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受変電設備の設計|コンデンサの取り付け不要!?電力会社の方針について詳しく解説

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今回の疑問

 

コンデンサ不要化の取り組みについて知りたい

 

本記事のおすすめの方
  • コンデンサ不要化の取り組みを見たが詳しく解説して欲しい方
  • 不要にするまでの流れを知りたい方
この記事のカテゴリー

九州電力送配電よりコンデンサ不要化の取り組みが発表

新設をご検討中の高圧お客さまへのお知らせ

 近年、進相無効電力増加による電力系統での電圧上昇が問題となっており、調査の結果、高圧お客さまのコンデンサ容量の増加が一因で九州エリアの配電線の約半数で常時進み力率となっていることがわかりました。
過去から、系統電圧の低下を抑制するためにお客さまコンデンサの設置を推進しておりましたが、省エネの進展等もあり電力消費量に比べてコンデンサ容量が過剰となったことが、進相無効電力増加を引き起こし、電圧上昇の問題の一因になっていると考えられます。
このため、今後、常時進み力率となっている配電線やお客さまコンデンサ増加により電圧運用が困難化している配電線に申し込まれる高圧お客さまのコンデンサを不要化する取組みを開始いたします。

出典:(九州電力送配電 新設をご検討中の高圧お客さまへのお知らせ (kyuden.co.jp))より

コンデンサ不要化に取り組む理由
  1. コンデンサの過剰設置により進み力率となっている
  2. 進相無効電力の増加により電力系統で電圧上昇となっている

これらを解消するために・・・

高圧お客さまのコンデンサを不要化する取組みを開始している

コンデンサ設置不要化の対象

不要化の対象

(1)コンデンサ不要化の対象となる配電線に申し込まれた場合

  • ➢ 年間通して常時進み力率である配電線(本土の配電線が対象)
  • ➢ コンデンサ増加による電圧運用困難回線等の当社が個別に管理する配電線

(2)コンデンサ不要化の対象となる種類のコンデンサ設置を前提に申し込まれた場合

  • ➢ 直列リアクトル(設置)なしの力率改善用コンデンサ

(注)直列リアクトル付コンデンサや低圧コンデンサなど種類や用途により不要化できないタイプのコンデンサも存在します

ポイント1

(1)コンデンサ不要化の対象となる配電線に申し込まれた場合

これは、需要家の配電系統が現状進み力率であるかが前提となっているため管轄の電力会社に確認を取る必要があります。

 

確認の主な流れ

受電点の電柱番号の確認

電柱

管轄の電力会社に問い合わせ

Eメール

ポイント2

(2)コンデンサ不要化の対象となる種類のコンデンサ設置を前提に申し込まれた場合

対象の種類

  1. 直列リアクトル(設置)なしの力率改善用コンデンサ

対象外の種類

  1. 直列リアクトル付コンデンサ
  2. 低圧コンデンサ

力率改善用としてリアクトルを設置する場合の不要化を対象としている

コンデンサを不要化するためには

不要化の対象となる配電系統かつ

力率改善用のコンデンサであることが必要となります

コンデンサの用途

力率の改善

回路力率の改善

需要家で使用する機器、特に電動機が多く接続されている場合、回路の力率が悪くなり必要以上の幹線サイズ・変圧器容量が必要となります。

電力会社においても需要家にて力率を改善した場合、その改善率%に応じで基本料金の割引を行っています。

本来、適正なコンデンサ容量と自動力率制御により進み力率とならないような対策を講じますが近年の機器自体の力率改善に伴い、過剰な容量にて設置されているのも今回の不要化の流れに至った要因と推測されます。

力率改善のメリット

力率改善のメリット
  1. 電力の損失を低減できる
  2. 変圧器容量を低減できる
  3. 幹線サイズを低減できる
  4. 力率割引適用による電気料金を低減できる

通常、コンデンサを設置している需要家はコスト低減のため受変電設備内に高圧コンデンサを取り付けるのが一般的です。

この場合、コンデンサ設置による利点は力率割引適用による電気料金の低減となります。

コンデンサの設置を力率割引適用の用途として用いる場合、

電力会社からの設置不要化の条件に当てはまります。

 

高調波対策として活用していないか ☜要チェック

リアクトル付コンデンサの場合

受変電設備にコンデンサを設置する場合、リアクトル付とする場合がほとんどです。

それは、コンデンサにリアクトルを設置することで高調波対策として活用が可能なためです。

リアクトル付コンデンサを設置検討する場合は高調波対策も設置目的として含まれているため設置不要とした場合、高調波流出量が増加してしまいます。

電力会社の条件にも対象外の種類として

  1. 直列リアクトル付コンデンサ
  2. 低圧コンデンサ

が記載されており高調波対策を目的とした場合の不要化は適用外となります

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まとめ

この記事を書いた人
HARITA
電気設備設計に従事し、自身の経験を基に設計の知識向上のためこのサイトを運営しています。
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