出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

小勢力回路は、消費電力が小さく人体への危険性が低い機器に用いる、安全性を重視した低電圧の回路です。感電事故のリスクを抑えるため、電源装置・配線・湿気の多い場所での対策に特別な基準が設けられています。要点を3つに整理します。

小勢力回路の施設ポイントを電源装置・配線・湿気や浴室対策の3つに整理した図解
結論

①供給する絶縁変圧器の対地電圧は300V以下。二次短絡電流は最大使用電圧15V以下で8A・30V以下で5A・60V以下で3A以下(過電流遮断器を設ける場合は定格15V→5A/30V→3A/60V→1.5A)。②電線は損傷の懸念があれば管に収め、地中は30cm以上(重量物がかかる場所は1.2m以上)。③浴室など水気の多い場所は二次側を24V以下にし、二重絶縁とする。

電源装置の基準

  • 小勢力回路に電力を供給する絶縁変圧器の対地電圧は300V以下に制限される
  • 二次短絡電流の規定値:最大使用電圧15V以下は8A以下、30V以下は5A以下、60V以下は3A以下
  • 二次側に規定値以下の過電流遮断器を設ける場合は、上記短絡電流の限りではない
  • 過電流遮断器を設ける場合の最大定格:15V以下は5A、30V以下は3A、60V以下は1.5A
  • 異なる定格の取り付けを防ぐため、過電流遮断器の定格を明示しておく

配線の基準

  • 外部損傷の懸念がある電線は、金属管や合成樹脂管などに収めて保護する
  • 造営材を貫通する部分は、電線管や線ぴに収める場合を除き、がい管に収めるかテープで保護する(使用電圧30V以下は例外)
  • 地中は通常30cm以上、車両など重量物の圧力がかかる場所は1.2m以上の深さに埋設する
  • 架空は引張強さ508N以上または直径1.2mm以上の硬鋼線を使用(道路横断は地表上6m以上、鉄道・軌道横断はレール面上5.5m以上、その他は4m以上)
  • 弱電流電線・光ファイバーケーブル・他の工作物との離隔、裸電線と植物との離隔はいずれも30cm以上

湿気の多い場所・浴室の対策

  • ベル・表示器・押しボタンなどは、設置場所に応じて防湿形・防雨形・防まつ形・防浸形など適切な構造のものを選ぶ
  • 浴室など水気の多い場所で人が操作する装置は、絶縁変圧器で二次側使用電圧を24V以下にする
  • 操作部と充電部を二重に絶縁し、内部に湿気や水が入らない構造の製品を選ぶ
  • 装置は浴槽に水没しない場所に設置する
たとえ話

小勢力回路は「電圧を低く抑えて安全をつくる」回路です。電圧が高いほど電流をきつく制限し、配線は傷つかないよう管で守り、水まわりではさらに電圧を24Vまで下げて二重に絶縁する——電圧が上がるほど守りを固くしていくイメージです。

見習いペン太
見習いペン太
小勢力回路って、普通の回路と何が違うんですか?
はりた
はりた
安全性を重視した低電圧の回路だよ。供給する変圧器の対地電圧も300V以下に制限されているんだ。
見習いペン太
見習いペン太
電圧によって電流の制限が変わるんですね。
はりた
はりた
そう。電圧が高いほど危険だから、短絡電流や遮断器の定格をより厳しくしている。浴室なら24V以下まで下げるんだ。

よくある質問(FAQ)

Q. 小勢力回路の絶縁変圧器の対地電圧は?
A. 300V以下に制限されています。一次側と二次側を電気的に分離した専用の絶縁変圧器から供給します。
Q. 二次短絡電流の規定値は?
A. 最大使用電圧15V以下で8A以下、30V以下で5A以下、60V以下で3A以下です。二次側に規定値以下の過電流遮断器を設ける場合はこの限りではありません。
Q. 過電流遮断器を設ける場合の最大定格は?
A. 最大使用電圧15V以下で5A、30V以下で3A、60V以下で1.5Aです。定格を明示しておく必要があります。
Q. 地中・架空配線の基準は?
A. 地中は通常30cm以上、重量物がかかる場所は1.2m以上の深さに埋設します。架空は引張強さ508N以上または直径1.2mm以上の硬鋼線を用い、各種工作物との離隔は30cm以上とします。
Q. 浴室に装置を設けるときの注意点は?
A. 絶縁変圧器で二次側使用電圧を24V以下にし、操作部と充電部を二重に絶縁します。湿気や水が入らない構造の製品を選び、浴槽に水没しない場所へ設置します。