この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
技術図書館キャブタイヤケーブル|守る・通す・留めるの3点柔らかいから、どこでも這わせてよいわけではない。衝撃を受ける場所は防護管に収めるこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【050】キャブタイヤケーブル配線
📚 内線規程の解説シリーズ(全119条文+テーマ解説)|条文・テーマから探せる 総合インデックスはこちら →

出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

キャブタイヤケーブルは、柔軟で移動や振動に強いケーブルで、電動工具や移動式の電気機器などに使われます。ここでは、その配線で押さえておきたい「ケーブルの選定」「施設場所と防護」「支持・屈曲・接続」のルールを、要点を整理して解説します。

キャブタイヤケーブル配線の3つのポイント(ケーブル選定・施設と防護・支持と接続)を整理した図解

結論:キャブタイヤケーブルは3185-1表により選定し、衝撃を受ける場所では防護管(内径は仕上り外径の1.5倍以上)で保護します。造営材に沿わせる場合は支持点間距離1m以下で堅固に固定しましょう。

この記事でわかること
✔ ケーブルの選定と施設場所
✔ 防護管と端口・ボックスの扱い
✔ 支持・屈曲・接続のルール
ペン太ペン太
キャブタイヤケーブルって柔らかくて便利だから、どこでも使っていいんですよね?
ハリタハリタ
いいえ、衝撃を受ける場所での使用は禁止です。3185-1表で選定し、施設場所の条件を守る必要があります。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 防護管の内径は、ケーブルの仕上り外径の何倍以上必要ですか。
  • 造営材やラックに沿わせるとき、支持点間の距離は何m以下ですか。
  • 接続箇所から支持点までの距離は、どのくらいが望ましいですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、キャブタイヤケーブル配線のルールを4つの視点で整理します。

ケーブルの選定と施設場所

トピック1:ケーブルの選定と施設場所
  • 配線に使用するケーブルは、用途に応じて3185-1表により選定します。
  • 重量物の圧力著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所には、そのまま施設してはいけません。
  • やむを得ない場合は、金属管・ガス鉄管・合成樹脂管などに収めるなど、適切な防護装置を施します。
ペン太ペン太
やむを得ず防護管で保護するときは、管のサイズはどう決めるんですか?
ハリタハリタ
内径はケーブル仕上り外径の1.5倍以上が原則です。短小で屈曲がなく引き替えが容易なら例外もあります。
ここまでのポイント
  • 配線に使用するケーブルは、用途に応じて3185-1表により選定する。
  • 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所には、そのまま施設してはいけない。
  • やむを得ない場合は、金属管・ガス鉄管・合成樹脂管などに収めるなど、適切な防護装置を施す。

防護管と端口・ボックスの扱い

トピック2:防護管と端口・ボックスの扱い
  • 防護管の内径は、ケーブルの仕上り外径の1.5倍以上が必要です。
  • ただし防護管が短小で屈曲がなく、ケーブルの引き替えが容易なものは、1.5倍未満でも構いません。
  • 金属管などの端口はなめらかにし、引き入れ・引き替えの際に被覆を損傷しないようにします。
  • 金属製ボックスへ挿入する場合は、3165-1(施設方法)④の規定に準じます。
防護管の条件内径
原則ケーブルの仕上り外径の1.5倍以上
防護管が短小で屈曲がなく、ケーブルの引き替えが容易なもの1.5倍未満でも構わない
ここまでのポイント
  • 防護管の内径は、ケーブルの仕上り外径の1.5倍以上が必要。
  • 防護管が短小で屈曲がなく、ケーブルの引き替えが容易なものは1.5倍未満でも構わない。
  • 金属管などの端口はなめらかにし、引き入れ・引き替えの際に被覆を損傷しないようにする。
  • 金属製ボックスへ挿入する場合は、3165-1(施設方法)④の規定に準じる。

支持・屈曲・接続のルール

トピック3:支持・屈曲・接続のルール
  • 造営材やラックに沿わせる場合、支持点間距離は1m以下とし、適合するサドルやステープルで堅固に固定します。
  • 接続箇所から支持点までは0.15m以下が望ましい(太いケーブルなどはこの限りではありません)。
  • 隠ぺい配線でやむを得ない場合は、ころがしとすることができます。
  • 造営材に沿わず1mを超えて施設する場合は、3165-2(ケーブルの支持)7項に準じます。
  • 曲げる際は被覆を損傷しないようにし、接続は3165-5(ケーブルの接続)の規定に準じます。

たとえ話で考えてみよう

キャブタイヤケーブルは、いわば「動き回るホース」。踏まれたりぶつけられたりする場所では、ホースをパイプ(防護管)に通して守り、たるまないように一定間隔でしっかり留めておくイメージです。

見習いペン太
見習いペン太
先輩、移動式の機械につなぐケーブルって、そのまま床に這わせちゃダメなんですか?
はりた
はりた
踏まれたり衝撃を受ける場所はNGだよ。どうしても通すなら、仕上り外径の1.5倍以上の内径がある防護管に収めて守るんだ。
見習いペン太
見習いペン太
固定のしかたにも決まりはありますか?
はりた
はりた
造営材に沿わせるなら支持点間は1m以下。接続箇所のそばは0.15m以下で留めるのが望ましいよ。
取り違えやすいところ正しくは
丈夫なケーブルなら圧力のかかる場所でも直接施設できる重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所には、そのまま施設してはいけない
防護管はケーブルが通れば太さは問わない原則としてケーブルの仕上り外径の1.5倍以上の内径が必要
管の端口は切りっぱなしでよいなめらかにし、引き入れ・引き替えの際に被覆を損傷しないようにする
支持点間は目安なので多少広くてもよい造営材やラックに沿わせる場合は1m以下とし、適合するサドルやステープルで堅固に固定する
隠ぺい配線でも必ず支持しなければならないやむを得ない場合は、ころがしとすることができる
造営材に沿わない部分も同じ支持でよい造営材に沿わず1mを超えて施設する場合は、3165-2(ケーブルの支持)7項に準じる
ここまでのポイント
  • 造営材やラックに沿わせる場合、支持点間距離は1m以下とし、適合するサドルやステープルで堅固に固定する。
  • 接続箇所から支持点までは0.15m以下が望ましい(太いケーブルなどはこの限りではない)。
  • 隠ぺい配線でやむを得ない場合は、ころがしとすることができる。
  • 造営材に沿わず1mを超えて施設する場合は、3165-2(ケーブルの支持)7項に準じる。
  • 曲げる際は被覆を損傷しないようにし、接続は3165-5(ケーブルの接続)の規定に準じる。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. キャブタイヤケーブルはどんな用途に使いますか?
A. 柔軟性があり移動や振動に強いため、電動工具や移動式の電気機器などに使われます。ただし、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所にそのまま施設することはできません。
Q. 防護管の内径はどのくらい必要ですか?
A. 原則としてケーブルの仕上り外径の1.5倍以上が必要です。ただし、防護管が短小で屈曲がなく、ケーブルの引き替えが容易なものは、1.5倍未満のものを使用しても構いません。
Q. 支持点間の距離に決まりはありますか?
A. 造営材やラックに沿わせて施設する場合は、支持点間距離を1m以下とし、ケーブルに適合するサドルやステープルで堅固に固定します。接続箇所から支持点までは0.15m以下が望ましいとされています。

まとめ|守る・通す・留めるの3点で押さえる

キャブタイヤケーブル配線は、衝撃を受ける場所では防護管に収め、内径は仕上り外径の1.5倍以上、支持点間は1m以下が基本の数値になります。

確認する項目規程が示す内容
ケーブルの選定用途に応じて3185-1表による
そのまま施設できない場所重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所
やむを得ない場合の措置金属管・ガス鉄管・合成樹脂管などに収めるなど、適切な防護装置
防護管の内径(原則)ケーブルの仕上り外径の1.5倍以上
1.5倍未満でよい場合防護管が短小で屈曲がなく、ケーブルの引き替えが容易なもの
金属管などの端口なめらかにし、引き入れ・引き替えの際に被覆を損傷しないように
金属製ボックスへの挿入3165-1(施設方法)④の規定に準じる
支持点間距離造営材やラックに沿わせる場合は1m以下
固定方法ケーブルに適合するサドルやステープルで堅固に
接続箇所から支持点まで0.15m以下が望ましい(太いケーブルなどを除く)
隠ぺい配線でやむを得ない場合ころがしとすることができる
造営材に沿わず1m超で施設する場合3165-2(ケーブルの支持)7項に準じる
屈曲被覆を損傷しないようにする
接続3165-5(ケーブルの接続)の規定に準じる

選定と場所で押さえること

  • 用途に合ったケーブルを3185-1表で選べているか。
  • 圧力や機械的衝撃を受ける場所ではないか。
  • 必要な防護装置を用意できるか。

防護管で押さえること

  • 内径が仕上り外径の1.5倍以上か。
  • 1.5倍未満でよい条件にあてはまるか。
  • 端口の仕上げとボックスへの挿入方法。

支持と接続で押さえること

  • 支持点間1m以下と固定金具の適合。
  • 接続箇所から支持点までの距離。
  • 屈曲と接続の方法。

キャブタイヤケーブルは可とう性があるぶん、仮設や機械まわりで手軽に使われがちです。踏まれる・引っ張られるといった外力を受ける経路かどうかを先に見極めておくと、防護管の要否と支持のピッチが自然に決まります。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
造営材に沿わせるときは支持点間1m以下と覚えました!他に見るところは?
ハリタハリタ
接続箇所から0.15m以内での支持が望ましい点も要チェックです。まとめで整理しましょう。

📎 関連するおすすめアイテム

内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

次に読むならこれ【そうだったのか小ネタ④】絶縁抵抗0.1MΩはどこから来たのか ― 1mAという「感じ始める境界」から逆算された数字電気設計の解説
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。