強電設備の設計 PR

強電の設計|一種耐熱盤・二種耐熱盤の違いと設置場所について詳しく解説

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🔥一種耐熱盤・二種耐熱盤の違いと設置場所とは?

災害時に、電気を止めずに安全を守るために必要なのが「耐熱盤」。
特に、防災設備(消火ポンプや排煙ファンなど)に電気を供給する配電盤分電盤には、高い耐熱性能が求められます。

その耐熱盤には、「一種耐熱形」と「二種耐熱形」の2種類があります。
今回は、この2つの違いをわかりやすく解説します。


✅ 一種耐熱形・二種耐熱形の違い

 

種類 耐熱試験条件 キャビネット内部温度(30分後)
一種耐熱形 30分で840℃に達する火災を想定 280℃以下
二種耐熱形 30分で280℃に達する中規模火災を想定 105℃以下

どこにどの耐熱盤?一種・二種耐熱形の設置場所早見表!

火災時にも電気を供給し続けるために必要な「耐熱盤」。
でも、「一種?二種?どこにどれを使えばいいの?」と悩みがちですよね。

実は、建築基準法消防法の2つの法律で、設置場所に応じた配電盤の種類が決められています。


🏢 まずはざっくり分類!設置場所と選ぶべき耐熱盤

設置場所 おすすめの配電盤 理由・補足
防火区画内 一般形 or 二種耐熱形 火災が限定的。火元が少ない。
居室・機械室 一種耐熱形 火災のリスクが高く人もいるため。
廊下・階段(避難経路) 一種 or 二種 避難に支障が出ないようにする。
屋外(延焼あり) 一種耐熱形 火の回り込みが想定される。
屋外(その他) 二種耐熱形 延焼の恐れが小さい場所。

🧱 建築基準法による配電盤選定(表-1)

🔽

設置場所 使用する配電盤の種類
耐火区画の室 一般形
上記以外の室 二種耐熱形
居室 一種耐熱形
屋外(延焼の恐れ) 一種耐熱形
屋外(その他) 二種耐熱形
廊下(一般) 一種 or 二種耐熱形(※注2)
廊下(開放) 二種耐熱形
階段(一般) 一種 or 二種耐熱形(※注3)
避難階段・EVロビー 設置不可


🔍 ポイント:「延焼」「開放」「防火区画」などのワードに注目!


🔥 消防法による配電盤選定(表-2)

👷 消防設備を設計する際はこちらのルールも確認!

設置場所 使用する配電盤の種類
電気室 一般形
機械室 二種耐熱形
パイプシャフト 二種耐熱形
居室 二種耐熱形
屋外または屋上 二種耐熱形(※注3)
廊下・階段(一般) 一種耐熱形
避難階段・特別避難階 二種耐熱形(※注4)


✅ 最後に:選定フローチャート(図解)

以下のようなチャートで選定すると簡単です:

1. 火災時に避難経路 or 居室ですか?
└─ はい → 一種耐熱形
└─ いいえ

2. 屋外で延焼の恐れがありますか?
└─ はい → 一種耐熱形
└─ いいえ → 二種耐熱形

3. 防火区画内で安全な機器室など
└─ はい → 一般形または二種耐熱形



📝 まとめ

 

耐熱形種別 特徴 設置例
一種耐熱形 高温(840℃)に30分耐える 居室、避難経路、延焼の恐れがある場所
二種耐熱形 中温(280℃)に30分耐える 屋外(安全側)、廊下、パイプスペース
一般形 耐熱試験なし、安全な区画用 電気室など防火区画された設備室