電気設備の基本知識 #020【施工場所と工事の種類】
配線工事には、金属管、合成樹脂管、ケーブル、がいし引き、ダクト類など、たくさんの種類があります。でも、どこでも好きな工事を使えるわけではありません。施工する場所によって、使える工事が決まっています。この記事では、施工場所の区分、場所ごとに使える工事、対応表、どこでも使える工事、場所が限られる工事を、図とたとえで1つずつ解説します。
結論
施工場所は展開・点検できる隠ぺい・点検できない隠ぺいの3つ×乾燥・湿気水気の6区分。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管(2種)・ケーブルはどこでも使え、それ以外は場所が限られます。
- 「見える所・のぞける所・のぞけない所」で3区分
- さらに乾燥か、湿気・水気かで分ける
- 管とケーブルの工事はどこでも使える
- がいし引きは点検できない隠ぺい場所に使えない
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施工場所の区分 ― 見える・のぞける・のぞけない
施工場所は、まず次の3つに分けます。
| 区分 | どんな場所か | 例 |
|---|---|---|
| 展開した場所 | 配線が露出していて、見える所 | 工場や倉庫の露出配管、壁の表面 |
| 点検できる隠ぺい場所 | 隠れているが、点検口などからのぞける所 | 点検口のある天井裏 |
| 点検できない隠ぺい場所 | 隠れていて、点検できない所 | 壁の中、床の中、コンクリートの中 |
さらに、それぞれを乾燥した場所と湿気・水気のある場所に分けるので、全部で6区分になります。湿気・水気のある場所の例は、浴室まわり、地下室、屋外の軒下などです。
- 展開・点検できる隠ぺい・点検できない隠ぺいの3区分
- 乾燥・湿気水気と組み合わせて6区分
- 点検できない場所ほど使える工事が限られる
場所ごとの工事 ― 切り替えて比べる
いちばん多くの工事が使えるのは展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所です。反対に、点検できない隠ぺい場所の湿気・水気のある所では、管とケーブルの工事しか使えません。
- 乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所は選択肢が多い
- 点検できない・湿気水気の場所は選択肢が少ない
- 場所を決めてから工事を選ぶ
対応表 ― 12の工事と6つの場所
この表は、使用電圧300V以下の低圧屋内配線の場合です。300Vを超える場合は、使える工事がさらに限られます。それぞれの工事のくわしい決まりは、この連載の各回で解説しています。たとえば「電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】」「電気設備の基本知識 #022【ケーブル工事】」「電気設備の基本知識 #024【合成樹脂管工事】」などです。
- 12の工事×6つの場所で○×が決まる
- 300V以下の場合の表
- 300Vを超えるとさらに限られる
どこでも使える工事 ― 管とケーブル
合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事(2種)・ケーブル工事は、6つのどの区分でも使えます。電線を管やケーブルの外装でしっかり守るので、場所を選ばないのです。たとえるならオールシーズンのタイヤです。
📘 ただし細かな決まりは守る
どこでも使えるといっても、それぞれの工事の決まりは守ります。たとえば、合成樹脂管のうちCD管はコンクリートに埋め込む場所で使うもの、ケーブルでも重いものが当たる場所では防護する、などです。
- 合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管(2種)・ケーブル
- 6つのどの区分でも使える
- それぞれの工事の決まりは守る
湿気・水気 ― 使える工事がぐっと減る
湿気・水気のある場所では、線ぴやダクト類が使えなくなります。溝や箱の形をした工事は、水が入りやすく、たまりやすいからです。使えるのは、水に強い管とケーブルの工事と、展開した場所・点検できる隠ぺい場所のがいし引き、展開した場所の屋外用バスダクトなどです。
- 湿気・水気の場所では線ぴ・ダクト類が使えない
- 水に強い管とケーブルが中心
- がいし引きは展開・点検できる隠ぺい場所なら使える
場所が限られる工事 ― 4つを押さえる
| 工事 | 使える場所(300V以下) |
|---|---|
| がいし引き工事 | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所(乾燥・湿気水気とも) |
| 金属線ぴ・金属ダクト・ライティングダクト | 展開した場所・点検できる隠ぺい場所の乾燥した所 |
| フロアダクト | 点検できない隠ぺい場所の乾燥した所 |
| セルラダクト | 点検できる隠ぺい場所・点検できない隠ぺい場所の乾燥した所 |
| 平形保護層 | 点検できる隠ぺい場所の乾燥した所 |
次の#021は「電気設備の基本知識 #021【がいし引き工事】」です。
- がいし引きは点検できない隠ぺい場所に使えない
- 線ぴ・ダクト類は乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所
- フロアダクトは点検できない隠ぺいの乾燥した所だけ
よくある質問
施工場所はどう区分されますか?
展開した場所(露出していて見える所)、点検できる隠ぺい場所(点検口から天井裏をのぞける所など)、点検できない隠ぺい場所(壁の中・床の中など)の3つと、乾燥した場所か、湿気・水気のある場所かの組み合わせで、6つに区分します。
どの場所でも使える工事は?
使用電圧300V以下の低圧屋内配線では、合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事(2種)・ケーブル工事が、6つのどの区分でも使えます。ただし、それぞれの工事の細かな決まり(CD管はコンクリート埋込み用など)は守ります。
がいし引き工事が使えるのはどこですか?
展開した場所と点検できる隠ぺい場所で使えます(乾燥・湿気水気とも)。点検できない隠ぺい場所には使えません。
フロアダクト工事が使えるのはどこですか?
点検できない隠ぺい場所の乾燥した所(コンクリートの床の中など)だけです。
湿気・水気のある場所で使えない工事は?
金属線ぴ・金属ダクト・ライティングダクト・フロアダクト・セルラダクト・平形保護層などは、湿気・水気のある場所では使えません。バスダクトは、展開した湿気・水気のある場所なら屋外用バスダクトに限って使えます。
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