mm以下の単線を使用する(太い単線は不可)。
  • 管内では電線に接続点を設けない(接続はボックス内で行う)。

1. 使用電線のルール

太い単線 曲がりで傷める。
より線 なめらかに通る。
銅線 3.2mm超。
アルミ線 4.0mm超。
たとえるなら
より線は、細い糸を束ねたロープ
太い1本の針金は曲げにくく、無理に曲げると折れ癖がつきますよね。細い糸を束ねたロープなら、くねくね曲がります。より線も同じで、細い素線を束ねているので、管の曲がりでも電線や被覆を傷めずに通せます。
ここに注意!
「3.2mmの単線は、より線にしなければならない」ではありません。
より線にするのは、直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を「超える」ものです。3.2mmちょうどの単線は使えます。また、短小な管(おおむね1m以下)に収める場合なども単線でかまいません。
  • 絶縁電線を使用する(屋外用ビニル絶縁電線〔OW〕などは不可)
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする
  • ただし長さおおむね1m以下の管に収める場合などは単線でもよい
  • 管内には電線の接続点を設けない(接続はボックス内で行う)
なぜより線?

太い単線は曲げにくく、管内で電線を傷めやすいためです。太径ではしなやかなより線が原則になります。

ペン太ペン太
行きと帰りの電線を別の管に分けたら施工が楽かと思ったんですが…まずいですか?
ハリタハリタ
交流では1回路の電線全部を同一管内に収めます。分けると渦電流で管が過熱する恐れがあります。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する(屋外用ビニル絶縁電線などは不可)。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • ただし長さおおむね1m以下の管に収める場合などは単線でもよい。
  • 管内には電線の接続点を設けない(接続はボックス内で行う)。


2. 電磁的平衡(同一管内に1回路をまとめる)

別々の管 うず電流で発熱。
同じ管 磁界が打ち消し合う。
単相3線 3本。
三相4線 4本。
たとえるなら
電磁的平衡は、同じ力で引き合う綱引き
綱引きで、左右から同じ力で引けば綱は動きませんよね。行きと帰りの電流を同じ管に入れると、それぞれが作る磁界が逆向きで打ち消し合い、管には何も起きません。片方だけの管だと、引っ張られっぱなしの状態になり、うず電流で管が温まります。
ここに注意!
「行きと帰りを別の管にしても、太い管なら熱くならない」ではありません。
発熱の原因は、行きと帰りの磁界が打ち消し合わないことです。管の太さでは解決しません。交流では、1回路の電線全部を同じ管に入れます。
  • 交流回路では、1回路の電線全部を同一の管内に収める
  • 単相2線式=2本、単相3線式・三相3線式=3本、三相4線式=4本をまとめる
  • 金属製の管・ボックス・付属品は接地する(使用電圧で接地種別が決まる)
たとえ話

行きと帰りの電流をバラバラの管に分けると、管が磁気の影響でうず電流を生じて発熱します。行きと帰りを同じ管に入れると磁界が打ち消し合い、発熱しません。これが電磁的平衡です。

ペン太ペン太
行きと帰りを別々の管に入れちゃダメなんですね…?
ハリタハリタ
そう、交流は必ず1回路まるごと同じ管へ。これを守らないと管がじわじわ熱くなるんだ。
取り違えやすいところ 正しくは
屋外用ビニル絶縁電線(OW)も使える 絶縁電線のうち、屋外用ビニル絶縁電線などは使えない
太い単線のほうが丈夫でよい 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。太い単線は曲げにくく管内で電線を傷めやすい
短い管でも必ずより線 長さおおむね1m以下の管に収める場合などは単線でもよい
管内でも丁寧に接続すればよい 管内には電線の接続点を設けない。接続はボックス内で行う
行きと帰りを別の管に分けたほうが施工しやすい 交流回路では1回路の電線全部を同一の管内に収める。分けると管にうず電流が生じて発熱する
管の厚さはどこでも同じ 埋込み・露出で継手なし4m以下・その他の3段階に分かれる
ここまでのポイント
  • 交流回路では、1回路の電線全部を同一の管内に収める。
  • 単相2線式は2本、単相3線式・三相3線式は3本、三相4線式は4本をまとめる。
  • 金属製の管・ボックス・付属品は接地する(使用電圧で接地種別が決まる)。


3. 管の厚さ

埋込み 1.2mm以上。
乾燥・展開継手なし4m以下 0.5mm以上。
その他 1mm以上。
0.5mm 3条件がそろうとき。
ここに注意!
「露出なら、どこでも0.5mm以上でよい」ではありません。
0.5mm以上でよいのは、乾燥した展開場所で、継手のない長さ4m以下の管だけです。条件が1つでも欠ければ1mm以上、コンクリートに埋め込むなら1.2mm以上です。
種類 記号 特徴 主な用途
厚鋼電線管 G 肉厚で頑丈・ねじ加工あり コンクリート埋込/屋外/機械的保護が必要な場所
薄鋼電線管 C 軽量・ねじ加工あり 屋内の露出・隠ぺい配管
ねじなし電線管 E ねじ切り不要で施工が速い 露出配管・点検口まわり等
(参考)合成樹脂管 PF/CD/VE 非金属・軽量・耐食 CD=コンクリート埋設、PF/VE=露出・隠ぺい

📌 管サイズ(電線本数→管径)の選定は別記事の電線管の太さの早見表で確認できます。金属管配線には接地(原則C種・D種)も必要です。

つなぐ 管・ボックス・付属品。
300V以下 D種。
300V超 C種。
根拠 電技解釈第159条。
ここに注意!
「金属管の接地は、いつもD種」ではありません。
使用電圧が300V以下ならD種、300Vを超えるならC種が原則です(電技解釈 第159条)。200Vの動力でも、400V級の回路でも同じ金属管を使うので、電圧で種類を確かめます。
  • コンクリートに埋め込むもの:1.2mm以上
  • 乾燥した露出場所で、継手のない長さ4m以下のもの:0.5mm以上
  • 上記以外のもの:1mm以上
覚え方

「埋込み1.2 / 露出・継手なし4m以下0.5 / その他1.0」の3段階。最も過酷な埋込みが一番厚いと覚えると整理しやすいです。

管を施設する条件 管の厚さ
コンクリートに埋め込むもの 1.2mm以上
乾燥した露出場所で、継手のない長さ4m以下のもの 0.5mm以上
上記以外のもの 1mm以上
ここまでのポイント
  • コンクリートに埋め込むものは1.2mm以上。
  • 乾燥した露出場所で、継手のない長さ4m以下のものは0.5mm以上。
  • 上記以外のものは1mm以上。


よくある質問(FAQ)

Q. 金属管配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。直径3.2mm(アルミは4.0mm)を超えるものはより線とします。屋外用ビニル絶縁電線などは使えません。
Q. 管内で電線を接続してもいい?
A. いいえ。管内には接続点を設けません。接続はボックスの中で行います。
Q. 電磁的平衡とは?
A. 交流の1回路の電線全部を同一管内に収めることです。行きと帰りの電流の磁界を打ち消し、管の発熱(うず電流)を防ぎます。
Q. 管の厚さの基準は?
A. コンクリート埋込み1.2mm以上、乾燥した露出場所で継手なし4m以下は0.5mm以上、それ以外は1mm以上です。
Q. 3.2mmちょうどの単線は使えますか?
A. 使えます。より線にしなければならないのは、直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものです。
Q. 金属管の接地は何種ですか?
A. 使用電圧が300V以下ならD種、300Vを超えるならC種が原則です(電技解釈 第159条)。条件によって緩和される場合があります。

まとめ|電線・回路のまとめ方・管の厚さで押さえる

金属管配線は、絶縁電線を使い、管内で接続せず、交流は1回路を同一管内に収め、施設条件に応じた厚さの管を選ぶことが基本です。

確認する項目 規程が示す内容
使用する電線 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線などは不可)
より線とする太さ 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるもの
単線でよい例外 長さおおむね1m以下の管に収める場合など
より線とする理由 太い単線は曲げにくく、管内で電線を傷めやすいため
管内の接続点 設けない(接続はボックス内)
交流回路のまとめ方 1回路の電線全部を同一の管内に収める
単相2線式 2本
単相3線式・三相3線式 3本
三相4線式 4本
電磁的平衡の目的 行きと帰りの磁界を打ち消し、管のうず電流による発熱を防ぐ
金属製の管・ボックス・付属品 接地する(使用電圧で接地種別が決まる)
管の厚さ(コンクリート埋込み) 1.2mm以上
管の厚さ(乾燥した露出場所・継手なし4m以下) 0.5mm以上
管の厚さ(その他) 1mm以上

電線で押さえること

  • 絶縁電線の種類(使えないものがある)。
  • より線とする太さと、単線でよい例外。
  • 接続はボックス内で行っているか。

回路のまとめ方で押さえること

  • 交流の1回路を同一管内に収めているか。
  • 電気方式ごとの本数。
  • 管・ボックス・付属品の接地。

管の厚さで押さえること

  • コンクリート埋込みか。
  • 乾燥した露出場所で継手なし4m以下か。
  • それ以外の一般の場合。

金属管配線は使用範囲が広いぶん、条件によって求められるものが細かく変わります。とくに厚さの3段階は、材料を拾う段階で施設条件とセットで確認しておくと、現場での差し替えを防げます。

ペン太ペン太
管の厚さは、次にどう決めていけばいいですか?
ハリタハリタ
施工環境で決まります。コンクリート埋込は1.2mm以上、その他は1mm以上が基本と覚えましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。