技術図書館工事は場所を決めてから選ぶ見える・のぞける・のぞけない×乾湿の6区分と、どこでも使える管とケーブルの4つの工事この資料をスライドで見る資料一覧を見る
第二種電気工事士 合格カリキュラム学科④ 電気工事の施工方法
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配線工事には、金属管、合成樹脂管、ケーブル、がいし引き、ダクト類など、たくさんの種類があります。でも、どこでも好きな工事を使えるわけではありません。施工する場所によって、使える工事が決まっています。この記事では、施工場所の区分、場所ごとに使える工事、対応表、どこでも使える工事、場所が限られる工事を、図とたとえで1つずつ解説します。

結論

施工場所は展開・点検できる隠ぺい・点検できない隠ぺいの3つ×乾燥・湿気水気の6区分。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管(2種)・ケーブルはどこでも使え、それ以外は場所が限られます。

  • 「見える所・のぞける所・のぞけない所」で3区分
  • さらに乾燥か、湿気・水気かで分ける
  • 管とケーブルの工事はどこでも使える
  • がいし引きは点検できない隠ぺい場所に使えない
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
建物の断面で、露出していて見える展開した場所、点検口から天井裏をのぞける点検できる隠ぺい場所、壁の中などの点検できない隠ぺい場所を示した図
施工場所は「見える所・のぞける所・のぞけない所」に分かれます。

施工場所の区分 ― 見える・のぞける・のぞけない

施工場所は、まず次の3つに分けます。

区分 どんな場所か 例
展開した場所 配線が露出していて、見える所 工場や倉庫の露出配管、壁の表面
点検できる隠ぺい場所 隠れているが、点検口などからのぞける所 点検口のある天井裏
点検できない隠ぺい場所 隠れていて、点検できない所 壁の中、床の中、コンクリートの中
一般的な例

さらに、それぞれを乾燥した場所と湿気・水気のある場所に分けるので、全部で6区分になります。湿気・水気のある場所の例は、浴室まわり、地下室、屋外の軒下などです。

ひっかけ注意
天井裏でも、点検口があるかないかで区分が変わるんですね。
そうなんです。あとから点検できるかどうかで、トラブルに気づけるかが変わります。点検できない場所ほど、丈夫で信頼できる工事しか使えないんですよ。
ここまでのポイント
  • 展開・点検できる隠ぺい・点検できない隠ぺいの3区分
  • 乾燥・湿気水気と組み合わせて6区分
  • 点検できない場所ほど使える工事が限られる

場所ごとの工事 ― 切り替えて比べる

施工場所を展開・乾燥から点検できない隠ぺい・湿気水気まで6つ切り替えると、使える工事(がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ライティングダクト、セルラダクト、フロアダクト、平形保護層)が変わることを示した動く図解
動く図解:場所を切り替えると、使える工事が変わります。

いちばん多くの工事が使えるのは展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所です。反対に、点検できない隠ぺい場所の湿気・水気のある所では、管とケーブルの工事しか使えません。

ここまでのポイント
  • 乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所は選択肢が多い
  • 点検できない・湿気水気の場所は選択肢が少ない
  • 場所を決めてから工事を選ぶ

対応表 ― 12の工事と6つの場所

使用電圧300V以下の低圧屋内配線で、がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管(2種)、ケーブル、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ライティングダクト、セルラダクト、フロアダクト、平形保護層の各工事が、6つの施工場所で使えるかを○×で示した対応表
施工場所と工事の種類の対応表(300V以下)。

この表は、使用電圧300V以下の低圧屋内配線の場合です。300Vを超える場合は、使える工事がさらに限られます。それぞれの工事のくわしい決まりは、この連載の各回で解説しています。たとえば「電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】」「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」「電気設備の基本知識 #024【合成樹脂管工事】」などです。

ここまでのポイント
  • 12の工事×6つの場所で○×が決まる
  • 300V以下の場合の表
  • 300Vを超えるとさらに限られる


どこでも使える工事 ― 管とケーブル

どの施工場所でも使える工事として、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事(2種)、ケーブル工事の4つを並べた図
管とケーブルの工事は、場所を選びません。

合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事(2種)・ケーブル工事は、6つのどの区分でも使えます。電線を管やケーブルの外装でしっかり守るので、場所を選ばないのです。たとえるならオールシーズンのタイヤです。

📘 ただし細かな決まりは守る

どこでも使えるといっても、それぞれの工事の決まりは守ります。たとえば、合成樹脂管のうちCD管はコンクリートに埋め込む場所で使うもの、ケーブルでも重いものが当たる場所では防護する、などです。

ここまでのポイント
  • 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管(2種)・ケーブル
  • 6つのどの区分でも使える
  • それぞれの工事の決まりは守る

湿気・水気 ― 使える工事がぐっと減る

乾燥した場所では多くの工事が使えるが、浴室まわりや地下室、軒下などの湿気・水気のある場所では、線ぴやダクト類が使えなくなることを比べた動く図解
動く図解:水気のある場所では、水に強い工事が中心になります。

湿気・水気のある場所では、線ぴやダクト類が使えなくなります。溝や箱の形をした工事は、水が入りやすく、たまりやすいからです。使えるのは、水に強い管とケーブルの工事と、展開した場所・点検できる隠ぺい場所のがいし引き、展開した場所の屋外用バスダクトなどです。

ここまでのポイント
  • 湿気・水気の場所では線ぴ・ダクト類が使えない
  • 水に強い管とケーブルが中心
  • がいし引きは展開・点検できる隠ぺい場所なら使える

場所が限られる工事 ― 4つを押さえる

場所が限られる工事として、がいし引き(点検できない隠ぺい場所には使えない)、線ぴ・金属ダクト(乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所だけ)、フロアダクト(点検できない隠ぺい場所の乾燥した所だけ)、セルラダクト(隠ぺい場所の乾燥した所)を並べた図
場所が限られる工事は、個別に押さえます。
工事 使える場所(300V以下)
がいし引き工事 展開した場所・点検できる隠ぺい場所(乾燥・湿気水気とも)
金属線ぴ・金属ダクト・ライティングダクト 展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所
フロアダクト 点検できない隠ぺい場所の乾燥した所
セルラダクト 点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所の乾燥した所
平形保護層 点検できる隠ぺい場所の乾燥した所
電気設備技術基準の解釈(施設場所と工事の種類)をもとに作成

次の#021は「電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】」です。

ここまでのポイント
  • がいし引きは点検できない隠ぺい場所に使えない
  • 線ぴ・ダクト類は乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所
  • フロアダクトは点検できない隠ぺいの乾燥した所だけ


よくある質問

施工場所はどう区分されますか?

展開した場所(露出していて見える所)、点検できる隠ぺい場所(点検口から天井裏をのぞける所など)、点検できない隠ぺい場所(壁の中・床の中など)の3つと、乾燥した場所か、湿気・水気のある場所かの組み合わせで、6つに区分します。

どの場所でも使える工事は?

使用電圧300V以下の低圧屋内配線では、合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事(2種)・ケーブル工事が、6つのどの区分でも使えます。ただし、それぞれの工事の細かな決まり(CD管はコンクリート埋込み用など)は守ります。

がいし引き工事が使えるのはどこですか?

展開した場所と点検できる隠ぺい場所で使えます(乾燥・湿気水気とも)。点検できない隠ぺい場所には使えません。

フロアダクト工事が使えるのはどこですか?

点検できない隠ぺい場所の乾燥した所(コンクリートの床の中など)だけです。

湿気・水気のある場所で使えない工事は?

金属線ぴ・金属ダクト・ライティングダクト・フロアダクト・セルラダクト・平形保護層などは、湿気・水気のある場所では使えません。バスダクトは、展開した湿気・水気のある場所なら屋外用バスダクトに限って使えます。

ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。内線規程・電気工事士資格・住宅の電気設備を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。