この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。

合成樹脂管配線の要点を整理。絶縁電線で3.2mm超はより線、管内に接続点を設けず、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受ける場所には施設できないこと、硬質ビニル管の厚さは原則2mm以上などを図解とFAQで解説します。

技術図書館合成樹脂管配線|軽くてさびないが、外力には弱い3.2mm超はより線、管内に接続点なし、硬質ビニル管は原則2mm以上。弱点がそのままルールになっている理由を全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る

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出典:電気設備の技術基準の解釈 第158条・解釈の解説

合成樹脂管配線は、合成樹脂製の電線管に電線を通す方法です。耐食性・絶縁性に優れ軽量で施工しやすい反面、機械的衝撃には弱いという性質があります。要点を3つに整理します。

電線は、絶縁電線(OW除く) より線か、3.2mm以下の単線。
管内に、接続点を設けない 接続はボックスなどで。
管の厚さは、2mm以上 PF管・CD管は除きます。
支持点間1.5m、差込み1.2倍 接着剤を使えば差込み0.8倍。
ペン太ペン太
合成樹脂管って軽くてさびない分、金属管より万能なんじゃないですか?
ハリタハリタ
耐食性は強みですが、機械的衝撃に弱いのが弱点です。使いどころの見極めが大切ですよ。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電線は絶縁電線(OW除く)で、より線か3.2mm以下の単線。管内で接続しない。
  • 重量物の圧力や衝撃を受けないように施設。差込み1.2倍、支持点間1.5m以下。
  • 管の厚さは2mm以上(PF・CD除く)。CD管はコンクリート埋込みなど。
この記事の道案内
電気設備の技術基準の解釈 第158条にそって、合成樹脂管配線のルールを4つの視点で整理します。

1. 使用電線のルール

絶縁電線、OWは除く 第158条第1項第一号です。
より線か、3.2mm以下の単線 アルミ線は4mm以下。
短小な管なら、例外 第158条第1項第二号ただし書。
管内に、接続点を設けない 接続はボックスで行う。
  • 電線は絶縁電線。屋外用ビニル絶縁電線(OW)は使えない(解釈第158条第1項第一号)
  • より線か、直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単線。短小な合成樹脂管に収めるものは例外(第二号)
  • 合成樹脂管内では、電線に接続点を設けない(第三号)
ペン太ペン太
重量物の圧力がかかる場所には、絶対に施設できないんですか?
ハリタハリタ
解釈では、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設する、と決まっています。そのおそれがある場所は避けましょう。
条件 電線の扱い
直径3.2mm(アルミ線4mm)以下 単線でよい
直径3.2mm(アルミ線4mm)を超える より線とする
短小な合成樹脂管に収める 例外(太い単線も可)
屋外用ビニル絶縁電線(OW) 使えない
たとえるなら
管内で接続しないのは、ストローの途中でつながないようなもの
ストローを途中でつなぎ足すと、つなぎ目から漏れたり外れたりしますよね。合成樹脂管配線も、管の中では電線に接続点を設けず、つなぐのはボックスの中で行います。
ここに注意!
「OWなら、管に入れてもよい」ではありません。
合成樹脂管工事の電線は、絶縁電線のうち屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除いたものです(解釈第158条第1項第一号)。
ここに注意!
「単線の例外は、長さ1m以下の管」ではありません。
解釈の例外は「短小な合成樹脂管に収めるもの」です(第158条第1項第二号ただし書)。「1m程度」という数値は解釈には書かれていません。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線(OWを除く)を使用する。
  • 直径3.2mm(アルミ線は4.0mm)を超えるものはより線とする。
  • 短小な合成樹脂管に収めるものは例外。
  • 管内には電線の接続点を設けない。


2. 施設のしかた

圧力・衝撃を受けないように 重量物の圧力や、著しい機械的衝撃。
差込みは、外径の1.2倍以上 接着剤を使えば0.8倍以上。
支持点間は、1.5m以下 管端・接続点の近くにも支持点。
湿気・水気は、防湿装置 第158条第3項第四号です。
  • 管と附属品は、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設する(第158条第3項第一号)
  • 管相互・管とボックスは、差込み深さを外径の1.2倍以上(接着剤を使う場合は0.8倍以上)とし、差込み接続で堅ろうに(第二号)
  • 管の支持点間は1.5m以下。管端、管とボックスの接続点、管相互の接続点の近くにも支持点を設ける(第三号)
  • 湿気の多い場所・水気のある場所では、防湿装置を施す(第四号)
たとえるなら
合成樹脂管は、軽くてさびないプラスチックのストロー
プラスチックのストローは軽くてさびませんが、上から踏まれたり強くたたかれたりすると割れますよね。合成樹脂管も、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設します。差込みは外径の1.2倍、支持点間は1.5m以下です。
ここに注意!
「防護装置を付ければ、衝撃のある場所でもよい」ではありません。
解釈は、管と附属品を「重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設すること」としています(第158条第3項第一号)。防護装置やコンクリート埋込みの扱いは、解釈には書かれていません。
ここに注意!
「管は、差し込むだけで深さは自由」ではありません。
管相互や管とボックスは、管の差込み深さを外径の1.2倍以上(接着剤を使う場合は0.8倍以上)とし、差込み接続で堅ろうに接続します(第158条第3項第二号)。
ペン太ペン太
金属管と違って、ぶつけに弱いんですね。
ハリタハリタ
そう。だから重量物の圧力や機械的衝撃を受けるおそれがないように施設するんだ。
ここまでのポイント
  • 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設する。
  • 差込み深さは外径の1.2倍以上(接着剤なら0.8倍以上)。
  • 支持点間1.5m以下。湿気・水気のある場所は防湿装置。


3. 管・附属品の選定と厚さ

電気用品安全法の管と附属品 金属製ボックスなどは例外です。
端口・内面は、なめらかに 電線の被覆を損傷しないように。
管の厚さは、2mm以上 PF管・CD管は除きます。
4つの条件で、例外 300V以下・乾燥した場所・接触防護措置など。
  • 電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂製の管・ボックス・附属品を使う。金属製のボックスなどは例外(第158条第2項第一号)
  • 端口と内面は、電線の被覆を損傷しないような滑らかなもの(第二号)
  • 管の厚さは2mm以上(合成樹脂製可とう管・CD管を除く)。300V以下・展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所・接触防護措置、をすべて満たす場合は、この限りでない(第三号)
CD管は、コンクリート埋込み 専用の不燃性などの管に収める方法も。
PF・CD相互は、直接接続しない PF管とCD管も直接つながない。
金属製ボックスは、接地工事 300V以下D種、300V超C種。
D種を省ける場合もある 乾燥した場所などです。
  • CD管は、直接コンクリートに埋め込むか、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管・ダクトに収める(第158条第3項第七号)
  • 合成樹脂製可とう管(PF管)相互、CD管相互、PF管とCD管は、直接接続しない(第八号)
  • 金属製ボックスに接続するときは、300V以下はD種接地工事(乾燥した場所などは省略可)、300V超はC種接地工事(接触防護措置ならD種)(第五号)
区分 管の厚さ
原則 2mm以上(PF管・CD管を除く)
例外 300V以下・展開又は点検できる隠ぺいの乾燥した場所・接触防護措置をすべて満たすとき、2mm以上でなくてよい(数値は解釈になし)
たとえるなら
CD管は、コンクリートの中で守られる配管
オレンジ色のCD管は、コンクリートの中に埋め込まれて、周りから守られて使う管です。むき出しで使うときは、専用の不燃性などの管やダクトに収めます。PF管やCD管どうしを直接つながないことも決まっています。
ここに注意!
「例外なら、厚さ1mmでよい」ではありません。
管の厚さ2mm以上の例外は、300V以下・展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所・接触防護措置、をすべて満たす場合です。そのときの厚さの数値は、解釈には書かれていません(第158条第2項第三号)。
ここに注意!
「金属製ボックスでも、接地はいらない」ではありません。
合成樹脂管を金属製のボックスに接続するときは、300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事を施します。300V以下で乾燥した場所に施設する場合などは、D種接地工事を省けます(第158条第3項第五号)。
ここまでのポイント
  • 電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管・ボックス・附属品を使用する。
  • 端口および内面は、電線の被覆を傷めないようなめらかなものとする。
  • 管の厚さは2mm以上(PF管・CD管を除く)。
  • 300V以下・展開又は点検できる隠ぺいの乾燥した場所・接触防護措置なら、この限りでない。
  • CD管はコンクリート埋込みなど。PF・CD相互は直接接続しない。金属製ボックスは接地工事。


よくある質問(FAQ)

Q1. 使える電線は? 絶縁電線(OW除く)。3.2mm超はより線。
Q2. 施設できない場所は? 重量物の圧力・機械的衝撃のおそれ。
Q3. 管の厚さは? 2mm以上。PF・CD管は除く。
Q4. 管内で接続できる? できない。ボックスで行う。
Q. 合成樹脂管配線に使える電線は?
A. 屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く絶縁電線です。より線か、直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単線とします。短小な合成樹脂管に収めるものは例外です(解釈第158条第1項)。
Q. どんな場所には施設できない?
A. 解釈では、管と附属品を、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設すること、としています(第158条第3項第一号)。そのおそれがある場所は避けます。湿気の多い場所・水気のある場所では防湿装置を施します。
Q. 硬質ビニル管の厚さは?
A. 管の厚さは2mm以上です(合成樹脂製可とう管・CD管を除く)。300V以下で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所に施設し、接触防護措置を施すときは、この限りではありません(解釈第158条第2項第三号)。
Q. 管内で電線を接続してもいい?
A. いいえ。合成樹脂管内では、電線に接続点を設けません(解釈第158条第1項第三号)。接続はボックスなどの中で行います。管相互や管とボックスは、外径の1.2倍(接着剤なら0.8倍)以上差し込みます。

まとめ|軽くてさびないが、外力には弱い

合成樹脂管配線は、管内に接続点を設けず、重量物の圧力や機械的衝撃を受けないように施設し、差込み・支持点間・管の厚さを守ることが基本です。

確認する項目 決まり(解釈第158条)
使用する電線 絶縁電線(OWを除く)
電線の太さ より線か、直径3.2mm(アルミ4mm)以下の単線。短小な管は例外
管内の接続点 設けない
施設のしかた 重量物の圧力・著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように
差込み深さ 外径の1.2倍以上(接着剤なら0.8倍以上)
支持点間 1.5m以下。管端・接続点の近くにも支持点
湿気・水気のある場所 防湿装置を施す
管・ボックス・附属品 電気用品安全法の適用を受けるもの。端口・内面は滑らか
管の厚さ 2mm以上(PF管・CD管を除く)。4つの条件で例外
CD管 コンクリート埋込み、又は専用の不燃性などの管・ダクトに収める
PF管・CD管の接続 相互に直接接続しない
金属製ボックス 300V以下D種、300V超C種の接地工事

電線で押さえること

  • 絶縁電線(OWを除く)であること。
  • より線とする太さと、単線でよい例外。
  • 管内で接続していないか。

場所で押さえること

  • 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けないか。
  • 差込み深さと支持点間。
  • 湿気・水気のある場所の防湿装置。

管の選定で押さえること

  • 安全法適合の管・ボックス・附属品か。
  • 端口と内面の仕上げ。
  • 厚さの原則と例外条件、CD管と金属製ボックス。

合成樹脂管は軽くてさびないぶん、外力への弱さが弱点になります。ルートを決める段階で「上から踏まれないか」「叩かれないか」を確認しておけば、別の工事を選ぶかどうかを早く判断できます。

ペン太ペン太
管の厚さは、次にどう選定すればいいですか?
ハリタハリタ
管の厚さは2mm以上が原則です(PF管・CD管を除く)。300V以下の乾燥した展開場所などで、接触防護措置を施せば例外になります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。