内線規程の解釈と解説【007】|許容電流
出典:内線規程(JEAC8001-2022)より
許容電流は、電線が安全に流せる最大の電流値です。電線選定の基本は「負荷電流 ≦ 補正後の許容電流」。押さえるポイントは 「許容電流とは/補正で決まる」 の2つです。

✔ ① 許容電流とは(選定の考え方)
✔ ② 補正後の許容電流を計算してみよう
ペン太
ハリタこの3つ、すぐ答えられますか
- 許容電流を超える電流が流れ続けると、何が起きますか。
- 補正後の許容電流は、どうやって求めますか。
- 許容電流が負荷電流に足りないとき、どんな対策がありますか。
① 許容電流とは(選定の考え方)

- 許容電流=電線が安全に流せる最大の電流値(超えると発熱・絶縁破壊・火災のおそれ)
- 選定の基本:負荷電流 ≦ 補正後の許容電流
- 補正後の許容電流=基準の許容電流 × 温度補正 × 電流減少係数(電線の特性・周囲温度・同一管内の本数で決まる)
ペン太
ハリタ| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
|---|---|
| 3本以下 | 0.70 |
| 4本 | 0.63 |
| 5〜6本 | 0.56 |
| 7〜15本 | 0.49 |
| 16〜40本 | 0.43 |
| 41〜60本 | 0.39 |
| 61本以上 | 0.34 |
- 許容電流は、電線が安全に流せる最大の電流値(超えると発熱・絶縁破壊・火災のおそれ)。
- 選定の基本は、負荷電流 ≦ 補正後の許容電流。
- 補正後の許容電流 = 基準の許容電流 × 温度補正 × 電流減少係数。
- 電線の特性・周囲温度・同一管内の本数で決まる。
② 補正後の許容電流を計算してみよう
同一管内の電線数(電流減少係数)と温度補正をかけて、選んだ電線が負荷に足りるかをチェックできます。
| 許容電流が足りないときの対策 | 考え方 |
|---|---|
| 電線を太くする(断面積を上げる) | 基準の許容電流そのものを大きくする |
| 本数を減らして配管を分ける | 電流減少係数を大きくする |
| 周囲温度の低い経路にする | 温度補正係数を大きくする |
- 同一管内の電線数(電流減少係数)と温度補正をかけて、選んだ電線が負荷に足りるかを確認する。
- 電流減少係数は、3本以下0.70から61本以上0.34まで段階的に下がる。
- まとめるほど放熱性が下がるため、配管本数を減らす対策が効く。
よくある質問(FAQ)
Q. 許容電流ってそもそも何?
A. 電線が安全に流せる最大の電流値のことです。これを超える電流が流れ続けると、電線が発熱して絶縁が傷んだり火災の原因になります。だから「負荷電流 ≦ 許容電流」になるサイズを選びます。
Q. 電流減少係数(補正係数)はなぜ必要なの?
A. 1本の管に複数の電線をまとめると放熱が悪くなり、流せる電流が下がるためです。同一管内の電線数が多いほど係数は小さくなり、3本以下0.70から61本以上0.34まで段階的に下がります(内線規程の一例)。
Q. 許容電流が負荷電流に足りないときは?
A. 電線を太くする(断面積を上げる)、本数を減らして配管を分ける、周囲温度の低い経路にするなどで補正後の許容電流を上げます。基準の許容電流に温度・本数の補正をかけた値が負荷電流以上になるよう選定します。
まとめ|基準値ではなく「補正後」で比べる
許容電流の選定は、基準の許容電流に温度補正と電流減少係数を掛けた値が、負荷電流以上になっているかで判断します。
| 確認する項目 | 内容 |
|---|---|
| 許容電流とは | 電線が安全に流せる最大の電流値 |
| 超えたときのリスク | 発熱・絶縁破壊・火災のおそれ |
| 選定の基本式 | 負荷電流 ≦ 補正後の許容電流 |
| 補正後の許容電流 | 基準の許容電流 × 温度補正 × 電流減少係数 |
| 係数を決める要素 | 電線の特性・周囲温度・同一管内の本数 |
| 電流減少係数が下がる理由 | 管にまとめるほど放熱性が下がるため |
| 係数の範囲 | 3本以下0.70から61本以上0.34まで |
| 足りないときの対策 | 電線を太くする/本数を減らして配管を分ける/周囲温度の低い経路にする |
考え方で押さえること
- 許容電流の定義と超えたときのリスク。
- 負荷電流と比べるのは補正後の値であること。
- 補正に使う2つの係数。
係数で押さえること
- 同一管内の電線数による段階的な低下。
- 放熱性が理由であること。
- 温度補正が不明な場合の扱い。
足りないときに押さえること
- 電線サイズを上げる。
- 配管を分けて本数を減らす。
- 経路の周囲温度。
許容電流は表の数値をそのまま使いがちですが、実際の現場では同一管内の本数で大きく目減りします。配管計画と電線サイズはセットで検討すると、あとからの手戻りを避けられます。
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