内線規程の解釈と解説【024】|架空ケーブル(メッセンジャーワイヤー)
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この記事の方法でメッセンジャーワイヤーを選定するなら、姉妹サイト「セコサポ」のメッセンジャーワイヤーサイズ選定ツール(ちょう架用線の自動計算・登録不要)が便利です。
出典:内線規程(JEAC8001-2022)、電気設備の技術基準の解釈 第67条・第68条
架空ケーブルは、メッセンジャーワイヤ(ちょう架用線)で支えて施設します。押さえるポイントは 「ちょう架・強度・接地・安全率」 の要点に整理できます。
ペン太
ハリタ
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ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- ちょう架の方法は5つ。ハンガーで吊るなら、高圧は50cm以下、低圧は50cm以下が望ましい。
- ワイヤは5.93kN以上か22mm²以上。張力T=WS²÷8Dで、ワイヤの強さに余裕を見込む。
- 接地はD種。省略できるのは、低圧でちょう架用線に絶縁電線などを使うとき。高さは道路横断6mなど。
① ちょう架・使用ケーブル
- ケーブルは自分で張力を持てないので、メッセンジャーワイヤ(ちょう架用線)にちょう架して施設する
- ちょう架の方法は、電技解釈第67条に5つあります(下の図)。いちばん多いのが、ハンガーで吊る方法
- ハンガー間隔:高圧は50cm以下(電技解釈第67条で必須)/低圧は50cm以下が望ましい(内線規程)
- 使用ケーブル:低圧は鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等、高圧はこれらに保護被覆付きも可
| 方法 | ちょう架のしかた | 数字 |
|---|---|---|
| イ | ケーブルをハンガーでちょう架用線に支持する | 高圧はハンガー間隔50cm以下 |
| ロ | ケーブルをちょう架用線に接触させ、容易に腐食しにくい金属テープなどをらせん状に巻き付ける | 20cm以下の間隔 |
| ハ | ちょう架用線をケーブルの外装に堅ろうに取り付ける | ― |
| ニ | ちょう架用線とケーブルをより合わせる | ― |
| ホ | 高圧だけ。半導電性外装ちょう架用高圧ケーブルを金属製のちょう架用線に接触させ、金属テープなどをらせん状に巻き付ける | 6cm以下の間隔 |
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ハリタ| 電圧の区分 | ハンガー間隔 | 使用できるケーブル |
|---|---|---|
| 低圧 | 50cm以下が望ましい(内線規程) | 鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等 |
| 高圧 | 50cm以下(必須・電技解釈第67条) | 上記に加え、保護被覆付きも可 |
- メッセンジャーワイヤにハンガーを用いてケーブルを吊る。
- ハンガー間隔は、高圧50cm以下(必須)、低圧50cm以下が望ましい。
- 使用ケーブルは、低圧が鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等。
- 高圧はこれらに保護被覆付きも可。
- ちょう架の方法は、ハンガーのほか、金属テープ(20cm以下)など5つ(電技解釈第67条)。
② 強度・接地・安全率と高さ
- 強度:ちょう架用線は、引張強さ5.93kN以上のもの、または断面積22mm²以上の亜鉛めっき鉄より線(電技解釈第67条)
- 張力:T=WS²÷8D(W=1mあたりの重さ、S=径間、D=たるみ)。たるみを半分にすると、張力は2倍
- 安全率:ワイヤの引張強さEを張力Tで割った値(E÷T)。必要な値は条文で確かめる
| たるみD | 張力T(例) | 張力の比 |
|---|---|---|
| 0.6m | 20×30²÷(8×0.6)=3.75kN | 1 |
| 0.3m | 20×30²÷(8×0.3)=7.5kN | 2倍 |
数値は例です(W=20N/m、径間S=30m)。実際は、ケーブルとワイヤの重さに、風圧などの荷重を条件に合わせて加えます。ワイヤの引張強さは、メーカーのカタログ値で確かめます。サイズの当たりをつけるなら、上のメッセンジャーワイヤーサイズ選定ツールが使えます。
- D種接地:ちょう架用線と、ケーブルの被覆に使う金属体に施す(電技解釈第67条)
- 省略できる場合:低圧架空電線にケーブルを使い、ちょう架用線に絶縁電線などを使うとき。高圧は省略できない
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| ハンガー間隔は低圧も必須の数値 | 高圧は50cm以下が必須、低圧は50cm以下が望ましい |
| ケーブルは低圧も高圧も同じ | 高圧はこれらに保護被覆付きも使える |
| メッセンジャーワイヤは太ければよい | 5.93kN以上(または22mm²以上の亜鉛めっき鉄より線)に加え、張力T=WS²÷8Dに対して、引張強さに余裕を見る |
| 低圧なら接地は省略できる | 省略できるのは、低圧架空電線にケーブルを使い、ちょう架用線に絶縁電線などを使うとき |
あわせて確認:架空電線の高さ
架空ケーブルで道路や構内通路をまたぐときは、高さも確かめます。低圧と高圧の架空電線の高さは、電技解釈第68条で、渡る場所ごとに決まっています。
| 渡る場所 | 高さ |
|---|---|
| 道路を横断する場合(車両の往来がまれなものなどを除く) | 路面上6m |
| 鉄道または軌道を横断する場合 | レール面上5.5m |
| 横断歩道橋の上に施設する場合 | 高圧は路面上3.5m、低圧は路面上3m |
| 低圧で道路以外の場所などに施設する場合 | 地表上4m(条件は条文で確かめる) |
| 上記以外 | 地表上5m |
- 強度は、引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線。
- D種接地は原則必要。省略できるのは、低圧でちょう架用線に絶縁電線などを使うとき。
- 張力T=WS²/8D を出し、ワイヤの引張強さEに余裕があるか(安全率=E/T)を確かめる。
- 架空電線の高さは、道路横断6m・鉄道横断5.5mなど、渡る場所で決まる(電技解釈第68条)。
よくある質問(FAQ)
Q. ちょう架(ハンガー)の間隔はどれくらい?
A. ハンガーでちょう架用線に支持する場合、高圧は50cm以下です(電技解釈第67条)。低圧は50cm以下が望ましいとされています(内線規程)。ハンガーのほか、金属テープなどを20cm以下の間隔で巻き付ける方法などもあります。
Q. メッセンジャーワイヤに必要な強度は?
A. 引張強さ5.93kN以上のもの、または断面積22mm²以上の亜鉛めっき鉄より線です。張力T=WS²÷8Dに対して、ワイヤの引張強さに余裕があるかも確かめます。たるみを小さくするほど張力は大きくなります。
Q. メッセンジャーワイヤの接地は必要?
A. 原則として、ちょう架用線とケーブルの被覆の金属体にD種接地工事が必要です。省略できるのは、低圧架空電線にケーブルを使い、ちょう架用線に絶縁電線などを使う場合です。高圧は省略できません。
Q. 架空ケーブルの高さは何m必要?
A. 電技解釈第68条で、道路を横断する場合は路面上6m、鉄道を横断する場合はレール面上5.5m、横断歩道橋の上は高圧3.5m・低圧3m、その他は地表上5mなどと決まっています。引込線は別の条文です。
Q. メッセンジャーワイヤのサイズはどう決める?
A. 径間・たるみ・ケーブルとワイヤの重さ(必要に応じて風圧などの荷重)から張力を出し、5.93kN以上または22mm²以上の条件を満たし、張力に余裕のあるワイヤを、メーカーの引張強さで選びます。メッセンジャーワイヤーサイズ選定ツールで当たりをつけられます。
まとめ|吊る間隔・支える強度・接地の3点
架空ケーブルは、ハンガーで規定の間隔に吊り、所定の強度のメッセンジャーワイヤで支え、原則としてD種接地を施すことが基本です。
| 確認する項目 | 規程が示す内容 |
|---|---|
| ちょう架の方法 | ハンガー、金属テープ(20cm以下)、外装に固定、より合わせ、高圧の半導電性外装(6cm以下)の5つ |
| ハンガー間隔(高圧) | 50cm以下(電技解釈第67条) |
| ハンガー間隔(低圧) | 50cm以下が望ましい(内線規程) |
| 使用ケーブル | 低圧は鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等、高圧はこれらに保護被覆付きも可 |
| ワイヤの強度 | 引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛めっき鉄より線 |
| 張力と安全率 | T=WS²÷8D。安全率(E÷T)に余裕を見込む |
| 接地 | ちょう架用線とケーブルの被覆の金属体にD種接地 |
| 接地を省略できる場合 | 低圧架空電線にケーブルを使い、ちょう架用線に絶縁電線などを使うとき |
| 高さ | 道路横断6m、鉄道横断5.5m、その他5mなど(電技解釈第68条) |
ちょう架で押さえること
- ハンガーで吊っているか。
- 電圧の区分に応じた間隔。
- 使用できるケーブルの種類。
強度で押さえること
- 引張強さまたは断面積の条件。
- 亜鉛メッキ鉄より線であること。
接地で押さえること
- D種接地の原則。
- 省略できるのは、低圧でちょう架用線に絶縁電線などを使うときだけ。
架空ケーブルは、支持物と支持物のあいだで自重と風を受け続けます。ハンガーの間隔とメッセンジャーワイヤの強度は、たるみと断線の両方を防ぐための数値です。高圧では安全率まで含めて確認しておくと安心です。
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