この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
合成樹脂管配線の要点を整理。絶縁電線で3.2mm超はより線、管内に接続点を設けず、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受ける場所には施設できないこと、硬質ビニル管の厚さは原則2mm以上などを図解とFAQで解説します。
技術図書館合成樹脂管配線|軽くてさびないが、外力には弱い3.2mm超はより線、管内に接続点なし、硬質ビニル管は原則2mm以上。弱点がそのままルールになっている理由を全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る
全体像:内線規程【036】合成樹脂管配線
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

合成樹脂管配線は、合成樹脂製の電線管に電線を通す方法です。耐食性・絶縁性に優れ軽量で施工しやすい反面、機械的衝撃には弱いという性質があります。要点を3つに整理します。

合成樹脂管配線の3つのポイントの図解
結論
①電線は絶縁電線で、3.2mm(アルミ4.0mm)超はより線+管内に接続点なし。②重量物の圧力・著しい機械的衝撃を受ける場所には施設できない(防護装置があれば可)。③硬質ビニル管の厚さは原則2mm以上
この記事でわかること
✔ 1. 使用電線のルール
✔ 2. 施設場所の制限
✔ 3. 管・附属品の選定と厚さ
ペン太ペン太
合成樹脂管って軽くてさびない分、金属管より万能なんじゃないですか?
ハリタハリタ
耐食性は強みですが、機械的衝撃に弱いのが弱点です。使いどころの見極めが大切ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 直径3.2mmを超える電線でも単線を使えるのは、どんな場合ですか。
  • コンクリート内の埋込みは、衝撃を受けるおそれのある場所にあたりますか。
  • 硬質ビニル管の厚さを1mm以上に緩和できるのは、どんな条件のときですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、合成樹脂管配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線のルール

トピック1:使用電線のルール
  • 絶縁電線を使用する
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする
  • ただし長さ1m程度以下の管に収める場合は単線でもよい
  • 管内には電線の接続点を設けない
ペン太ペン太
重量物の圧力がかかる場所には、絶対に施設できないんですか?
ハリタハリタ
原則禁止ですが、防護装置を施せば可能です。コンクリート埋込みは衝撃のおそれがない扱いになります。
条件電線の扱い
直径3.2mm以下(アルミ線は4.0mm以下)単線でよい
直径3.2mmを超える(アルミ線は4.0mmを超える)より線とする
長さ1m程度以下の管に収める場合単線でもよい
ここまでのポイント
  • 絶縁電線を使用する。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • ただし長さ1m程度以下の管に収める場合は単線でもよい。
  • 管内には電線の接続点を設けない。

2. 施設場所の制限

トピック2:施設場所の制限
  • 重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける場所には施設できない
  • ただし適切な防護装置を施す場合はこの限りでない
  • コンクリート内の埋込みは「衝撃を受けるおそれのある場所」とはみなさない
たとえ話
合成樹脂管はプラスチックのストローのようなもの。軽くてサビませんが、上から重い物に踏まれたり強く叩かれたりすると割れます。だから衝撃を受ける場所はNG、というわけです。
見習いペン太
見習いペン太
金属管と違って、ぶつけに弱いんですね。
はりた
はりた
そう。だから衝撃を受ける場所では防護装置を付けるか、金属管を選ぶんだ。
ここまでのポイント
  • 重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける場所には施設できない。
  • 適切な防護装置を施す場合は、この限りでない。
  • コンクリート内の埋込みは、「衝撃を受けるおそれのある場所」とはみなさない。

3. 管・附属品の選定と厚さ

トピック3:管・附属品の選定と厚さ
  • 電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管・ボックス・附属品を使用する
  • 端口および内面は、電線の被覆を傷めないようなめらかなものとする
  • 硬質ビニル管の厚さは原則2mm以上
  • 乾燥した露出場所・点検できる隠ぺい場所で接触防護措置を施す場合(300V以下に限る)は1mm以上に緩和
管の太さの選定
同一太さの電線を同一管内に収める場合、電線の太さと本数から3115-4〜6表で最小太さ(管の呼び方)を選びます。10本以下と10本超で参照表が分かれます。
硬質ビニル管の条件厚さ
原則2mm以上
乾燥した露出場所・点検できる隠ぺい場所で接触防護措置を施す場合(300V以下に限る)1mm以上
ここまでのポイント
  • 電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管・ボックス・附属品を使用する。
  • 端口および内面は、電線の被覆を傷めないようなめらかなものとする。
  • 硬質ビニル管の厚さは原則2mm以上。
  • 乾燥した露出場所・点検できる隠ぺい場所で接触防護措置を施す場合(300V以下に限る)は1mm以上に緩和される。
  • 同一太さの電線を同一管内に収める場合、電線の太さと本数から3115-4〜6表で最小太さ(管の呼び方)を選ぶ(10本以下と10本超で参照表が分かれる)。

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 合成樹脂管配線に使える電線は?
A. 絶縁電線です。直径3.2mm(アルミは4.0mm)を超えるものはより線とします。長さ1m程度以下の管なら単線も使えます。
Q. どんな場所には施設できない?
A. 重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける場所です。ただし適切な防護装置を施せば施設できます。コンクリート埋込みは該当しません。
Q. 硬質ビニル管の厚さは?
A. 原則2mm以上です。乾燥した露出・点検可能な隠ぺい場所で接触防護措置を施す場合(使用電圧300V以下)は1mm以上にできます。
Q. 管内で電線を接続してもいい?
A. いいえ。合成樹脂管内には電線の接続点を設けません。接続はボックス内で行います。

まとめ|軽くてさびないが、外力には弱い

合成樹脂管配線は、管内に接続点を設けず、圧力や機械的衝撃を受ける場所を避け、管の厚さと太さを条件から選ぶことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
使用する電線絶縁電線
より線とする太さ直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるもの
単線でよい例外長さ1m程度以下の管に収める場合
管内の接続点設けない
施設できない場所重量物の圧力または著しい機械的衝撃を受ける場所
その例外適切な防護装置を施す場合
コンクリート内の埋込み衝撃を受けるおそれのある場所とはみなさない
管・ボックス・附属品電気用品安全法の適用を受けるもの
端口・内面電線の被覆を傷めないようなめらかに
硬質ビニル管の厚さ(原則)2mm以上
厚さを1mm以上にできる条件乾燥した露出場所・点検できる隠ぺい場所で接触防護措置を施す場合(300V以下に限る)
管の太さの選定電線の太さと本数から3115-4〜6表で最小太さ(管の呼び方)を選ぶ
参照表の分かれ方10本以下と10本超で分かれる

電線で押さえること

  • 絶縁電線であること。
  • より線とする太さと、単線でよい例外。
  • 管内で接続していないか。

場所で押さえること

  • 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けないか。
  • 防護装置を施す必要があるか。
  • コンクリート埋込みの扱い。

管の選定で押さえること

  • 安全法適合の管・ボックス・附属品か。
  • 端口と内面の仕上げ。
  • 厚さの原則と緩和条件、太さの選定表。

合成樹脂管は軽くてさびないぶん、外力への弱さが弱点になります。ルートを決める段階で「上から踏まれないか」「叩かれないか」を確認しておけば、防護装置の要否を早く判断できます。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
管の厚さは、次にどう選定すればいいですか?
ハリタハリタ
硬質ビニル管は原則2mm以上です。300V以下の乾燥した露出場所など条件付きで1mm以上に緩和されます。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。