技術図書館耐震クラスと耐震種別の決め方を、スライド17枚でクラス → 設置階 → 支持間隔の順に、図と表で通して確認できます。ブラウザでそのまま読めます。

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耐震クラスの決め方をQ&A形式で1枚にまとめた図
この記事のポイントを1枚にまとめました。
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
今回の疑問

 

耐震クラスの判断基準と

機器の選定方法について知りたい!

 
ペン太
ペン太
これで本当に合ってるのかな〜…
はりた
はりた
ケーブルラックのカタログ見ながら、どうかしたの?
ペン太
ペン太
設計事務所から「耐震クラスAでお願いします」って言われたんだけど、具体的に何をすればいいのか分からなくて…
はりた
はりた
なるほど、それなら「建築設備耐震設計・施工指針」に沿って設計すれば大丈夫!一緒にポイントを確認していこう!
https://harita2021.com/%e4%bb%95%e6%a7%98%e3%81%ae%e8%a8%ad%e8%a8%88%ef%bd%9c%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%ae%e8%80%90%e9%9c%87%e6%94%af%e6%8c%81%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%ab%e3%81%a4/ https://harita2021.com/%e4%bb%95%e6%a7%98%e3%81%ae%e8%a8%ad%e8%a8%88%ef%bd%9c%e3%83%ac%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%82%a4%e3%81%ae%e8%80%90%e9%9c%87%e6%94%af%e6%8c%81%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84/
ペン太ペン太
耐震クラスのSとかAって、建物の頑丈さのランクだと思ってました…どう決まるんですか?
はりたはりた
建物の用途と機器の重要度で決まるんです。東日本大震災を受けた2014年版指針が基準ですよ。

参考にした書籍

クイックトピックス

耐震クラスの分類は?

  • 耐震クラスS:特定の施設 で 重要機器
  • 耐震クラスA:特定の施設 で 一般機器
  • 耐震クラスA:一般の施設 で 特定機器
  • 耐震クラスB:一般の施設 で 一般機器
 
耐震クラスの適用階は?

建物の階数ごとに上層階の範囲が変わることを示した図
2〜6階建ては最上階のみ、7〜9階建ては上層2階、10〜12階建ては上層3階、13階以上は上層4階です。

耐震支持金物の適用は?

出典:(建築設備耐震設計・施工指針〈2014年版〉)より

耐震設計指針とは|2014年版で何が変わったか

トピック①:耐震設計指針とは
ペン太
ペン太
そもそも耐震設計って、どこを基準に考えればいいのかな?
はりた
はりた
いい質問だね!建築設備の耐震設計は、「建築設備耐震設計・施工指針(2014年版)」に沿って考えるのが基本だよ。

建築設備の耐震設計・施工は「2014年版指針」で見直されました

建築設備の耐震設計は、「建築設備耐震設計・施工指針(2014年版)」に沿って考えるのが基本です。2005年版をベースに、2011年の東日本大震災で見つかった弱点を反映して改訂されました。

2005年版から2014年版へ指針が見直された経緯を示した図
震災で見つかった弱点が、そのまま2014年版の強化点になっています。

大地震で判明した建築設備の弱点

ペン太
ペン太
でも実際にどんな被害が起きたの?気をつけるポイントが知りたいな。
はりた
はりた
東日本大震災では、建築設備にいろんな弱点が見つかったんだよ。たとえば…
  • 配管を固定するつかみ金具が外れてしまった
  • 置き基礎がズレて設備が破損した
  • 配管の端や分岐部分が割れてしまった
  • 吊り金具や埋め込み金具の強度が足りず、設備が落下した
ペン太
ペン太
うわ…それって、普段は見えないところばかりだね!
はりた
はりた
そうなんだ。日常では気づきにくい“弱点”が、大地震で一気に露呈したんだよ。だからこそ、あらかじめ対策しておくことが大事なんだ!

2014年版での主な変更点

ペン太
ペン太
それで、2014年版ではどこが変わったの?
はりた
はりた
東日本大震災の教訓を活かして、次の点が強化されたんだ。要チェックだよ!

横引き配管への耐震支持の必要性が明記 地震時に横方向に揺れる配管にも、しっかりと耐震支持を設けることが求められるようになったんだ。

耐震支持の種類と適用範囲の整理 「どこに、どのレベルの耐震支持が必要か」が分類されて、設計や施工の判断がしやすくなったよ!

ペン太
ペン太
なるほど〜!ただ固定するだけじゃなくて、地震の動きも考えた設計が必要なんだね!
はりた
はりた
その通り!だから最新版の指針に基づいた設計が大切になるんだよ。
ここまでのポイント
  • 建築設備の耐震設計・施工指針は2014年版で見直された
  • 大地震で判明した設備側の弱点が反映されている
  • まずは「どの版の指針で設計するか」を確認する

耐震クラスとは|建物の役割で決まる3段階

トピック②:耐震クラスとは
耐震クラスを建物の用途と機器の重要度で分類した図
建物の用途と機器の重要度の組み合わせで決まります。

建物や設備の耐震対策を考えるとき、重要になるのが「耐震クラス」という考え方です。
この耐震クラスは、「官庁施設の総合耐震計画基準および同解説」に基づいており、地震後にその建物をどのような用途・状態で使いたいかによって、求められる耐震性能が変わります。

どんな建物に、どのクラス?

建物の役割や用途に応じて、必要な耐震クラスが決まります。

ペン太
ペン太
はりた~!建物によって耐震のレベルが違うって聞いたけど、どういうこと?
はりた
はりた
いい質問だねペン太!建物の用途によって「どこまで地震に耐えられるべきか」が違うんだよ。

🟥 防災拠点として使う建物耐震クラス SまたはA 災害時でも必ず使えるように、超高レベルの耐震性能が必要になるんだ。 例:防災センター、災害対策本部、病院の非常用電源室など。

🟧 一般のオフィスや事務所ビル耐震クラス AまたはB 被災後の業務復旧を早めたいけど、すぐに稼働しなくてもOKな場合はこのクラス。 例:官公庁施設、民間オフィスなど

建物の役割と機器の重要度ごとの耐震クラスの目安を示した図
最終的にどのクラスにするかは、施主や設計事務所の判断になります。
ペン太
ペン太
つまり、建物の“役割”がそのまま耐震クラスの目安になるんだね!
はりた
はりた
その通り!だから設計のときには「建物で何をするか?」をしっかり押さえておく必要があるよ。

設備機器の重要度による分類

耐震クラスの選定は、建物だけでなく設備機器の重要度によっても変わります。

ペン太
ペン太
建物だけじゃなくて、機器にも「重要度」ってあるんだね?
はりた
はりた
うん、例えば災害直後に使う設備と、あとで復旧すればいい設備では耐震レベルが変わってくるんだよ。

🟥 重要機器(非常用電源・消火ポンプ・制御盤など) → 災害直後から使う必要があるから、SまたはAクラスでしっかりと耐震設計する必要があるよ。

🟧 一般機器(照明・換気扇・コンセントなど) → 被災後すぐには使わなくても大丈夫な場合は、AまたはBクラス

ペン太
ペン太
なるほど~!使うタイミングで耐震クラスが変わるんだね!
はりた
はりた
その通り!だから設計時には、設備の“使われ方”もしっかり確認しておこうね。

耐震クラスの選定基準を整理すると…

耐震クラスの考え方をシンプルにまとめると、以下のように建物の用途×機器の重要度によって分類されます。

建物の用途 機器の重要度 耐震クラス
特定の施設 重要機器 Sクラス
特定の施設 一般機器 Aクラス
一般の施設 重要機器 Aクラス
一般の施設 一般機器 Bクラス

耐震クラスはどうやって決める?

ペン太
ペン太
じゃあ、防災拠点だからって絶対Sクラスってわけじゃないんだ?
はりた
はりた
そう!施主さんとの相談や、コスト・施工の方針も関わってくるから、最終的には設計者が決めるケースが多いんだ。
ペン太
ペン太
なるほど〜!だからこそ、ちゃんと設計者に確認しておくのが大事なんだね!

耐震クラスの選定は、建物の役割や使い方をもとに、施主や設計事務所が判断します。
たとえば、防災拠点や医療施設などの重要な施設であれば、より高いクラス(SやA)が必要になります。


ここまでのポイント
  • 耐震クラスは「建物の用途」と「設備の重要度」で決まる
  • S〜Bクラスまであり、それぞれ必要な耐震対策が異なる
  • 選定は設計初期段階で、施設の使い方を踏まえて決定される

耐震クラスと耐震種別のちがい

トピック③:耐震クラスと耐震種別のちがい
耐震クラスと耐震種別の関係を示した図
クラスが先、種別があとです。
項目 説明
耐震クラス 建物や設備がどの程度の耐震性能を求められるかを示す分類 クラスS、A、B
耐震種別 実際に使う耐震支持部材の仕様・強度レベル A種、B種、SA種など

言葉の使い分け

耐震クラスは、その設備に「どのくらいの耐震性能が必要か」を示すランクです。建物の用途と機器の重要度で、S・A・Bのどれかに決まります。

耐震種別は、その性能を満たすために「どの支持材を使うか」のランクです。ブラケットやアンカーなど、支持材の仕様・強度の区分で、SA種・A種・B種があります。

両者の関係性

順番は決まっています。まずクラスが決まり、そのクラスと設置階の組み合わせで種別が決まります。

クラスが分からないままでは、種別も支持間隔も選べません。図面や仕様書にクラスの記載がなければ、まずそこを確認するところからです。

SA種・A種・B種は、どこで使い分ける?

種別は「支持材の強さのランク」です。強さはSA種 > A種 > B種の順で、設置場所(階)と耐震クラスの組み合わせで、どれを使うかが決まります。

耐震種別(SA種・A種・B種)の使い分けを示した図
強さは SA種 > A種 > B種 の順です。

組み合わせの一覧は「耐震支持間隔とは|対象と基本ルール」に表でまとめています。

ここまでのポイント
  • 耐震クラスは「求められる性能のランク」(S・A・B)
  • 耐震種別は「支持部材の強度のランク」(SA種・A種・B種)
  • クラスが先に決まり、それに合う種別の部材を選ぶ

2005年版から2014年版へ|適用ルールの変化

トピック④:2005年版から2014年版へ

建築設備耐震設計・施工指針の耐震支持の適用表

『指針2005』での耐震支持の適用表

出典:(建築設備耐震設計・施工指針〈2005年版〉)より

『指針2014』での耐震支持の適用表

出典:(建築設備耐震設計・施工指針〈2014年版〉)より

2枚の適用表を見比べると

2014年版では、横引き配管への耐震支持が明記され、耐震支持の種類と適用範囲が整理されました。設置場所と耐震クラスの組み合わせごとに、使う種別がはっきり分かれています。
具体的な組み合わせは、このあとの「耐震支持間隔とは|対象と基本ルール」に表でまとめています。

ここまでのポイント
  • 適用ルールは階層と耐震クラスの組み合わせで整理されている
  • 2005年版のままの感覚で進めると、必要な支持が抜ける
  • 設計初期に、適用する版と範囲をそろえておく

適用階の考え方|上層階と中間階

トピック⑤:適用階の考え方
耐震クラスの適用階の考え方を示した図
上層階ほど揺れが大きくなります。

建築設備の耐震設計では、「耐震クラス」だけでなく、それがどの階に適用されるかという「適用階」の考え方も重要です。

特に地震時の揺れが大きくなる上層階では、より厳格な耐震性能が求められることがあります。

このように、耐震クラスは建物全体で一律に決めるものではなく、階ごとに適用を検討する必要があるのです。

ペン太
ペン太
えっ、耐震クラスって建物全体で一つだけ決めればいいんじゃないの?
はりた
はりた
そう思いがちだけど、実は階によって揺れの大きさが違うから、上層階の方が厳しい耐震設計が必要なこともあるんだよ。
適用階の考え方について

建物の階数ごとに上層階の範囲が変わることを示した図
2〜6階建ては最上階のみ、7〜9階建ては上層2階、10〜12階建ては上層3階、13階以上は上層4階です。

上層階の定義|階数ごとの区分ルール

建物の階数 上層階の定義
2~6階建て 最上階のみ(例:4階建てなら4階が対象)
7~9階建て 上層2階(例:9階建てなら8・9階)
10~12階建て 上層3階(例:11階建てなら9・10・11階)
13階以上 上層4階(例:15階建てなら12~15階)

このように、建物の高さが高くなるほど、上層階の範囲も広がっていくのがポイントです。
設備の設計段階では、「どの階に設置されるか」に応じて耐震クラスの適用レベルを検討する必要があります。

ペン太
ペン太
階数によって、上層階の定義が違うんだね~!
はりた
はりた
そうだよ!例えば9階建てなら、8階と9階が上層階として、より厳しい耐震設計が必要になるんだ。

中間階の定義

「中間階」とは、1階や地下階、そして上層階を除いた残りの階層を指します。
つまり、上層階に該当しない2階以上の階が中間階として扱われます。


中間階を正しく判断するためには、まず建物が何階建てかを確認することが大切です。
というのも、上層階の範囲は建物の高さ(階数)によって変わるため、それによって「どこが中間階なのか」も自動的に決まってくるからです。


例として、10階建ての建物であれば、上層階は8〜10階なので、中間階は2〜7階となります。

このように、「耐震クラスの適用階」を判断するには、建物の全体構成を把握することが前提になります。

適用階の考え方について

  • 1階及び地下階を除く各階で上層階に該当しない階
中間階は上層階を除くため建物が何階建てなのかを確認しましょう

設置場所の考え方とは?

耐震クラスの判断において重要なのは、設備が“どの階から支持されているか”です。

ペン太
ペン太
たとえばさ、配管が1階に見えてても、耐震クラスって1階で考えればいいの?
はりた
はりた
うーん、それは違うよ!支持している階、つまりどの階から吊ってるかで判断するんだ。
ペン太
ペン太
へぇ〜!じゃあ2階の天井から吊ってたら、それは“2階設置”ってことになるんだね!
はりた
はりた
その通り!だから見た目じゃなくて構造的にどの階に依存してるかがポイントなんだよ。

このように、設備の耐震設計では“支持階”を正しく見極めて、対応する耐震クラスを適用することが求められます。


ここまでのポイント
  • 耐震クラスは建物全体で一律に決めるものではない
  • 上層階ほど揺れが大きく、より厳しい耐震性能が求められる
  • どの階にどのクラスを適用するかを、階ごとに検討する

耐震支持間隔とは|対象と基本ルール

トピック⑥:耐震支持間隔とは

電気配線設備において「耐震支持間隔」とは、地震時の揺れに備え、どの程度の間隔で固定(支持)する必要があるかを定めた距離のことです。
これは、過剰な変形や脱落を防ぐための重要な設計条件です。

対象となる電気配線とは?

この項目で対象となるのは以下のような堅固な電気系統の配線材料です。

支持間隔の基本ルール(指針2014より)

設置される階層と耐震クラスに応じて、支持間隔が定められています。

適用階層ごとの基本方針

建物のどの階に設置するかによって、必要な耐震種別(A種・B種・SA種)が異なります。

設置場所 耐震クラスA・B対象設備 耐震クラスS対象設備
上層階・屋上・塔屋 原則としてA種支持材を設置 ※配線は12m以内ごとに設置 SA種支持材を設置(12m以内)
中間階 配線は12m以内ごとにA種またはB種を設置 A種支持材(12m以内)
地階・1階 配線などは条件によりB種または適用除外も可能 A種支持材(12m以内)

※「A種」「SA種」は耐震性能の区分で、SA種の方が高性能です。

横引き配線を12m以内ごとに耐震支持する考え方を示した図
間隔は12m以内。どの種別を使うかは、設置階と耐震クラスで決まります。

ここから先は、指針2014に示された支持間隔の原典表です。上の表で決めた種別(SA種/A種/B種)に対応する側を見てください。

耐震支持間隔|電気配線(金属管・金属ダクト・バスダクトなど)

耐震種別【A種・B種】
耐震種別【SA種】

耐震支持間隔|ダクト

耐震種別【A種・B種】
耐震種別【SA種】
ここまでのポイント
  • 対象は金属管・金属ダクト・バスダクトなどの堅固な配線材料
  • 支持間隔は、設置される階層と耐震クラスで決まる
  • まず設置場所と耐震クラスで種別(SA種・A種・B種)を決める
  • 配線はいずれも12m以内ごとに支持するのが基本

クラスと種別を、実務でどう使い分けるか

トピック⑦:クラスと種別を、実務でどう使い分けるか

ここまでで出てきた「クラス」と「種別」を、実際の設計・施工でどう使うかを整理します。

耐震クラスの確認は、設計の出発点です

耐震設計を行ううえで、最初に確認すべきなのが「耐震クラス」です。

耐震クラスは、建物や設備が地震後にどのように機能しなければならないかという観点から決定されます。
つまり、クラスの設定を誤ると、過剰設計や耐震性能不足といった重大なトラブルにつながる可能性があります。

耐震種別の選定も「クラス」によって決まる

使用する支持材(A種、SA種など)を選ぶにも、まず耐震クラスが分かっていなければ正しく選べません。

  • クラスS → SA種の支持材が必要
  • クラスA → A種の支持材で対応
  • クラスB → B種でも可 など

まず「クラス」、次に「種別」

設計や施工に入る前に、必ず次の点を確認しましょう。

  • 施主や設計者と耐震クラスの確認を行う
  • 図面や仕様書にクラスが明記されているかを確認
  • クラスに合った耐震種別を選定する
ここまでのポイント
  • 耐震クラスの確認は、設計の出発点
  • クラスが決まらないと、種別も支持間隔も決められない
  • 「まずクラス、次に種別」の順番を崩さない

適用除外となるケース

トピック⑧:適用除外となるケース

すべての設備に耐震支持が必要というわけではありません。一定の条件を満たす場合は、適用除外として耐震支持を省略できます。

ここで対象外になるのは「耐震支持」です。配線や配管をふつうに吊る支持まで不要になるわけではないので、そこは分けて考えてください。

ペン太
ペン太
えっ、全部の配管に耐震支持しなきゃいけないんじゃないの?
はりた
はりた
実はね、サイズが小さいとか、吊り長さが短いって条件にあてはまると、免除されることもあるんだよ。
耐震支持が適用除外となる条件を一覧にした図
サイズが小さいもの、吊り長さが短いものが対象です。
ペン太
ペン太
なるほど~。サイズが小さいと、地震の影響も少ないってことなんだね!
はりた
はりた
その通り!でもね、図面や実際の構造をちゃんと確認して、現場に合った判断をすることが大事なんだ。

(1)電線管・金属ダクト・バスダクトなど

以下のいずれか1つに当てはまれば、耐震支持は対象外です。

  • φ82mm以下の単独金属管
  • 周長80cm以下の電気配線類
  • 定格電流600A以下のバスダクト
  • 吊り長さが平均20cm以下の電気配線

(2)ケーブルラック

ケーブルラックは、以下のいずれか1つに当てはまれば対象外です。

  • 幅400mm未満のケーブルラック
  • 吊り長さが平均20cm以下のもの
適用除外の判定に使う4つの寸法をどこで測るか示した図
数字より先に、どこを測るのかを揃えておくと迷いません。

軽量かつ短い配管や配線は、耐震支持の対象外となる場合があります。
ただし、実際の適用除外の判断は、設計者や監理者による最終確認が必要です。

耐震支持が必要かどうかを順番に判定するフロー図
現場では、この順番で見ていくと判断が早くなります。
ここまでのポイント
  • 小さいもの・吊りが短いものは、耐震支持の対象から外れる
  • 電線管・金属ダクト・バスダクトとケーブルラックで条件が違う
  • 外れるのは「耐震支持」で、通常の支持まで不要になるわけではない
  • 当てはまるかどうかの最終判断は、設計者・監理者が行う

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よくある質問(FAQ)

耐震クラスはどのように決まりますか?

「建物の用途」と「設備機器の重要度」の組み合わせで決まります。特定の施設の重要機器はSクラス、特定の施設の一般機器または一般の施設の重要機器はAクラス、一般の施設の一般機器はBクラスが目安です。

「耐震クラス」と「耐震種別」の違いは?

耐震クラス(S・A・B)は建物や設備に求められる耐震性能のレベルを示し、耐震種別(A種・B種・SA種など)はそれを満たすために使う支持部材の仕様・強度です。まずクラスを定め、次に種別を選ぶのが基本です。

耐震種別はどう選びますか?「SA種」を使うのはどんなときですか?

耐震種別は支持材(ブラケットやアンカーなど)の仕様・強度のランクで、A種のほうがB種より高強度です。上層階・屋上・塔屋にある耐震クラスSの設備には、さらに強いSA種の支持材を使います。順番は必ず「クラスを決めてから種別」です。

2014年版の指針では、何が変わったのですか?

大きくは2点です。横引き配管への耐震支持の必要性が明記されたこと、そして耐震支持の種類と適用範囲が整理され、「どこに、どのレベルの支持が必要か」を判断しやすくなったことです。設計に入る前に、どの版の指針に基づくかを確認しておきましょう。

「上層階」と「中間階」はどう区分しますか?

上層階の範囲は建物の階数で変わります。2〜6階建ては最上階のみ、7〜9階建ては上層2階、10〜12階建ては上層3階、13階以上は上層4階です。1階・地下階と上層階を除いた階が中間階になります(10階建てなら上層階は8〜10階、中間階は2〜7階)。

設置階はどこを基準に判断しますか?

見た目の位置ではなく、その設備がどの階から支持(吊り)されているかで判断します。例えば2階の天井から吊っていれば2階設置として扱います。

耐震支持は、どのくらいの間隔で設けますか?

設置される階と耐震クラスで変わります。上層階・屋上・塔屋では原則A種支持材(配線は12m以内ごと)、耐震クラスSの設備はSA種を12m以内ごとに設置します。中間階は12m以内ごとにA種またはB種、クラスSはA種(12m以内)です。細かい数値は指針2014の表で確認してください。

耐震支持が適用除外となるのはどんな場合ですか?

電線管・金属ダクト・バスダクトでは、外径φ82mm以下の単独金属管、周長80cm以下の電気配線、定格電流600A以下のバスダクト、吊り長さが平均20cm以下の電気配線が該当します。ケーブルラックは幅400mm未満、または吊り長さが平均20cm以下が対象です。

ペン太ペン太
設計ではまず何から確認すればいいですか?
はりたはりた
出発点は建物の耐震クラスの確認です。その後に種別、12m以内の支持間隔と進みましょう。

まとめ

耐震クラスを指定されたときの確認手順を4ステップで示した図
この順番を崩さないのが、いちばんの近道です。

最後に、この記事の要点をまとめておきます。

この記事の要点

  • 耐震クラスは「建物の用途」×「機器の重要度」で決まります(S/A/A/B)。
  • 耐震種別は支持材の強さのランクです。強い順に SA種 > A種 > B種。
  • 順番はまずクラス、次に種別。クラスが決まらないと、種別も間隔も決められません。
  • 設置階は見た目ではなく、どの階から支持しているかで判断します。
  • 上層階の範囲は階数で変わります。2〜6階建ては最上階のみ、7〜9階建ては上層2階、10〜12階建ては上層3階、13階以上は上層4階です。
  • 配線は12m以内ごとに支持します。小さいもの・吊りが短いものは対象外になります。

数字の早見

現場で迷いやすい数字だけ、もう一度まとめておきます。

対象条件
単独金属管外径 φ82mm 以下 なら耐震支持は対象外
電気配線まわりの長さ 80cm 以下 なら対象外
バスダクト定格電流 600A 以下 なら対象外
ケーブルラック幅 400mm 未満 なら対象外
吊り長さ平均 20cm 以下 なら対象外
支持間隔配線は 12m 以内ごとに支持する

対象外の判定は、設計者や監理者による最終確認が必要です。図面や仕様書に耐震クラスの記載がないときは、そこを確かめるところから始めてください。

「耐震クラスAでお願いします」と言われても、やることは決まっています。クラスの根拠を確認し、設置階を押さえ、種別を選び、12m以内で支持する。この順番を崩さないことが、いちばんの近道です。

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電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。